108 / 128
第108話 フケン要塞攻略戦 ⑥
しおりを挟む
ベアトリスとレスターが先頭になって突入すべく様子を見る。
採光用の窓の向こうは喧騒で騒がしい。
ベアトリスはその窓を叩き割り木枠ごと取り払う。
「よし。ひとりずつ侵入するぞッ」
そう言うとベアトリスはできた石枠に身を捻じ込み始める。
幅は普通の体型の者ならば通れる大きさだ。
「入れない者はドーガ殿に続けッ」
指示を出しながらアウレア兵が侵入するのを見守っていると部屋の扉が勢いよく開かれた。
「き、貴様らどこから……アウレア兵かッ!?」
「如何にも。貴公らには死んでもらう」
ベアトリスは聖剣ヴァルムスティンを抜き放つとアルタイナ兵に向かって剣を構えた。
「やれッこれ以上、侵入させるなッ」
「やれるものかよッ」
【無双Ⅴ】
ベアトリスは【個技】を発動し、かかって来た兵士たちを一瞬の内に斬って捨てる。
「なッ!?」
狭い室内でもベアトリスの華麗な剣技は冴えわたる。
彼女は苦も無くアルタイナ部隊長が二の句も継げぬまま刺し殺した。その間にもアウレア兵は次々と室内に侵入していた。
「貴様ら、ここは敵の真っただ中だッ覚悟を決めろッ!」
「閣下、そんなものは西の断崖から攻めろと言われた時点で出来ております!」
「ふッそうだったな。よし。一気に制圧するぞッ!」
『はッ!』
ベアトリスは開け放たれていた扉から外に飛び出すと近くにいたアルタイナ兵を斬り伏せる。
「うわあああああ! アウレア兵だッアウレア兵がいるぞぉぉぉ!」
そこはアルタイナ兵の詰め所であった。
交代制で休んでいた部隊がそこにはいた。
混乱するアルタイナ兵の中、文字通りベアトリスの無双が始まった。
部屋の中が阿鼻叫喚の地獄絵図に変わる。
悲鳴が木霊し、何とか逃げ出そうと隣の部屋へつながる扉へと皆が殺到する。
一方、レスターも部屋に侵入すると、ガーランド銃を持った兵たちに告げる。
「我々はベアトリス様の背後を守りながら周囲を制圧するぞ」
そう言って部屋から飛び出したレスターが見たのはベアトリスの一方的な殺戮であった。吹き荒れるは死の暴風である。
「これ。守る意味ある……?」
レスターの口から思わず本音が漏れる。
それほどにベアトリスの武力は圧倒的であった。
「来たか、レスター。全員入ったか?」
「はッ侵入成功です」
「よし片っ端から敵兵を倒して前線に行くぞ。どんどん敵は増えてくるだろう。貴殿の鉄砲部隊に期待する」
「はッ承知致しました!」
ベアトリスの部隊は進軍を開始した。
◆ ◆ ◆
一方のドーガはようやく目標地点へとたどり着いていた。
「よっし。頂上到着~。しっかし見張りも置けないほど余裕がないのかね」
ドーガは他に上ってくるアウレア兵の手助けをしつつ、翻っていたアルタイナの国旗を取り外してアウレアの国旗を掲げておいた。
「俺たちが来た以上、要塞は落ちたも同然だからな」
頂上の広さは見張り1、2人が立っていられればいい方で、後は下に続く階段があるだけだ。
「行くぞ。ここから先は皆、敵だ。斬って斬って斬りまくれ」
『応ッ!』
そう言うと狭い階段を下り大きな部屋に辿り着く。
そこは兵の詰所であったが既に出払っているらしい。
進んでも進んでも敵とは遭遇しなかった。
苛立つドーガ。
「んだよ。皆、前線行ってんのかぁ?」
しかし、どんどん階段を降りて行くとようやく広い場所に出た。
そこではアウレア軍とアルタイナ軍が激しく激突している。
ドーガたちは対峙している両軍のうちアルタイナ側の背後に出たのだ。
「てめぇらッ、暴れる時が来たぞッかかれッ!」
【一騎当千Ⅳ】
「なんだ!? あれは……アウレア軍だッ何故背後から!?」
