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番外編
3話 謎解きのカギは
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《婆寿翔》と《狩屡魔》。
《婆》は婆さんの『ばあ』か麻婆豆腐の『ぼう』くらいしか知らない。
《寿》は『ことぶき』とか『ことほぐ』とかだよな。おめでたいイメージのヤツ。
音読みっぽいのは『じゅ』とか読みそうだけど、それもイメージではっきり覚えてない。
あ、米寿とかあった気がする!『じゅ』だ『じゅ』。
《翔》は名前に使われてる『かける』『しょう』ぐらいか?
あ、でも『とぶ』とかにも使ってた気がする。
じゃあそうすると『ばあことかけ』って感じになるのか?
それとも『ぼうじゅしょう』?
うーん、しっくりこない。
並び変えて何通りか書いてみたけど、マグマナムに比べてリズム感みたいなのが悪い気がする。
《狩屡魔》もなあ。
『かり』と『ま』はわかるけど《屡》はなんて読むんだ?
《屠》とは違うし、少なくとも僕は使ったことがない漢字だ。
うーん、わからん。
でも《魔》は『ま』以外無さそうだと思えば、こっちは1文字解読できてるって感じだ。
《狩》だって『かり』と『しゅ』以外には無さそうだろ?
だからあとは《屡》だけなんだけどなあ。
マグマナムの漢字ってどうやって書いてあったのかなー。
ゲームで出てきたはずだけど覚えてないし、殻はあの後マグマナムがチマチマ食べてしまったからくっつけて読み取るってこともできなかったんだよな。
「ナローエ、そろそろ何か食べよう。根をつめるのはいつものことだが、ナローエに何かあれば、それを依頼した殿下に当たりそうだ」
「オースティン。えーと、そんなに時間経ってた?」
「朝も昼も何も食べてないと使用人が心配していたぞ」
ふと視線を上げると、離れたところにあるテーブルに簡単につまめそうな軽食が用意されていた。
部屋に人が入ってきたことにも全然気づいていなかったよ。
「それに、寝る時くらい付き合ってくれないと俺も寂しい」
「あー、ごめん」
昨日マグマナムが羽化してから、夢中になって寝ずにやっていたらしい。
今日は学院が休みだと思って時間も気にしていなかった。
オースティンに諭されてテーブルに移動すれば、ひと口でも栄養が摂れるようにと用意された軽食が胃に重かった。軽食じゃなかった。
多分、集中しすぎていて疲れてるんだな。
こんな時はさっぱりしたものを食べたいかなあ。
素麺とか最高な気がする。
久しく米も口にしてないし、まあどうしても米が食べたいとは思わないあたり、こっちに馴染んではいるんだよな。
でも小さいおにぎりとか、仕事中には向いてるよな。
この世界にも米っぽい食べ物はあるから、今度頼んでみようか。
「ふふっ」
「どうした?なんか楽しそうだな」
「うん、なんか前世の食べ物を思い出してた。向こうではさ、仕事中向きの手掴みで食べられる食事があったんだよ」
「へえ、それはいいな。今度作ってみるか?」
「うん」
でもこっちの人間は三角形に握れないだろうから、俵型になるのかな。
まるでお寿司だな。
ん?待てよ?『寿司』?
《寿》って『す』とも読むか。
「『ばあすと』?」
『バースト』なら意味もリズムもなんか合う気がする。
あの漢字に当てはめると、厨二感にも当てはまる……気がする!
なんて思っていた時だった。
執務机の上に乗っていた卵がカタカタと揺れ出した。
なんか既視感あるぞ。
「……ナローエ、子供が増えたな」
今度は動じなかったオースティンが、口の中のモノをゆっくりと咀嚼し嚥下した後に事実を告げた。
『ぴー!』
うん、クロたちの通訳が無くてもわかるよ。
ママー!って呼ばれてるってね!
☆
『ぴーぴ!』
『ぴーぴ!』
『ぴぴぴぴぴー!』
僕らが食事をしている間、マグマナムとバーストが残った卵の周りを回ったりくっついたりしながら鳴いている。
その合間に僕に期待の眼差しをビームのように寄越すから、僕だけじゃなくてオースティンまで居心地が悪そうだ。
「ナローエ、これはもう1つも孵化させないと寝てる間もうるさいぞ」
「ははは……」
なんてプレッシャー!!
「うーん、うーん」
あー、マグマナムもバーストも日本語英語っぽい厨二感だから、《狩屡魔》も絶対そんな響きの名前のはずだ。
「ナローエ」
「うん?」
『かり』と『ま』を固定して間にいろいろ入れてみるか?
