110 / 174
第四章 ヴィエナの狂信者
4-08 新年のパーティ
しおりを挟む新しい年が始まって早六日、アウステリア王国では恒例の新年のパーティが催されていた。今年は貴族となったのでレヴィンも参加する事になったのである。
絶対参加ではないものの、毎年、数多の貴族が王への挨拶のために集まる。
わざわざ地方の領都から日数をかけて王都までくる者も多い。
貴族服も新調したので、マッカーシー家でそれを着てマッカーシー卿らと共に王城へと向かった。
何故、自分の家で着なかったかと言うと、上手く着付けできないからだ。
一般的に、貴族は衣服をメイドや従者に着せてもらうようだ。
慣れない身としては、なんだか照れくささと恥ずかしさで、やるせない。
ちなみに、パーティにはベネディクトやクラリスも参加するらしい。
家族同伴で来る者も多く、かなり大規模なパーティなのだ。
パーティは、現国王、オーガスタスⅢ世の第一王子である王太子ラウルスの挨拶で始まった。
「皆の者、まずは新年おめでとう。昨年は、シ・ナーガ民国の馬賊討伐があったが、各騎士団の活躍もあり、無事征伐する事ができた。皆、誠に大儀であった。今年も万民の心が安らかにあるよう統治に力を注いでいく所存だ。皆も心して励むように」
その後も長々と王太子の言葉が続くのだが、割愛する。
要約すると、隣国インペリア王国の城塞都市レムレースが落ちたけど、お前達もヴァール帝國に備えて軍備を怠るなよ。それに去年は小麦の高騰があったので、農民をしっかりケアして多くの税収を期待しているぞと言った感じである。最後に王太子の「乾杯!」の声と共に、会場に貴族たちの乾杯の声が大きく響いたのであった。乾杯が終わった空間に静かな音が流れる。王家のお抱え楽団の演奏である。
後は、自由にしてもよいという事だったので、レヴィンはベネディクトとクラリスと話をしつつ、国王への挨拶の機会をうかがっていたのだが、他の貴族はと言うとレヴィンとの接触を持とうとうかがっていたのである。
そんな中、最初にレヴィンの下を訪れたのは、昨年、レヴィンと同様に平民冒険者から貴族になったローラン・フォン・アーヴルであった。
彼は北の辺境でヴァール帝國と一戦交え、局地戦ではあるが大勝利を収めた男である。本来なら後輩のレヴィンから挨拶して然るべきところであったが、ローランの事をレヴィンはすっかり失念していたのだ。
「やぁ、お初にお目にかかる、ローラン・フォン・アーヴルだ。君と同じ、成り上がりさ」
お互いに平民冒険者出身のため、わざと砕けた挨拶にしたアーヴル卿であった。
アーヴル卿に名乗られたところで、ようやく気づいたレヴィンである。
「これは、失礼しました。先にご挨拶にうかがわなければならないところを……」
「気にしないでくれ。君はまだ十三歳なんだろ? こういうのは大人の役割さ。気軽にローランと呼んでくれ」
ローラン・フォン・アーヴルは、25歳の義を尊ぶ青年貴族である。
王都の北西のヴァール帝國との国境付近の都市、テセルの町を領有している。
テセルの町と言っても、元々、村だったものを体裁を取り繕うために町と呼ぶようになっただけであるが。彼が冒険者時代に率いていた『白銀騎士団』はほとんどの者がそのまま正式な騎士に昇格した。レヴィンは、領地経営について、参考にする事もあると思い、彼と懇意にする事に決めた。
その後も軽く話をしていた二人であったが、去年の話題の二人の揃い踏みだけあって目立ったようだ。
次々と、貴族達が詰めかけ、てんやわんやの出だしとなった。
貴族と言っても、王都で文官や武官を務める、男爵や準男爵、騎士爵の者ばかりで、たまに子爵が訪れる程度である。
階級に厳しい貴族であるから、階級が上の者は軽々に動かないのであった。
しばらくして、マッカーシー卿がレヴィンの下へとやって来た。
挨拶回りをするから一緒に来いという事である。
まずは、カルヴィン・フォン・ゴルードリッチ公爵からであった。
彼はマッカーシー卿の寄り親的立場であり、王太子夫人の父親でもあり、宮廷内での発言力は大きい。
レヴィンにカルマ東の地を与えるように国王へ進言したのも彼である。
精強なアストルム騎士団を持ち、軍への影響力も強い。
かなり豪胆な性格で、年齢を感じさせない六十五歳であった。
レヴィンは、叙爵のお礼を述べ、無難な挨拶をしておいた。
「叙爵の際は大変お世話になり、ありがとうございました。不肖レヴィン、身を粉にして国家のためにまい進する所存であります。是非、閣下には格別のごひいきを頂けますようお願い致します」
「はっはっは! 任せておきなさい。クライヴの子は儂の孫みたいなもの。カルヴィンと気軽に呼びなさい」
公爵だけあって権謀術数には長けているのだろう。敵に回さないよう気をつけねばなるまい。まぁ、マッカーシー卿の寄り親なので、レヴィンにとっても味方も同然の人なのだが。
それから次々と挨拶をこなしていく。彼等は全て同じ派閥なのだろう。
名前を覚えるのが大変で、名刺が欲しいところであった。
宰相の任にある、デイモン・フォン・バルキュラス子爵にも挨拶をした。
子爵にして宰相まで上り詰め、非凡な才能を見せる野心家の男であった。
茶色の髪をしており、帽子をかぶっている。アウステリア貴族にはめずらしく髭は生えていない。
「貴公が叙爵された時以来だな。それにしても貴族になってもまだ冒険者は続けて行くおつもりか?」
「はい。冒険者として、その名の通り色々なところを冒険してみたいと思っております」
「そうなのか。南斗旅団やレムレースの件のように、王国のために尽くして欲しいところだ。ところでこれは独り言なのだが……」
そう前置きをして勝手に話始める。
「最近、マルムス教の活動が目に見えて活性化しているな。噂では、秘密集会なども行われているらしいが尻尾が掴めない。民に人気があるので王国としては下手に出ているが、扇動されて蜂起されてもやっかいだ。陛下も心配されておるし、何とか手を打ちたいところだ」
レヴィンは考える。この男が敢えて独り言という名目でマルムス教について語る意味を。
(まぁ、普通に何とかしろって事なんだろうけど)
国として何とかできない状況なので、冒険者として動けと言う事なのだろうが、レヴィンは庶民の間で結構有名になってしまっている。
頼む相手を間違っていませんか?と思うレヴィンであった。
