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Category 4 : Anxiety
4 : Boiling
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ロサンゼルスの正午前、都市中心部にある高層ビル。
その中にある調理室で鼻歌を歌いながら懸命に働くのは、長い灰髪を後ろで束ね、エプロンを着た少女、アンジュリーナの姿だ。
彼女はIHコンロの真下にある棚から底の深い大きな鍋を取り出し、コンロの上に置く。調理台へまな板と包丁を置いた。
料理は、西暦二〇四〇年代頃から万能調理ロボットの普及が進み、一部の人間による趣味と化していた。尚、第三次世界大戦により生活水準が低下し、台所に立つ者は増えた。
特に女性は趣味でやる者が多い。アンジュリーナもその内の一人だった。
冷蔵庫を開け出したのは、牛肉、ジャガイモ、ニンジン、キャベツ、タマネギ、ビーツ(紫色の根菜の一種)、トマト、ニンニク、そしてこれらの食材は調理台の上へ。
トマトは既に皮が剥かれ、ビーツは紫色の煮汁と共に容器に入っている。
ジャガイモとニンジンの皮を剥き、二、三センチメートル角に切る。キャベツとタマネギも同様の大きさにカット。ニンニクを細かく刻む。
電磁誘導による熱で鍋を温め、バターとオリーブオイルと刻んだニンニクを投入。中火にする。
鍋が充分に熱を帯びたところで牛肉を入れ、炒める。肉の赤みが茶色に変わると、カットしたジャガイモ、ニンジン、キャベツ、タマネギをまな板ごと持ち上げ、滑り落とす。
食材が油と馴染むまで炒めた後、今度は水を鍋の八分目まで入れた。そこへトマトとビーツを加え、鍋に蓋を被せる。
「後は、三十分待ってと……懐かしいなあ」
アンジュリーナはタイマーを三十分後に設定し、調理室の隣のダイニングテーブルの椅子に腰掛けた。
「おばあちゃん元気かなあ」
「何だ?」
「ひえっ?!」
不意に後ろから降り掛かった冷たい言葉に少女は思わず飛び上がりそうになった。
条件反射的にビクッと後ろを向く。そこにあったのは親しい少年の姿だった。
「な、なんだ、アダム君だったんだ……おどかさないでよ……」
平坦な声を掛けた側のアダムからすれば何故こんな事に驚くのか、という疑問がある。それ以前に、
「何故誰も居ないのに喋っていた?」
彼が見たところ、付近には他に人の姿は無い。アンジュリーナは尋問されている気分になり、焦りながら言った。
「い、いや、ひ、独り言よ。べ、別に何でもないわ」
それを聞いた少年は何故これだけ緊張しながら言うのだろうか、と疑問に思ったに違いない。
「……そうだ、良かったら私が話をしようかしら? そこに座って」
アダムが動く前に慌てて言葉で先手を打つ。彼はアンジュリーナが指した隣の椅子に座った。
「何の話だ?」
提案を受け入れた少年。普段からアダムは無表情で、何気ない行為や言動が怖い雰囲気を生み出す事もある。
だが、少女は彼が単に知りたがりである事も知っている。深呼吸――心を落ち着かせ、自身の心拍が下がるのを確認しながら喋り始めた。
「今さっきまで今日来ている皆の分の料理を作っていたの。ボルシチっていうロシアの郷土料理スープよ」
「ロシア?」
「ここアメリカの海を超えた大陸の北の奥の方にあるの。私のふるさとよ」
子供の如く頭上にクエスチョンマークを浮かべるアダムに対し、アンジュリーナの表情は大人びて遠くを見るような目をしていた。
「寒いけど、良い所よ。私が住んでいたのはサンクトペテルブルグっていう東の方。古い街並みが好きだったわ。でも地球管理組織に支配されているの……私達は圧政から逃れる為に田舎のずっと東の方に逃げたけど……」
何時の間にかアンジュリーナは憂いを帯びていた。悲しみに耐えるような顔つきだった。しかし、アンジュリーナは話の脱線に自分で気付き、顔を横に振ると言う。
「ごめんなさい、話が暗くなっちゃって……」
「別に良い。何が話したい?」
少年の冷酷な言葉が幸いにも少女を悲しみから逃がした。再び懐かしむように話を再開する。