必死で前方のアウレア軍と戦っていたら背後から別のアウレア軍が現れたのだ。
動揺しないはずがない。
前方では既に乱戦になっていたアルタイナ軍は後方からの攻撃に対処できない。
ここに予期しない挟み撃ちが発生しアルタイナ軍はゴリゴリと兵力が削られてゆく。この場のアルタイナ軍をまとめていたのはフケン要塞総大将のカント将軍であった。
「将軍閣下、敵が背後から現れ、お味方が大混乱に陥っております。要塞から逃亡する兵も出ております」
「何故、背後から敵が来るのだッ謀叛でもあったのか?」
「敵は西側の断崖から攻めてきたと思われます」
「何ッ!? あそこを登って来たのか?」
カントは驚愕のあまり目を剥いた。
そして風に乗って聞こえてくる声。
「要塞は落ちたッ落ちたぞぉぉぉ!」
「速く逃げぬと皆殺しにされるぞッ!」
「要塞内部は占拠された! 大人しく降伏しろッ!」
「何だあの虚言は!?」
「将軍、お味方は混乱しております。お下知を!」
下知も何も現場が大混乱で命令系統が麻痺しているのだ。
幾ら総大将のカントとは言え、味方の大軍を混乱から立ち直させるのは難しい。
「おのれ……」
「おッ風格のある武将見つけたぜ。もしかして総大将か? だとしたら俺はついてるな……。俺の名はドーガ・バルムンク。いざ勝負ッ」
カントは敵がここに来ている以上、占拠された要塞璧の辺りも挟撃されていると考えていた。となれば幾ら要塞東門が落ちていなくても最早守り切るのは難しい。
「俺が――」
「総大将が戦ってはいけませぬ。おい貴様ッ将軍が出るまでもない。貴様の相手は俺で十分だ。死ねい!」
カントの副官がドーガに飛び掛かる。
ドーガは余裕の表情でそれを迎え討った。
副官の攻撃をドーガは軽々と受け止め、逆に上段から斬り下ろす。
副官は何とかそれを受け止めるもドーガの膂力は桁外れであった。
ググッと押し込んで剣を圧し折ると中段の薙ぎ払いで副官は上半身と下半身を分かたれて討ち死にした。
「敵将、討ち取った!」
焦るカントに更なる報告がもたらされる。
「ご注進ッ東からの圧力が強まっております。東門が破られそうです!」
「何とか踏みとどまれと伝えろッ俺はこの男を討ち取ってからすぐ行く」
「はッ」
それを傍で聞いていたドーガは歓喜に打ち震えていた。
危険な西側から侵入した割には手柄がないドーガがアルタイナの総大将を討ち取れる好機を得たのである。その喜びは一塩であった。
「ドーガ・バルムンク参る!」
「ええい、総大将がお相手つかまつる。かかってきませい!」
ドーガの斬り込みに得物の方天画戟を使っていなしたカントは素早い捌きで突きの連撃を放つ。
「ちぃッまた厄介な武器を……」
それを大剣で捌きつつ回避するも攻撃は止まらない。
まるで止まない五月雨突きである。
「うぉらッ」
ドーガは全力で突きを弾き飛ばすとその異常な力に押されてカントは身を仰け反らせる。
「何ッ」
あまりにも重い一撃はとても想定できるものではなかった。
ドーガはその隙にするりとカントの懐に入り込む。
今度はドーガが連撃を放つ番である。
激しい金属音が鳴り響きその連撃を何とか受け止めるカント。
そこへ至近距離から方天画戟の柄がドーガの腹を捉える
「グガッ」
ドーガの口から苦痛の呻き声が漏れる。
しかしその強烈な一撃にドーガは耐える。
カントは距離をとるために方天画戟を払い後ろへ飛んだ。
タイミングを同じくしてカントにピタリとくっつき大きく飛ぶドーガ。
その動きを読んでいたのだ。
「はッ」
気合一閃、ドーガが短い呼気を吐く。
その瞬間ドーガの大剣がカントの鎧をバターのように薙ぎ斬った。
「がはッ……」
カントは必殺の一撃を受け、脇腹を押さえ倒れ込む。
ドーガはその剣先を倒れるカントの首筋に突きつけた。
「俺の勝ちだ。降伏しろ」
「死ね。この蛮族共が」
「それが答えか……ではお命頂戴つかまつる」
ここにフケン要塞の総大将カントが討ち死にした。
ドーガはそれをすぐさま喧伝するように命令する。
「ドーガ・バルムンク、敵総大将カントを討ち取ったッ! 死にたくないヤツは降伏しろッ!」
そしてアルタイナ軍の逃亡が始まった。
◆ ◆ ◆
要塞の一角を占拠したガイナスは依然として暴れまわっていた。
「風向きが変わりやがった」
ガイナスは戦場の雰囲気が変わったことを敏感に感じ取る。
殺到する多くの雑兵を倒しているとアルタイナ軍の背後に友軍の旗印が目に入る。
「バッカス、やりやがった。閣下の策が成ったようだな」
「これでようやく決着か……」
「最後にもう一暴れだッ」
ガイナスはそう言って戦斧を振りかざし、ますます勢いにのってアルタイナ兵を殺しまくる。バッカスもその背後を守って大暴れを始めた。
この2人の大男を止める術はもはやアルタイナ軍は持っていなかった。
その時、アルタイナ軍総大将を討ち取ったという大音声が耳に入る。
「はッドーガの野郎。おいしいところを持っていきやがった」
ガイナスの笑みが深くなる。
「(戦友の仲だ。祝ってやる)」
最早、アルタイナ軍は総崩れであった。搦め手の門から兵士たちが次々と脱出を図っている。将軍クラスの将も残っていたものの歯止めは利かない。
ガイナスの部隊とぶつかっていたテイホ将軍も最早これまでと脱出にかかる。
ガイナスと決着が付けられなかったのは残念だが、臥薪嘗胆の気持ちを胸にアドに乗るとフケン要塞を脱出した。
この後、要塞内にいたものの多くは降伏し、首都アルスに退却する者はアウレア軍によって追撃された。
この戦いでアルタイナ軍は戦死者五○○○以上、投降者四○○○以上を数え歴史的な大敗となったのである。
採光用の窓の向こうは喧騒で騒がしい。
ベアトリスはその窓を叩き割り木枠ごと取り払う。
「よし。ひとりずつ侵入するぞッ」
そう言うとベアトリスはできた石枠に身を捻じ込み始める。
幅は普通の体型の者ならば通れる大きさだ。
「入れない者はドーガ殿に続けッ」
指示を出しながらアウレア兵が侵入するのを見守っていると部屋の扉が勢いよく開かれた。
「き、貴様らどこから……アウレア兵かッ!?」
「如何にも。貴公らには死んでもらう」
ベアトリスは聖剣ヴァルムスティンを抜き放つとアルタイナ兵に向かって剣を構えた。
「やれッこれ以上、侵入させるなッ」
「やれるものかよッ」
【無双Ⅴ】
ベアトリスは【個技】を発動し、かかって来た兵士たちを一瞬の内に斬って捨てる。
「なッ!?」
狭い室内でもベアトリスの華麗な剣技は冴えわたる。
彼女は苦も無くアルタイナ部隊長が二の句も継げぬまま刺し殺した。その間にもアウレア兵は次々と室内に侵入していた。
「貴様ら、ここは敵の真っただ中だッ覚悟を決めろッ!」
「閣下、そんなものは西の断崖から攻めろと言われた時点で出来ております!」
「ふッそうだったな。よし。一気に制圧するぞッ!」
『はッ!』
ベアトリスは開け放たれていた扉から外に飛び出すと近くにいたアルタイナ兵を斬り伏せる。
「うわあああああ! アウレア兵だッアウレア兵がいるぞぉぉぉ!」
そこはアルタイナ兵の詰め所であった。
交代制で休んでいた部隊がそこにはいた。
混乱するアルタイナ兵の中、文字通りベアトリスの無双が始まった。
部屋の中が阿鼻叫喚の地獄絵図に変わる。
悲鳴が木霊し、何とか逃げ出そうと隣の部屋へつながる扉へと皆が殺到する。
一方、レスターも部屋に侵入すると、ガーランド銃を持った兵たちに告げる。
「我々はベアトリス様の背後を守りながら周囲を制圧するぞ」
そう言って部屋から飛び出したレスターが見たのはベアトリスの一方的な殺戮であった。吹き荒れるは死の暴風である。
「これ。守る意味ある……?」
レスターの口から思わず本音が漏れる。
それほどにベアトリスの武力は圧倒的であった。
「来たか、レスター。全員入ったか?」
「はッ侵入成功です」
「よし片っ端から敵兵を倒して前線に行くぞ。どんどん敵は増えてくるだろう。貴殿の鉄砲部隊に期待する」
「はッ承知致しました!」
ベアトリスの部隊は進軍を開始した。
◆ ◆ ◆
一方のドーガはようやく目標地点へとたどり着いていた。
「よっし。頂上到着~。しっかし見張りも置けないほど余裕がないのかね」
ドーガは他に上ってくるアウレア兵の手助けをしつつ、翻っていたアルタイナの国旗を取り外してアウレアの国旗を掲げておいた。
「俺たちが来た以上、要塞は落ちたも同然だからな」
頂上の広さは見張り1、2人が立っていられればいい方で、後は下に続く階段があるだけだ。
「行くぞ。ここから先は皆、敵だ。斬って斬って斬りまくれ」
『応ッ!』
そう言うと狭い階段を下り大きな部屋に辿り着く。
そこは兵の詰所であったが既に出払っているらしい。
進んでも進んでも敵とは遭遇しなかった。
苛立つドーガ。
「んだよ。皆、前線行ってんのかぁ?」
しかし、どんどん階段を降りて行くとようやく広い場所に出た。
そこではアウレア軍とアルタイナ軍が激しく激突している。
ドーガたちは対峙している両軍のうちアルタイナ側の背後に出たのだ。
「てめぇらッ、暴れる時が来たぞッかかれッ!」
【一騎当千Ⅳ】
「なんだ!? あれは……アウレア軍だッ何故背後から!?」
必死で前方のアウレア軍と戦っていたら背後から別のアウレア軍が現れたのだ。
動揺しないはずがない。
前方では既に乱戦になっていたアルタイナ軍は後方からの攻撃に対処できない。
ここに予期しない挟み撃ちが発生しアルタイナ軍はゴリゴリと兵力が削られてゆく。この場のアルタイナ軍をまとめていたのはフケン要塞総大将のカント将軍であった。
「将軍閣下、敵が背後から現れ、お味方が大混乱に陥っております。要塞から逃亡する兵も出ております」
「何故、背後から敵が来るのだッ謀叛でもあったのか?」
「敵は西側の断崖から攻めてきたと思われます」
「何ッ!? あそこを登って来たのか?」
カントは驚愕のあまり目を剥いた。
そして風に乗って聞こえてくる声。
「要塞は落ちたッ落ちたぞぉぉぉ!」
「速く逃げぬと皆殺しにされるぞッ!」
「要塞内部は占拠された! 大人しく降伏しろッ!」
「何だあの虚言は!?」
「将軍、お味方は混乱しております。お下知を!」
下知も何も現場が大混乱で命令系統が麻痺しているのだ。
幾ら総大将のカントとは言え、味方の大軍を混乱から立ち直させるのは難しい。
「おのれ……」
「おッ風格のある武将見つけたぜ。もしかして総大将か? だとしたら俺はついてるな……。俺の名はドーガ・バルムンク。いざ勝負ッ」
カントは敵がここに来ている以上、占拠された要塞璧の辺りも挟撃されていると考えていた。となれば幾ら要塞東門が落ちていなくても最早守り切るのは難しい。
「俺が――」
「総大将が戦ってはいけませぬ。おい貴様ッ将軍が出るまでもない。貴様の相手は俺で十分だ。死ねい!」
カントの副官がドーガに飛び掛かる。
ドーガは余裕の表情でそれを迎え討った。
副官の攻撃をドーガは軽々と受け止め、逆に上段から斬り下ろす。
副官は何とかそれを受け止めるもドーガの膂力は桁外れであった。
ググッと押し込んで剣を圧し折ると中段の薙ぎ払いで副官は上半身と下半身を分かたれて討ち死にした。
「敵将、討ち取った!」
焦るカントに更なる報告がもたらされる。
「ご注進ッ東からの圧力が強まっております。東門が破られそうです!」
「何とか踏みとどまれと伝えろッ俺はこの男を討ち取ってからすぐ行く」
「はッ」
それを傍で聞いていたドーガは歓喜に打ち震えていた。
危険な西側から侵入した割には手柄がないドーガがアルタイナの総大将を討ち取れる好機を得たのである。その喜びは一塩であった。
「ドーガ・バルムンク参る!」
「ええい、総大将がお相手つかまつる。かかってきませい!」
ドーガの斬り込みに得物の方天画戟を使っていなしたカントは素早い捌きで突きの連撃を放つ。
「ちぃッまた厄介な武器を……」
それを大剣で捌きつつ回避するも攻撃は止まらない。
まるで止まない五月雨突きである。
「うぉらッ」
ドーガは全力で突きを弾き飛ばすとその異常な力に押されてカントは身を仰け反らせる。
「何ッ」
あまりにも重い一撃はとても想定できるものではなかった。
ドーガはその隙にするりとカントの懐に入り込む。
今度はドーガが連撃を放つ番である。
激しい金属音が鳴り響きその連撃を何とか受け止めるカント。
そこへ至近距離から方天画戟の柄がドーガの腹を捉える
「グガッ」
ドーガの口から苦痛の呻き声が漏れる。
しかしその強烈な一撃にドーガは耐える。
カントは距離をとるために方天画戟を払い後ろへ飛んだ。
タイミングを同じくしてカントにピタリとくっつき大きく飛ぶドーガ。
その動きを読んでいたのだ。
「はッ」
気合一閃、ドーガが短い呼気を吐く。
その瞬間ドーガの大剣がカントの鎧をバターのように薙ぎ斬った。
「がはッ……」
カントは必殺の一撃を受け、脇腹を押さえ倒れ込む。
ドーガはその剣先を倒れるカントの首筋に突きつけた。
「俺の勝ちだ。降伏しろ」
「死ね。この蛮族共が」
「それが答えか……ではお命頂戴つかまつる」
ここにフケン要塞の総大将カントが討ち死にした。
ドーガはそれをすぐさま喧伝するように命令する。
「ドーガ・バルムンク、敵総大将カントを討ち取ったッ! 死にたくないヤツは降伏しろッ!」
そしてアルタイナ軍の逃亡が始まった。
◆ ◆ ◆
要塞の一角を占拠したガイナスは依然として暴れまわっていた。
「風向きが変わりやがった」
ガイナスは戦場の雰囲気が変わったことを敏感に感じ取る。
殺到する多くの雑兵を倒しているとアルタイナ軍の背後に友軍の旗印が目に入る。
「バッカス、やりやがった。閣下の策が成ったようだな」
「これでようやく決着か……」
「最後にもう一暴れだッ」
ガイナスはそう言って戦斧を振りかざし、ますます勢いにのってアルタイナ兵を殺しまくる。バッカスもその背後を守って大暴れを始めた。
この2人の大男を止める術はもはやアルタイナ軍は持っていなかった。
その時、アルタイナ軍総大将を討ち取ったという大音声が耳に入る。
「はッドーガの野郎。おいしいところを持っていきやがった」
ガイナスの笑みが深くなる。
「(戦友の仲だ。祝ってやる)」
最早、アルタイナ軍は総崩れであった。搦め手の門から兵士たちが次々と脱出を図っている。将軍クラスの将も残っていたものの歯止めは利かない。
ガイナスの部隊とぶつかっていたテイホ将軍も最早これまでと脱出にかかる。
ガイナスと決着が付けられなかったのは残念だが、臥薪嘗胆の気持ちを胸にアドに乗るとフケン要塞を脱出した。
この後、要塞内にいたものの多くは降伏し、首都アルスに退却する者はアウレア軍によって追撃された。
この戦いでアルタイナ軍は戦死者五○○○以上、投降者四○○○以上を数え歴史的な大敗となったのである。
12
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる