乙女ゲームの魔王に生まれ変わったけど死にたくない。

ほっとメロン

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客人の魔王

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「ついたよ。」



「わぁ~!綺麗ね!」



乙女ゲームで見るよりも何倍もきれいだ。

生きてて一番きれいだと思った。この城で殺されるならまあ・・。

できれば自分の、魔王城いえで死にたかったけどなぁ・・・。



「はぁ・・・。」

いまエルナはどうしているだろうか。私がいなくて悲しんでないかな。

仕事はどうなってるんだろう。



『溜息すると幸せが逃げるよ』

前世の友達がよく励ましてくれていた言葉だ。

乙女ゲームオタクであった私を唯一理解し、唯一の友達になってくれた人。

こんなにいい友達がいたのになんで私はこんな世界に来ちゃったんだろうか。



「エル。無理やり連れてきて悪った。今後このような真似はしないと約束しよう。」



しょぼんとしててなんかかわいい。

『今後』だから、今回は含まれないと、、、。

まあ少しは非日常を、、って殺される非日常なんてマジで嫌だ。



「謝るぐらいなら家に帰してくださいよ~!」



「すまないがそれはできない。せっかく捕まえたんだからな。」



「っきゃ!」

そういうと勇者は私を抱きしめた。何のつもりだろうか。

前世でもこっちでもこんなだ、抱きしめるとかそんな体験がないから、、。

意識せずとも顔は真っ赤に。



「も、もう!なんてことするんですか!」



引き離そうにもステータス平均4にはかないません。幼女ですからね!

年齢は自分でもわかりませんよ!そりゃあ乙女ゲームに魔王の年齢なんて関係ありませんから!

それに勇者には聖女がいるのに・・。って!こいつ勇者勇者パーティなかまを置き去りにしやがったぞ!クズがいますここに誰かひっとらえて

ついでに私も助けて魔王城に送ってください。



私の魔法で眠るくらいのレベルだから、四天王さんたちは大丈夫だけど。

あれでも勇者パーティーだから、下手に暴れまわっては困る。



「聖女さんたちや、仲間の人は・・・?」

あえて聞いてみる。



「おいてきた。」



そりゃあ、見たからわかるけども!



「おいてきていいんですか?」



「エルがいるからな。」



私を勇者パーティーの代わりみたいにするなあ!

平均ステータス4の幼女とかマジでいらないでしょう。

やっぱり奴隷とか、、、。



「そんなにおびえなくても大丈夫。客人(かそれ以上)として扱うから。」



「扱うって・・・私は物じゃないんですから。」



「私としては妃に迎え入れたいんだが、、、。父上がな・・・。」



国王バンザーイ!客人対応は神対応!妃とか魔王の私には無理ですしね!

それと国王様、魔王を妃にしようとしている頭のおかしい王子に教育をなさったら

もっとばんさーいしますから!!



「そうですか、それは安心しました(殺されないことにも、妃にされないことにも)。

それはいいんですが、勇者パーティーの勇者しか返ってきていないことと、

なぜ私が客人としてきているのか、国王様にはなんとおっしゃるんでしょうか。」



「大丈夫。勇者パーティーとは少しもめたことにするよ。

君は魔王討伐にあこがれてついてきて、大きく貢献したことにしよう。」



「君のすごい魔法でも見せれば納得してくれるよ。」



なんで魔王が死んだことになってるんだよ!聖女はどこに行ったんだよ!

たのむから私の大好きな乙女ゲームのシナリオをぶち壊さないでくれ。

魔王死んでないしなぜか勇者の仲間?みたいになってるし。

もうどうしたらいいんだ!
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