「それでね、このボルシチとか他にも色んな料理を小さい頃からおばあちゃんに教えて貰ったの。おばあちゃんは優しくて料理が上手かったわ」
アダムは話を止めなかった。結果、アンジュリーナは思うがままに喋った。
「私は故郷が好き。古い街並みや優しい人々が好きよ。だから取り戻したいの」
「故郷……」
アダムがふと発した。少女は語るのを止め、話題を重ねる。
「……アダム君は、故郷とか、家族とかの事は思い出せないの?」
そして質問。対するアダムは、
「分からない」
とだけ無表情のまま告げた。しかし彼女は引き下がらなかった。
「……何でも良いの、分かる事だけでも良いから。とにかく貴方を助けたい……」
アダムは即刻相手の企みを察した。そして彼は長い沈黙の挙句、口をようやく開いた。
「……何かが見えた。この前の戦闘後からだ」
「詳しく教えてくれる?」
やっと心を開いた様に思われたアダム、語り始める。
「何処かは分からない。閉鎖された部屋だった。自分はそこにあった台で仰向けになっていた。体は動かなかった……」
語りは突然口ごもったまま中断された。話し難いのだろうか。少女が促す。
「続けられる?」
「……誰なのかは分からない。部屋に誰かが入った。注射器を持ち、自分の腕に差し、何かを注入した……」
アダムの堅い顔に流れる一滴の汗をアンジュリーナは見逃さなかった。
「大丈夫? 無理しなくて良いわ」
「何とか……だがこれ以上は分からない……」
椅子に座ったままのアダムへアンジュリーナが寄り添う。だが、
「触れないでくれ」
冷たい発言が少年から発せられ、鋭い眼光に一瞬アンジュリーナが停止する。
「……いいえ、私は……」
カタカタカタ――二人の意識に後ろからの雑音が割り込んだ。慌てて振り向くと、コンロの上にあった鍋の蓋が蒸気で揺れ、側面からは水が漏れ、今にも鍋から離れそうな勢いだった。
「ひゃっ?! ど、どうして?!」
あたふたしながらポニーテールを揺らし、キッチンに駆け込む少女。アダムは苦しみから解放され、ため息を吐いた。
「し、しまったあ……中火のままだった……」
火力調節ツマミを左に回し、半分外れかかった蓋を直し、テーブルに戻ったアンジュリーナ。アダムに話を続ける気はもはや無いらしい。
「……さっき、私ったら間違えて中火にして、それで沸騰しちゃったみたい……」
少年は聞くだけ返さない。独り言を呟いたような気分になった少女は恥ずかしくて顔を赤らめる事になった。もっとも、アダムは気にしないだろうが。
「勝って来る」
そう言い残し、レックスは目の前の青と黒に塗装されたバイクに飛び乗った。それを見守るのはクラウディア。
クラウディアがバイクの右側から駆け寄る。既にバイクと同色のフルフェイスヘルメットがラテン人の顔を覆っていた。
「良いマシンだろ? 今朝改造して貰ったばかりでね、究極のスピードを目指しているんだ。これで勝てば二十連勝さ」
「強気だな」
「勝算があるんだ。それに美人の前では格好良い所見せなきゃな」
強気なジョークにスウェーデン人が微笑みはにかんだ。女性が下がるとヘルメットのバイザー部分が左を向いた。
「レックス、女はフラグだぜ」
「試してみるか? 幸運の女神だと思うね俺は」
「まあ運で決まる程安い俺達じゃねえ。真剣な一マイルの実力勝負だ」
「分かってるっての。だが今回も俺が勝つぜ」
「賭金は七百五十、いや千ドルでどうだ?」
「良いんじゃねえ?成立だ」
軽いレックスの賛同。左隣の赤いバイクに乗る男は正面を向いた。
両者がアクセルを空ぶかしする中、一人のある女性が二人の中間に立った。
赤いヒールを履いたその女性はカールした長い金髪をたなびかせ、高らかに呼び掛ける。
「準備は良い?」
「勿論だ」
「何時でも良いぜ」
中央の女性は右手の人差し指を伸ばし、高々と挙げた。
「レックス、負けるんじゃいないぞ!」
「言われるまでもねえ!」
後ろからの親しい女性の強い呼び掛けに青年も強く応じた。
「レディ! ……」
両者がグリップに力を込める。
「ゴー!!!!!」