でも『しゅ』も捨てがたいな。
「ナローエ?」
「うん」
どうしたって《屡》の読み方なんかわからないしな。
それしか方法はないか。
「はあ、ナローエはそうやって考えていたらいいよ。でも風呂は入らないとな。昨日も入ってないし」
「うん」
『かりあま』『しゅあま』……違うな。
『かりいま』『しゅいま』……ないな。
『かりうま』『しゅうま』……なんか食べたくなるやつだな。
「ほら手を曲げて」
「うん」
『かりかま』『しゅかま』……なんかわかんないけど、美味しそう。じゃなくて。
うーん、うーん。
あいうえお順に全部当てはめてみたけどしっくりこなかったぞ。
「首上げて」
「うーん」
あ、もしかして漢字の並び方が違うとか?
文字の切れ目具合から《狩屡魔》かなと思ってだけど、卵は丸いんだから違う可能性もあるよな。
なら《魔狩屡》か?
魔を狩るなんとかみたいな?
魔を狩る……ん?
『かり』じゃなくて『かる』?
そもそも送り仮名を入れないなら『か』だけかも?
「足上げて」
「うん、うん?」
あ、あれ、僕いつの間に裸になってたの?
「オ、オースティン?」
「今日は俺が全部やってやるから、ナローエは考えてるといいよ」
「へ?」
な、なんか怒ってない?
素っ裸の僕を横抱きにしたオースティンが、風呂場の椅子に僕を座らせると秒で脱衣所に自分の服を放り投げた。
わしわしとオースティンの大きな手で髪が洗われるのが気持ちいい。
「ふわ」
小さく欠伸をすると、オースティンの膝の上に横向きで支えられた。
「昨日も寝てないし、風呂を出たらアイツらがうるさいだろうし、このまま寝てもいいぞ」
「ん」
その言葉に目を閉じて、うとうとすること何分経っただろうか。
「んぁ」
鼻にかかる自分の声で意識が覚醒した。
「オー、ス、ティンっ」
「大丈夫。隅々まで洗ってやるから、任せとけ」
ばっか!
隅々って、隅々って!
尻の中は隅々に入るのか?!
「オースティン、指っ、あ!」
中に入れてくるのに肝心のところには触れてくれなくて、だんだんオースティンの手のこと以外考えられなくなってきた。
もっと、いつもみたいにイイところに当てて欲しい。
思わず強請るように擦り寄ったけど、オースティンがそれに応えてくれることはなかった。
「オ、オースティン、なんか、怒ってる?」
いつも、僕のイイところばかりを攻めるオースティンが、今日はとことんソコを無視するつもりらしい。
僕、オースティンが怒るような、なんかしたのかもしれない。
なんだろう。
「オー、スティン?」
荒い息をつきながらオースティンの顔を見上げると、オースティンが深く息を吐いた。
「……怒ってなんかないよ。ただ、次の日が休みだってのに、いくら待ってもナローエが寝台にこなかったから、ちょい意地悪い気持ちになった」
「え?あ……ごめん」
オースティン、ずっと待っててくれたんだ。怒ってるんじゃなくて拗ねてたんだ。
「ナローエの立場もわかるから理解しようとは思ってるんだ。もうずっと一緒にいてくれてるんだから少しくらい我慢しないととは思うのに、それでももっと独占したくなる。俺のただの我儘なんだよな、悪い」
「オースティン……」
どうしよう。すっごく嬉しい。
オースティンがかわい過ぎる。
「僕、今、ものすごくオースティンにしてもらいたくなっちゃった」
「ナローエ?」
「だめ?」
「風呂だとのぼせるが、部屋だとできないだろうな」
うん、確かに。
マグマナムとバースト、ずっと鳴いてるもんね。
「じゃあ、しっかり掴まってろよ」
「ん」
ヤルと決めたらヤル僕らは、オースティンの努力によって最速でイタして風呂を出た、と思う。
それでものぼせた僕は、寝不足も相まって風呂上がりの着付けまでオースティンに任せたまま、ぐてーっとオースティンの手を堪能している。
だってお互い1回じゃ足りなかったんだから仕方ない。
『ぴー?』
「ははは、そうだな。のぼせただけだ。大丈夫だよ」
ソファの上でぐったりしている僕を心配してか、火焔鳥達が様子を見に来ているらしい。
オースティンが火焔鳥と話しているのを横目で見てると、もう1つの卵も早く孵してやりたいなと思う。
うーん。
「『狩る』、『魔』」
なあ。
ほんと『屡』は何て読むんだよ。
『ぴー!!!』
ん?
