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マチカドなやみの珈琲店
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ココは、大きな街の一角にある小さなカフェ。
悩みがある人はここへ迷い込んでしまうという噂があり、実際にこのお店に来る人の大半が大小さまざまな悩みを抱えている。
果たして今日はどんな悩みを持った人が来るのだろうか。
どんな悩みにせよ、私の入れる飲み物で元気にさせよう。
カランカラン。
乾いた音のベルが鳴り来客を知らせる。
入ってきたのは、制服を着た男子高校生だった。
「なんで、ここに着たんだろう」
青年はそう言うが、もし私の店じゃなかったら怒られていただろう。ただ、私の店はそれが日常だった。
「何になさいますか?」
一度聞けば、必ず注文がくる。それがこの店の魔法です。
「オススメはなんですか?」
これも日常。
「国産コーヒー豆を使用したブレンドコーヒーです」
そう、コレがうちのオススメなのだ。
日本の豆は日本人の口に、身体に、良く合うのだ。
「じゃあ、それをお願いします」
「かしこまりました」
私は手際よく豆を煎り、コーヒーミルではなく石臼で挽いてドリップさせる。
風味を逃さずに最後の一滴まで入れて男子学生に出す。
「どうぞ、ブレンドコーヒーになります」
男子学生はコーヒーをひとくち飲むと緊張していた顔が緩む。
「美味しい。僕の好きな味だ。国産の豆って甘いんですね」
「それがですね、どちらかというと苦いんですよ。入れ方次第で味が変わる。なんとも不思議なものです」
学生がもうひとくち飲む。やはりお口に合うようでなにより。
「何か辛いことでもあったんだね?」
こう聞くのが決まり事だった。私は本を良く読むがこう聞くと皆、自分から話をしてくれるんだ。
「はい、それが...友達と会話をしても話が続かないんです。2、3回喋ると話が終わってしまうんです。それで悩んでました」
ほら、全部話すでしょ?魔法の言葉なんです。
「そうか、それは大変だったね。1つ聞きたいんだけどね、君は話を切り出す時、YES NO問題みたいにしてないかい?」
「そういえば、、そうかもしれません」
このタイプの人は良くするのが簡単だ。
「YES NO問題は英語の問題で考えると分かりやすいよ。YES NOの時は話が続かないんだよ。
だけど、5W1Hの形にすると良いんだ。
whatやwhoやhowのような聞き方つまり、なに、誰、どんなようにして、などと少し深く聞くと文章は続くんだよ」
「そうですね。試してみようと思います。コーヒー美味しかったです。今度は元気な時にまた来ます!」
残念だけど、このカフェは、悩んでいる人しか来れないんだ。不思議な魔法がかかってるみたいだ。
「450円になります」
「ありがとうございました」
その声と共にカランカランとベルが鳴って青年は消えていった。
このカフェではなんでも体よく事が進むのだ。そんな、幸せになれる魔法のかかったカフェは街の片隅で今日も静かにやっている。
悩みがある人はここへ迷い込んでしまうという噂があり、実際にこのお店に来る人の大半が大小さまざまな悩みを抱えている。
果たして今日はどんな悩みを持った人が来るのだろうか。
どんな悩みにせよ、私の入れる飲み物で元気にさせよう。
カランカラン。
乾いた音のベルが鳴り来客を知らせる。
入ってきたのは、制服を着た男子高校生だった。
「なんで、ここに着たんだろう」
青年はそう言うが、もし私の店じゃなかったら怒られていただろう。ただ、私の店はそれが日常だった。
「何になさいますか?」
一度聞けば、必ず注文がくる。それがこの店の魔法です。
「オススメはなんですか?」
これも日常。
「国産コーヒー豆を使用したブレンドコーヒーです」
そう、コレがうちのオススメなのだ。
日本の豆は日本人の口に、身体に、良く合うのだ。
「じゃあ、それをお願いします」
「かしこまりました」
私は手際よく豆を煎り、コーヒーミルではなく石臼で挽いてドリップさせる。
風味を逃さずに最後の一滴まで入れて男子学生に出す。
「どうぞ、ブレンドコーヒーになります」
男子学生はコーヒーをひとくち飲むと緊張していた顔が緩む。
「美味しい。僕の好きな味だ。国産の豆って甘いんですね」
「それがですね、どちらかというと苦いんですよ。入れ方次第で味が変わる。なんとも不思議なものです」
学生がもうひとくち飲む。やはりお口に合うようでなにより。
「何か辛いことでもあったんだね?」
こう聞くのが決まり事だった。私は本を良く読むがこう聞くと皆、自分から話をしてくれるんだ。
「はい、それが...友達と会話をしても話が続かないんです。2、3回喋ると話が終わってしまうんです。それで悩んでました」
ほら、全部話すでしょ?魔法の言葉なんです。
「そうか、それは大変だったね。1つ聞きたいんだけどね、君は話を切り出す時、YES NO問題みたいにしてないかい?」
「そういえば、、そうかもしれません」
このタイプの人は良くするのが簡単だ。
「YES NO問題は英語の問題で考えると分かりやすいよ。YES NOの時は話が続かないんだよ。
だけど、5W1Hの形にすると良いんだ。
whatやwhoやhowのような聞き方つまり、なに、誰、どんなようにして、などと少し深く聞くと文章は続くんだよ」
「そうですね。試してみようと思います。コーヒー美味しかったです。今度は元気な時にまた来ます!」
残念だけど、このカフェは、悩んでいる人しか来れないんだ。不思議な魔法がかかってるみたいだ。
「450円になります」
「ありがとうございました」
その声と共にカランカランとベルが鳴って青年は消えていった。
このカフェではなんでも体よく事が進むのだ。そんな、幸せになれる魔法のかかったカフェは街の片隅で今日も静かにやっている。
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