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#2 ようやく始まりそうになってまいりました
しおりを挟む"先生をお母さんと呼んでしまった"
たったそれだけのこと。
たまにある間違いというやつだ
先生がたまたまお母さんに似ていたのか
はたまたお母さんのように老け腐っていたのか若々し過ぎてお母さんにしたくなったのか
こんなお母さんが良かったなんていう願望ありきの発言なのか
それとも横顔から匂うその貫禄ともいえるものが同一で均一で一致していたというものなのか
それともお母さんの作るナスの肉詰めのオイニーが一瞬したような気がして反射的に
『お母さん、醤油じゃなくて麺つゆが良いって言ったじゃないか!てかサラダじゃなくてポテトサラダがいいっていたのに!
ほら お父さんだってポテトサラダじゃなくてがっかりして4回転トーループする寸前の男の子を止める先生みたいになってるんじゃん』というお母さんに言いたい文句ランキング第28位にランクインしたセリフを言いそうになったのかは 不明だが 少年はその時しっかりと
家庭科の真壁先生に お母さんといってしまったのだ。
それも 隠していた、というより借りていた18禁の如何わしい本が見つかって誤魔化そうとしたあまりに怒気がこもってしまったかのような呼び方で言ってしまったのだ
否、この際 言ってしまったというより
叫んでしまったに等しいのだろう
その声の覇気によって前の席の生徒総勢5名が一瞬で マダガスカルと叫びながら気絶してしまったのだから…
マダガスカルと叫んだ理由までは不明だが
少年の一声によって マダガスカルと叫んでしまった五人の生徒たちのことを思うと胸が締め付けられそうになると校長が涙ぐみながら演台を叩き割ってその中から元気な赤ん坊をすくい上げる場面が少年の脳内には流れていた
なぜなら1ヶ月ほど前同じような事件によって校長が演台を叩き割ってマサカリ担いだ金色の金太郎の金太郎を拾ってしまったからだ。
恐らくだが 拾ったのではなくこの場合引っこ抜いたか引きちぎったが表現上 正しそうだが今の少年にはそんな事はどうでも良かった
と、またそんなこんなでメソメソしている少年は地面に顔を埋めながら泣き 一向にその場から動こうとしなかった。
誰かに構って欲しいのか、慰めてもらいたいのか罵倒してもらいたいのか、道行く人たちが侮蔑の視線を向ける中、少年の前に一人の少女が現れこう言った。
『うわあ…え もしかして死んでる?ミスったぁー召喚方法ミスったわ…やっぱり五行目から十二行目まで端折ったからかあ、これはもう一度やり直すしかないわね…
にして、なんか弱そうだなあ、なんていうんだろ なーんか 間違って先生のこととかお母さんって呼んじゃいそうなくらいのドジオーラがでてるわ。 まあ私のせいで死んでしまったのだし、冷奴でもお供えしてあげましょう。』
少女はよくわからないことをぶつぶつと唱えながら少年の前に冷奴を置くと手を合わせて一礼した。
少女が頭をあげ 残念な少年を最後にもう一度拝もうとした その刹那、
少年がものすごいスピードで起き上がり上空二百メートル程まで飛躍した。
『え? なになに?死体が…と、とととんだあ!? アンデッドの類なの? いや怖ってか…え?』
少女は確かに見たのだ
その死んだはずの少年が 落下しながら
先ほどお供えしたはずの冷奴を食べている姿を
空を切りながら 少年は冷奴を美味しそうに平らげなにやら気色悪い咀嚼音を素早く周辺に撒き散らしながら先ほど自分が埋めていた穴を押しつぶすかのようにして 墜落した。
しかし 着地はしっかり成功していた。
石飛礫の雨と砂煙が舞う中 少女と少年は目を合わせた
『先生を母さんと呼んだ!! 俺は呼んでしまった! 酷く後悔して土下座をした!
そしたら君が冷奴をくれた! 絶妙な味付けで美味しかった! 勝手に僕は君の冷奴のお陰で頭を冷やせて 命を救われたんだ!』
少年は満面の笑みで少女にお辞儀した
少女は 驚いて塞がらなかった口を強引にしめてほくそ笑んでからこういった
『失敗は成功のもととはいうけれど
こうして 私と貴方は出会えたわけね。
そんな先生を母さんと呼んだからと言って私はただ笑ってやるだけよ
それよりも 私と来てほしいのよ
そんなおドジなあなたに世界を救ってほしいの あの9人の勇者の末裔の一人 のあなたにね』
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