女性の合図に合わせ、轟く二つのマフラー。二つの細く流線型の車体が横で眺めるギャラリーを通り過ぎた。
(盛り上がっているなレックス。勝つんだぞ)
百メートル先のコーナーを九十度横に曲がった二台を遠目に、クラウディアが心の中で呟いた。
その中にある調理室で鼻歌を歌いながら懸命に働くのは、長い灰髪を後ろで束ね、エプロンを着た少女、アンジュリーナの姿だ。
彼女はIHコンロの真下にある棚から底の深い大きな鍋を取り出し、コンロの上に置く。調理台へまな板と包丁を置いた。
料理は、西暦二〇四〇年代頃から万能調理ロボットの普及が進み、一部の人間による趣味と化していた。尚、第三次世界大戦により生活水準が低下し、台所に立つ者は増えた。
特に女性は趣味でやる者が多い。アンジュリーナもその内の一人だった。
冷蔵庫を開け出したのは、牛肉、ジャガイモ、ニンジン、キャベツ、タマネギ、ビーツ(紫色の根菜の一種)、トマト、ニンニク、そしてこれらの食材は調理台の上へ。
トマトは既に皮が剥かれ、ビーツは紫色の煮汁と共に容器に入っている。
ジャガイモとニンジンの皮を剥き、二、三センチメートル角に切る。キャベツとタマネギも同様の大きさにカット。ニンニクを細かく刻む。
電磁誘導による熱で鍋を温め、バターとオリーブオイルと刻んだニンニクを投入。中火にする。
鍋が充分に熱を帯びたところで牛肉を入れ、炒める。肉の赤みが茶色に変わると、カットしたジャガイモ、ニンジン、キャベツ、タマネギをまな板ごと持ち上げ、滑り落とす。
食材が油と馴染むまで炒めた後、今度は水を鍋の八分目まで入れた。そこへトマトとビーツを加え、鍋に蓋を被せる。
「後は、三十分待ってと……懐かしいなあ」
アンジュリーナはタイマーを三十分後に設定し、調理室の隣のダイニングテーブルの椅子に腰掛けた。
「おばあちゃん元気かなあ」
「何だ?」
「ひえっ?!」
不意に後ろから降り掛かった冷たい言葉に少女は思わず飛び上がりそうになった。
条件反射的にビクッと後ろを向く。そこにあったのは親しい少年の姿だった。
「な、なんだ、アダム君だったんだ……おどかさないでよ……」
平坦な声を掛けた側のアダムからすれば何故こんな事に驚くのか、という疑問がある。それ以前に、
「何故誰も居ないのに喋っていた?」
彼が見たところ、付近には他に人の姿は無い。アンジュリーナは尋問されている気分になり、焦りながら言った。
「い、いや、ひ、独り言よ。べ、別に何でもないわ」
それを聞いた少年は何故これだけ緊張しながら言うのだろうか、と疑問に思ったに違いない。
「……そうだ、良かったら私が話をしようかしら? そこに座って」
アダムが動く前に慌てて言葉で先手を打つ。彼はアンジュリーナが指した隣の椅子に座った。
「何の話だ?」
提案を受け入れた少年。普段からアダムは無表情で、何気ない行為や言動が怖い雰囲気を生み出す事もある。
だが、少女は彼が単に知りたがりである事も知っている。深呼吸――心を落ち着かせ、自身の心拍が下がるのを確認しながら喋り始めた。
「今さっきまで今日来ている皆の分の料理を作っていたの。ボルシチっていうロシアの郷土料理スープよ」
「ロシア?」
「ここアメリカの海を超えた大陸の北の奥の方にあるの。私のふるさとよ」
子供の如く頭上にクエスチョンマークを浮かべるアダムに対し、アンジュリーナの表情は大人びて遠くを見るような目をしていた。
「寒いけど、良い所よ。私が住んでいたのはサンクトペテルブルグっていう東の方。古い街並みが好きだったわ。でも地球管理組織に支配されているの……私達は圧政から逃れる為に田舎のずっと東の方に逃げたけど……」
何時の間にかアンジュリーナは憂いを帯びていた。悲しみに耐えるような顔つきだった。しかし、アンジュリーナは話の脱線に自分で気付き、顔を横に振ると言う。
「ごめんなさい、話が暗くなっちゃって……」
「別に良い。何が話したい?」
少年の冷酷な言葉が幸いにも少女を悲しみから逃がした。再び懐かしむように話を再開する。
「それでね、このボルシチとか他にも色んな料理を小さい頃からおばあちゃんに教えて貰ったの。おばあちゃんは優しくて料理が上手かったわ」
