アムネーシス 離れられない番

山吹レイ

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噛み跡(前編)

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「叶人、忘れ物ない?」
「ない」
「薬もちゃんと持ったの?」
「持ったって」
 ここ最近ずっと俺と母さんで交わされる会話だ。数か月前なら、眠ったまま起きてこない朝の時間帯。昨夜も帰宅したのはいつなのかわからないが、朝の七時半、寝ぼけ眼でパジャマ姿のまま、ぼさぼさ髪をかき上げて、母さんは玄関先で出て行く俺を見送る。
 寝てていいと言っているのに、朝出て行く姿を見ないと心配になるようで、どんなに睡眠時間が短かろうが眠かろうが必ず起きてくる。
 あの日、俺が発情して、男……東屋平仁に連れ去れたことが、母さんの中で重くのしかかっているのだろう。俺が戻ってきてからの生活は少なからず二人に変化をもたらした。
 母さんは夜の仕事を辞めようか考えているらしく、求人誌や求人広告をよく見ていて、俺とこれからの生活について話をするようになった。
 もし、母さんが水商売を辞めてちゃんとした仕事に就くことになれば、もちろん俺も協力するし、これからの進路を変更する必要性も考えている。
 進学校だからそれなりの大学に行くことを視野に入れていたが、金銭面で難しければ就職したっていい。
 いい大学に入りたいと願う根本には、オメガという一生変えられない第二の性の中で、できるだけ選択肢を広げておきたかったから。オメガだからという理由で我慢したくないし、諦めることもしたくない。自分の努力で選び取る未来の可能性を狭めたくはない。今できることはやっておきたかった。
 ただ、それが母さんに今以上の負担をかけたり、生活が苦しくなるのなら、選択を曲げることも考えていた。
 それは何度か話し合いの中心になっていて、母さんは絶対に大学に行かせると言っている。けれど俺は、気持ちは別として『行けなくても別にいい』という態度で母さんに余裕を持たせている。
 仕事を変えようとしている理由は、なんとなくであったが想像はつく。
 俺と東屋平仁の関係を断ち切りたいのだ。といっても、あの日以来、奴とは一度も会っていないから、別に杞憂するほどでもないと思っているが、母さんにしてみれば肉体関係を一度でも持った以上、二度と会わせなくないという考えなのだろう。
 帰ってきた日、一週間以上アパートに戻らなかった経緯を話している間、母さんは黙って聞いていたが、一気に老けたようなひどく疲れた顔をしていた。話し終わった後、俺が無事でいるという連絡が何度かあったこと、学校にもしばらく休む連絡は入れていること、それと死ぬほど心配して夜も眠れなかったことをとつとつと話してくれた。そして最後「なんで運命の番があんな……」と母さんが憤懣やるかたない様子で、握り締めた拳を震わせて一言漏らした。
 母さんが、感情を昂らせて喚き散らしたり泣いたりした姿を一度も見たことはない。それなのに、がっくりと肩を落とした姿が泣いているようにも見えた。
 平仁のことは訊けない。これ以上母さんを苦しませることはできなかった。
 それは、今も変わらない。
「行ってくる」
 玄関先でスニーカーを履いて振り向くと、母さんは大きな欠伸をして「いってらっしゃい」と送り出してくれた。
 アパートを出て、イヤホンを耳に差し、駅に向かって歩きだした。
 あの日から二か月以上経ち、もう少しで二回目の発情期を迎えようとしている。
 病院には一度行った。はじめて発情期を迎えたことによる体質の変化等がないかどうかの検査と、あとは慰め程度の発情期の性欲の軽減方法と抑制剤も処方された。
 ただし抑制剤はどうしても性欲を抑えたい場合や必要な時にのみ飲むようにと言われ、基本は薬を飲まずに発情期の一週間をパートナーや恋人と協力してやり過ごすことを勧められた。
 抑制剤は体質による効果がない場合が少なからずあり、その上、倦怠感や頭痛、吐き気などの副作用も高確率であらわれるらしい。だから、飲まずに済めばそれに越したことはないと言われたので、抑制剤は学校に行くときや外出の時など万が一に備えて持つぐらいで、実際その時が来たら、なるべく飲まないようにするつもりだ。
 こういうことがあるから、母さんは仕事を変えたいと思っているのかもしれない。
 今の生活だと、学校から帰ってきても母さんはいないことが多い。生活時間を合わせれば、もっと一緒の時間を過ごせる。