マグマナムとバーストが、光って割れ始めた卵の周りを飛び回るのを呆然と眺めたあと随分経ってから気がついた。
『カルマ』だったのか、って。
《婆》は婆さんの『ばあ』か麻婆豆腐の『ぼう』くらいしか知らない。
《寿》は『ことぶき』とか『ことほぐ』とかだよな。おめでたいイメージのヤツ。
音読みっぽいのは『じゅ』とか読みそうだけど、それもイメージではっきり覚えてない。
あ、米寿とかあった気がする!『じゅ』だ『じゅ』。
《翔》は名前に使われてる『かける』『しょう』ぐらいか?
あ、でも『とぶ』とかにも使ってた気がする。
じゃあそうすると『ばあことかけ』って感じになるのか?
それとも『ぼうじゅしょう』?
うーん、しっくりこない。
並び変えて何通りか書いてみたけど、マグマナムに比べてリズム感みたいなのが悪い気がする。
《狩屡魔》もなあ。
『かり』と『ま』はわかるけど《屡》はなんて読むんだ?
《屠》とは違うし、少なくとも僕は使ったことがない漢字だ。
うーん、わからん。
でも《魔》は『ま』以外無さそうだと思えば、こっちは1文字解読できてるって感じだ。
《狩》だって『かり』と『しゅ』以外には無さそうだろ?
だからあとは《屡》だけなんだけどなあ。
マグマナムの漢字ってどうやって書いてあったのかなー。
ゲームで出てきたはずだけど覚えてないし、殻はあの後マグマナムがチマチマ食べてしまったからくっつけて読み取るってこともできなかったんだよな。
「ナローエ、そろそろ何か食べよう。根をつめるのはいつものことだが、ナローエに何かあれば、それを依頼した殿下に当たりそうだ」
「オースティン。えーと、そんなに時間経ってた?」
「朝も昼も何も食べてないと使用人が心配していたぞ」
ふと視線を上げると、離れたところにあるテーブルに簡単につまめそうな軽食が用意されていた。
部屋に人が入ってきたことにも全然気づいていなかったよ。
「それに、寝る時くらい付き合ってくれないと俺も寂しい」
「あー、ごめん」
昨日マグマナムが羽化してから、夢中になって寝ずにやっていたらしい。
今日は学院が休みだと思って時間も気にしていなかった。
オースティンに諭されてテーブルに移動すれば、ひと口でも栄養が摂れるようにと用意された軽食が胃に重かった。軽食じゃなかった。
多分、集中しすぎていて疲れてるんだな。
こんな時はさっぱりしたものを食べたいかなあ。
素麺とか最高な気がする。
久しく米も口にしてないし、まあどうしても米が食べたいとは思わないあたり、こっちに馴染んではいるんだよな。
でも小さいおにぎりとか、仕事中には向いてるよな。
この世界にも米っぽい食べ物はあるから、今度頼んでみようか。
「ふふっ」
「どうした?なんか楽しそうだな」
「うん、なんか前世の食べ物を思い出してた。向こうではさ、仕事中向きの手掴みで食べられる食事があったんだよ」
「へえ、それはいいな。今度作ってみるか?」
「うん」
でもこっちの人間は三角形に握れないだろうから、俵型になるのかな。
まるでお寿司だな。
ん?待てよ?『寿司』?
《寿》って『す』とも読むか。
「『ばあすと』?」
『バースト』なら意味もリズムもなんか合う気がする。
あの漢字に当てはめると、厨二感にも当てはまる……気がする!
なんて思っていた時だった。
執務机の上に乗っていた卵がカタカタと揺れ出した。
なんか既視感あるぞ。
「……ナローエ、子供が増えたな」
今度は動じなかったオースティンが、口の中のモノをゆっくりと咀嚼し嚥下した後に事実を告げた。
『ぴー!』
うん、クロたちの通訳が無くてもわかるよ。
ママー!って呼ばれてるってね!
☆
『ぴーぴ!』
『ぴーぴ!』
『ぴぴぴぴぴー!』
僕らが食事をしている間、マグマナムとバーストが残った卵の周りを回ったりくっついたりしながら鳴いている。
その合間に僕に期待の眼差しをビームのように寄越すから、僕だけじゃなくてオースティンまで居心地が悪そうだ。
「ナローエ、これはもう1つも孵化させないと寝てる間もうるさいぞ」
「ははは……」
なんてプレッシャー!!
「うーん、うーん」
あー、マグマナムもバーストも日本語英語っぽい厨二感だから、《狩屡魔》も絶対そんな響きの名前のはずだ。
「ナローエ」
「うん?」
『かり』と『ま』を固定して間にいろいろ入れてみるか?