アダムは話を止めなかった。結果、アンジュリーナは思うがままに喋った。
「私は故郷が好き。古い街並みや優しい人々が好きよ。だから取り戻したいの」
「故郷……」
アダムがふと発した。少女は語るのを止め、話題を重ねる。
「……アダム君は、故郷とか、家族とかの事は思い出せないの?」
そして質問。対するアダムは、
「分からない」
とだけ無表情のまま告げた。しかし彼女は引き下がらなかった。
「……何でも良いの、分かる事だけでも良いから。とにかく貴方を助けたい……」
アダムは即刻相手の企みを察した。そして彼は長い沈黙の挙句、口をようやく開いた。
「……何かが見えた。この前の戦闘後からだ」
「詳しく教えてくれる?」
やっと心を開いた様に思われたアダム、語り始める。
「何処かは分からない。閉鎖された部屋だった。自分はそこにあった台で仰向けになっていた。体は動かなかった……」
語りは突然口ごもったまま中断された。話し難いのだろうか。少女が促す。
「続けられる?」
「……誰なのかは分からない。部屋に誰かが入った。注射器を持ち、自分の腕に差し、何かを注入した……」
アダムの堅い顔に流れる一滴の汗をアンジュリーナは見逃さなかった。
「大丈夫? 無理しなくて良いわ」
「何とか……だがこれ以上は分からない……」
椅子に座ったままのアダムへアンジュリーナが寄り添う。だが、
「触れないでくれ」
冷たい発言が少年から発せられ、鋭い眼光に一瞬アンジュリーナが停止する。
「……いいえ、私は……」
カタカタカタ――二人の意識に後ろからの雑音が割り込んだ。慌てて振り向くと、コンロの上にあった鍋の蓋が蒸気で揺れ、側面からは水が漏れ、今にも鍋から離れそうな勢いだった。
「ひゃっ?! ど、どうして?!」
あたふたしながらポニーテールを揺らし、キッチンに駆け込む少女。アダムは苦しみから解放され、ため息を吐いた。
「し、しまったあ……中火のままだった……」
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「……さっき、私ったら間違えて中火にして、それで沸騰しちゃったみたい……」
少年は聞くだけ返さない。独り言を呟いたような気分になった少女は恥ずかしくて顔を赤らめる事になった。もっとも、アダムは気にしないだろうが。
「勝って来る」
そう言い残し、レックスは目の前の青と黒に塗装されたバイクに飛び乗った。それを見守るのはクラウディア。
クラウディアがバイクの右側から駆け寄る。既にバイクと同色のフルフェイスヘルメットがラテン人の顔を覆っていた。
「良いマシンだろ? 今朝改造して貰ったばかりでね、究極のスピードを目指しているんだ。これで勝てば二十連勝さ」
「強気だな」
「勝算があるんだ。それに美人の前では格好良い所見せなきゃな」
強気なジョークにスウェーデン人が微笑みはにかんだ。女性が下がるとヘルメットのバイザー部分が左を向いた。
「レックス、女はフラグだぜ」
「試してみるか? 幸運の女神だと思うね俺は」
「まあ運で決まる程安い俺達じゃねえ。真剣な一マイルの実力勝負だ」
「分かってるっての。だが今回も俺が勝つぜ」
「賭金は七百五十、いや千ドルでどうだ?」
「良いんじゃねえ?成立だ」
軽いレックスの賛同。左隣の赤いバイクに乗る男は正面を向いた。
両者がアクセルを空ぶかしする中、一人のある女性が二人の中間に立った。
赤いヒールを履いたその女性はカールした長い金髪をたなびかせ、高らかに呼び掛ける。
「準備は良い?」
「勿論だ」
「何時でも良いぜ」
中央の女性は右手の人差し指を伸ばし、高々と挙げた。
「レックス、負けるんじゃいないぞ!」
「言われるまでもねえ!」
後ろからの親しい女性の強い呼び掛けに青年も強く応じた。
「レディ! ……」
両者がグリップに力を込める。
「ゴー!!!!!」
女性の合図に合わせ、轟く二つのマフラー。二つの細く流線型の車体が横で眺めるギャラリーを通り過ぎた。
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