寤寐思服(gobi-shihuku) 会いたくて会いたくて

伊織 蒼司

文字の大きさ
24 / 42

神社のあれ R18

しおりを挟む





仕置きの輪を付け始めてから、急激に勝色が大人しくなっていった。
時折見せていた、イライラする仕草も見られなくなり、仕置きの輪を外してもよいという剛に、「まだ反省が足りない」と言って決して外そうとはしなかった。

「剛、もっと奥突いて」
要望に報いるべく、勝色を見下ろしながら腰を動かした。
「神社のあれして、神社の」
あの時の体位がよほど気に入ったのか勝色が甘えるようにせがんだ。
ここ暫く応じていた剛が、さすがに連日となり躊躇した。
仕方なく、勝色の脚を閉じさせて腹部に太股が付くように膝を折りたたみ、剛が上から体重をかけて押さえ込んだ。
 剛の重みを受け止めた勝色の腹部が圧迫され、それが勝色のお気に入りに強く当たるのか、勝色が善がり続ける。
「そこ、当たる。ああーーっ」
勝色がさっそく奥を震わせて極めたが、強い刺激を求める勝色が、一瞬体を弛緩させると、また剛を求め始めた。
「剛、当たる、剛のが当たる」
勝色の反応にひと安心した剛が、本領を発揮して勝色が満足するまで啼かせ続けた。


「これ、外さなくて平気か?」
そろそろ外しても良いのではないかと思い始めた剛が、勝色に思い切って尋ねてみた。

「やだ、もっと反省しないと」
仕置きの輪を取り上げられると思ったのか、勝色が必死になる。

「いや、反省したい気持ちは分かったが、あれから…お前出してねえだろ、あれ…。
ほら、出さなくても大丈夫なのかカツの体が心配でな」
あの日から快楽の証を一切出さなくなった勝色の体を心配した剛が、ぽりぽりとこめかみを指で掻きながら少し赤い顔を勝色に向けた。
「俺はこっちの方が体に合ってるみたい。
これ付け始めてから俺、あんまイライラしたり腹が立ったりしなくなったんだ。
心穏やかって感じ。
だから剛は心配しなくても平気だよ」
あっけらかんと勝色に言い放たれ、剛が二の句を次ぐ事は出来なかった。

 
それから数日後、柔からの手紙を読んだ剛が、一つ息を吐いた。

柔の手紙には、テツも剛と勝色に会いたがっていることと、納品を担当している使用人が辞めるため、工房の手伝いの空きがあることを伝えていた。
「カツは首を縦に振ってくれるだろうか。
一人置いてけねえし。
また捨てるの何のと癇癪起こされんのもな」

憂鬱な気分でいつものように、剛が勝色のもとへ向かった。

意外にも簡単に勝色が頷いたことに剛が拍子抜けをした表情を浮かべた。
「町を離れる事になるんだぞ」
「町へは半日も掛からない距離って言っただろ、それに町への納品ならいつでも二人で町に来るってことだろ」
「カツは町を離れたがらないと思っていたんだが」
「ずっとそう思っていたけど、剛と所帯が持てるなら田舎に住んでも良いよ。
それに、あのお仕置きの輪をつけた時、これからは剛の言う事はなんでも聞くって心に誓ったんだ」
勝色が穏やかに笑った。
屈託の無い綺麗な笑い顔だった。

「それに…ずっと剛と一緒、ってことはさ…いつでも…できるだろ」
勝色が上目遣いで妖しく下唇を舐めると、剛の体格に見合ったそれを握った。

「紅さまへの挨拶はこの次、もう我慢できない」
手際よくゴウを扱いて勃たせると、着物を脱いで仰向けになり、自らの両膝を持ち上げた。
脚の間のメンズリングがきらりと輝いた。
「はやく」
潤んだ目と甘える声で剛を誘う。その扇情的な姿に鼻息を荒した剛が、本能に身を任せた。

 
いよいよ勝色と剛がテツの工房へ行く日が来た。
花色に続いて勝色までが嫁に行くことで、よろず屋の男児の表情は湿っていた。

「気をつけて、達者でな」
「紅さま、今までお世話になりました」
勝色がしおらしく頭を下げた。
「これ、餞別。向こうでみんなで食べるといい」
副料理長の杏【キョウ】が自分で作った菓子を手渡した。
「剛殿、勝色を頼みます」
紅の言葉に、剛が男の約束をした。

勝色が何度も振り返りながら、剛と連れ立って歩いていった。

「花色がここを出た日から、カツはしおらしくなったというか、控えめになったというか」
杏が勝色の後姿をみつめながらに呟いた。
「寂しかったんだろ?双子だしな」
料理長の萱草も杏に同調した。
「さあ、杏。俺もここを去るんだ、教えることはまだまだあるからな」
「へーーい」
「杏、仮にも次の料理長なんだぞ。返事は、はいだろ」
「へーーい」
料理長の怒鳴り声と共によろず屋の男児達は中に入っていった。


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

処理中です...