Two Runner

ハロー！異世界！

兄弟

 彼は気持ちよさそうに歌を歌いながら、風呂掃除をしていた。

 すると、外からバイクの音が聞こえてきて、彼の弟が帰ってきた事を知った、

 彼からすると、とてもいじりがいのある弟だ。

 今日はどういう風にいじってやろうか。

 彼はそう思いながら少し笑って、暗くなるのが早くなってきたこの季節、早々と家の雨戸を閉めた。

 親は共働きで今日は家にいない。

 というか、しばらく二人とも出張で帰ってこない。

 つまりパーリータイムなのだ。

 話がずれたが、そうこうしていると、家の扉が開いた。

「カンリーロード！！テイクミーホー！……おっ、帰ってきたか！とっちー！」

「はいはい、ただいまただいま、あとその歌外まで聞こえてきてるからな？」

「そうか！カンリーロード！！テイクミーホー！トゥーザプレーイス！」

「だからぁ………はぁ」

 歌声にウンザリしながら弟は手洗いうがいを済ませて、制服を和室に掛けてシャツ姿となった。

「とっちー！今日は何見る！？アレかなーコレかなー？」

「何でもええよ……できればアレがええな」

「おっけー！」

 大体テキトーでバカな兄弟なので彼らはそこら辺のことは細かく言わない。

 彼は借りてきたアニメを見るため、テレビをつけるとワクワクしながらメガネをかけてテレビ前で待機しようとソファに座ると、

「あっ！忘れてた！」

 そう言って彼は立ち上がってしまいこんでいた、ササミとコーラを取り出して、弟に、

「いっぱい飲むか？」

 と、聞いた。

 弟は軽く鼻で笑うと、ちょっと笑って、

「そうしよかな？」

 と、言った。

 彼は笑って弟のコップにコーラを並々注いでやると、今度こそとソファに座った。

そして、彼らはひとしきり話し合い、笑い合いながら、とりとめもなくしょーもない事を話しながらアニメを見ていると、コーラが切れていることに気がついた。

「むっ、コーラが……よし、弟よ」

「いってらっしゃーい」

「お前も飲んだよな？」

「いってらっしゃーい」

「お前なぁ「いってらっしゃーい」よし、歩いてでも行くぞ」

「何でお前はこういう時だけ、デブのくせして行動力があるんだよ！？」

「兄貴をなめるなぁぁぁぁぁ！！」

「クソあにきぃぃぃぃぃぃぃ！！」

 と、言うことで彼らは歩いて近くのコンビニに行くことになった。

「……おっ、ポケ○ンみっけ」

「歩きスマホはあぶねーぞ、とっちー」

 そう言いながらもツイッターの神絵師による、絵にいいねをする兄を弟は横目に見ながら、二人はテクテクと歩いた。

 そして、兄は唐突に空を見て、ふふと笑った。

「もうじきクリスマスか……」

「よっちーは、何買うん？」

「ちょっきーん」

「ふーん」

 弟の冷たい態度にちょっとつまらなく思いながら、兄はコンビニの自動ドアが開くのを待って、そして、中に入った。

 そして、その先にあったのは真っ暗闇な空間だった。