挨拶を終えて、他の貴族の下へ向かう。
すると、一緒に挨拶回りをしていた、マッカーシー卿がレヴィンに声をかけてきた。
「レヴィン殿、さっきのアレは、あくまでも独り言だ。気にせん事だな」
「はい。解りました」
レヴィンも今はナミディアの事だけに集中したいところだ。
厄介事は避けておきたい。
何人もの貴族に挨拶をして疲れ切ってしまったレヴィンであったが、まだ最大の難関が待ち構えていた。
国王への挨拶である。オーガスタスⅢ世こと、オーガスタス・アウスト・アルカヌム・ファクスノームは気難しい性格をしている。気分でコロコロ態度が変わるのだ。なのでマッカーシー卿は、国王の様子を見て接見する機会をうかがっていた。
しばらくベネディクトとクラリスと合流して話をしていたのだが、動く時が来たようだ。マッカーシー卿がレヴィンに「行こう」と声をかけ、国王の下へと向かう。近づくと、国王の傍には五人ほどの取り巻きがいた。これでも減った方だ。マッカーシー卿が国王に恭しい態度で挨拶する。レヴィンが紹介されたので、彼もマッカーシー卿に倣って挨拶をする。
「そなたは、カルマの東に領土を与えたレヴィン男爵じゃったな。どうじゃ、もう領都の名前は決めたのか?」
「はッ! 畏れながら、『ナミディア』という名前に致しました」
「ほう。良いではないか。家名もそれにするのか?」
「はッ! レヴィン・フォン・ナミディアと名乗ろうと思っております」
「よいッ! ナミディア男爵、確か開拓は春からだったな。しかと励むように」
挨拶は済んだのでさっさと撤退しようとした、その時、別の人間から声がかかった。
「キミが噂のレヴィンくんかぁ……。キミも新年早々大変だね」
誰だか解らないので、チラリとマッカーシー卿の方を一瞥すると、彼がボソリと教えてくれる。この馴れ馴れしい男は、第二王子のコーカサス殿下らしい。
「これはこれは、コーカサス殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう……」
「マッカーシー卿か。麗しくなどないぞ。今、宮廷内ではマルムス教の事で持ちきりだよ」
「それで、大変とは一体何事でございましょうか?」
「なんだ。聞いてないの? そこのレヴィンくんにマルムス教対策委員の実働部隊として動いてもらうことになったんだ。冒険者の経験を活かしてね」
「は!?」
何も聞いていなかったのだろう。マッカーシー卿の間の抜けた声が響き渡る。
もちろん、レヴィンも初耳である。
そんな事とは露知らず、国王は喜色を浮かべて同意する。
「それは良いな!」
「はッ! ナミディア卿は、誘拐事件や南斗旅団の件、そしてレムレースの件で多大な功績を上げました。その手際は見事と言う他なく、宮廷内の文官、武官問わず彼を推す声は最早、勢い天を突かんばかりです」
取り巻きのうちの一人でザ・ピエールという感じの貴族――ゲメナストス侯爵という――が、思い切りレヴィンを持ち上げだす。
あまりの成り行きにレヴィンが茫然としていると、国王も後押しとも言える発言をする。
これはもう断れる流れではなかった。
「マルムス教については余も、苦々しく思っておったところじゃ。そなたが力を貸してくれるなら心強い。忌々しいマルムス教を何とか潰してくれ」
国王も実は教団を潰す気であったようだ。
「このレヴィン、謹んで拝命致します……」
なんとか声を絞り出したレヴィンであった。
思えば、バルキュラス卿は、単にマルムス教についての現状を教えてくれただけなのかも知れない。
単に、やっかいな仕事を押し付けようとしただけかと思っていたのだが。
親切心で教えてくれたのかも知れない。
顔に似合わず律儀な男である。
その後も、貴族達と歓談し、交流を深めたレヴィンである。
こうして嵐を呼んだ新年のパーティは幕を降ろした。
11
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら
リヒト
ファンタジー
現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。
そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。
その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。
お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。
ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。
お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜
くまみ
ファンタジー
前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?
「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。
仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。
病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。
「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!
「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」
魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。
だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。
「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」
これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。
伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる