流行りのオモチャを買わされたら、そのオモチャが擬人化しました!

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第一章 日常ラブコメ編

第42話 バカップルに見られ

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 地獄にも色んな種類があるが、こんなに甘い地獄は初めてだった。周りの奴からは「バカップル」に見られ、隣の老夫婦からも「若い頃を思い出すわ」と勘違いされている。全然そんな事はないのに。
 ファミレスで感じたあの感覚は、今まで味わったどの地獄よりも甘く、そして、辛いモノだった。チャーウェイの方は、至って平気……もっと言えば、大変満足していたけど。リア充経験の無い俺には、それがエライ具合に苦痛……は言い過ぎか。でも、気持ちの良いものではなかった。あの苦手なリア充に勘違いされるなんて。嬉しさよりも恥ずかしさの方が勝っていた。
 
 俺はラブラブパフェの代金を払い(店員さんにニヤニヤされた!)、チャーウェイと揃って店の外に出た。店の外は、暗かった。真っ暗とはまで行かないものの。近くの道路には、ヘッドライトを点けた車が何台も走っていた。
 
 俺はその光から視線を逸らし、彼女と連れ立って、近くの歩道を歩きはじめた。
 
 彼女は、隣の俺に笑いかけた。

「パフェ、すごく美味しかったね!」

「あ、ああ」と答えた瞬間、また恥ずかしくなった。「そ、そうだな」

 俺はさっきの事を思い出しつつ、真っ赤な顔(仕方ないだろう!)で左の頬を掻いた。

 チャーウェイはまた、その様子に微笑んだ。

「また来よう!」

「え? あ、うん。そうだな。チャーウェイがそう言うなら」

 彼女の顔が華やいだ。それこそ、ひまわりの花が咲いたように。彼女が俺の頬に「チュッ」とキスした時も、その笑顔が綺麗に咲き誇っていた。
 
 彼女は「クスッ」と笑って、俺の隣を歩きつづけた。
 
 俺は頬の感触にドキドキしつつ、恥ずかしげな顔で自分の自転車を押しつづけた。
 
 俺達は、俺の家に帰った。

「ただいまぁ」

「おかえりぃ」と、母ちゃんの返事。「デート、楽しかった?」

「ああうん、まあ」

「すごく楽しかったよ!」

 チャーウェイは嬉しそうに笑い、母ちゃんもそれに「そう」と笑いかえした。

「それは、良かったわね」

 俺達は、家の中に入った。家の中では、ラミア達が俺達の帰りを待っていた。何処かすねたような顔で(ウリエの方は、普通だった)。俺が「ただいま」と言っても、「おかえり」とは返してくれるが、それ以外の事は何も話してくれなかった。

 俺は、その態度に気まずくなった。

「ご、ごめん」

 ラミアは横目で、俺の顔を見た。

「別に怒ってはいない。あなたが誰とデートしようと。ただ」

「た、ただ?」

 彼女は俺に近づき、その耳元にそっと囁いた。

「今度は、私とデートして」

「は? え?」と驚く間に「今度の土曜日に」と言われてしまう俺。

 俺はその言葉に動揺したが、ラミアの淋しげな顔を見て、仕方なく「分かったよ」とうなずいた。

「今度の土曜日な?」

 彼女の顔が華やいだ。

「ええ!」

 彼女は「ニコッ」と笑い、俺の部屋(たぶん)に戻って行った。

 俺は、その背中にホッとした。

 ウリナは、その様子に微笑んだ。

「デートの約束ですか?」

 の言葉に「ハッ」としたが、すぐに「あ、ああ」とうなずいた。

「一応、平等に付き合うのがルールだし。ウリナは、何処か行きたい所はねぇか?」

「え?」

「土曜日は、無理だけど。日曜日なら付き合えってやれる」

 俺は、彼女の目を見つめた。本当は、そんな事は言いたくなったけど。場の空気が、ほら? そう言う空気だったし。ドンファンは「どうでも良い」って顔をしているが、その目は「やっぱり行きたい。オレも、デートに連れて行け」と訴えていた。俺の目の前に立っているウリナも。

 彼女は(どちらかと言うと)控えめな性格だったが、気持ちとしてはたぶん、穏やかではない筈だ。惚れた男が、他の女とデートしているなんて。俺が女なら激怒するだろう。その前に!

 俺は真剣な顔で、彼女の答えを待った。

 彼女の答えは、「あります」だった。

「町の美術館に。わたくし、絵を観るのが好きなんです」

「そっか。ドンファンは、バッテジングセンターにでも行くか? 平日になっちゃうけど?」
 
 ドンファンは、その言葉に「ああ!」とうなずいた。

「身体を動かすは、好きだからな。どっちがホームランを打つか、勝負しようぜ?」

「おう」

 俺達は、互いの顔を見合った。

 俺は自分の部屋に行き、学校の制服を着替えて、家の風呂に入った。家の風呂に入った後は、自分の部屋に戻り、軽く勉強して、ラミア達と楽しくお喋りし、ついでに作品のプロットを少し書いて、スマホの端子に充電器を刺し、部屋の電気を消して、ベッドの中に潜り込んだ。

 俺は、机の彼女達(キューブの状態に戻っている)に挨拶した。

「おやすみ」

 彼女達も、その挨拶に「おはすみ」と返した。

 彼女達は(たぶん)穏やかな顔で、それぞれに「スゥスゥ」と眠りはじめた。
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