転生先から戻されたのは戦国時代だった

鮪鱚鰈

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京都繚乱

京都繚乱⑨ 南紀伊攻防戦③ 

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「あそこにも襲われている一団です!」

「くそ熊野川を渡ってやがる、何としても皆殺しにする!」

「「「おう!」」」

九鬼水軍の士気は高い

九鬼嘉隆が乗る大型の安宅船『鬼宿丸』を中心に安宅船20艘、子早船50艘の大船団を誇る、中でも嘉隆乗る大型船には海賊行為でスペイン船から頂戴した大砲が搭載されている、重い為線上運用のみだが、同じ木造船なら木端微塵にできる物である、そして母船の名は鬼が宿る船と書き『鬼宿丸』と名受けている。

船体に鉄の板を貼っており、火矢にも強い、現実の世界では信長の命で石山本願寺攻めで使うために九鬼嘉隆が造った鉄甲船であるが、この世界では九鬼嘉隆の構想の元に1隻を九鬼水軍の母船として建造されている。

だが重さもある為接岸できる岸が少ないので、対尾張兵へのゲリラ戦では小早舟を利用している。
現在の九鬼水軍は志摩九鬼水軍の他に伊勢北畠家の水軍も加わっている大所帯である。

小早船が10隻近く接岸し船から100人ほどの戦闘兵が陸に降り死人兵に進んでいく、伊勢や鳥羽で散々行ってきた海上からのゲリラ戦である。
今回の相手は100程の死人兵、上位種もいるがさほど脅威とは言えないので九鬼嘉隆は早々に小早船に戻り残りを部下に任せ沖にでる、戦っていた人間も伊勢の兵で歴戦の者達である、問題は無いと判断したのであった。

沖に向かい母船の『鬼宿丸』に乗り込む、そのころには陸の方は死人兵を焼いている状態で事は終りを思わせていた。
『鬼宿丸』に戻り、酒を少し飲む・・九鬼嘉隆とって酒など水に等しい

「ふん・・じじい共・・南紀伊が負けるだと?笑わせやがる、死人兵など恐れるに足りん」

ドドン!

陸の方で大筒の放たれる音がする

「なんだ?まだ上位種が残っていたか?」
九鬼嘉隆は『鬼宿丸』の甲板にでて陸を見る。

その光景に九鬼嘉隆は驚きを隠せなかった

「飛ぶ上位個体だと!」

翼の生えた個体が陸の兵達を襲う。放たれた大筒は空を切った様である、さらに陸からも多くの死人兵と上位種が現れ始めた・・・

「いかん!大砲を向けよ!」

「は!」

『鬼宿丸』の大砲が陸に向く、しかし陸には伊勢の兵に九鬼水軍の兵合わせて200程が懸命に闘っている

「くそ・・・どうすれば・・」


***************

ドドン!

人間たちが放つった大筒をみてシバドーラは考えた

「この世界の人間、魔力も生命値もないのに強い・・・それに魔法を使わずとも魔法のようなものを
出す道具を作り出すか・・・ウリドラを倒すほどの手練れもいる・・・世界征服などたやすい事と思っていたが簡単ではないか・・・だが若様が完全体になれば、恐れることもあるまい、魔界との完全な門の完成、さすれば悪魔には魔力が戻り、人間は魔力を使えない世界か・・・早い所その世界を実現させねばならぬな」

何度か異世界征服の偉業に加わってきたシバドーラであるが、この世界の特殊性について考えていた。
魔力の概念がなく、魔法が存在しない。異界の者はいることはいるがその人間と共存している。
魔力の無い人間など他の世界では最底辺の人間である、だが魔力が使えないとはいえ悪魔にまで育った下級悪魔レッサーデーモン中級悪魔デーモンまでをも葬る・・・そもそもこの世界の人間にはレベルが無い・・・レベルが無いのに強くなっていく・・・不思議な人間である

シバドーラが生まれたのはドワーフの世界である、生きたドワーフを食べた傀儡虫から悪魔に進化したシバドーラは見た目はドワーフである、大きな力を有しながらも思慮深く行動して数千年、名持ちの悪魔将アークデーモンにまで進化した逸材である。

武器はシバドーラ自らが作り上げた魔鋼を使った魔斧である。

一度も死を迎えていない為、名持ちの悪魔としてはまだまだ駆け出しであるが魔王ベルモンドから直々に今回の異世界侵攻を頼まれた逸材でもある。
 だが不満もあった、魔人『池田恒興』の下につくことである
確かに悪魔と人間の融合体である魔人の能力は高いが自分が劣るとも思っていなかった。

しかし魔界に置いても魔人と呼ばれる種族が台頭している、悪魔でありながら繁殖ができる種族、それに殺さずとも成長する能力、悪魔種は本来、魂を喰う事で進化する、進化しないと能力は上がらない、シバドーラは既に数万の魂を喰らっているが未だに悪魔将アークデーモンからの進化は見られない、悪魔のレベルは少ない
レベル1が 下級悪魔レッサーデーモン
レベル2が中級悪魔デーモン
レベル3が悪魔将アークデーモン
レベル4が悪魔公デーモンロード
レベル5が魔王デーモンキング
と5段階である

つまり悪魔公デーモンロードに進化しない限りは何人殺しても強さは変わらない、だが魔人は違う、人間特有のレベル制度を持つ為小刻みに強くなっていく、そしてこの世界の人間にはレベルが無い、レベルが上がらなくても強くなる

池田恒興は悪魔将アークデーモンクラスの魔人であるが、日に日に力を上げているのである
これはシバドーラからみれば理不尽である・・悪魔公デーモンロードに上がるためには100万の魂が必要とも言われている、しかし池田恒興ら魔人は一人殺せばそれだけ強くなる・・・

さして池田恒興の配下であるシバドーラが殺しても池田恒興は強くなるのである。
そもそも魔界に置いて池田恒興に取り込まれた悪魔ベルアラドはその能力的には早さのみであり他の能力ではシバドーラが勝っていた・・・だがこの世界で完全シンクロしたことによりベルアラドは消え魔人池田恒興が誕生したわけである。
人間の特性を持った悪魔である魔人・・・シバドーラが受肉した毛利新助も素材としては悪くなかった、だからシバドーラの破壊的な力は受け継がれているが毛利新助の素材ではシバドーラと完全シンクロとまではいかなかった。
だから毛利新助は消えシバドーラが残ったわけである。

魔人として生まれ変わるか、悪魔として残るかの違いであるがより多くの力を求めるシバドーラにとって成長しない体は少々野暮ったいのである、

そもそも魔人になる方法は他にもあるがそれは亜空間に置いて人間として転生できる魔王でしかなれない、だが魔王種が転生した魔人はそれは生まれながらに魔王であり、成長はしない。池田恒興は無尽蔵に成長する魔人種でありやがて信長をも超える可能性がある・・・だがその信長が作り上げた存在は純粋な魔人種でありながら魔王でもある・・・魔王ベルモンドの力を100%引か出せる存在・・それが今の尾張にいる若様である・・・若様も信長も魔王ベルモンドなのだが若様はより魔王ベルモンドであり、そして成長もするのである。

「あのお方ならやがて魔界をも支配するであろう、ならばこの俺も速い所悪魔公デーモンロードに進化したい物だな」

部下の中級悪魔デーモンたちが陸で戦う人間共を一人残らず殺しつくしたところでシバドーラは呟いた

ドガーン!

その時、海上から大砲の音が鳴り響いた


「なんだあれは?・・・」

ドガーン!

陸に土煙が上がる


「また人間共の武器か・・・中級悪魔デーモン共を下がらせよ」


****

「死人共は下がって行きます・・・陸に人間の生存者・・・・なし・・・いかがいたしますか?」

「捨て置け・・・あれだけの上位種、空を飛ぶ者までいるとはな、死人を増やすだけだ・・・くそ!」

ゲリラ戦の基本でもある、勝てる相手にしか挑まない、それを忠実に守る事で九鬼水軍は生き抜いてきた、改めて紀伊はいずれ負けるという卜伝老の話を思い出す

「くそが!船を紀伊大島に向けろ、武器を集めに行く、奴らは皆殺しにしてやる」

****

紀伊水軍が紀伊大島に戻るころ熊野上流でも動きがあった

熊野川の上流から川を渡ったもう一体の悪魔将アークデーモンであるダイタラン、彼の元の体は林通具はやしみちかつ、元の世界で小田のお家騒動で信行を担ぎ上げその時に打ち取られた男である、この世界でもお家騒動である稲生の戦いいのうのたたかいは勃発している、首謀者である織田信行、柴田勝家、林秀貞、そして林通具は捉えられ、それぞれに悪魔の依り代とされている、織田信行には 悪魔将アークデーモンの中でも信長の戦略に重要である 死霊使いネクロマンサースキルをもつダビタット、柴田勝家には魔王ベルモンドの腹心であった悪魔公デーモンロードローレライ、林秀貞には悪魔将アークデーモンガザがそれぞれ受肉した

悪魔達が受肉しその生命体を抑え込めばそれぞれが選択する、ダビタットは信長の弟という立場の織田信行を気に入りその容姿のままに受肉し名もそのまま織田信行となった、ローレライも鬼柴田という柴田勝家を気に入り同様である
だが俺とガザは人間の名を捨てた、姿などは肉体を動かせば悪魔にも人間にも成れる、人間界を支配するには人間の姿の方が都合がいい、だが名前などはどうでもいい、林通具なんて言う名前は捨て去った俺にはダイタランという名前がある。

だが人間たちは想像以上に侮れない、魔力がない世界の制圧など容易い物と思われたが、表面上の兄である林秀貞ガザは美濃攻めで人間の不破光治ふわみつはるなる男にやられた、その不破光治は柴田勝家ローレライがぶち殺したが、魔力がないというのは悪魔にとっても非常に大きな足枷である。

殆どの世界で強さの基準は魔力である、しかしこの世界には魔力がない、身体能力も悪魔は人間とは比べ物にならない物を持つが、人間の中には侮れない者もいる、ダイタラン自身も伊賀攻めにおいて、何度か腕を落とされたりした・・・直ぐに再生されるが。

本来 悪魔将アークデーモン1体で人間の国一つ滅ぼすことも出来る存在である。

下等な人間種だが同じ魔力がない条件だと悪魔に匹敵する力を持つか・・・

よって今回のように小さな城を落とすにも挟み撃ちという戦法をとるのか。

ダイタランが率いる兵は狂信兵(洗脳された人間)5000、死人兵10000、下級悪魔レッサーデーモン500、中級悪魔デーモン100の大軍勢である

侵略に人間を使うのは異世界の侵攻では珍しい事ではない、洗脳や恐怖によって支配した人間を使い人間を殺す。傀儡虫が仕込んであるので死んでも肉体が残れば死人兵として再生できる。
何より人間には名前がある。

名前というのは神の加護があり、武器神の定で武器を使えるのは名前を持つ者のみとされる。
その為悪魔種になる死人兵、下級悪魔レッサーデーモン中級悪魔デーモンは武器を使えない、仕えても僕と呼べない棍棒や金棒ぐらいである。

だが人間は子供ですら名前がある、この世界の鉄砲も人間は扱える。人間を殺すには人間を使うのが効率がいいのである。

海岸から侵攻するシバドーラ隊2万、山から侵攻するダイタラン隊15600は新宮に向けて侵攻をする













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