1 / 23
第0話 領主の仕事
しおりを挟む
自分の家から追放? 家の奴らからは呆れられているかも知れないが、そこまではいかないかな? 家の親父も母さんも数年前に死んじまったし、祖父さん祖母さんもずっと前に逝っちまった。俺が今よりも子どもの頃にね? 家の一族(別の封土に住んでいる)や召使い達からも恨まれていないし、封土の領民からも特に歯向かわれる様子もない。
まったくもって平和。平和が、ルンルン気分で歩いている感じだ。だから、そいつらに復讐……最近では「ざまぁ」とか言うらしいが、そんな事をしなくてもいいし、そいつらに対して「参ったか?」と……これも最近では「もう遅い」とか言うらしいが、そう言う事をしなくてもいい。誰に対しても、嫌な事をしなくてもいいわけだ。俺の今の生活が、周りから「嫌だ」と言われたらそれまでだけど。俺は、俺の好きなように生きていきたい。自分の趣味に生きていきたい。「それが甘い」と言われたら何も言えないけどね? でもそれが、俺の生き方、辺境領主の生き方なのだ。
前置きが長くなってしまったが、ここからが物語の本題である。「物語の本題」と言っても、自分の人生を物語に置きかえているだけで、実際は俺の人生を書いているだけだが……それでも、本題には変わらないだろう。本題の主人公は俺、エルダ家のザウル・エルダなのだから。何も間違っていない。こうやって「ああだ、こうだ」と考えるのも、「主人公だから許される特権」と言うヤツだ。
俺はここまで考えて、服の襟元を正した。「自分の趣味に生きてきたい」と思ってはいるが、自分の仕事をやはりやらなければならない。「封土の中を見まわる」と言う仕事を、ここの領主なりにやらなければならないのだ。だから今日の朝飯も、さっさと食べおえる。世話係の愚痴を聴きたくないからね? 朝飯のハムエッグをさらりと平らげるのさ。
「ごちそうさん」
俺は椅子の上から立ち上がり、ここでも世話係の愚痴を聞きながしつつ、食堂の中から出て行った。食堂の外は静かだが、玄関の外は違う。玄関の外には、活気が溢れている。封土の中に溢れている活気が、領民達の声や、荷車の音なんかに混じって、そこら中に漂っているからだ。俺がいつも見まわっている道の両端も、封土の農作業に勤しむ農奴達や、行商人達の声で溢れていた。
俺は、そいつ等に「おはよう。今日も、朝からご苦労様」と話しかけた。その言葉が、そいつ等への挨拶だからである。
「あんまり無理するなよ? 労働なんてモノは、程々が丁度良いんだからな?」
農奴達は、その言葉に笑った。どう言う理由かは分からないが、その言葉にいつも笑われるのだ。腰の曲がっているジジイはおろか、家の農作業を手伝っている子どもにさえ、何故か毎回のように笑われてしまうのである。それだけが、どうも腑に落ちなかった。
「ザウル様。アンタはやっぱり、変わった人だね? 自分の道楽にも真面目だが、そのお仕事にも真面目なんだから。『変わり者』と言うほかありません。普通は、自分の道楽にだけ」
真面目になる。それが世間様の考えだったが、俺にはどうも馴染めない。自分の仕事が残っている状態では、自分の好きな事にも打ちこめないからだ。どんなに楽しい時間を過ごしていても、頭の何処かには仕事が、「そいつをやらなければ」と意識が残っている。まるで自分の背中を見はる教育係のように、こちらの動きにずっと目を光らせているのだ。そんな状態では、楽しい事も楽しめない。だから好きな事をする前には、自分の仕事をさっさと終わらせてしまう。その上で、自分の好きな事を思いきり楽しむのである。
「そんな事は、ないよ。俺は一応」
まだ、十七歳だが。
「ここの領主だからな。領主には、『領主の流儀』ってヤツがあるんだよ」
俺は馬の手綱を操って、その足を促した。馬は、封土の中を歩きつづけた。封土の中は決して広くはなかったが、そこを一回りするにはそれなりの時間が掛かるので、馬が俺の館に帰ってきた時にはもう、朝と昼の真ん中くらいになっていた。馬は俺の指示に従って、いつもの場所に停まった。
