3 / 129
お誘い
しおりを挟む
さて、朝は色々あったがとりあえず学校に来た。
最初は仮病で学校を休もうかとも考えたけど幸い使おうとしっかり意識しないと魔法は発動しないみたいだ。
え?寝てるときに使ってたじゃないかって?確かにそうだ。でもあれは無意識の状態だったからですぅ。ノーカンですぅ。おねしょみたいなものですぅ。あれ?これはこれではずかしいのでは?
おねむりしながら魔法、略しておね魔、うん、非常に恥ずかしい。
そもそも僕は仮病と言ったものを使ったことがない。いや、使おうとした事はあるんだけどその全てがことごとく母さんにバレて失敗してしまうんだ。そんな理由もあって僕は仮病を使うのが好きじゃない。
それでこれからどうしようか。病院は・・・・・だめだ、どこかの怪しい施設や組織に連れ去られる未来しか見えない
学校へ来た僕は平穏に何事も無く一日を過ごせた。相変わらず鈴音の態度はそっけない、と言うか喋ってない。
縁少し寂しい、ショボン。いかんいかん廻理花のぶりっ子が伝染ってしまった。
そんな事を考えながら終わりのSHRが終わって帰ろうとした僕の服を鈴音が引っ張ってきた。
「縁君縁君、ちょっといいかな?」
何だ?先程までのよそよそしい態度に打って変わってやけに馴れ馴れしく話しかけてくるな。一体何があったんだ。
「なに?」
「えーっとね。あのね。」
そう言いながら鈴音は頬を赤く染めて髪をくりくりと弄りながらもじもじと僕の事をじっと見ている。早く言えよ、僕だって暇じゃないんだぞ。
鈴音はしばらく僕の方を見ていたが思い切ったように口を開いた。
「い、一緒に帰ろ!」
はへ?今なんて言った?
廊下を歩いている僕の隣を鈴音が一緒に歩いている。
先程までのそっけない態度はどこへ行ったのやらとても楽しそうに話しかけてくる。気分の乗ってる時の廻理花みたいだ。
そんな態度に僕はとまどって「あ、ああ。」とか、「う、うん」とかしか言えない。
「と、ところで北見さん。」
「鈴音。」
「・・・・・・へ?」
「鈴音で良いよ、私も縁君って呼んでるから。」
何だこの女?本当にどうしたんだ。まさか僕が気づかずに変な魔法でも使ってしまったんだろうか。態度を真逆にする魔法とかか?
「で、何?縁君。」
何?って本当に分からないのか?
「何でほとんど喋ってない僕なんかに一緒に帰ろうなんて言ったんだ?」
「何でって、私達幼馴染だよ?そりゃ小学校に上がった頃引っ越したけど、それに昨日は少し緊張しちゃたから。」
何だって?僕の幼馴染は遺憾だが廻理花しかいないぞ。これはやっぱり魔法関連だな。記憶操作の魔法なんてあるのだろうか。
それとも本当に僕が忘れているだけか?後者だとしたら最初の挨拶の反応も納得できる。本当に幼馴染なのだとしたら僕のあの態度はかなり腹が立つだろう。それに幼馴染と言われれば何か頭の中で引っかかっる感じがする。
あれ?本当に僕が忘れているだけなのか?
