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本編
第10話
しおりを挟む「ギャハハハハハッ!!!
フーッ、あかん、笑いすぎてお腹痛いわ…」
「ンフッ、ちょー笑いすぎやって。
可哀想やろ…んっくくッ…」
二人の男が悶え苦しむ横で、俺は痛みと羞恥心で急速に顔が熱くなっていくのを感じ、急いで毛布の中に顔をうずめた。
そんな笑わなくてもいいじゃんか…っ
「もーほら!トラがそんなアホみたいに笑うから拗ねてもうたやんか!」
「何言うてんねん、わいだけなわけないやろ…
ごめんなぁ、坊。わいら別に悪いやつちゃうねん。」
いい人は自分で悪いやつじゃないなんて言わないだろ…
「「堪忍して出てきてーや、な?」」
「…」
そっと毛布から顔を出すと、叱られた犬のような表情でこちらを覗く二人と目が合った。
それぞれ紺と深緑の着物を身にまとっており、短く切られた髪と着物の隙から見える少し筋肉質な身体が、細い目や太くて濃い眉といった和風な顔立ちをうまい具合に強調している。
「あれ、もしかして…」
「そーそ、わいら双子やねん。」
目の前には着物の色こそ違うものの、下手したら見分けがつかないほどそっくりな顔が2つ並んでいる。
唯一見分けられるポイントといえば、口下のホクロが右にあるか左にあるかといったところだろう。
歳は同じくらい、もしくは1・2歳ほど俺より上だろうか。
「あの、どちら様でしょうか…」
カッコ悪く少し震えた声が出てしまったが、それを聞いた双子は俺を見てポカンと口を開ける。
「あれ?まだ言うてへんかったっけ?」
「ついおもろ過ぎて忘れとったわ。」
そんなことを言って再び笑い転げる二人に、俺はただ苦笑するだけだった。
_____
「まぁあんまりのんびりしとってもあれやしな。
ちゃっちゃといこかー。」
「わいは虎目、双子の兄ちゃんの方や。
口の下のホクロが左にある方な。
どうぞよろしゅーに。」
「虎珀っちゅー名前です。
弟の方で、ホクロは右側にありますねん。
ま、弟言うても兄ちゃんよりはイケメンな自信あるわ。」
「またコテンパンにされたいんか?お?」
「何がまたやねん。自分がわいにいつもされとるんやろ?」
「あ、あの…ここどこなんですか?
あと、魔王とかってどういう…」
「もしかしてなんも知らんと連れてこられたん?」
「魔王さんも結構やりよるのぉ。」
「「まぁ、そしたらわいらが1から10までおしえたるわ」」
その時ニヤリと不気味に口元がつり上がったことを、俺は知る余地もなかった。
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