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六話 淵曲支部③
しおりを挟むその染爾の一言に激昂したのは名門首斬り業の山田の長男、山田パノフフ。十九歳。
『んだと?丘野。てめえ、先輩に敬語も使えねえのか?んあ?警備も務まらねえやつが建物内に入って任務こなせる訳ねえだろ。単独でやるんならそこら辺の殺し屋と変わんねえんだよ!仕事なめんなよ。なんもできねえくせに』
そのパノフフの言葉に染爾は鋭い眼光を向けるが後方から感じる威圧感に押されて反撃をやめた。
後方から感じる重い威圧の正体はロミオのふざけた会話によって不機嫌になってる福来八穢の妹、福来万会である。
ちなみに民間警備訓練校では成績トップながらも不良とよばれる彼女の髪は真っ白い雪のようで毛先は桜色に染まっている。艶かしい唇はリップをつけているわけではない。天然物であり、儚げな白い睫毛は見る者を魅了する。
が。
彼女の不機嫌な表情を一見すればあまりの威圧感に膝が竦む。
『着いたぞ』
空巻改が足元を止めてタバコを捨てた。
空巻のそのタバコの吸い殻は黒い鞭のようなものによって絡め取られて空巻の脇の下へ吸い込まれるようにして消えた。
『ここが、、任務場所?え?』
目の前には見慣れた
コンビニエンスストア。
明かりが煌々としており、
ジューシーチキンパフェキャンペーンの旗が掲げられている。
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