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第12話 裏と表
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目的は果たした。だが、折角街まで来ている事もあり、近隣の店を回る。
もうどこの店も夏仕様のディスプレイになっているのがわかる。なんとなく、千佳はどんな所で買い物するのだろう。そう思っていた。
帰り際に、ファミレスが見える。
今となっては、苦い思い出の場所。という事になるのだろう。そう思って立ち止まる。
「あれ? 長坂くん?」
「浅井さん……」
「今日は良く会うよねー! 長坂くんも遅めのランチ?」
「いや……もう帰ろうかなって」
「そっか。お昼はもう食べたの?」
「いや、まだだけど……」
「それなら一緒に食べない?」
俺は、一緒に居た清水さんに目をやる。
「純ちゃんもいいよね?」
「いいよ」
そう言われると、なんとなく断りづらい。普通に考えて、あまり知らないクラスメイトと、同じ年のバイト先の同僚の娘。空気はなんとなく予想がつく。
2人はドリンクバー付きのセットを頼む。俺も仕方なくそれに合わせる様に頼んだ。
「長坂くん、買い物は終わったの?」
「とりあえず今日はこれを買っただけ」
そう言って、袋を見せる。
「長坂くんお洒落だよねー」
「服買うのが好きなだけだよ。浅井さんは?」
「今日は親友の傷心会なのだよ」
彼女がそういうと、清水さんが袖を引っ張っているのが見える。
「傷心会?」
「そ! 純が彼氏と別れたから慰めてあげてるの!」
「ちょっと、由紀言わないでよ……」
そんな事カミングアウトされても、正直何を言っていいかわからない。
「えっと……ご愁傷様でした?」
「いや、死んだわけじゃないよ?」
清水さんは、そのやり取りに少しだけ笑っているのがわかる。千佳とも綾とも違う、透きとおる様な可愛いさ。すぐ彼氏はできるだろうと思う。
「そう言えば、清水さんの娘なんだよね?」
「えっと……私も清水ですけど、そうです……」
「それ! 凄い偶然だよねー!」
「まぁ、たしかに。お母さんが同じ位の歳の娘が居るって言ってたからすぐにわかったよ」
「そうだったんだー」
少し寡黙な彼女は、じっと俺を見ている。知り合いと言えば知り合いだからだと思っていると、足に何か当たる感じがした。
「長坂くん、どうしたの?」
「ちょっと、足が当たるからポジションを見とこうかなって……」
「2人ともミニスカートじゃないよ?」
「いや、見ねーよ。どんな印象だよ」
「純、可愛いと思うんだけどなぁ……」
「そういう問題じゃない」
すると、次は足のくるぶし辺りが触れるように当たる。もしかして、わざとなのかと思い清水さんを見ると、彼女は少し微笑んだ。
マジかよ……。
人懐っこいいい人の浅井さんの友達だけに、衝撃が走る。
「どうかした?」
「いや、ちょっとトイレに行ってくる」
動揺して、俺は席を立った。とりあえずトイレを済ませ手を洗う。正直顔も洗いたい気分ではある。
あまりトイレにいるわけにもいかず、ドアを開けると清水さんが立っている。
「えっ……」
「来てって事じゃなかったかな?」
そう言って、清水さんは自然に俺の手を握った。
「あんまり好みじゃない?」
「いやお前、浅井さんの友達だろ?」
すると彼女は、耳元で囁いた。
「私の事、好きなくせに……」
確かにルックスはいいけど、自信とか以前に裏表がありすぎて彼女の行動が怖くなる。通り過ぎて席に戻ると浅井さんが笑顔を見せた。
「あ、純もトイレだって!」
「そ……そうなんだ……」
「あの子かわいいでしょ?」
「あ、うん。そ、そうだね……」
浅井さんは、不思議そうな顔をする。
「長坂くんはあんまり?」
「あ、いや……なんてゆうか……」
「周りかわいい子多そうだもんねー」
「そんな事無いけど……」
付き合い長そうなのに、本性を知らないのかと疑問が過ぎる。
「男の子はみんな純みたいな子が好きなんだと思ってたけど」
「それは違うと思うぞ?」