僕が立ち止まり黙って悩んでいるのを見て鈴音はため息をついた。
「やっぱり憶えてないのね。昨日の挨拶でもしかしてと思ったけど流石に幼馴染を忘れるなんて信じたくなかったわ。」
うっ、耳が痛い。どうやら後者が正解みたいだ。王道パターンだとかあんなに盛り上がっていたのが恥ずかしい。
「ご、ごめん。本当に憶えてないんだ。」
僕が謝ると鈴音があっさりと
「ま、良いわよ。」
と許したくれた。
「え?良いのかよ。」
「良いわよ。だってそれでも縁君の事が好きなんだもん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今凄い事をさらっと言ったな。
好き発言から一方的に僕だけ少し気まずくなった僕達が正門に行くと何故か廻理花が立っていた。
「やっほー縁ー、鈴音。やっと来たんだね。廻理花待ちすぎて足が疲れちゃったよ。さっ行こう行こう。」
「あれっ?廻理花も一緒なのか?」
「そうだよ。ねぇエリちゃん聞いてよー。縁君ったらやっぱり私の事忘れてたんだよ。」
そんなこと言っていたから鈴音も少しは根に持ってたみたいだ。
「えっ?そうなの?縁ったら鈴音の事忘れるなんてひどいんだぞ!きゃぴ!」
僕は君を殴りたいんだぞ!きゃぴ!・・・しまった。ついきゃぴ!に反応してしまった。
それは置いといて廻理花と鈴音が初日から仲が良かったのは幼馴染だったからか。
これは魔法云々ではなくてマジで僕が忘れているだけな気がしてきたな。と言うか忘れているそのものだな。
でもやっぱり憶えていないな。廻理花と仲が良いって事は僕ともそれなりに接点があるはずなのに全く分からない。
幼馴染と言われれば何かが引っかかってるような感じがするんだけど、からそれだけだしなぁ。
記憶の波から鈴音のことを探しつつ正門を出ると僕達を呼び止める声がした。
「あっ、お兄ちゃん!やっと見つけた。」
そう言って妹の輪名が息を切らして走ってきた。何故輪名がここに?
「おっそいよー輪名ちゃんどこ行ってたの?きゃぴ!」
「ごめん廻理花姉、間違えて別の高校に行ってて。」
うっかりにも限度があるだろ。兄の行ってる高校を間違えるか普通。
「さっ全員揃ったことだし行こうか。きゃぴ!」
「あれっ?帰るんじゃないのか?」
「縁君ごめんねー。帰る前に皆で行かないといけない所があるの。」
一体どこに行く気だ?はっ!まさか僕を狙う組織の仲間か!もう僕が力に目覚めた事に勘付いて・・・・・んなバカな。多分買い物かゲーセンとかだろ。
最初は仮病で学校を休もうかとも考えたけど幸い使おうとしっかり意識しないと魔法は発動しないみたいだ。
え?寝てるときに使ってたじゃないかって?確かにそうだ。でもあれは無意識の状態だったからですぅ。ノーカンですぅ。おねしょみたいなものですぅ。あれ?これはこれではずかしいのでは?
おねむりしながら魔法、略しておね魔、うん、非常に恥ずかしい。
そもそも僕は仮病と言ったものを使ったことがない。いや、使おうとした事はあるんだけどその全てがことごとく母さんにバレて失敗してしまうんだ。そんな理由もあって僕は仮病を使うのが好きじゃない。
それでこれからどうしようか。病院は・・・・・だめだ、どこかの怪しい施設や組織に連れ去られる未来しか見えない
学校へ来た僕は平穏に何事も無く一日を過ごせた。相変わらず鈴音の態度はそっけない、と言うか喋ってない。
縁少し寂しい、ショボン。いかんいかん廻理花のぶりっ子が伝染ってしまった。
そんな事を考えながら終わりのSHRが終わって帰ろうとした僕の服を鈴音が引っ張ってきた。
「縁君縁君、ちょっといいかな?」
何だ?先程までのよそよそしい態度に打って変わってやけに馴れ馴れしく話しかけてくるな。一体何があったんだ。
「なに?」
「えーっとね。あのね。」
そう言いながら鈴音は頬を赤く染めて髪をくりくりと弄りながらもじもじと僕の事をじっと見ている。早く言えよ、僕だって暇じゃないんだぞ。
鈴音はしばらく僕の方を見ていたが思い切ったように口を開いた。
「い、一緒に帰ろ!」
はへ?今なんて言った?
