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第6章:再起動する世界(リブーテッド・ホライゾン)
第22話:光の残響
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再起動した都市は、まるで眠りから覚めた巨大な機械のようだった。
ビルの表面を走る亀裂の間から、青白い光がゆっくりと滲み出していく。
それは、まるで“記録”そのものが呼吸しているようだった。
奏が立ち止まり、耳をすませた。
「……何か、聞こえる。」
風の音に混じって、微かな声が響く。
――“観測ログ:No.12、時間同期試行。結果……誤差、0.06秒。”
――“再構成アルゴリズム、進行率 43%。このままでは……。”
それは、御堂理久の声だった。
しかし、空中のどこからともなく流れてくるその音は、まるで都市そのものが語っているように感じられた。
九条が装置を取り出し、周囲をスキャンする。
「残響データだ。塔の崩壊時に拡散した“時間層のログ”が、まだ都市ネットワークに残ってる。」
悠が眉をひそめる。
「つまり、この街そのものが“記録媒体”になっているってことか。」
彼はRECON-25を取り出し、波形を重ねた。
光の波が空間を走り、崩れたビルの壁面に映像が浮かび上がる。
そこに現れたのは――研究棟の屋上。
白衣の御堂理久が、夜明けの光を背に立っていた。
『――君がこれを見ているなら、実験は成功したんだろう。
けれど、“動かす”ということは、同時に“失う”ことでもある。
それでも、人は動く。止まれない。』
奏は息をのんだ。
「これ……いつの映像?」
「おそらく、“再構成”直前の記録だ。」
九条が答える。
「兄さんは、AIの中に意識の断片を分割していた。
それが今、現実層に“投影”されてる。」
御堂の映像が、ふとこちらを振り返る。
まるで、彼らの存在を“認識”しているかのように。
『九条蓮、篠原悠、奏。
もし、世界が再起動したなら――次の座標を探せ。
“光の位相”が乱れている。東区・ゼロゲートに、“空白の24秒”がある。』
映像がノイズに飲み込まれ、消える。
代わりに、周囲の街灯が一斉に点滅した。
その点滅の間隔――24秒。
悠が低くつぶやいた。
「“空白の24秒”……時間のほころびか。」
奏がRECON-25を握りしめる。
「つまり、まだ修復されていない部分があるってことだね。
――そこに、理久博士の残りの意識が?」
九条は静かに頷いた。
「兄さんは“動く”ことを選んだ。
なら、俺たちも行く。今度こそ、“止めない世界”を完成させるために。」
風が吹き抜け、瓦礫の影が揺れる。
遠く、ゼロゲートの方角で微かな閃光が走った。
それは、まだ完全に修復されていない“時の裂け目”の証。
悠は装置を腰に固定し、空を見上げた。
雲が動く。風が鳴る。
――世界が、確かに“続いている”。
「25時を超えたその先に、“26時目の未来”があるなら――
今度は俺たちが、そこまで行ってみせる。」
奏と九条が頷く。
三人の足元で、白い光が再び道を描き始めた。
“動き出した時間”の、その先へ。
――光の残響が、彼らを導いていた。
ビルの表面を走る亀裂の間から、青白い光がゆっくりと滲み出していく。
それは、まるで“記録”そのものが呼吸しているようだった。
奏が立ち止まり、耳をすませた。
「……何か、聞こえる。」
風の音に混じって、微かな声が響く。
――“観測ログ:No.12、時間同期試行。結果……誤差、0.06秒。”
――“再構成アルゴリズム、進行率 43%。このままでは……。”
それは、御堂理久の声だった。
しかし、空中のどこからともなく流れてくるその音は、まるで都市そのものが語っているように感じられた。
九条が装置を取り出し、周囲をスキャンする。
「残響データだ。塔の崩壊時に拡散した“時間層のログ”が、まだ都市ネットワークに残ってる。」
悠が眉をひそめる。
「つまり、この街そのものが“記録媒体”になっているってことか。」
彼はRECON-25を取り出し、波形を重ねた。
光の波が空間を走り、崩れたビルの壁面に映像が浮かび上がる。
そこに現れたのは――研究棟の屋上。
白衣の御堂理久が、夜明けの光を背に立っていた。
『――君がこれを見ているなら、実験は成功したんだろう。
けれど、“動かす”ということは、同時に“失う”ことでもある。
それでも、人は動く。止まれない。』
奏は息をのんだ。
「これ……いつの映像?」
「おそらく、“再構成”直前の記録だ。」
九条が答える。
「兄さんは、AIの中に意識の断片を分割していた。
それが今、現実層に“投影”されてる。」
御堂の映像が、ふとこちらを振り返る。
まるで、彼らの存在を“認識”しているかのように。
『九条蓮、篠原悠、奏。
もし、世界が再起動したなら――次の座標を探せ。
“光の位相”が乱れている。東区・ゼロゲートに、“空白の24秒”がある。』
映像がノイズに飲み込まれ、消える。
代わりに、周囲の街灯が一斉に点滅した。
その点滅の間隔――24秒。
悠が低くつぶやいた。
「“空白の24秒”……時間のほころびか。」
奏がRECON-25を握りしめる。
「つまり、まだ修復されていない部分があるってことだね。
――そこに、理久博士の残りの意識が?」
九条は静かに頷いた。
「兄さんは“動く”ことを選んだ。
なら、俺たちも行く。今度こそ、“止めない世界”を完成させるために。」
風が吹き抜け、瓦礫の影が揺れる。
遠く、ゼロゲートの方角で微かな閃光が走った。
それは、まだ完全に修復されていない“時の裂け目”の証。
悠は装置を腰に固定し、空を見上げた。
雲が動く。風が鳴る。
――世界が、確かに“続いている”。
「25時を超えたその先に、“26時目の未来”があるなら――
今度は俺たちが、そこまで行ってみせる。」
奏と九条が頷く。
三人の足元で、白い光が再び道を描き始めた。
“動き出した時間”の、その先へ。
――光の残響が、彼らを導いていた。
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