魔王異世界勇者伝

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一話

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 どうやら俺は魔王として転生したらしい。

 俺は生後一ヶ月から色々分野での英才教育を施された。そのおかげか、ステータスは全てカンスト状態。魔法は全て習得している。
 ちなみに、歴代魔王の内最強らしい。
魔王と言われると大半の人間は巨大な悪魔や魔物を想像するだろうが、俺は完全なる人型だ。ほんっとに人間。悪魔要素ゼロ。
 そんな俺は魔王に見えないらしい。勇者が俺の前に姿を現したとき、俺の姿を見て鼻で笑いやがった。
 気に食わなかったんで、十五秒で抹殺してやった。
 完全なる自慢だが俺はこの十七年、一度も負けたことがない。
 偶に来てしまう、あの勇者でさえも俺と一分間対峙できたやつはいない。

 交通事故で死んでから約十七年。
 俺はあの薄気味悪い魔王城の頂点として君臨し続けてきた。
 そんな俺だが、昨日魔王城を抜け出してきた。
 理由というのは簡単で、今日俺は十八歳になった。十八歳になると、正式に魔王として認められるらしいのだが、俺はそれが嫌だった。
 魔王の寿命は約九百年。その間一回も外に出ず、ずっと魔王城の中にいなくてはならないらしい。
 あんな暗くてじめじめして嫌な雰囲気なところ九百年も居れるわけがない。
 なので俺は人型ということを生かして、魔王というのがばれないように、ひっそりと生きていくことにした。

 俺は夜歩き続けて着いた野原にいた。
 広大な黄緑色の原っぱ中に小さい池がある。少し盛り上がっているところまでくると遠くに巨大な雲がかかった山が見えた。
 天気は晴天。秋を感じさせる、冷たい風が吹いていた。
 一晩中歩いた体はステータスのおかげで疲労感は感じさせないものの、睡魔が襲いかかってきている。
 俺は、この野原で一本しか生えてない木の木陰に身を沈めた。
 あー疲れた。
 十七年間で初めて浴びた日の光は何か昔を感じさせる懐かしさがあった。
 そして、重くなってきた瞼を身のままに閉じた。

 何時間寝たんだろうか。周りが少しうるさい気がする。
 その時だった。
 甲高い女の悲鳴がここら一帯に木霊した。
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