転生したらダンジョン雲になった訳

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1章魔獣になりましょう

68話白い巨神

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 その後、羊村は全てが炎で焼かれ、半数以上の犠牲者を出した。
 したがって、生き残り羊族はこの故郷には住めず、隣の風谷村に転居することになった。
 当然、シエラ達も同様にそうした。
 そして、肝心のカエラの容態だが、危険な状態で、生死をさ迷っていたが、無事回復することができた。
 きっと、娘達だけを残して置くことは出来ないという強い意志で生き返ったのだろう。
 すると、病み上がりのカエラが起き上がり、アタマカラに、頭を下げる。
 涙ながらに、娘達を救ってくれたことに精一杯の感謝を示した。

「ありがとうございました」

「いや、そんな礼なんていらないです」

「本当に……ありがとう」

 アタマカラは頭を掻きながら、恥ずかしくなってしまう。
 感謝されることに慣れていないのだ。
 そこへ、シエラ、ミエが家の中へ入って来た。
 きゃきゃと年頃の娘のように笑い合う二人。
 やはり、母の力は強いものだと感じる。
 同時にアタマカラ自身も母を救ってくれたことに感謝しなければならないと思った。

「あ! 雲さんだぁ!」

「本当だね」

「雲さん! 雲さん!」
 
 元気良く飛び付く、銀髪の小さな少女は満面の笑みを向ける。
 シエラはお姉さんだからと云うように、その不躾な態度に楽しそうに制止をする。
 一方、カエラはその慎ましやかな光景に、小さく笑う。
 明るい光が射して、彼女はとても幸せそうだった。

「シエラ……ミエ……アタマカラさんが困ってますよ」

 アタマカラはこの村から旅立つ為に、外へと出た。
 ふと見ると、目の前に樽の上に座ってる青白い逞しい鎧を装備した巨神がいた。
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