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22話 次は風呂!
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よく寝た翌日、その日は雨だった。
雨が降ってても男衆は畑に出る。
秋も深まって暖かくもないんだから無理するなって思うんだが、冬の前にやっておきたいと言われればそれもそうかと思わざるを得ない。
「ご苦労さん。しかし汚れたなあ。順番に風呂入ってこいよ」
俺ができるのは労うことだけだからな。
「っす」
「俺はいいかなー。このまま床で寝るし」
「待ってるの怠ぃっすもんね」
おいおいおいおい。
部屋汚れるし、お前ら汗臭いだろうが。
まあ、女子を優先で入らせると遅くなるしなあ。
人数に対して、圧倒的に風呂が狭過ぎなんだよ。
あー、新しく作るか。男女別に作られてれば時間を気にする必要もないわけだし。
うん、それいいな!
んじゃ、ひとまず今日は
「お前ら並べ」
「へい兄貴、何やるっすか?」
「ん、お前ら風呂に入りたくないんだろ?」
「そうですけど?」
だから仕方ないだろ。
こいつらの女子を優先する感じは嫌いじゃない。むしろ俺の中で好感度上がるやつだ。
「ん、浄化!」
近くにいた10人ほどをまとめて綺麗にした。
「よし、お前ら向こう行っていいぞ。次、ほらこっち来い」
「うわあああ!殺される!!」
え、なんで?俺、そんな非道な人間に見えるの?
何?顔?顔が怖えのか?
いくら浄化が術者の『汚物』と判断するものを消すっていっても、さすがに人間を消す力はねえんだぞ。
「に、兄さん!俺たち風呂入りたいっす!!なん時間でも待てます!!」
え、なんで?そんなにイヤ?
確かに湯船にどぼんするのは気持ちいいけど、怠いって言ってただろ。
何時間も待つよりぱぱっと済まそうぜ。みんな疲れてるんだし。
「おら、わがまま言うな」
構わずもう一度浄化をかける。
「ひいぃぃぃぃぃい!!お許しくださいぃぃぃい!!」
「俺たち兄貴の手をわずらわせるつもりなんて、これっぽちもないですから!!」
「そ、そうっすよ!大兄の貴重な魔力を浴びたのは不可抗力です!!」
残りの30人くらいは、俺に視線を向けながらガタガタと震えている。
みんな酷い。
俺がお前らを汚物として消すわけないだろ!
人の好意は素直に受け取れよな!
いくら嫌われ慣れてる俺でも泣いちまうぞ。
お前らには好かれてるかもって思ってたから余計にな……。
ん?違う?俺の後ろ?
「なんだ、リクか」
俺の後ろにリクが立っていた。
「リクも今日は風呂じゃなくて浄化でいいか?」
「はい。お願いします」
リクは優しいなー。俺の浄化嫌がらずに受けてくれるもん。よし、OK!
「よし、残りも並べ。さっさと綺麗になんぞ。……あ、魔力足りなくなったら、リク、分けてくれるか?」
「も、もちろんです!!おおお前ら早く整列しろ!浴びまくれ!」
「はひいぃぃぃぃぃい!!」
んー、しかし浄化が恐怖の対象になるのならば、やはり風呂は最優先だな。
次の日、今までの開拓で掘り起こして邪魔になってた石を集めた。
「サリス様、セメントを運んでまいりました」
「お、ありがと。そこ置いておいてくれ」
セメントに似たモノになる材料をウチから購入したんだが、量が多いからカランが馬車で運んでくれたんだ。
まずは露天風呂を作ることに決めた。壁とか屋根とかは後でいい。
ひとまず風呂を作らないと、こいつらマジで入らないからな。
壁ができるまでは男用だけど、一応2つ作っておけばそのうち女子も使えるようになるだろうし。
でかい石を円になるように並べると、間をセメントと小さな石で見た目も良くなるように重ねていく。