そう言うと、清水さんが帰ってくる。浅井さんは、ドリンクバーのグラスを持って俺たちに聞いた。
「入れてくるけど、何がいい?」
「私はウーロン茶がいいな」
「あ、俺も行こうか?」
「いいよ、3つ迄なら大丈夫!」
2人になりたくない俺を、あっさりと止める。いい子なんだけど空気を読んで欲しい。
「じゃ、じゃあコーラで……」
浅井さんの背中が遠ざかるにつれ不安になる。視線を感じ振り向くと清水さんはニッコリと笑う。
「由紀は気にしなくていいよ?」
「よくはないだろ」
そう言ってまた、足を絡める。
「別いいのに……」
少しふてくされた様な顔をする。その姿さえも計算された様に感じた。
「お待たせー」
「ありがとう」
俺がそう言うと、清水さんは自然に席を開け浅井さんを座らせる。
「隣に座っていい?」
「なんでだよ」
俺の返しはスルーされ、隣に座る。浅井さんもあまり気にはしていない様だった。
「コーラ少し貰っていい?」
流石にダメとはいいにくい流れに、渋々了承する。俺は全力の抵抗を込めて浅井さんに振る。
「浅井さんも飲む?」
「え? いいの……?」
少しはにかみながら、浅井さんは口をつける。
「由紀、長坂くんの事好きなの?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
清水さんはそっと俺の太腿に手を置いた。
何で今のタイミングでそんな事をしてくるんだ……。
これを飲んだら出よう。
そう考えたものの、また清水さんが勘違いして付いてこないとも限らない。
俺は頭をフル回転させ、この状況を抜け出す事を考える。
服屋に忘れ物をしたとでも言おうか。
知り合いを見つけた……違うな……。
すると浅井さんが声を掛ける。
「もしかして、時間ヤバい感じ?」
「あぁ……ちょっと」
「ごめんね、いきなり呼んじゃって……」
「いや別に、お昼食べるくらいの時間はあったから大丈夫だよ」
少し拗ねた様な表情で見る清水さん。今のうちに物理的にも距離をとっておかないと後々ややこしくなると思った。
お金を少し多めに置いて店を出る。浅井さんとは学校で会えるけど、彼女とは会うことはない。予想外の空気感から俺は解放されホッとしていた。
もうどこの店も夏仕様のディスプレイになっているのがわかる。なんとなく、千佳はどんな所で買い物するのだろう。そう思っていた。
帰り際に、ファミレスが見える。
今となっては、苦い思い出の場所。という事になるのだろう。そう思って立ち止まる。
「あれ? 長坂くん?」
「浅井さん……」
「今日は良く会うよねー! 長坂くんも遅めのランチ?」
「いや……もう帰ろうかなって」
「そっか。お昼はもう食べたの?」
「いや、まだだけど……」
「それなら一緒に食べない?」
俺は、一緒に居た清水さんに目をやる。
「純ちゃんもいいよね?」
「いいよ」
そう言われると、なんとなく断りづらい。普通に考えて、あまり知らないクラスメイトと、同じ年のバイト先の同僚の娘。空気はなんとなく予想がつく。
2人はドリンクバー付きのセットを頼む。俺も仕方なくそれに合わせる様に頼んだ。
「長坂くん、買い物は終わったの?」
「とりあえず今日はこれを買っただけ」
そう言って、袋を見せる。
「長坂くんお洒落だよねー」
「服買うのが好きなだけだよ。浅井さんは?」
「今日は親友の傷心会なのだよ」
彼女がそういうと、清水さんが袖を引っ張っているのが見える。
「傷心会?」
「そ! 純が彼氏と別れたから慰めてあげてるの!」
「ちょっと、由紀言わないでよ……」
そんな事カミングアウトされても、正直何を言っていいかわからない。
「えっと……ご愁傷様でした?」
「いや、死んだわけじゃないよ?」
清水さんは、そのやり取りに少しだけ笑っているのがわかる。千佳とも綾とも違う、透きとおる様な可愛いさ。すぐ彼氏はできるだろうと思う。
「そう言えば、清水さんの娘なんだよね?」
「えっと……私も清水ですけど、そうです……」
「それ! 凄い偶然だよねー!」
「まぁ、たしかに。お母さんが同じ位の歳の娘が居るって言ってたからすぐにわかったよ」
「そうだったんだー」
