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番外編 カーラさんに会う
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私達は仲直りした日に邸に戻り、今は毎日リーンハルト様と寝所を一緒にしている。
朝起きた時、リーンハルト様のお顔が横にあるのがまだ慣れない。
リーンハルト様のお顔は本当に美しく、黒い髪は陽の光に当たると輝いていて、まるで夜の星空のよう。
今は、瞳が見えないけれど、ルビーのように赤く輝く瞳で見つめられると、胸がドキドキしてとても苦しくなる。
時々、リーンハルト様の髪に触れてみたいと思うけれど、触れていいのかどうかわからないので眠っている今ならいいかしら?
私はリーンハルト様の髪に手を伸ばした――。
触れたと思ったらリーンハルト様に手を掴まれてしまった。
「悪戯をしようとする悪い子の手はこうしてあげる」
そういうと私の手を触り始めて、少しすると唇を落とした。私は顔が熱くなるのがわかり、恥ずかしくて泣きそうになる。
「おはよう、ミシェル。今日もかわいいね……」
私はリーンハルト様の色気に当てられて目眩がしそうだった……。
「お、おはようございます、リーンハルト様……」
「ミシェル、そろそろリーンハルト様っていうのやめないか? 俺の事、愛称で呼んで欲しいなぁ」
「ではハルト様、はどうでしょうか?」
「うん、いいね。じゃあこれからはそれで呼んでね。慣れてきたら様もいらないから……。
愛称で呼ばなかったらお仕置きするからね……」
「うぅ、はい……」
「ミシェルは可愛いね、愛してる」
ハルト様はあの日以来、言葉と態度で好きだと示してくれる。恥ずかしくなってすぐに顔を赤らめてしまうが、そんな様子もハルト様にとっては可愛く映るみたいでずっと見ていたい……とか言ってきてとても困る。
「ハルト様、今日はお休みなんですよね?」
「うん、そうだよ。だから一日中ミシェルといられるよ」
「では、一緒に街に行きませんか? デートをしましょう⁉︎」
「ミシェルが行きたいなら行こうか。……でもこの時間をまだ堪能させて……」
私達はこの後、もう少しだけゆっくりしてからベットから起き上がった――
◇
「ハルト様! あちら、見に行きたいです!!」
「うん、行くけど……。手は絶対に離さないでね?」
「はい!」
私達は街中に紛れられるように、私は簡素なワンピース、ハルト様は、鎖骨が見えるほど襟の開いたシャツに黒いスラックスとシンプルな格好をしていた。だけど、ハルト様の色気がダダ漏れで目のやり場に困ってしまう……。
うーん、ふと歩いていると視線が多い気がする……。
きっとハルト様の美貌に皆さん釘付けなんでしょうね。女性も男性も顔が赤くなっている人がたくさんいますもの。
ハルト様は罪な人ですね?
「……あっ! こちらのブレスレット、とても可愛いですよ!」
「……うん、可愛いね」
「あの、ハルト様? 私ではなくブレスレットですよ?」
「うん、だから可愛いよ? とても似合ってる」
ハルト様はブレスレットではなく、完全に私を見ながら言っている。まぁ、いいでしょう……。
見てくれないよりはいいですからね。
「こんにちは、こちらはおいくらでしょうか?」
「これは1つ銅貨5枚だけどあんたら2人が腕に身につけてくれるなら銅貨3枚でもいいよ。」
「私たちがつけるだけでお安く買えるのですか?」
「あぁ、あんたら2人が身につけるだけでみんな買っていきそうだからね。今も視線を集めているしどうかね?」
「ではこの赤いものと薄い緑色のものを頂けませんか?」
「毎度あり、2つで銅貨6枚だよ」
「はい、どうぞ」
「じゃあ品物だよ」
「ありがとうございます!」
私は初めて自分で買えたことにとても喜んだ。
「ハルト様はこの薄い緑色のブレスレットです! 私はこの赤いブレスレットをつけますね!」
「互いの瞳の色だね? 嬉しいよ」
「フフフ、じゃあ次に行きましょう!」
「次はどこに行く?」
「ではあちらの方に行きましょう?」
私達は手を繋ぎ肩を寄せ合って歩いた。
一方ミシェル達がブレスレットを買ったお店では――。
「俺もこのブレスレットをくれ!」
「私もこのブレスレットをちょうだい!」
「俺も!」
「私も!」
何人もの客が押し寄せあっという間にブレスレットは完売した――。
◇
「あれ、団長?」
私達は後ろに振り返った。
「あぁ、やっぱり団長だ! 今日はお休みですよね? どうしたん……ですか…‥?」
「妻とデートだ、邪魔するな」
「すみません、気づかず……。でも仲直りできたんですね?」
「そうだ、じゃあな」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ! せっかくなんで奥様を紹介してください!」
「なんでお前なんかに紹介する必要があるんだ。ミシェルが汚れるだろ……」
「奥様、私はカーライルと申します! 皆からはカーラと呼ばれています、ぜひよろしくお願いします!」
「まぁ、私はミシェルと言います。ハルト様がいつもお世話になっています。」
「ミシェル、こんなやつに挨拶する必要はない」
「まぁまぁそう言わずに、少しお話しさせてくださいな?」
「……ミシェルがそう言うなら、仕方ない……」
「ありがとうございます、ハルト様」
「す、すげぇ。あの団長が尻に敷かれている……」
「あぁ? なんか言ったか?」
「いえ、なんでもないっす」
「そういえば、カーラさんこの間はありがとうございました。ハルト様からネックレスをいただいたのですがアドバイスをしたのはあなただと聞きました」
「いえいえ、そんなん大丈夫ですよ。喜んでもらえて嬉しいっす!」
「いえ、私達はあのネックレスがなければ離縁していてもおかしくなかったもの……。だから本当にありがとう、カーラさん」
「え、嘘だよな、ミシェル、ネックレスがなければ離縁だったのか?」
「えぇ、まぁ……。多分ですけどね」
「団長、危機一髪じゃないっすか……。こんないい奥さん逃しちゃダメですよ?」
「お前に言われなくてもわかってる。でもお前のおかげで助かった、ありがとう……」
「ちゃんとお礼が言えてえらいですね、ハルト様?」
「ふん、別に……」
「そんなハルト様も可愛いですね」
「なんか、この空間だけ甘くないっすか?砂糖吐きたくなってきたんですけど……」
「あら、そうですか?」
「ミシェル、こいつの言っていることは気にすんなよ……」
「じゃあ、俺もう行きますね? なんかしょっぱいもの食べたくなってきたんで! それじゃあ、また!」
「……嵐みたいな人ですね?」
「カーラはそう言うやつだ」
「それじゃあ私たちもいきましょうか?」
「あぁ……」
私達は街を堪能してから邸に帰った。
今日買ったブレスレットは小物入れに大切にしまっておく。
後日、このブレスレットは恋が叶うブレスレットとして有名になっていた………。
朝起きた時、リーンハルト様のお顔が横にあるのがまだ慣れない。
リーンハルト様のお顔は本当に美しく、黒い髪は陽の光に当たると輝いていて、まるで夜の星空のよう。
今は、瞳が見えないけれど、ルビーのように赤く輝く瞳で見つめられると、胸がドキドキしてとても苦しくなる。
時々、リーンハルト様の髪に触れてみたいと思うけれど、触れていいのかどうかわからないので眠っている今ならいいかしら?
私はリーンハルト様の髪に手を伸ばした――。
触れたと思ったらリーンハルト様に手を掴まれてしまった。
「悪戯をしようとする悪い子の手はこうしてあげる」
そういうと私の手を触り始めて、少しすると唇を落とした。私は顔が熱くなるのがわかり、恥ずかしくて泣きそうになる。
「おはよう、ミシェル。今日もかわいいね……」
私はリーンハルト様の色気に当てられて目眩がしそうだった……。
「お、おはようございます、リーンハルト様……」
「ミシェル、そろそろリーンハルト様っていうのやめないか? 俺の事、愛称で呼んで欲しいなぁ」
「ではハルト様、はどうでしょうか?」
「うん、いいね。じゃあこれからはそれで呼んでね。慣れてきたら様もいらないから……。
愛称で呼ばなかったらお仕置きするからね……」
「うぅ、はい……」
「ミシェルは可愛いね、愛してる」
ハルト様はあの日以来、言葉と態度で好きだと示してくれる。恥ずかしくなってすぐに顔を赤らめてしまうが、そんな様子もハルト様にとっては可愛く映るみたいでずっと見ていたい……とか言ってきてとても困る。
「ハルト様、今日はお休みなんですよね?」
「うん、そうだよ。だから一日中ミシェルといられるよ」
「では、一緒に街に行きませんか? デートをしましょう⁉︎」
「ミシェルが行きたいなら行こうか。……でもこの時間をまだ堪能させて……」
私達はこの後、もう少しだけゆっくりしてからベットから起き上がった――
◇
「ハルト様! あちら、見に行きたいです!!」
「うん、行くけど……。手は絶対に離さないでね?」
「はい!」
私達は街中に紛れられるように、私は簡素なワンピース、ハルト様は、鎖骨が見えるほど襟の開いたシャツに黒いスラックスとシンプルな格好をしていた。だけど、ハルト様の色気がダダ漏れで目のやり場に困ってしまう……。
うーん、ふと歩いていると視線が多い気がする……。
きっとハルト様の美貌に皆さん釘付けなんでしょうね。女性も男性も顔が赤くなっている人がたくさんいますもの。
ハルト様は罪な人ですね?
「……あっ! こちらのブレスレット、とても可愛いですよ!」
「……うん、可愛いね」
「あの、ハルト様? 私ではなくブレスレットですよ?」
「うん、だから可愛いよ? とても似合ってる」
ハルト様はブレスレットではなく、完全に私を見ながら言っている。まぁ、いいでしょう……。
見てくれないよりはいいですからね。
「こんにちは、こちらはおいくらでしょうか?」
「これは1つ銅貨5枚だけどあんたら2人が腕に身につけてくれるなら銅貨3枚でもいいよ。」
「私たちがつけるだけでお安く買えるのですか?」
「あぁ、あんたら2人が身につけるだけでみんな買っていきそうだからね。今も視線を集めているしどうかね?」
「ではこの赤いものと薄い緑色のものを頂けませんか?」
「毎度あり、2つで銅貨6枚だよ」
「はい、どうぞ」
「じゃあ品物だよ」
「ありがとうございます!」
私は初めて自分で買えたことにとても喜んだ。
「ハルト様はこの薄い緑色のブレスレットです! 私はこの赤いブレスレットをつけますね!」
「互いの瞳の色だね? 嬉しいよ」
「フフフ、じゃあ次に行きましょう!」
「次はどこに行く?」
「ではあちらの方に行きましょう?」
私達は手を繋ぎ肩を寄せ合って歩いた。
一方ミシェル達がブレスレットを買ったお店では――。
「俺もこのブレスレットをくれ!」
「私もこのブレスレットをちょうだい!」
「俺も!」
「私も!」
何人もの客が押し寄せあっという間にブレスレットは完売した――。
◇
「あれ、団長?」
私達は後ろに振り返った。
「あぁ、やっぱり団長だ! 今日はお休みですよね? どうしたん……ですか…‥?」
「妻とデートだ、邪魔するな」
「すみません、気づかず……。でも仲直りできたんですね?」
「そうだ、じゃあな」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ! せっかくなんで奥様を紹介してください!」
「なんでお前なんかに紹介する必要があるんだ。ミシェルが汚れるだろ……」
「奥様、私はカーライルと申します! 皆からはカーラと呼ばれています、ぜひよろしくお願いします!」
「まぁ、私はミシェルと言います。ハルト様がいつもお世話になっています。」
「ミシェル、こんなやつに挨拶する必要はない」
「まぁまぁそう言わずに、少しお話しさせてくださいな?」
「……ミシェルがそう言うなら、仕方ない……」
「ありがとうございます、ハルト様」
「す、すげぇ。あの団長が尻に敷かれている……」
「あぁ? なんか言ったか?」
「いえ、なんでもないっす」
「そういえば、カーラさんこの間はありがとうございました。ハルト様からネックレスをいただいたのですがアドバイスをしたのはあなただと聞きました」
「いえいえ、そんなん大丈夫ですよ。喜んでもらえて嬉しいっす!」
「いえ、私達はあのネックレスがなければ離縁していてもおかしくなかったもの……。だから本当にありがとう、カーラさん」
「え、嘘だよな、ミシェル、ネックレスがなければ離縁だったのか?」
「えぇ、まぁ……。多分ですけどね」
「団長、危機一髪じゃないっすか……。こんないい奥さん逃しちゃダメですよ?」
「お前に言われなくてもわかってる。でもお前のおかげで助かった、ありがとう……」
「ちゃんとお礼が言えてえらいですね、ハルト様?」
「ふん、別に……」
「そんなハルト様も可愛いですね」
「なんか、この空間だけ甘くないっすか?砂糖吐きたくなってきたんですけど……」
「あら、そうですか?」
「ミシェル、こいつの言っていることは気にすんなよ……」
「じゃあ、俺もう行きますね? なんかしょっぱいもの食べたくなってきたんで! それじゃあ、また!」
「……嵐みたいな人ですね?」
「カーラはそう言うやつだ」
「それじゃあ私たちもいきましょうか?」
「あぁ……」
私達は街を堪能してから邸に帰った。
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