中に底になるように分厚くセメントを流し込んだところで、いくつかの岩を投げ入れた。
見ろ、完璧な露天風呂だぜ。1度に30人は入れるやつだ。
俺、センスあるう。
「サ、サリス様?なぜそんなに大きな石を入れられるのですか?」
「ああ、チビ達が座るには湯船が深いだろ?」
温泉とか行くと、中にいくつか石あるもんな。
「はあ、なるほど。聞きたいことと少し違いましたが」
カランの目が見開かれたまんまだ。
何にそんなに驚いたんだろうか。
「ははは、サフィ様の御技を理解できないとは、お前本当に側近だったのか?」
隣でセメントを作る作業をしていたリクがカランに話しかけている。
何かと張り合っている2人だが、お互い優秀だとぶつかることもあるんだろう。若いからな。
ここは2人に任せて、俺は木材でも運んでくるか。
☆
「な!俺以上にサリス様に詳しい人間なんていません!むしろサリス様よりサリス様のことを知ってるんですからね!サリス様の背中やお尻の黒子の場所まで把握してますから!」
「お、おおお俺だって知ろうとすれば知れるからな、ぐぬぬ」
「知ろうとすれば……?それはどういう意味で?やはりここで息の根とめておくべきでしょうね」
☆
材木置き場まで来て風呂の場所を見遣ると、何言ってるのかわかんないけど、腕を組み合ってるらしい2人が見える。
なんだかんだで仲良いよなー、あの2人。
そういえば作った風呂に水を抜く穴がないのにはわけがある。
なんといってもこの世界には便利な洗濯玉があるのだ。溜まった水が汚れたままになることはない。
蒸発したり、掛け湯として使ったりするから水を足す必要は出てくるだろうが、基本エコ仕様だ。
ま、上手くいかなかったら、そん時にでも穴を開ければいいだろ。
それよりも温泉ではないので、お湯が冷めることの方に手をかけないといけない。
「あとは乾くの待ちだなー。先に壁作るぞ。広さが決まらないと洗い場に床張れないもんな」
洗い場も脱衣所もそれなりに広く取りたい。土地は余ってるんだし。
「兄貴、設計図持って来やした!加工済の木材も全て防水加工まで終わってます。運ぶなら、男達集めますか?」
「そうだな。頼むよ。柱部分の木はどれだ?」
「あ、この4本が角のです」
一等大きな柱が4角のものらしい。
「こっちのは間に入れるっす」
「わかった」
「ふへっ?」
俺は自分の身体ほどの太い木を4本抱えると風呂の方へ運んだ。
「ぁ兄貴、1本目はここです。木に印がついてやすが、この線まで地中に埋めます。掘るのでちとお待ちくだ……さ?」
「了解」
ズボっと線まで埋める。
「あ、はははは、兄貴がいると家もすぐ建っちまいますねー」
「おう、便利だろ?こき使ってくれていいぜ」
褒められた俺は、気を良くして支柱を次々と立てた。
役に立つから嫌わないでね!
☆
「そんなっ……兄貴をこき使うだなんて、俺達の命がいくつあっても足りませんよ!」
「みんなを集めて急いで手伝わないと、リク兄とカランさんに殺される!」
「本当にな!大兄はもっと自分のことを知るべきだよ!本家のヤツらは一体どんな風に大兄に接してたんだよって、カランさんに聞けばいいんだけど、あの人めちゃ怖いんだよな」
「サリス様に相応しくあるようにって、読み書きと計算を扱きまくるしな。いや、有り難いことなんだけど。間違えるとなんか黒いモノ飛んでくるからな」
「あれ食らうと死にたくなるのはなんでだろうな」
「そのあと大兄の姿を見ると、そんな気持ちも飛んでくけどな」
「兄貴、マジ天使!」
「おい!とにかくやるぞ!……リク兄がこっち見てる」
「カランさんも、こっちに気づいたぞ!」
「ひぃぃいぃ!!」
☆
こいつらってすげえ優秀じゃねえ?
外壁と屋根の板だけではあるが、1日で2棟建っちまったぞ。
内側の床もセメントを張れて、男達がタイル張りを終わったところだ。
「よし、お前らどいてろ」
「はい!」
木から水分を抜くのと一緒だ。
乾燥スキルで一気に乾かした。
完璧に乾くのはもう少しかかるだろうけど、乱暴に使わないなら直ぐにでも風呂に浸かれそうだな。
もう少し金に余裕ができたらシャワーとかつけてやりたいが、しばらくは手桶で頼むよ。
「あははは……さすがサフィ様」
「もうサリス様はなんでもありなんですね」
「俺もそう思うよ」
出来上がりに満足していると、カランとリクが頷き合っている。
「ん?なんだ?」
なんか気になることでもあったか?
「いえ、何にもです」
「そうか?」
なんかよくわからんけど、リクとカランが「同士よ!」って肩を叩き合っている。
いいなー、仲良さげで。羨ましいぞ。
俺に友達、いないからな。
水道は家まではきてるから、分岐点を作って風呂に繋げた。
「ヒサゴ、蛇口ひねってくれ」
「は、はい!」
風呂の薪釜に水が入ったのを確認して、今度は薪を焼べる。
熱くなったお湯が2手に分かれて風呂に落ちると段々と温泉っぽくなってきた。
ん、湯加減バッチリ。
さて、入ってみるか。
脱衣所に戻って、徐に服を脱ぎ捨てようとすると、みんながギョッとしたようにこっちを見た。
「サフィ様!何やってるんですか!」
なぜかダッシュしてきたリクに動きを止められ、カランにまた服を着させられている。
なんでだ。
「いや、だって実際に入ってみないと不便なところとかわかんないだろ」
「サリス様、そういうのは実際に使う者達にお願いした方がいいでしょう」
「そ、そうですね!我々、今から入ってきます!!」
男衆がマッパになってダッシュで脱衣所から出ていった。
「え、俺もここ使うし、どうせならみんなと入りたいけど」
「はははは、サフィ様は冗談が好きなんだから」
「リク、サリス様が大浴場に入らぬようしっかりと見張ってくださいね」
「もちろんだ」
えー、なんで?
あ、もしかして上司と部下が一緒に風呂入るとか面倒くせーみたいな感じなのかもな。
そっかぁ……。
まあでも、あいつらが俺をどう思ってたって俺にとってはかわいい部下だし。
うん……ちょっとだけ、泣いてもいいですか?
雨が降ってても男衆は畑に出る。
秋も深まって暖かくもないんだから無理するなって思うんだが、冬の前にやっておきたいと言われればそれもそうかと思わざるを得ない。
「ご苦労さん。しかし汚れたなあ。順番に風呂入ってこいよ」
俺ができるのは労うことだけだからな。
「っす」
「俺はいいかなー。このまま床で寝るし」
「待ってるの怠ぃっすもんね」
おいおいおいおい。
部屋汚れるし、お前ら汗臭いだろうが。
まあ、女子を優先で入らせると遅くなるしなあ。
人数に対して、圧倒的に風呂が狭過ぎなんだよ。
あー、新しく作るか。男女別に作られてれば時間を気にする必要もないわけだし。
うん、それいいな!
んじゃ、ひとまず今日は
「お前ら並べ」
「へい兄貴、何やるっすか?」
「ん、お前ら風呂に入りたくないんだろ?」
「そうですけど?」
だから仕方ないだろ。
こいつらの女子を優先する感じは嫌いじゃない。むしろ俺の中で好感度上がるやつだ。
「ん、浄化!」
近くにいた10人ほどをまとめて綺麗にした。
「よし、お前ら向こう行っていいぞ。次、ほらこっち来い」
「うわあああ!殺される!!」
え、なんで?俺、そんな非道な人間に見えるの?
何?顔?顔が怖えのか?
いくら浄化が術者の『汚物』と判断するものを消すっていっても、さすがに人間を消す力はねえんだぞ。
「に、兄さん!俺たち風呂入りたいっす!!なん時間でも待てます!!」
え、なんで?そんなにイヤ?
確かに湯船にどぼんするのは気持ちいいけど、怠いって言ってただろ。
何時間も待つよりぱぱっと済まそうぜ。みんな疲れてるんだし。
「おら、わがまま言うな」
構わずもう一度浄化をかける。
「ひいぃぃぃぃぃい!!お許しくださいぃぃぃい!!」
「俺たち兄貴の手をわずらわせるつもりなんて、これっぽちもないですから!!」
「そ、そうっすよ!大兄の貴重な魔力を浴びたのは不可抗力です!!」
残りの30人くらいは、俺に視線を向けながらガタガタと震えている。
みんな酷い。
俺がお前らを汚物として消すわけないだろ!
