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5話
しおりを挟む「じゃあ撮影始めまーす。今日はよろしくお願いしまーす」
「「「お願いしまーす」」」
私たちはさっき決めた2人組になり撮影を始めた。
1番、服が目立つようにして私たちは並んでポーズを決めた。意外と相性が良かったのか満足できる撮影になった。
「今日はありがとうございました」
「「「ありがとうございました!」」」
無事に撮影が終わり、解散になった。
「じゃあ、またね」
私が別れの挨拶を口にした。
するとーー
「すぐ会えるのか?」
ショウに聞かれた。
「あなたたち次第ね」
メグが言葉を返した。マサも別れ際に挨拶をした。
「今日は2人に会えてとても嬉しかった! また撮影がしたいな‼︎」
「えぇ、またね」
その言葉を残し、私たちは撮影現場を後にした。
◇
ーー翌日。
「本当に昨日はバレなくて良かったね」
「ね。本当によかったよ、でも大丈夫かしらね?」
「なんで?」
「んー? だって昨日、高校のヒント教えちゃったじゃん」
「あー、確かに。でも、まさかうちらが地味子に変装しているとは気づかないでしょ。しかも顔を見られてもあんまり気づかないんじゃない?
だってモデルの時にはそばかすなんてないし」
「まぁ、確かに。けどさー、メイクしてるってすぐバレるんじゃないの?」
「まぁ、そん時はそん時よ。しかも学校来るって決まったわけじゃーー
「「「キャァァァ」」」
ないじゃない……」
「じゃあ、この悲鳴は何かしらね?」
「さ、さぁー。犬でも入ったのかしら?」
「この学園、セキュリティがめちゃくちゃ厳しいの知らない訳ないでしょうね?」
「……すんませんでした。多分、来たと思います」
「でも、恵にとっては嬉しいんじゃない?」
「……えっ! ……そんなことないし」
「そんな、赤く染まった顔で言われてもね……」
「もう、なんでわかったのよ!」
「まぁ、昨日の態度で……かな」
「嘘! そんなにわかりやすかった?」
「いや、多分誰も気づいてないんじゃない? まぁ頑張ってよ」
「……うん」
教室の外が騒がしくなり女子生徒が騒いでいる。
「今日は久しぶりに翔様と正樹様がきているわよ!」
「珍しいわ!」
「出迎えに行くわよ!」
「あのお二人のためにメイクを頑張らなくちゃ!」
「抜け駆けは禁止よ!!!」
私たち以外の女子は、翔と正樹を出迎えにいった。
「はぁ、大変そうね」
「そうだね」
しばらくして翔と正樹が入って教室に入って来た。
その頃には、十数人が席に座っていたこともあって、私たちが目立つことはなかった。
「そういえばさ、うちらの後ろってずっと空いていたよね?」
私はわかり切っている答えを恵に聞いた。
「そうだね。そこはなんたって、なるーー」
「おはよう先上さん、氷室さん」
「……はよ」
「「おはようございます。成宮さん、新庄さん」」
そう、なんたって後ろは翔と正樹なのだ。なぜだ! だから仕事はNGにしていたんだけどね。
2人は数回しか来ていないため、ほとんどの日は席が空いていて、仕事で会わなければバレることはないと安心していたのに……。
まぁ、2人とはほとんど話さないので今後もバレることはないと思うけど………一応、注意しておこう。
あとバレないようにみんなから先上さんと呼ばれているから。
◇
ーーひと月後。
ここひと月は、あの2人がほぼ毎日、どちらかが学校に来ているらしく、2人で来る日もあるみたい。
私達はたまに休むことがあるから、いない日もあるけど、クラスの子達が話していたのを聞いた。
「今日も来るのかなぁ?」
「来るんじゃない?」
しかもここひと月の間にあの2人と話す機会が増えて、ファンの子たちからはすごく睨まれている。
でもさ、これは私達のせいじゃ、ないと思うんだけど。
だって私達から私用で話しかけたことはないし……。
私達が話しかけたのは先生からの連絡事項ぐらいで、毎回、向こうから話を振ってくるのだ。
「「「キャァァァァ」」」
「また、始まった」
「だね」
「毎日、毎日よく飽きないよね」
「だね」
私は興味がないため、自席から空を眺めながら恵の話に相槌を打つ。
「みんな、おはよう!」
「おはよ」
明るい声で入って来た正樹とは正反対のテンションで入った翔が席に近づいてくる。
「「おはよう。先上さん、氷室さん」」
2人に挨拶をされ私達も挨拶をし返す。
「「おはようございます」」
「そういえばさ、2人に聞きたいことがあるんだよね」
突然、正樹が言った。
「はい、なんでしょうか?」
私は返事をし、正樹の言葉を待つ。
「いや、大したことじゃないんだけど……モデルのサキとメグって知ってる?」
私達は表情に出さないよう、恵が言葉を返す。
「モデルのサキとメグですか……? 知っていますが、その方達がどうかしたんですか?」
「いや、僕らさ、この学園でその2人のことを探しているんだよね」
恵の言葉に確信を持ったように正樹が言葉を放った。
「え、この学園で、ですか?」
私はびっくりした表情を作り聞き返した。
「うん」
「この学園にいるって聞いたことないですけど……」
「いや、いるらしい。これは確実なことだよ」
私の言葉に翔が食い気味に答えた。
まずい、バレた? 誰がバラしたのかな? このこと知ってるのは、うちと恵の家族か、事務所ぐらいしか知らないのに……。
私が考えている間に恵が答えた。
「誰に、そのことを聞いたのでしょうか? 少なくとも私たちは聞いたことないですよ」
「教えてくれたのは理事長だよ」
はぁ……もう、勝手に母さんがバラしたのか……。しょうがない、母さんは止められないから。
「そ、そうなんですか。でもその2人がいたら騒ぎになると思うのですが?」
「そうですよ!」
「……そっか」
正樹は肩を落としてがっかりしていた。
「でもさ、その2人が顔を晒していたら噂にはなると思うけど、もし晒していなかったらと考えると、噂にはならないと思うんだよね。 実際メグが目立たないって言ってたし」
翔が確信をついたような言葉を言った。その時、恵がしまった! という顔をしてしまい私達の額には冷や汗が流れる。
「確かに! じゃあ、顔がわかりづらい子達を探せばいいんだね?」
正樹が顔を上げて嬉しそうな声を出す。
「でも、誰が顔を隠しているかなんてあまりわからないと思うんですが……。しかも女性となると、化粧で隠せますし……」
私は最後の抵抗として言葉を放った。
「そうだね。でも、俺らの目の前にいるじゃない? 隠していそうな人たちが」
翔が自信満々に話した。
「いや、いや、いや! 私たちは隠してなんかいないですよ! ただ……自分たちの顔に自信が持てないので……」
恵も翔に言葉を返す。
「じゃあ、前髪を上げてくれるかな?」
正樹が言葉をかける。
「いいですよ。でも……」
最後の抵抗として言葉を言い淀ませる。
「大丈夫。何があろうとも俺らは気にしないよ?」
「……じゃあ、いいですよ」
私は諦めた言葉を出し、前髪を上げた。
「「はい、どうぞ」」
「これでいいですか? 私達はコンプレックスがあって、あまり人に見せたくないんです」
「……! ごめんね、無理させちゃって……」
正樹が謝り、翔も謝る。
「……ごめん」
……作戦成功。焦ったふりをして確認させる。上手くいってよかった‼︎
翔達は私達がサキとメグだって思ったんだろうなぁ。
まぁ、実際にはそうなんだけどね、化粧でそばかすとか書いて、顔を作っといてよかった、ほんとに。
まさかそばかすを書いているとは思わないでしょうね、簡単に騙されてくれたわ。
「ほんとにごめんね。見せてくれてありがとう」
正樹がもう一度謝った。
「別に、大丈夫ですよ。気にしてないので……」
私が言葉を返したら、ちょうど先生が来て話が終わった。
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