過保護な魔王は恋する奴隷を妻にしたい

胡蝶

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本編

第11話

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「ここは君を買った魔王様が住んではるお城や。
魔王様は今仕事中やからおらんけど、さっきまで一緒に寝とってんやろ?」

「は、はぁ…」

不意に先程の事を思い出し、少し熱くなった顔を下に向ける。
が、ニヤニヤとこちらを見る2人に気づき、慌てて顔を上げた。

「「なんかいやらしいことでもしたん?」」

「してません!」

「そんな照れやんくてもええって~。

ええなぁこの子、可愛いわぁ…益々欲しなったわ。」



最後の言葉が小さくて聞こえず首を傾げるが、虎目はなんでもないというように話を続ける。


「ここのお城は中央地区っていう所にあってな。
中央地区は名前の通り、魔界の中心にある国や。
ま、地区ちゃうくて国やけどな」

「 何がおもろいねん。
はよ続き言うたれ。」

「は?説明してないやつがなんも言うな。」

「ま、まぁまぁ…」

今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気の間に入り、続きを促す。
双子とはこんなに喧嘩っぱやいものなのだろうか…。

「ふんっ
まぁそれでやな、魔界にはこの中央地区を取り囲むように12の国がおかれてある。
透ちゃんは"干支"って分かるか?」

「はい。ねずみから始まる…」

「そうそう!
そしたら話は早いわ。
12の国にはそれぞれ役割がある。
子は頭が良いからシステム開発、兎は植物に詳しいから薬剤開発ってな。
で、その各国の1番上におるのがキングとクイーンや。」

「キングとクイーン?」

「うん。キングとクイーンだけは生まれつき能力を持っとって、国によって受け継がれる能力も違う。
一応君のこと売っぱらったあのおっさんもへびの国のクイーンやで。」

「おっさん…?」

「「マッドハッター」」

「…」

話に着いていけず頭が混乱しているが、とりあえずヤバい所に連れてこられたことだけは理解出来た。

「アイツの能力は異世界と異世界を繋ぐこと。
やから、もし君が元の世界に戻りたいっていうんやったら頼んでみてもええんちゃう?」

「「魔王が許さんやろうけど」」


「そんな感じで、とりあえず色々おんねや。
やけど、そのキングとクイーンの能力を全て持って生まれてくる奴が1人おる」

「…魔王?」

「「だーいせーいかーい!」」

「やからみんな、魔王には逆らわれへん。
やけど今代の魔王はほんまにちょーっとだけ優しくてな?ちょっとやで?」

「今まで奴隷なんか買ったことなかったんよ。」



「「やからみんな興味あるねん」」


「え?」

次の瞬間、俺はベッドの上ではなく琥珀の膝の上へと座っていた。
動いたわけでもなく、本当にいつのまにか。
戸惑いを隠せず2人の顔を交互に見るが、ただ口の端を大きく吊り上げ、眩しい程の笑顔を俺にむけるばかりだ。

「魔王様がどんな子を奴隷にしたんか」

「君のことやで、透。」





嫌な汗が全身の毛穴から吹き出して止まらない。
それに気づいたのか、瞳孔の細くなった2人がこちらに顔を近づける。



「あ、言い忘れとった。
わいは虎目」

「あらためまして、わいは琥珀」

「「とらの国のキングとクイーンです。
どうぞよろしゅう♡」」
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