 発情期がくれば、どうしても一週間は閉じこもらなければならないわけで、その間の食事や身の回りのことなど協力者がいると非常に助かる。
 はじめての発情期の時はあの男がすべてやってくれたので……奴が何を思って、そこまでしてくれたのかはわからないが、本当にありがたいと感謝すべきだろう。
 性欲の発散も身の回りのことも協力してくれるパートナーがいるということは、本当に理想の環境だ。ただしパートナーの負担も大きい。そこを理解し、共に歩んでくれるという献身的な相手なら番になっても幸せだろう。
 あの男も……平仁も今まで番うような相手がいなかったのだろうか。
 番うことを嫌うアルファもいるというし、あの男は束縛とか嫌いそうだし、それに見た目も態度も怖いあの男の隣で平然としていられる相手もいないだろう。ああ、あれは絶対にいない。愛想もない喋らない男。モテる要素などどこにもない。
 そう思うと、少しほっとする。
「ん? なんでほっとするんだ?」
 自分の感情に戸惑って、思わず独り言を言ってしまった。
 運命の番といってもこの通り、あの男と一緒にいるわけではない。『離れられない』なんて嘘だ。あの日以来一度も会っていないのだから、あっちだって未練もないのだろう。
 今では、あの日が懐かしく感じるほど、いつもの日常に戻ってきた。毎日学校に行って、勉強して、飯を食って風呂に入り、寝る。首筋についたキスマークも消え、何度もキスを交わした唇も咥えこんだそこも、何もなかったかのように慎ましいものだ。ただ時折、疼くような熱がじわりじわりと熾火のように燻る。それさえ蓋をしてしまえば、あの出来事をなかったことにできる。
 所詮、運命の番というものは嘘だったのではないかと思うほど繋がりがなくなった。
 確かに目が合った瞬間、運命の番だと思った。体が熱くなって抱かれたくて堪らなかった。それは、はじめて発情して、側にいたアルファがあの男だったというだけで、運命でなかったのかもしれない。
 次の発情期にあの男がいなくてもなんとかなるだろう。だいたいこの世のオメガが発情期に皆誰かと一緒に過ごしているわけじゃない。俺みたいな高校生ならパートナーや恋人なんていないだろうし、持て余す性欲を一人閉じこもって発散させるぐらい、オナニーの延長だと思えば軽い。
 ただちょっともやっとするのは、あの男が自分の所有物のように新しい首輪をつけた理由と、訊かずとも教えてくれたあいつの名前を呼ぶ機会がないことだ。
「だったら、名前なんか教えるなっつーの」
 俺は吐き捨てて足早に駅に向かう。
 無意識のうちに首輪を撫でてしまうのも、癖のようになっていた。
 首輪は俺の首にフィットしている。それが、あいつのことを考えると首元が締めつけられるような息苦しさを感じることがある。
 全部気のせいだ。もやっとしている胸のうちも息苦しさも、運命の番だって気のせい。
 嫌な感情を塞ぐようにイヤホンから流れる音楽に耳を傾ける。けれど、身を浸すほど深く潜れるわけもなく、苛立しながらイヤホンを乱暴に外し、改札を抜けた。


 その日は朝から少し熱っぽさを感じていた。ぼんやりしていて頭が少し重い。風邪でもひいたかもしれないと一応市販の薬を飲んで朝、学校に行った。
 学校ではそれ以上具合が悪くならなかったが、アパートに帰ってきてから急速に体調が悪くなった。悪くというか……熱くといったほうがいいかもしれない。
 二度目の発情期が来たのだ。
 母さんが仕事に行った後だったので、メールで知らせた。すぐに電話がかかってきて体は大丈夫なのか夕食は食べたのか、とか矢継ぎ早に訊かれて、俺は安心させるためにも正直に答えた。頭はぼうっとしていたが、ちゃんと電話できるほど意識はあるし、夕食は食べた。
 母さんはすぐに早退すると言ったので、帰ってこなくていいと念押しした。帰ってきたところで、できることは何もない。
 あとは俺の問題であり、どうこの発情期と向き合って乗り越えるかだ。
 夜になり、何度か昂る体を処理して、けだるさを感じながらも自然と眠っていた。
 真夜中、喉が渇いて目が覚めた時、ベッドの側には化粧も落としていない母さんが俺の手を握りしめたまま眠っていた。心配をかけてしまったことを心苦しく思いながらも、いくら母さんがベータでオメガのフェロモンが効かないとはいえ、一緒の部屋にいられたら俺も困る。しょうがないと抱き上げて母さんの部屋のベッドに運んだ。
 今度から、発情期には不用意に部屋に入らないように念押ししておかなくてはならない。
 水を飲んだついでにトイレに行き、そこでも耐え切れずに何度か吐精して、ベッドに潜りこんだ。
 それでも朝までちゃんと眠れたので安心した。
 はじめて発情期を迎えたときは、あまり寝ついた記憶がないほどやりまくった。眠れないほどムラムラするかもしれないと思っていたが、案外性欲さえ処理してしまえば、眠気は呆気なく訪れた。
 この分なら発情期なんて楽勝なんて思っていたら、それは突如あらわれた。
 学校に休むと連絡を入れた後で、急に眩暈が襲って膝から崩れ落ちた。
「なんだこれ……?」
 飢餓のような乾きが体の底から突き上げてくる。呼吸が荒くなって、開いた口から唾液がぽたりぽたりと床に滴る。
 後ろが疼いて濡れている。むずさに内股をこすり合わせると、ぬちゃぬちゃと音がするほど溢れていた。
 俺は慌てて袖で床を拭い、ふらふらする足で自室に戻る。ベッドに倒れこんで、下着の中に手を入れて後ろを探った。
 ぐっしょりと濡れていたそこは、触れただけでひくついているのがわかる。簡単に指が中に入っていく。まるでこうされるのを待っているかのように、中がうねって指を締めつけた。足りない。指では物足りない。もっと太いものがほしい。突き上げて中をかき混ぜて欲しい。
 俺は下着を脱ぎ捨て大きく足を開いて、指で広げながら奥深くまで入れる。
「欲しい……んっ……」
 きつく目を閉じると、思い浮かべるのは俺の上に乗って盛るあの男の顔だった。
 前を扱いても、出しても出しても、猛りはおさまらない。
 気が狂いそうになって、枕を壁に叩きつけているとドアをノックする音が響いた。
 俺はびくりと体を竦ませて動きを止める。
「叶人?」
 母さんが物音を聞きつけて、ドア越しに不安そうな声をかける。
「平気、大丈夫だから」
 急いで取り繕った声を出したが、俺は興奮を抑えきれずに、自らの腕に噛みついた。
「本当になんともないの?」
「ああ、大丈夫だって」
 俺は震える手で抑制剤を取りだし飲みこんだ。もう耐えられない。
 効き目があることを信じ飲んだ抑制剤だったが、数分もしないうちに頭痛と吐き気に襲われトイレに駆けこんだ。
 全く効かないどころか体質的にも合わなかったらしい。便器に頭を突っこんで吐いてのたうち回った。
 全部吐き出してすっきりはしたが、熱に犯されたように火照る体はどんな状況だろうとおさまるどころか、性欲を増していっている。ずっと勃起して後ろは貫かれるのを待っているかのように潤っている。
 あの男に会いたい。セックスがしたい。男のずっしりと硬いもので、この体中に巣食う疼きを埋めて欲しい。気が狂いそうだった。
 トイレから出ると、ふらつきながらズボンを穿いて、財布をポケットに入れ携帯電話の画面に地図を表示させた。
「叶人? 叶人! どこに行くの!」
 掴んで止めようとする腕を乱暴に振り払って、俺はスニーカーを履いて外に飛び出した。
 足がもつれそうになりながら走る。息が切れて走れなくなると、携帯電話で自分の位置を確認する。
 電車になんか乗れない。こんな状態で電車に乗れば迷惑だろうし、アルファに狙われても逃げ場はない。
 日の高い時間帯なら、他人は無視するだけの冷たさを持ち合わせている。見て見ぬふりくらいはしてくれるだろう。親切な人がそうそういないことを願う。あとは一番気をつけるべきはアルファだが、会ったら確実に犯されるので逃げるしかない。
 こんな状態で外に出たのだから狙われる可能性を考えなかったわけじゃないが、それ以上にあの男に……東屋平仁に会いたくて、気持ちよりも考えるよりも体が先に動いていた。
 どこをどう走ったのかわからない。今まで通ったことのない道をひたすら足を動かして進んだ。どのくらい走ったのか……時間も距離も感覚がなく、いつの間にか携帯電話の電源も切れていて地図も確認できなくなった。
 それでもやっと目的の近くまで来た。一度だけ来たことがある駅だ。ここまで来れば迷うことはない。
 ただ走り続けてきた足がすでに限界だった。体力もなく、体は熱いのか寒いのかすらわからないほど震えていて、俺は誰も見咎められない狭い路地の陰で、ひび割れた壁に体を持たれかけて蹲る。
 薄汚れたアスファルトは埃の中に饐えた匂いがする。深く息を吸いこむと、あの男の肌の匂いが鼻先を掠めたような気がした。ひどく淫らに睦み合って男の白濁したものを浴びたときのように淫靡な匂いが蘇り、それだけで俺の先端から迸りそうだった。
「発情したオメガが何してんだ?」
 はっとして顔を上げた俺の前に、息も荒くギラギラした目をした知らない男がいた。アルファだ。
 側に来られるまで気がつかなかった俺は、最悪の事態だと瞬時に悟り、男を押しのけて走り出した。
「待て! こらっ!」
 男が後ろから追ってくる恐怖に、通行人にぶつかりそうになりながら走る。
 なんだ、どうした、と驚いたように見る人の目など気にせずに、ふらふらになりながら足を動かす。すると、足がもつれて転んでしまった。
 驚いたように手を差し伸べてくれた人がいたが、その人も触れるなり、いきなり俺を押し倒した。こいつもアルファかと思い、思いっきり股間を蹴り上げる。股間を押さえて蹲る男を尻目に歯を食いしばって立ち上がると、母さんが働いている店を目指して走った。
「ちくしょ……」
 この時間帯は、店内に誰もいない可能性が高い。だが、俺はあの男の接点など他に知らなかった。
 せめて誰かいてくれたらと思いながら行くと、運よく店の前で黒服の男が見えた。顔を上げてびっくりした様子でこちらを見たので「助けて!」と叫んだ。
 すると黒服の後ろからあの男……サングラスをかけた東屋平仁が現れる。体のすべてが平仁に向かっていく感覚ははじめて会った時よりも強い。
 俺が手を伸ばすと、平仁がこちらに向かって走りだしてきた。
 安堵と疲労、発情から倒れこむ体を平仁が抱きしめたかと思うと、唸り声を上げて、サングラスを投げ捨て俺の背後に迫ってきた男を殴りつけた。
 俺は朦朧とした頭で、平仁の体から崩れていくのを感じた。もうしがみつく力もない。その体を平仁の後から来た黒服が抱きとめた。
 平仁が一瞬だけ振り向いて、俺を見る。その片目に宿る炎のように激しい眼差しは、狂気と暴力、それと自分の雌に手を出された雄が見せる強い敵愾心で滾っていた。二人目の男を蹴り上げ、渾身の力で殴り、ぼろぼろになっても、吹っ飛んでいっても、平仁はやめようとはしなかった。
 黒服は俺を抱きかかえ、店の中へと避難させてくれたが、もう意識を保っていられるような状態ではなかった。
 黒服が突如、弾かれたように顔を上げた。体がふわりと浮き、馴染みのある煙草の深い匂いに包まれる。平仁に抱きかかえられているのだと理解するにはそれだけで十分だった。目の焦点を合わせると、平仁の頬には血の跡がある。黒服と平仁がなにやら話をしているが、もうどうでもよくて体から力が抜けていく。
 いきなり頬を張られた。強い力ではなかったが、一気にうつらうつらしていた状態から引き戻された。
 ソファに押し倒され、上から見下ろす平仁の目は、まだ激しい炎を宿していて、俺ばかりかまるで奴自身をも焼き尽くそうとしているように見えた。
 屈んで合わせた口づけに優しさは微塵もない。奪うような乱暴さで口内を貪られる。
 そうしながら平仁は俺のシャツを捲り、下着こと剥ぎ取った。片足に下着が引っ掛かったままで大きく足を開かせると、スーツの前を寛げただけ姿で一気に貫いた。
 忘れたわけではない。何度も迎え入れたそこは何か月離れていようとも平仁の形を覚えている。突かれる角度も尻に当たる重い陰嚢も胸の突起を弄る指も、全てが思い出とともに蘇ってくる。
 意識が今にも飛びそうになった時、平仁はいきなり俺の首を絞めた。ひゅっと口から息が漏れ苦しさにもがいた。
 いや、首を絞めているのではない。首輪と首の間に指を入れて何かしている。それでも首が絞めつけられているのは確かで、俺は平仁の手の甲に爪を立てて必死で抵抗する。
「がっ……苦しっ……」
 平仁が首輪に噛みついたかと思うと勢いよく破いた。噛みついても平気なように首を保護する首輪だ。それを歯で千切るなど信じられなかった。
 そういえば、前の首輪もぼろぼろになって外れるほど噛みつかれた。この男は獣だ。
 次の瞬間、露になった首に平仁が噛みついた。
 まさか、噛みつかれるとは思ってもみずに、俺は髪を鷲掴みにして引きはがそうとする。
 すると、平仁が俺の足を持ち上げ体で押さえつけた状態で、激しく奥を突いた。
 噛まれた首が痛い。それなのに、腰を揺られて愛液を漏らして喜んでいるように平仁を締めつけている。
 達しそうになり、体を撓らせたその時、平仁は俺を抱えるように奥を穿ったまま、荒い息をついて動きを止めた。
「あっ……!」
 体内にいる平仁の硬いものが震えて、熱い体液が流れてくるのを感じる。
 平仁は腰を少し引くと、再び一度二度と互いの体液が飛び散るほど激しく突いては俺の奥へと種をまき散らした。
 霞む目で見上げると血に濡れた唇がまるで吸血鬼のように見えた。『離れられない』のは平仁ではない。俺だ。俺が平仁を求めてここまで来てしまった。
 その罪の代償は、この先俺だけでなく、平仁も縛りつけることになる。
 ゆらゆらと揺らめいて、もう見えない。
 俺は目を閉じ意識を手放した。
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