でも『しゅ』も捨てがたいな。
「ナローエ?」
「うん」
どうしたって《屡》の読み方なんかわからないしな。
それしか方法はないか。
「はあ、ナローエはそうやって考えていたらいいよ。でも風呂は入らないとな。昨日も入ってないし」
「うん」
『かりあま』『しゅあま』……違うな。
『かりいま』『しゅいま』……ないな。
『かりうま』『しゅうま』……なんか食べたくなるやつだな。
「ほら手を曲げて」
「うん」
『かりかま』『しゅかま』……なんかわかんないけど、美味しそう。じゃなくて。
うーん、うーん。
あいうえお順に全部当てはめてみたけどしっくりこなかったぞ。
「首上げて」
「うーん」
あ、もしかして漢字の並び方が違うとか?
文字の切れ目具合から《狩屡魔》かなと思ってだけど、卵は丸いんだから違う可能性もあるよな。
なら《魔狩屡》か?
魔を狩るなんとかみたいな?
魔を狩る……ん?
『かり』じゃなくて『かる』?
そもそも送り仮名を入れないなら『か』だけかも?
「足上げて」
「うん、うん?」
あ、あれ、僕いつの間に裸になってたの?
「オ、オースティン?」
「今日は俺が全部やってやるから、ナローエは考えてるといいよ」
「へ?」
な、なんか怒ってない?
素っ裸の僕を横抱きにしたオースティンが、風呂場の椅子に僕を座らせると秒で脱衣所に自分の服を放り投げた。
わしわしとオースティンの大きな手で髪が洗われるのが気持ちいい。
「ふわ」
小さく欠伸をすると、オースティンの膝の上に横向きで支えられた。
「昨日も寝てないし、風呂を出たらアイツらがうるさいだろうし、このまま寝てもいいぞ」
「ん」
その言葉に目を閉じて、うとうとすること何分経っただろうか。
「んぁ」
鼻にかかる自分の声で意識が覚醒した。
「オー、ス、ティンっ」
「大丈夫。隅々まで洗ってやるから、任せとけ」
ばっか!
隅々って、隅々って!
尻の中は隅々に入るのか?!
「オースティン、指っ、あ!」
中に入れてくるのに肝心のところには触れてくれなくて、だんだんオースティンの手のこと以外考えられなくなってきた。
もっと、いつもみたいにイイところに当てて欲しい。
思わず強請るように擦り寄ったけど、オースティンがそれに応えてくれることはなかった。
「オ、オースティン、なんか、怒ってる?」
いつも、僕のイイところばかりを攻めるオースティンが、今日はとことんソコを無視するつもりらしい。
僕、オースティンが怒るような、なんかしたのかもしれない。
なんだろう。
「オー、スティン?」
荒い息をつきながらオースティンの顔を見上げると、オースティンが深く息を吐いた。
「……怒ってなんかないよ。ただ、次の日が休みだってのに、いくら待ってもナローエが寝台にこなかったから、ちょい意地悪い気持ちになった」
「え?あ……ごめん」
オースティン、ずっと待っててくれたんだ。怒ってるんじゃなくて拗ねてたんだ。
「ナローエの立場もわかるから理解しようとは思ってるんだ。もうずっと一緒にいてくれてるんだから少しくらい我慢しないととは思うのに、それでももっと独占したくなる。俺のただの我儘なんだよな、悪い」
「オースティン……」
どうしよう。すっごく嬉しい。
オースティンがかわい過ぎる。
「僕、今、ものすごくオースティンにしてもらいたくなっちゃった」
「ナローエ?」
「だめ?」
「風呂だとのぼせるが、部屋だとできないだろうな」
うん、確かに。
マグマナムとバースト、ずっと鳴いてるもんね。
「じゃあ、しっかり掴まってろよ」
「ん」
ヤルと決めたらヤル僕らは、オースティンの努力によって最速でイタして風呂を出た、と思う。
それでものぼせた僕は、寝不足も相まって風呂上がりの着付けまでオースティンに任せたまま、ぐてーっとオースティンの手を堪能している。
だってお互い1回じゃ足りなかったんだから仕方ない。
『ぴー?』
「ははは、そうだな。のぼせただけだ。大丈夫だよ」
ソファの上でぐったりしている僕を心配してか、火焔鳥達が様子を見に来ているらしい。
オースティンが火焔鳥と話しているのを横目で見てると、もう1つの卵も早く孵してやりたいなと思う。
うーん。
「『狩る』、『魔』」
なあ。
ほんと『屡』は何て読むんだよ。
『ぴー!!!』
ん?
マグマナムとバーストが、光って割れ始めた卵の周りを飛び回るのを呆然と眺めたあと随分経ってから気がついた。
『カルマ』だったのか、って。
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