人の好意は素直に受け取れよな!
いくら嫌われ慣れてる俺でも泣いちまうぞ。
お前らには好かれてるかもって思ってたから余計にな……。
ん?違う?俺の後ろ?
「なんだ、リクか」
俺の後ろにリクが立っていた。
「リクも今日は風呂じゃなくて浄化でいいか?」
「はい。お願いします」
リクは優しいなー。俺の浄化嫌がらずに受けてくれるもん。よし、OK!
「よし、残りも並べ。さっさと綺麗になんぞ。……あ、魔力足りなくなったら、リク、分けてくれるか?」
「も、もちろんです!!おおお前ら早く整列しろ!浴びまくれ!」
「はひいぃぃぃぃぃい!!」
んー、しかし浄化が恐怖の対象になるのならば、やはり風呂は最優先だな。
次の日、今までの開拓で掘り起こして邪魔になってた石を集めた。
「サリス様、セメントを運んでまいりました」
「お、ありがと。そこ置いておいてくれ」
セメントに似たモノになる材料をウチから購入したんだが、量が多いからカランが馬車で運んでくれたんだ。
まずは露天風呂を作ることに決めた。壁とか屋根とかは後でいい。
ひとまず風呂を作らないと、こいつらマジで入らないからな。
壁ができるまでは男用だけど、一応2つ作っておけばそのうち女子も使えるようになるだろうし。
でかい石を円になるように並べると、間をセメントと小さな石で見た目も良くなるように重ねていく。
中に底になるように分厚くセメントを流し込んだところで、いくつかの岩を投げ入れた。
見ろ、完璧な露天風呂だぜ。1度に30人は入れるやつだ。
俺、センスあるう。
「サ、サリス様?なぜそんなに大きな石を入れられるのですか?」
「ああ、チビ達が座るには湯船が深いだろ?」
温泉とか行くと、中にいくつか石あるもんな。
「はあ、なるほど。聞きたいことと少し違いましたが」
カランの目が見開かれたまんまだ。
何にそんなに驚いたんだろうか。
「ははは、サフィ様の御技を理解できないとは、お前本当に側近だったのか?」
隣でセメントを作る作業をしていたリクがカランに話しかけている。
何かと張り合っている2人だが、お互い優秀だとぶつかることもあるんだろう。若いからな。
ここは2人に任せて、俺は木材でも運んでくるか。
☆
「な!俺以上にサリス様に詳しい人間なんていません!むしろサリス様よりサリス様のことを知ってるんですからね!サリス様の背中やお尻の黒子の場所まで把握してますから!」
「お、おおお俺だって知ろうとすれば知れるからな、ぐぬぬ」
「知ろうとすれば……?それはどういう意味で?やはりここで息の根とめておくべきでしょうね」
☆
材木置き場まで来て風呂の場所を見遣ると、何言ってるのかわかんないけど、腕を組み合ってるらしい2人が見える。
なんだかんだで仲良いよなー、あの2人。
そういえば作った風呂に水を抜く穴がないのにはわけがある。
なんといってもこの世界には便利な洗濯玉があるのだ。溜まった水が汚れたままになることはない。
蒸発したり、掛け湯として使ったりするから水を足す必要は出てくるだろうが、基本エコ仕様だ。
ま、上手くいかなかったら、そん時にでも穴を開ければいいだろ。
それよりも温泉ではないので、お湯が冷めることの方に手をかけないといけない。
「あとは乾くの待ちだなー。先に壁作るぞ。広さが決まらないと洗い場に床張れないもんな」
洗い場も脱衣所もそれなりに広く取りたい。土地は余ってるんだし。
「兄貴、設計図持って来やした!加工済の木材も全て防水加工まで終わってます。運ぶなら、男達集めますか?」
「そうだな。頼むよ。柱部分の木はどれだ?」
「あ、この4本が角のです」
一等大きな柱が4角のものらしい。
「こっちのは間に入れるっす」
「わかった」
「ふへっ?」
俺は自分の身体ほどの太い木を4本抱えると風呂の方へ運んだ。
「ぁ兄貴、1本目はここです。木に印がついてやすが、この線まで地中に埋めます。掘るのでちとお待ちくだ……さ?」
「了解」
ズボっと線まで埋める。
「あ、はははは、兄貴がいると家もすぐ建っちまいますねー」
「おう、便利だろ?こき使ってくれていいぜ」
褒められた俺は、気を良くして支柱を次々と立てた。
役に立つから嫌わないでね!