少し寡黙な彼女は、じっと俺を見ている。知り合いと言えば知り合いだからだと思っていると、足に何か当たる感じがした。
「長坂くん、どうしたの?」
「ちょっと、足が当たるからポジションを見とこうかなって……」
「2人ともミニスカートじゃないよ?」
「いや、見ねーよ。どんな印象だよ」
「純、可愛いと思うんだけどなぁ……」
「そういう問題じゃない」
すると、次は足のくるぶし辺りが触れるように当たる。もしかして、わざとなのかと思い清水さんを見ると、彼女は少し微笑んだ。
マジかよ……。
人懐っこいいい人の浅井さんの友達だけに、衝撃が走る。
「どうかした?」
「いや、ちょっとトイレに行ってくる」
動揺して、俺は席を立った。とりあえずトイレを済ませ手を洗う。正直顔も洗いたい気分ではある。
あまりトイレにいるわけにもいかず、ドアを開けると清水さんが立っている。
「えっ……」
「来てって事じゃなかったかな?」
そう言って、清水さんは自然に俺の手を握った。
「あんまり好みじゃない?」
「いやお前、浅井さんの友達だろ?」
すると彼女は、耳元で囁いた。
「私の事、好きなくせに……」
確かにルックスはいいけど、自信とか以前に裏表がありすぎて彼女の行動が怖くなる。通り過ぎて席に戻ると浅井さんが笑顔を見せた。
「あ、純もトイレだって!」
「そ……そうなんだ……」
「あの子かわいいでしょ?」
「あ、うん。そ、そうだね……」
浅井さんは、不思議そうな顔をする。
「長坂くんはあんまり?」
「あ、いや……なんてゆうか……」
「周りかわいい子多そうだもんねー」
「そんな事無いけど……」
付き合い長そうなのに、本性を知らないのかと疑問が過ぎる。
「男の子はみんな純みたいな子が好きなんだと思ってたけど」
「それは違うと思うぞ?」
そう言うと、清水さんが帰ってくる。浅井さんは、ドリンクバーのグラスを持って俺たちに聞いた。
「入れてくるけど、何がいい?」
「私はウーロン茶がいいな」
「あ、俺も行こうか?」
「いいよ、3つ迄なら大丈夫!」
2人になりたくない俺を、あっさりと止める。いい子なんだけど空気を読んで欲しい。
「じゃ、じゃあコーラで……」
浅井さんの背中が遠ざかるにつれ不安になる。視線を感じ振り向くと清水さんはニッコリと笑う。
「由紀は気にしなくていいよ?」
「よくはないだろ」
そう言ってまた、足を絡める。
「別いいのに……」
少しふてくされた様な顔をする。その姿さえも計算された様に感じた。
「お待たせー」
「ありがとう」
俺がそう言うと、清水さんは自然に席を開け浅井さんを座らせる。
「隣に座っていい?」
「なんでだよ」
俺の返しはスルーされ、隣に座る。浅井さんもあまり気にはしていない様だった。
「コーラ少し貰っていい?」
流石にダメとはいいにくい流れに、渋々了承する。俺は全力の抵抗を込めて浅井さんに振る。
「浅井さんも飲む?」
「え? いいの……?」
少しはにかみながら、浅井さんは口をつける。
「由紀、長坂くんの事好きなの?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
清水さんはそっと俺の太腿に手を置いた。
何で今のタイミングでそんな事をしてくるんだ……。
これを飲んだら出よう。
そう考えたものの、また清水さんが勘違いして付いてこないとも限らない。
俺は頭をフル回転させ、この状況を抜け出す事を考える。
服屋に忘れ物をしたとでも言おうか。
知り合いを見つけた……違うな……。
すると浅井さんが声を掛ける。
「もしかして、時間ヤバい感じ?」
「あぁ……ちょっと」
「ごめんね、いきなり呼んじゃって……」
「いや別に、お昼食べるくらいの時間はあったから大丈夫だよ」
少し拗ねた様な表情で見る清水さん。今のうちに物理的にも距離をとっておかないと後々ややこしくなると思った。
お金を少し多めに置いて店を出る。浅井さんとは学校で会えるけど、彼女とは会うことはない。予想外の空気感から俺は解放されホッとしていた。
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