流行りのオモチャを買わされたら、そのオモチャが擬人化しました!

読み方は自由

文字の大きさ
47 / 61
第一章 日常ラブコメ編

第44話 今夜は少し、夜更かししませんか?

しおりを挟む
 喫茶店から出た後は洋食店(落ち着いた感じの店で、また行きたいと思った)、洋食店で昼飯を食った後は、その店から出て、町の公園に行った。ウリナが「公園でお話したい」と。
 
 今日はお天気も良い、頬に風を感じたいですから。とても美しく、詩人めいた動機だった。かく言う俺も「それ」には賛成で、公園の開いているベンチを見つけた時は、思春期の少年ばりに「やった!」と喜んでしまった。
 
 まるで二人だけの特等席を見つけたみたいに。俺の隣に彼女が座った時の空気は、ラミアよりも美しく、そして、チャーウェイよりも可愛かった。
 
 俺は、その姿にしばらく見惚れてしまった。
 
 ウリナは、その視線に微笑んだ。

「智様は、面白いですね」

「なっ!」と、動揺する俺。「俺が?」

「はい、少年らしくて素敵です。変な下心がありません。『わたしくの事をどうやって落とそう?』とか。そう言う計算の無い人は、大好きです」

 俺は、その言葉に俯いてしまった。

「お、俺も」

「はい?」

「んぁああ、何でもない!」

 お前みたいな女は、嫌いじゃないって……そんな事、恥ずかしくて言えるか!

 俺は自分の言葉に悶え、苦しみ、そして、戦いた。

 ウリナはその様子に首を傾げたが、やがて「クスクス」と笑いはじめた。

「やっぱり面白いです」

 彼女の言葉がまた、突き刺さった。

 そ、それ以上は、勘弁してくれぇ。
 
 俺は心の動揺を誤魔化すために、頭上の空を見たり、足下の砂を蹴ったりした。

「お前は、マジの男殺しだな」

「そんな事は、ありません。『素敵なモノは、素敵』と、ただ言っているだけです。あなたは十分、魅力に溢れている。自分では、気づかないだけで。あなたは、わたくしの胸をドキドキさせる」

 彼女は俺の手を掴み、自分の胸に「それ」を持って行った。

「ほら? こんなにドキドキしているでしょう?」

 ドキドキしているのは、俺の方だ。彼女の感触、胸の鼓動が直に伝わってきて。正直、自分の分身がアレになっていた。

 俺は彼女の手から逃れると、昂ぶった胸を落ち着かせて、何回か深呼吸した。

「お前……そう言うのは、あんまりするなよ?」

「え?」

「今みたいなのは、お前のキャラに似合わない。お前は……これは男のワガママだけど、綺麗なままでいて欲しいんだ。男のアレに犯され」

 の続きは、彼女の唇に遮られてしまった。ゆっくりと離れる、彼女の唇。

 彼女は優しげな顔で、俺の唇から湿りを拭き取った。

「本当に美しいモノは、犯されてもなお美しい。わたくしは、あなたになら犯されても良いんです。身体のすべてを汚されて。それでも、あなたの事を愛しつづける。身体に付いたきずを愛おしむように。わたくしには、愛に溺れる覚悟があるんです。……智様」

「うっ」

「今夜は少し、夜更かししませんか? 二人だけの部屋で」

 俺は彼女の言葉から、その意図を読み取った。

「バッ、バカヤロウ! 高校生がそんな。明日は、学校だし!」

「学校は、休めば良いんです」

「なっ!」

 休めば良いって。お前は所謂、「優等生キャラだ」と思っていたが。意外と肉食系らしい。「クスッ」と笑った彼女の顔には、いつもの彼女とは違う妖艶な雰囲気が漂っていた。

 俺は、その妖艶さに息を呑んだ。

「そ、そんな訳には行かねぇだろう? キューブだって集めなきゃならねぇし」

 彼女の顔が一瞬、暗くなった。

「そうですね」

 彼女は「クスッ」と笑い、自分の正面に向き直った。

「今日の帰りにも、キューブを買うんですか?」

「ん? ああ。最近、買っていなかったからな」

 お前らとのデートが重なって。

「そう言う時間も無かったし」

「そう、ですか」

「ああ」

 彼女は、俺の手を握った。

「智様」

「んん?」

「これは……その、わたくしのワガママなんですが。キューブの購入をしばらく控えて頂けませんか?」

「え?」

 俺は、彼女の顔に目をやった。

「ど、どうして?」

 彼女は悲しげな顔で、自分の足下に目を落とした。

「貴方には、『平等に愛せば良い』と申しましたが……。怖いんです、わたくし。これ以上、好敵手が増えるのが。あの子達の事は、特に嫌いじゃないんですけど。一種の危機感を覚えるんです。『貴方の恋人にもし、なれなかったら』って。わたくしは、あの子達ほど強くありませんから」
 
 俺は、その言葉に胸を打たれた。彼女の抱える不安に。俺は一人だから気にしないが、彼女達にとっては文字通りのサバイバルなのだ。たった一人の男を巡る。好敵手が増えるって事は、それだけ自分の思い人から遠くなってしまうのだ。

 彼女の気持ちを察せられなかった自分に苛立つ。

 俺は真剣な顔で、彼女の要求に応えた。

「分かったよ。しばらくは、キューブを買わない。ラミア達にも、そう言うから」

 彼女の顔が華やいだ。

 彼女は嬉しそうな顔で、俺の身体に思い切り抱きついた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編7が完結しました!(2026.1.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...