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しおりを挟む「占い師様……私、どうしたらいいのやら」
「うーん……難しいねぇ……」
リベルナは次の日、占い師に相談にやって来ていた。
ここ最近金縛りに合うのだ……
「金縛り中は目を開けない方がいいですよね……」
「そうだね。畏敬のものが見えちまうかもしらんからな」占い師は棚からポットを二つ取りながら言った。
「お嬢さんは今、月のものかえ?」
「あ、はい……そうなんです」
占い師はポットの中からクッキーを取り出すと皿に並べ、リベルナの前に置く。
「月のものには畏敬の者が集まるからね……でもまあ、それも今だけか、ブレスレットを渡したからな」
「……?」
占い師はそう言うとリベルナのカップにお茶を注いだ。
「やっぱり……私絶対に目を開けません」
「そうさ、こんなのが居たら嫌だろ?」占い師はリベルナに怖い絵を見せながら言ってきた。「キャー!」
「ヒヒヒ……かわいいねぇ……」占い師は顔を手で覆うリベルナを見て肩を揺らしている。趣味が悪い……
「からかわないでくださいまし……」
占い師はじっ……とリベルナを見つめ、少し深刻そうな声を出した。
「しかし、確かにお嬢さんからは何か力を感じるねぇ……強い……低級なものじゃない……何だろうね」
「え……左様でございますか?やはり業が深いから……」
「うーん……」占い師は腕を組むと悩ましげに唸り、テーブルの上に瓶の中の砂をぶち撒けた。
サラサラとした砂糖のような砂を掻き分けて丸い穴を開ける。リベルナはその流れるような作業が面白くてワクワクしながら覗き込む。
「手を……」
リベルナは言われた通り手を差し出す。
占い師はそれを握ると砂の中に空いた穴の上にかざした。するとボコボコとテーブルから……澄んだ水が湧き上がる。
「わぁ……」
「ほら、お嬢さん覗いてごらん……誰が見える?」
リベルナが覗き込むと……そこにはヴェルナーが映り込んでいる。
「あ……旦那様、旦那様でございます」
「ほう……」
「やはり旦那様が関係あるのでしょうか……」リベルナは占い師に助けを求めるように目を向けた。正直毎晩金縛りは辛い……
「ううーん……私はあくまでも手助けしかできんから……何か心当たりはあるかえ?この旦那の……」
リベルナは占い師の質問に暫し考え込んだ結果……聖堂での出来事を思い出す。
「あ……この前他の女性とキス……?をしているのを見ました!」リベルナはポン、と手を打つとそう言った。
「……なるほどなるほど……じゃあ旦那とそのお相手の念がお嬢さんを苦しめてるのかも知らんの」
占い師はそう言うと手で砂を床に落とした。
ザ…と音がしたのでリベルナは思わず床に目をやったけれど……床にはホコリ一つ落ちていなくて彼女は不思議な気分になる。
「ど、どうしたらいいのでしょうか……私、一応干渉はしていないつもりなのですが……」
「うーん……」
「でもハッキリは言ってなくて……気付かないフリをしているのですが……」
「うーん……」
占い師は首がネジ曲がるのでは?という程悩んだ結果……「色恋はよくわからん」と答えたのでリベルナは「ふふふ」と笑ってしまった。
「私もよくわかりません」
リベルナが小首をかしげていると、占い師は一冊の古ぼけた本を棚から取り出した。
しかし……
なんというかその本はかなり物騒な装丁で……ぐるぐるに縄が巻いてある。
「そ、それは大丈夫な奴です?」
「ヒヒヒ……多分」
占い師はそう言うとナイフでブツブツと縄を切っていく。そうして本を開くと……中からピンク色の煙が噴き出した。
「ええ!?」
「ヒヒヒ……出てきた出てきた!」
「いてててて!痛いってば!なんだよ!突然!」
突然、煙の先から女性が現れて占い師の胸ぐらを掴む。
リベルナは突然その場に一人増えたことに目を丸くした。
「「「「「お前さん色恋が得意だろ?あちらのお嬢さんにアドバイスしてやっておくれな」」」」」
占い師は胸ぐらを掴まれたまま、前後にガクガク揺れつつそう言った。
「はー?私がなーんで人間の小娘にアドバイスしなきゃなんねーんだよ!」女性にそう言われてリベルナは(ご尤もでございます……)と身を小さくした。
「「「「わかったわかった、じゃあまた縄でぐるぐるにすっか……」」」」
占い師はそう言うとガクガク揺れながら縄を出す。
「……え!?…………わかったよ」
少し顔色を青くした女性は仕方がなさそうにリベルナに向き直り……
抱きしめてきた。
「……え?なに?かわいい人間…………」
「え?」
女性の張りのある大きな胸が当たる……
(大変!わ、私の3倍はあるわ!)
「どうしたんだいお嬢さん……名前は?お姉さんに任せな」女性はリベルナの顔に片手を添えると、イケボでそう言った。
「え?あ、あの、わ、私はリベルナでございます」
「オッケーリベルナ!私はリアム、あんたの悩みをズバッと解決してやるぜ!おい!ババア!酒もってこい!」
リアムはテーブルの上にどっかりと胡座をかくと、占い師に酒を要求する。こうして改めて見ると……ものすごくスタイルがいい。
豊満な胸にくびれたウエスト……バーンッと張り出たお尻……それらを包む小さな布……
胸はビキニのトップスのようなもので辛うじて隠れており、下はギリギリ感のあるショートパンツから長くてセクシーな脚が伸びている。
「はいはい、酒な」
占い師はリアムに向かってタバコを放り投げつつ、棚から酒瓶を数本掴み……彼女の前にドンッと置いたのだった。
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