廊下を歩いている僕の隣を鈴音が一緒に歩いている。
先程までのそっけない態度はどこへ行ったのやらとても楽しそうに話しかけてくる。気分の乗ってる時の廻理花みたいだ。
そんな態度に僕はとまどって「あ、ああ。」とか、「う、うん」とかしか言えない。
「と、ところで北見さん。」
「鈴音。」
「・・・・・・へ?」
「鈴音で良いよ、私も縁君って呼んでるから。」
何だこの女?本当にどうしたんだ。まさか僕が気づかずに変な魔法でも使ってしまったんだろうか。態度を真逆にする魔法とかか?
「で、何?縁君。」
何?って本当に分からないのか?
「何でほとんど喋ってない僕なんかに一緒に帰ろうなんて言ったんだ?」
「何でって、私達幼馴染だよ?そりゃ小学校に上がった頃引っ越したけど、それに昨日は少し緊張しちゃたから。」
何だって?僕の幼馴染は遺憾だが廻理花しかいないぞ。これはやっぱり魔法関連だな。記憶操作の魔法なんてあるのだろうか。
それとも本当に僕が忘れているだけか?後者だとしたら最初の挨拶の反応も納得できる。本当に幼馴染なのだとしたら僕のあの態度はかなり腹が立つだろう。それに幼馴染と言われれば何か頭の中で引っかかっる感じがする。
あれ?本当に僕が忘れているだけなのか?
僕が立ち止まり黙って悩んでいるのを見て鈴音はため息をついた。
「やっぱり憶えてないのね。昨日の挨拶でもしかしてと思ったけど流石に幼馴染を忘れるなんて信じたくなかったわ。」
うっ、耳が痛い。どうやら後者が正解みたいだ。王道パターンだとかあんなに盛り上がっていたのが恥ずかしい。
「ご、ごめん。本当に憶えてないんだ。」
僕が謝ると鈴音があっさりと
「ま、良いわよ。」
と許したくれた。
「え?良いのかよ。」
「良いわよ。だってそれでも縁君の事が好きなんだもん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今凄い事をさらっと言ったな。
好き発言から一方的に僕だけ少し気まずくなった僕達が正門に行くと何故か廻理花が立っていた。
「やっほー縁ー、鈴音。やっと来たんだね。廻理花待ちすぎて足が疲れちゃったよ。さっ行こう行こう。」
「あれっ?廻理花も一緒なのか?」
「そうだよ。ねぇエリちゃん聞いてよー。縁君ったらやっぱり私の事忘れてたんだよ。」
そんなこと言っていたから鈴音も少しは根に持ってたみたいだ。
「えっ?そうなの?縁ったら鈴音の事忘れるなんてひどいんだぞ!きゃぴ!」
僕は君を殴りたいんだぞ!きゃぴ!・・・しまった。ついきゃぴ!に反応してしまった。
それは置いといて廻理花と鈴音が初日から仲が良かったのは幼馴染だったからか。
これは魔法云々ではなくてマジで僕が忘れているだけな気がしてきたな。と言うか忘れているそのものだな。
でもやっぱり憶えていないな。廻理花と仲が良いって事は僕ともそれなりに接点があるはずなのに全く分からない。
幼馴染と言われれば何かが引っかかってるような感じがするんだけど、からそれだけだしなぁ。
記憶の波から鈴音のことを探しつつ正門を出ると僕達を呼び止める声がした。
「あっ、お兄ちゃん!やっと見つけた。」
そう言って妹の輪名が息を切らして走ってきた。何故輪名がここに?
「おっそいよー輪名ちゃんどこ行ってたの?きゃぴ!」
「ごめん廻理花姉、間違えて別の高校に行ってて。」
うっかりにも限度があるだろ。兄の行ってる高校を間違えるか普通。
「さっ全員揃ったことだし行こうか。きゃぴ!」
「あれっ?帰るんじゃないのか?」
「縁君ごめんねー。帰る前に皆で行かないといけない所があるの。」
一体どこに行く気だ?はっ!まさか僕を狙う組織の仲間か!もう僕が力に目覚めた事に勘付いて・・・・・んなバカな。多分買い物かゲーセンとかだろ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
32
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる