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第三章 死霊都市レムレース
3-03 ゆっくり
しおりを挟むカルマへ到着した。これで護衛依頼は完了だ。
商人から報酬をもらい、道中で得た魔石と素材を換金する。
その時、ふと思い出して南斗旅団のアジトで分捕った紫色の魔石を見てもらう事にした。
「おっちゃん、この魔石なんだけど、鑑定してくれませんか?」
「ん? ちょっと見せてみな。ああこれは無属性の魔石だよ。レア物だな」
「無属性? 何かに使えるんですか?」
「ああ、魔法を封じ込めたりできるからな。これはランクCの無属性魔石という訳だ。売るのかい?」
「いえ、取っときます」
レヴィンはその男性にお礼を言って、その場を去る。
そして、換金した分を皆で山分けした。
「それじゃあ、俺達はここまでだな」
イザークが口を開くと、レヴィンはお礼を言う。
「今回は本当にお世話になりました。エクス公国での依頼達成と南斗旅団の壊滅はイザークさんとイーリスさんのお陰です」
『無職の団』の団員達も口々にお礼の言葉を述べている。
彼等には何度も助けられたし、色々助言ももらったからだ。
「まぁそれは言いっこなしだ。持ちつ持たれつだからな」
イザークが頭をかきながら謙遜する。
「俺達はしばらく休んで、モンテールって都市に行ってみるつもりだ」
「地下迷宮に挑戦するんですね」
「ああ、面白そうな匂いがする」
イーリスも隣りでコクコク頷いている。
「じゃあな。縁があったらまた会おうぜ!」
前にも聞いた挨拶である。名残惜しいが、これでイザーク達とはお別れだ。
しかし、永遠の別れではない。また、タッグを組む事もあるだろう。
しばらく、彼等を見送っていたのだが、ヴァイスが口を開く。
「じゃあ、俺達は宿探しだな」
「そだねー。それで明日はゆっくり武器や防具を見て回ろうか」
エクス公国の件で大いに稼がせてもらった。
懐具合はかなり暖かいのである。
冒険者ギルドを出て宿を探す。
以前来た時は、イシマツ屋に泊まった事を思い出す。
できれば午前中はゆっくり過ごしたいレヴィンであった。
何軒か回って、時間に自由度があるかをフロントで確認していく。
しかし、条件と空き部屋の兼ね合いから、『魔のホテル』という宿に決めた。
なんだか名前が物騒だが、特に気にしない。
とりあえず一泊してみて、今後も泊まるか決めようと思う。
二階の室内に通されると、意外と広い感じがした。
ベッドもふんわりして寝心地も良い。
少し高いかと思ったが、これで銀貨八枚なら納得である。
部屋を確かめるとすぐに一階の待合ホールに降りて行く。
まだ全員集まっていなかったので、しばし時間を潰す。
今日の朝刊が置いてあったので読む事にした。
見出しに『インペリア軍、大敗北!』の文字が躍っている。
詳しく読み進めると、紛争地帯のゲルニード地方をたちまち掌握したインペリア王国が余勢をかってさらに内部に攻め込んだところ、ブルージュ山地にてアイオロス軍の逆襲にあい大敗したとの事であった。
軍が分断され散り散りになっているようで、被害の詳細はまだ解らないらしい。
インペリア王国出身のローサの事が思い出される。まぁ劇団員として各地を飛び回っているからあまり影響はないかと思うレヴィンであった。
更に読み進めようとしていると、全員が集まったので外に食事に出かけた。
晩御飯をとる場所を適当に決め、中に入ると早速注文をする。
テーブルにぐでーっと手を伸ばして突っ伏すヴァイス。
「これでやっと一息つける感じだな」
「ああ、明日はゆっくりして、武器屋なんかを回ろう」
「ヴァイスなんかは武器が古くてきつかったろ。新調する暇がなかったからな」
「俺は、良い得物を手に入れるぞ!レヴィンーーーー!」
そんな俺は人間やめるぞジョジョー!みたいに言われてもと心の中で突っ込むレヴィン。
「あたしのロッドも買い替えるべきなのかな?」
「そうだな……。アリシアのケレナロッドの素材はランクDの魔物だし、多分買い替えになるかな」
「うう……。お世話になったよ~」
「前の装備は全部レヴィンが用意してくれた……。やっと自分のお金で買える……」
シーンもこれで一人前だとばかりに胸を張っている。
「でも聖者の杖は結構レベルの高い装備だと思うよ?」
「む……。良いものがあれば買い替える……」
そんな会話に花を咲かせながら夕食を食べ終える。
そして、宿の戻るとレヴィンが言う。
「んじゃ、今日は解散ということで。明日は午前中はゆっくりまったりして、午後から装備を揃えに店巡りだ!」
その言葉を合図にそれぞれ散っていくメンバーなのであった。
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