俺は、馬の上から降りた。その時に「見まわり終了」とは言ったが、俺の仕事はまだ終わってはいない。この後にもまだ、残っている。机の上にはまだ、封土の損益計算表が乗っているのだ。損益計算表には封土の利益や損失、その他財政状況を書かなければならない。見まわりの中で確かめた、封土の治安状況もまとめなければならない。俺には封土の治安を守る義務と、その領地裁判権があるからだ。領民達が何かの問題を起した時は、公正かつ公平な立場でその問題を裁かなければならない。俺には、その責任がある。
「はぁ」
俺は「やれやれ」と思いながらも、屋敷の仕事部屋に行って、今日の仕事に取りかかった。今日の仕事は、昼すぎに終わった。普段ならもう少し早いが、今月は領民達の納税が何故か遅れてしまって(そいつ等曰く、「仕事が繁忙期に入ったから」との事)、損益計算表の計算に手てまどってしまったのだ。羽パンに使われたインクも、いつもより多く減っている。
「はぁ」
また、溜め息。
「はぁ」
もう一発、溜め息。
「疲れたぁ」
俺は椅子の背もたれに寄りかかって、自分の身体を休ませた。一分、二分、三分と。そんな感じにぼうっとして、部屋の窓に時おり目をやっては、そこから見える外の景色を眺めたわけだ。俺は何も考えず、間抜けな顔で外の景色を眺めつづけた。外の景色は、穏やかだった。景色の中に溶けこんだ光、音、空気が上手い具合に混ざりあって、ある時には太陽の光を、またある時には馬の足音を響かせていた。それらの調和を妨げているのはただ、道の端辺りから聞こえてくる怒鳴り声だけだった。
「なぁに怒っているんだ?」
そう思ったが、それもすぐに消えてしまった。それを確かめるのが、俺の仕事である。俺は椅子の上から立ちあがると、窓の前まで行って、そこから外の通りを見おろした。外の通りには、二人の男が立っていった。そいつ等は館の敷地にこそ入っていなかったが、敷地のすぐ近くにある道で、何やら喧嘩紛いの騒ぎを起していたのである。
「ったく」
舌打ちは好きではないが、まぁ仕方ない。こう言うのに苛立ったり、呆れたりするのが人間である。俺は、聖人君子ではないからな。「イラッ」とする時は、本当に「イラッ」とする。館の中から出て、そいつ等の仲裁に入った時も、その顔を思いきり睨みつける。そうすれば、大抵の争いが収まるからな。今回の場合も、俺がそいつ等から喧嘩の理由を聞き、お互いが「分かりました」と頷ける裁きを下す事で、大きな問題にならずに済んだ。
「まったく。そんな下らない理由で、言いあらそいなんかするなよ?」
申し訳御座いません。俺にそう謝る二人の顔は、何だか淋しげに見えた。二人はそれぞれに互いの非を認めると、目の前の俺にもう一度謝っては、淋しげな顔で道の向こうに渋々と歩いて行った。それを見送ったのは、数秒くらい。二人の背中が見えなくなるまでだ。それ以後は自分の館に戻って、館の食堂に向かった。今日の昼飯を食べるためである。
俺は食堂の中に入って、今日の昼飯を食べはじめた。今日の昼飯は豪華、なわけがない。ここは、辺境の封土だからな。出てくる料理も、それなりである。コップの中に注がれる葡萄汁も決して、良い物ではなかった。
俺は今日の昼食を食べおえると、口元の汚れを拭きとって、椅子の上から立ちあがった。
「さて」
ここからは、楽しい時間。俺が自分の人生を楽しめる、自由の時間だ。この時間だけは、誰にも奪わせない。どうしてもやらなければならない仕事がある時は別だが、それ以外の時はこうして自由に過ごす……例えば、ベッドの上に寝ころんだり、部屋の中をぐるりと見わたしたりするのだ。それで、自分の心が解きはなたれる。今の公事が私事へと置きかわる。すべての不満が満足に変わっていくのである。
この感覚だけは、いつ味わっても最高だ。部屋の中をもう一度見わたしてみても、その満足感が蘇ってくる。部屋の中には様々な場所から集めてきた書物、王道の騎士道物からはじまって、少々難しい錬金術の書物なんかも置かれていた。それらの近くには、絵を描くための道具屋、音楽を奏でるための道具、動画や音楽などを聴くための魔法具なども置かれている。
正に「絶景」とも言える光景。机の上には「電子器」と呼ばれる魔法具も置かれており、これで情報網状(魔法の力を活かした物で、この世界では「連絡線」と呼ばれている)の動画や音楽、純粋な文章や絵なども見られる。俺も特にやりたい事がない時や、様々な理由で館の外に行けない時、逆に何かしらの作業がある時は、こいつを使っていた。こいつにはタイプ、「入力板」と呼ばれる物が付いていて、羽ペンよりも早く書けるからである。加えて、文章の修正も簡単。「消去」のボタンを押せば、間違った部分をすぐに取りけせてしまう。本当に便利な魔法道具だ。こいつには既製品もあるが、「自作」と呼ばれる物……つまりは自分で造れる型もあるので、折りがあれば、「そいつを造ってみよう」と思う。
だが今日は、「そうだな?」
とりあえずは、別の事をしよう。今日は、外の天気も晴れているしね? 部屋の中で過ごすには、もったいない。こう言う時は、外で出来る事しないと。
「うーん」
こうやって、悩む時間も贅沢だ。周りの人間に「こうしろ」と言われるのではなく、自分の頭で「これから何をしようか?」と考えられる所がね? 自分に自分の主導権があるような、そんな感覚を覚えてしまう。その感覚が、本当に最高だった。こいつを一度味わったら、もう二度と抜けだせない。ある種の中毒のような物である。自分が人間だからこそ許された……。
「よし」
今日のやる事が決まった。今日は、こいつをやろう。最近は、なかなかやれなかったし。心の疲れを癒すには、こいつがピッタリだ。
「うん」
俺は自分の右手にある道具を持って、部屋の中から出て行った。
まったくもって平和。平和が、ルンルン気分で歩いている感じだ。だから、そいつらに復讐……最近では「ざまぁ」とか言うらしいが、そんな事をしなくてもいいし、そいつらに対して「参ったか?」と……これも最近では「もう遅い」とか言うらしいが、そう言う事をしなくてもいい。誰に対しても、嫌な事をしなくてもいいわけだ。俺の今の生活が、周りから「嫌だ」と言われたらそれまでだけど。俺は、俺の好きなように生きていきたい。自分の趣味に生きていきたい。「それが甘い」と言われたら何も言えないけどね? でもそれが、俺の生き方、辺境領主の生き方なのだ。
前置きが長くなってしまったが、ここからが物語の本題である。「物語の本題」と言っても、自分の人生を物語に置きかえているだけで、実際は俺の人生を書いているだけだが……それでも、本題には変わらないだろう。本題の主人公は俺、エルダ家のザウル・エルダなのだから。何も間違っていない。こうやって「ああだ、こうだ」と考えるのも、「主人公だから許される特権」と言うヤツだ。
俺はここまで考えて、服の襟元を正した。「自分の趣味に生きてきたい」と思ってはいるが、自分の仕事をやはりやらなければならない。「封土の中を見まわる」と言う仕事を、ここの領主なりにやらなければならないのだ。だから今日の朝飯も、さっさと食べおえる。世話係の愚痴を聴きたくないからね? 朝飯のハムエッグをさらりと平らげるのさ。
「ごちそうさん」
俺は椅子の上から立ち上がり、ここでも世話係の愚痴を聞きながしつつ、食堂の中から出て行った。食堂の外は静かだが、玄関の外は違う。玄関の外には、活気が溢れている。封土の中に溢れている活気が、領民達の声や、荷車の音なんかに混じって、そこら中に漂っているからだ。俺がいつも見まわっている道の両端も、封土の農作業に勤しむ農奴達や、行商人達の声で溢れていた。
俺は、そいつ等に「おはよう。今日も、朝からご苦労様」と話しかけた。その言葉が、そいつ等への挨拶だからである。
「あんまり無理するなよ? 労働なんてモノは、程々が丁度良いんだからな?」
農奴達は、その言葉に笑った。どう言う理由かは分からないが、その言葉にいつも笑われるのだ。腰の曲がっているジジイはおろか、家の農作業を手伝っている子どもにさえ、何故か毎回のように笑われてしまうのである。それだけが、どうも腑に落ちなかった。
「ザウル様。アンタはやっぱり、変わった人だね? 自分の道楽にも真面目だが、そのお仕事にも真面目なんだから。『変わり者』と言うほかありません。普通は、自分の道楽にだけ」
真面目になる。それが世間様の考えだったが、俺にはどうも馴染めない。自分の仕事が残っている状態では、自分の好きな事にも打ちこめないからだ。どんなに楽しい時間を過ごしていても、頭の何処かには仕事が、「そいつをやらなければ」と意識が残っている。まるで自分の背中を見はる教育係のように、こちらの動きにずっと目を光らせているのだ。そんな状態では、楽しい事も楽しめない。だから好きな事をする前には、自分の仕事をさっさと終わらせてしまう。その上で、自分の好きな事を思いきり楽しむのである。
「そんな事は、ないよ。俺は一応」
まだ、十七歳だが。
「ここの領主だからな。領主には、『領主の流儀』ってヤツがあるんだよ」
俺は馬の手綱を操って、その足を促した。馬は、封土の中を歩きつづけた。封土の中は決して広くはなかったが、そこを一回りするにはそれなりの時間が掛かるので、馬が俺の館に帰ってきた時にはもう、朝と昼の真ん中くらいになっていた。馬は俺の指示に従って、いつもの場所に停まった。
俺は、馬の上から降りた。その時に「見まわり終了」とは言ったが、俺の仕事はまだ終わってはいない。この後にもまだ、残っている。机の上にはまだ、封土の損益計算表が乗っているのだ。損益計算表には封土の利益や損失、その他財政状況を書かなければならない。見まわりの中で確かめた、封土の治安状況もまとめなければならない。俺には封土の治安を守る義務と、その領地裁判権があるからだ。領民達が何かの問題を起した時は、公正かつ公平な立場でその問題を裁かなければならない。俺には、その責任がある。
「はぁ」
俺は「やれやれ」と思いながらも、屋敷の仕事部屋に行って、今日の仕事に取りかかった。今日の仕事は、昼すぎに終わった。普段ならもう少し早いが、今月は領民達の納税が何故か遅れてしまって(そいつ等曰く、「仕事が繁忙期に入ったから」との事)、損益計算表の計算に手てまどってしまったのだ。羽パンに使われたインクも、いつもより多く減っている。
「はぁ」
また、溜め息。
「はぁ」
もう一発、溜め息。
「疲れたぁ」
俺は椅子の背もたれに寄りかかって、自分の身体を休ませた。一分、二分、三分と。そんな感じにぼうっとして、部屋の窓に時おり目をやっては、そこから見える外の景色を眺めたわけだ。俺は何も考えず、間抜けな顔で外の景色を眺めつづけた。外の景色は、穏やかだった。景色の中に溶けこんだ光、音、空気が上手い具合に混ざりあって、ある時には太陽の光を、またある時には馬の足音を響かせていた。それらの調和を妨げているのはただ、道の端辺りから聞こえてくる怒鳴り声だけだった。
「なぁに怒っているんだ?」
そう思ったが、それもすぐに消えてしまった。それを確かめるのが、俺の仕事である。俺は椅子の上から立ちあがると、窓の前まで行って、そこから外の通りを見おろした。外の通りには、二人の男が立っていった。そいつ等は館の敷地にこそ入っていなかったが、敷地のすぐ近くにある道で、何やら喧嘩紛いの騒ぎを起していたのである。
「ったく」
舌打ちは好きではないが、まぁ仕方ない。こう言うのに苛立ったり、呆れたりするのが人間である。俺は、聖人君子ではないからな。「イラッ」とする時は、本当に「イラッ」とする。館の中から出て、そいつ等の仲裁に入った時も、その顔を思いきり睨みつける。そうすれば、大抵の争いが収まるからな。今回の場合も、俺がそいつ等から喧嘩の理由を聞き、お互いが「分かりました」と頷ける裁きを下す事で、大きな問題にならずに済んだ。
「まったく。そんな下らない理由で、言いあらそいなんかするなよ?」
申し訳御座いません。俺にそう謝る二人の顔は、何だか淋しげに見えた。二人はそれぞれに互いの非を認めると、目の前の俺にもう一度謝っては、淋しげな顔で道の向こうに渋々と歩いて行った。それを見送ったのは、数秒くらい。二人の背中が見えなくなるまでだ。それ以後は自分の館に戻って、館の食堂に向かった。今日の昼飯を食べるためである。
俺は食堂の中に入って、今日の昼飯を食べはじめた。今日の昼飯は豪華、なわけがない。ここは、辺境の封土だからな。出てくる料理も、それなりである。コップの中に注がれる葡萄汁も決して、良い物ではなかった。
俺は今日の昼食を食べおえると、口元の汚れを拭きとって、椅子の上から立ちあがった。
「さて」
ここからは、楽しい時間。俺が自分の人生を楽しめる、自由の時間だ。この時間だけは、誰にも奪わせない。どうしてもやらなければならない仕事がある時は別だが、それ以外の時はこうして自由に過ごす……例えば、ベッドの上に寝ころんだり、部屋の中をぐるりと見わたしたりするのだ。それで、自分の心が解きはなたれる。今の公事が私事へと置きかわる。すべての不満が満足に変わっていくのである。
この感覚だけは、いつ味わっても最高だ。部屋の中をもう一度見わたしてみても、その満足感が蘇ってくる。部屋の中には様々な場所から集めてきた書物、王道の騎士道物からはじまって、少々難しい錬金術の書物なんかも置かれていた。それらの近くには、絵を描くための道具屋、音楽を奏でるための道具、動画や音楽などを聴くための魔法具なども置かれている。
正に「絶景」とも言える光景。机の上には「電子器」と呼ばれる魔法具も置かれており、これで情報網状(魔法の力を活かした物で、この世界では「連絡線」と呼ばれている)の動画や音楽、純粋な文章や絵なども見られる。俺も特にやりたい事がない時や、様々な理由で館の外に行けない時、逆に何かしらの作業がある時は、こいつを使っていた。こいつにはタイプ、「入力板」と呼ばれる物が付いていて、羽ペンよりも早く書けるからである。加えて、文章の修正も簡単。「消去」のボタンを押せば、間違った部分をすぐに取りけせてしまう。本当に便利な魔法道具だ。こいつには既製品もあるが、「自作」と呼ばれる物……つまりは自分で造れる型もあるので、折りがあれば、「そいつを造ってみよう」と思う。
だが今日は、「そうだな?」
とりあえずは、別の事をしよう。今日は、外の天気も晴れているしね? 部屋の中で過ごすには、もったいない。こう言う時は、外で出来る事しないと。
「うーん」
こうやって、悩む時間も贅沢だ。周りの人間に「こうしろ」と言われるのではなく、自分の頭で「これから何をしようか?」と考えられる所がね? 自分に自分の主導権があるような、そんな感覚を覚えてしまう。その感覚が、本当に最高だった。こいつを一度味わったら、もう二度と抜けだせない。ある種の中毒のような物である。自分が人間だからこそ許された……。
「よし」
今日のやる事が決まった。今日は、こいつをやろう。最近は、なかなかやれなかったし。心の疲れを癒すには、こいつがピッタリだ。
「うん」
俺は自分の右手にある道具を持って、部屋の中から出て行った。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
「『お前の取り柄は計算だけだ』と笑った公爵家が、私を追い出した翌月に財政破綻した件」
歩人
ファンタジー
公爵家に嫁いだ伯爵令嬢フリーダは、10年間「帳簿係」として蔑まれ続けた。
夫は愛人に夢中、義母は「地味な嫁」と見下す。しかし前世で公認会計士だった
フリーダは、密かに公爵家の財政を立て直し、資産を3倍にしていた。離縁を
突きつけられたフリーダは、一言も抗わず去る。——翌月、公爵家は財政破綻した。
「戻ってきてくれ」と跪く元夫に、王家財務顧問となったフリーダは微笑む。
「申し訳ございません。もう私は、公爵家の帳簿係ではありませんので」
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる