ある日突然、知らないおじいちゃんから莫大な遺産を相続させられて、全裸の執事と地獄がもれなくセットでついてきた

橋元 宏平

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エピローグ

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「幸運の神様には前髪はあっても、後ろ髪はない」と、言ったのは誰だったのだろうか?

「幸運の神様は足が速く、通り過ぎたら二度と捕まえられない」と、言われている。
 それって、前から走ってきた神様の残りわずかな前髪を鷲掴わしづかみするってことじゃないの?
 幸運の神様、可哀想じゃない?

 そもそも前髪以外ハゲって、スゲェ斬新ざんしんな髪型だな。
 もしかしたら幸運の神様は、ハゲカウントダウンをモノスゴく気にしているかもしれない。
 神様の世界では「いよっ! 今日も後光ごこうまぶしいねっ!」なんて、からかわれているかもしれない。

 前髪を強く掴みすぎて全部ブチ抜いてしまったら、心身ともに大ダメージを受けること間違いなし。
 後頭部がすでに輝かしいことになっているのに、ずいぶんと可哀想なことをするもんだ。
 幸運の神様も、ガッカリだよ。

 いや、神様の世界では髪型は、それほど重要じゃないのかもしれない。
 前髪オンリーヘアが、神様の世界では流行はやりのモテる髪型だったりして。
 まぁ、冗談はさておき。

 このことわざ(?)の意味するところは「チャンスは訪れたその瞬間に、掴まなければならない」ということだ。
 だったら、幸運の神様の前髪を全部ブチ抜いてでも、チャンスを掴み取ってやろうじゃないか。


「お帰りなさいませ、ご主人様」

 豪華なお屋敷の玄関を開けると、それぞれ個性的なイケメンが5人並んで、うやうやしく出迎えてくれた。
 全裸で。

 最初こそ、呆れて言葉が出なかったけど。
 今となっては、すっかり見慣れた光景となってしまった。

「ただいま、みんな」

 慣れって、怖いよね。


                ――おしまい――
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