☆
「そんなっ……兄貴をこき使うだなんて、俺達の命がいくつあっても足りませんよ!」
「みんなを集めて急いで手伝わないと、リク兄とカランさんに殺される!」
「本当にな!大兄はもっと自分のことを知るべきだよ!本家のヤツらは一体どんな風に大兄に接してたんだよって、カランさんに聞けばいいんだけど、あの人めちゃ怖いんだよな」
「サリス様に相応しくあるようにって、読み書きと計算を扱きまくるしな。いや、有り難いことなんだけど。間違えるとなんか黒いモノ飛んでくるからな」
「あれ食らうと死にたくなるのはなんでだろうな」
「そのあと大兄の姿を見ると、そんな気持ちも飛んでくけどな」
「兄貴、マジ天使!」
「おい!とにかくやるぞ!……リク兄がこっち見てる」
「カランさんも、こっちに気づいたぞ!」
「ひぃぃいぃ!!」
☆
こいつらってすげえ優秀じゃねえ?
外壁と屋根の板だけではあるが、1日で2棟建っちまったぞ。
内側の床もセメントを張れて、男達がタイル張りを終わったところだ。
「よし、お前らどいてろ」
「はい!」
木から水分を抜くのと一緒だ。
乾燥スキルで一気に乾かした。
完璧に乾くのはもう少しかかるだろうけど、乱暴に使わないなら直ぐにでも風呂に浸かれそうだな。
もう少し金に余裕ができたらシャワーとかつけてやりたいが、しばらくは手桶で頼むよ。
「あははは……さすがサフィ様」
「もうサリス様はなんでもありなんですね」
「俺もそう思うよ」
出来上がりに満足していると、カランとリクが頷き合っている。
「ん?なんだ?」
なんか気になることでもあったか?
「いえ、何にもです」
「そうか?」
なんかよくわからんけど、リクとカランが「同士よ!」って肩を叩き合っている。
いいなー、仲良さげで。羨ましいぞ。
俺に友達、いないからな。
水道は家まではきてるから、分岐点を作って風呂に繋げた。
「ヒサゴ、蛇口ひねってくれ」
「は、はい!」
風呂の薪釜に水が入ったのを確認して、今度は薪を焼べる。
熱くなったお湯が2手に分かれて風呂に落ちると段々と温泉っぽくなってきた。
ん、湯加減バッチリ。
さて、入ってみるか。
脱衣所に戻って、徐に服を脱ぎ捨てようとすると、みんながギョッとしたようにこっちを見た。
「サフィ様!何やってるんですか!」
なぜかダッシュしてきたリクに動きを止められ、カランにまた服を着させられている。
なんでだ。
「いや、だって実際に入ってみないと不便なところとかわかんないだろ」
「サリス様、そういうのは実際に使う者達にお願いした方がいいでしょう」
「そ、そうですね!我々、今から入ってきます!!」
男衆がマッパになってダッシュで脱衣所から出ていった。
「え、俺もここ使うし、どうせならみんなと入りたいけど」
「はははは、サフィ様は冗談が好きなんだから」
「リク、サリス様が大浴場に入らぬようしっかりと見張ってくださいね」
「もちろんだ」
えー、なんで?
あ、もしかして上司と部下が一緒に風呂入るとか面倒くせーみたいな感じなのかもな。
そっかぁ……。
まあでも、あいつらが俺をどう思ってたって俺にとってはかわいい部下だし。
うん……ちょっとだけ、泣いてもいいですか?
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