転生先から戻されたのは戦国時代だった

鮪鱚鰈

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北条包囲網

甲斐のクーデター⑮ 5000年の眠り

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 うん?暗闇か・・・・そうか俺はまた封殺されたのか・・・しかしどういうことだ?俺は使命を全うした・・・何故俺はまたこの暗黒の世界にいる?

 よう!・・・

 目の前には俺がのっとった男がいた・・・・

 本田忠勝か・・・

 「貴様!なぜ暗黒世界にいる?」

 バスラーは忠勝に問う・・・ここは悪魔が死を迎えることで到達する場所である、人間である本田忠勝が居ることはできぬはずである。

 「決まっているお前が俺の体をのっとったというなら俺はお前の本質に巣を作ったということだな、だがそれも長くはあるまい」

 「ほぅ・・・さすが俺が選んだ人間だ・・ここまで抵抗し俺の本質にまで侵入したか」

 「しかしな・・あのバスラーがこんな小さな子供だったとはな」

 忠勝が見つめる悪魔は4本の腕を持ち前と後ろに顔を持つ悪魔バスラーだがサイズは子供であった。

 「どうやら完膚なきまでに殺されたか・・・ふむ・・思い出せん」

 「じゃあ俺が教えてやる」

 本質にまで戻されたバスラーは最後の力を使い武田晴信の心臓を貫いた。
 
 「そうだ・・・体が元に戻ろうと俺は戦えばまた強くなる・・・1000人も殺せばそれなりになろう」

 「はははだがお前は殺された訳だ」

 「何を言うか悪魔は死なぬ、死なば暗黒の世界に封殺されるが時が来れば再び魔界に生まれる」

 「そうか・・実は人間も同じよ、死ねば光の世界にいざなわれる、そして時が来れば再び元の世界に戻る」

 バスラーは考え込む

 「俺は人間たちの魂を食ってきたがそんなのは聞いたことがないぞ」

 「俺にもわからねえ・・・だがな・・・ここにいる俺はお前の魂に巣を作った一部分にしか過ぎない・・・お前が死んだときおれの魂は救われた、光の世界に俺はいざなわれた・・だがな・・そこから先はここにいる俺ではわからない、暗黒の世界と光の世界では次元が違うのであろう」

 「ふん・・・無限の命を持つ悪魔にとって1000年2000年などは短い時間だ・・・再び地球を侵略してやりたいものだ、ところで俺は誰に殺された?あの勇者の息子か?」

 「お前は鬼美濃、そうだな馬場信春という男に殺された、風魔でもない武田の将だ」

 「あの加護持ちか・・・時間操作系のスキルであったな」

 「お前は考えたことないか?」

 忠勝はだんだんとその光が消えていく

 「俺たちの世界、地球だったな・・・どこか作られた世界であったのでないか?そうだな信長とともにお前が現れた時からいやもっと前か?この世界はどこか違う、だがだそんな世界で育ったが、明らかに決められたレールがありそれに対してお前らがそれを壊していく」

 「ほぅ・・・光の神は物を作る、この悪魔ですら元は光の神が作った物だというふざけた悪魔もいるからな、実際滅ぼしたはずの世界が再び現れる、そんなことは何度もある、光の神というのは全く同じ世界を作ることができるのであろう、だが魔界は光の世界を滅ぼせば滅ぼすほどに大きくなる」

 「そうか・・そういうものなのか・・・つまり、俺には本当の俺がいるわけだ、そして馬場信春・・・・あいつにも本当のあいつがいる、仮の世界でも俺は存在する・・・難しい事はわからねえもんだ・・」

 「ふん・・・そういうことだ・・俺らは目の前に獲物がいれば襲うそれだけだ」

 「そうか、俺は主君を守る、それが俺の立場だ、だが俺は守れなかった、なら、本当の俺は守れているのか・・わからねえが・・・天界ならわかるかもしれぬな」

 「おい!消えるな・・・・暗黒の世界に一人残すな」

 「ははは・・・お前等には慣れっこじゃないのか?じゃ・・な・・・お前の・・かの俺・・終わりの・間だ・・・」


 忠勝は消えていく・・・・残るものは光も音もない静寂の世界・・・
 悪魔にとっては生まれし場所ともいえるが、人間としての生活を終えた後のバスラーはその世界に恐怖を感じるのであった。

 創造する神がいれば破壊する神はいるのか?
 答えはわからない・・・魔界ですら神が作った物なのか?だがその神の力が及ばない暗黒の世界・・・・悪魔が死ねばその世界を漂う・・・再び魔界に誕生するのを待つしかない・・・・何もない世界、ただただ暗い世界である。



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 晴信が自身の心臓がなくなった感覚になった・・・死・・・それを感じた瞬間である・・だが目の前には、あのバスラーを小さくした子供のような存在に刀を差しこみ鬼のような形相で微動だに動かない信春がいた。

 北巨摩の武川衆に土岐一族の中にいた教来石景昌は晴信の初陣で功績をあげ、以降晴信に付き添い各地を転戦した、最前線で暴れながら一度も傷を負わず、大手柄を上げる、そんな信春は晴信とともに出世をし気が付けば飯富昌景と共に晴信を支える存在となっていた。もともと身分の低い身であり実力でのし上がった男に憧れるものは多く、同じような身分の低い男たちと共に切磋琢磨していた。

 そんな信春が守りたかった男、武田晴信・・・信春の目の前で心臓を貫かれた・・・

 「逆行!」
 おい!おれだけじゃねえ晴信様もだ!

 「逆行」は使う本人にしか適用されない・・・そんなはずはねえ・・・・使えるはずだ・・・
 実際に強く思うことでつかえた・・・・自分の生命を削りながら

 だが何度「逆行」をしても間に合わないだから何度も逆行を繰り返す・・・・
 もう限界なのであろう・・・だが何度目かの逆行だろう・・・間に合った・・・・

 ぎりぎり晴信は助かり・・・信治の刀はバスラーをとらえた・・・だがそれと同時に信春の生命値はすでに無くなっていた・・・とっくになくなっていた・・・

 鬼の形相となり「逆行」を唱え、生命値がないのに魔公バスラーに剣を差し出す・・・
 
 そんな事が起きたことはここにいるものはわからない・・・ただ光の速さほどの攻撃に対して動けたのは信春だけだったのだ、時間操作系のスキルだからこそ対処できた、だがその為に信春はバスラーにとどめを刺しながら鬼の形相のまま倒れた・・・・・

 「信春・・おい信春!」

 晴信の呼びかけでもその形相は変わらない、そして体中の組織が砂になるように崩れていく・・・・スキルの使い過ぎによる生命値の減少が0を上回った場合に起こる現象、塩化現象である
 人間が干からびるという言葉がある、その現象の一つなのだろうか・・・それこそ水分など少しものこ習い状態で砂でできた人形が崩れるように信春は崩れていった


 「信春・・・・・勘介・・・俺は多くを失った・・・俺の時代は終わるのかもしれぬな」

 新十郎達も言葉がなかった、主君氏政からの厳命は晴信の守護であり、それをなしたのは自分達ではなく、武田の猛将馬場信春であった。しかも信春は死して主を守ったのである。
 まだ若い忍び達である、多くの風魔衆もこのバスラーによって殺された、故にその厳命を守るのは自分達であると思っていた、だが・・・

 これが戦争である、最後まで油断してはいけないというものであった・・もしあのバスラーの攻撃が自分に見ていたら防げたか?新十郎は考えた・・・無理だ・・・父ほどならできたかもしれない、義理父の小太郎や前田の利家様なら出来たかもしれない・・・だが新十郎はまだそこまで達していない・・・・
 男の生き様を見た若い忍び達に与えた影響も大きかったようである。



-----------------------

 「俺は死んだか?」

 「うん・・・立派だったね」

 「お前が降三世明王か?」

 「そうだよ・・・まあ現在過去未来の悪を退治するそんな神が僕さ」

 「死後の世界って奴か?」

 「そうだね・・・ただ君の働きは大きいね・・きっとこの働きは本当の世界でも生かされているだろう、でもまあ若い者には好かれないかもねえ」

 「本当の世界?」

 「そうさ・・ここは偽りの世界…僕でさえ複製された存在でしかない、まあ僕らは君たちが思うからこそ存在するからね、でもここから先は一つの世界、君はその世界に行って、時がたって再び君が現れるよ・・・なんとなくわかるんだ・・馬場の姓だね・・・・・君はものすごく大きな人だボールを打つ仕事から戦う仕事をしている・・・・まあこれが来世なのかな・・・未来を見ることのできる僕もこれが精いっぱいだ・・・きっと君は人々に愛される存在に生まれ変わるよ」

 「ふん・・・また戦うのか・・・まあそれもいいだろう」

 こうして馬場信春は光の世界に消えていく






 











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