寤寐思服(gobi-shihuku) 会いたくて会いたくて

伊織 蒼司

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あいつ、遅っせーな (おまけ)R18

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かつての奉公先であったよろず屋が分店を出すことになり、奉公人達が総出で手伝いに行く最中、手伝いに行く事を柔に許してもらえなかった花色がいつまでも不貞腐れていた。

「俺も分店に手伝いに行きたかったな」
「ダメだ。お前を一人で行かせるなんて、俺が許すわけねえだろ」
「秘湯もあるんだって、浸かってみたかったな…」
「俺の傍を離れねえっていったのはお前だろ。
いい加減、女々しい事言うんじゃねえ!何度言わせんだ」
よろず屋分店の開店準備の日から後ろ髪を引かれている花色が、「でも俺は柔と行きたかったな」とボソリと呟くと見るからにがっかりした。
そんな花色の姿に罪悪感を感じたのか、柔が優しく抱き寄せると、花色が柔の肩口に頭を預けた。

「ったく、いつまでたっても玉の小せい奴だな、おめえは。
ハナちゃん、俺が連れてってやろうか?」
何処からともなくテツが二人の間に割りいるようにしゃしゃり出てきた。

「おとうさん!」
花色が、ぱあーっと明るい笑顔を見せた。
「くそ親父、てめえ何度言えばわかるんだ!こいつは俺んだ!
チッ。おめえもおめえだ、よりによって親父に懐きやがって」
テツが花色を気に入り、自分と同じように可愛がっている事が気に食わない柔が、ついキツイ口調で花色を窘めた。

「だって…お父さん優しい、し」
シュンとした花色の、パッチリした目に涙が滲み始めた。
その一瞬を見逃す事のないテツが事態を煽るようにぶっきらぼうに言い放った。
「あーあ、まーた泣かせちまった。俺は惚れた女をそんな風に泣かせるような事はしたことないけどな。ほんと、玉が小せえな」
テツが抑揚無く柔を非難して、何事も無かった様に去っていった。
テツに張り合い、ついキツイ口調になってしまった事に慌てた柔が、おろおろと花色に取り繕い始めた。
「一人では行かせられねえが、たくさん稼いで俺が必ず連れてってやる。だからそれまで良い子にしてろ、なっ」

ほんの僅かな間の後。

「ほんとに?」
潤んだ上目遣いで花色が柔を見上げた。
「ったりめーだろ。俺が嘘ついたことあるか?ん?」

「じゃあ、昨日のこと反省してる?」

昨日の事。
昼飯を終えた柔がいつものように不機嫌さを露にして工房に入ると、作業場の職人達がいつものように冷やかし始めた。

「坊、せっかくの色男が台無しなぐれえしけた面してますぜ。
せっかくあんな綺麗な嫁さん連れて帰ってきたってのに」
柔が子供の頃からいる職人が柔をからかい始めた。
「にしても花色さんも勝色さんも綺麗ですよねえ。
あんな綺麗な人、男は放っておきませんよ。たとえ人妻でも。なあ、皆」
わははと豪快に笑うほかの職人達を他所に、柔の眉間にはくっきりと皺が立つ。

「ちょっと、糞してくるわ」
柔が冷気と怒気を発しながら作業場の戸を勢いのままに閉めて出て行った。

柔が作業場を離れると、その場に残された職人達がざわめき始めた。
「柔坊、怖ええ」
「おい、おめえら、そろそろ柔坊の前ではその話やめてやれよ」
「柔坊、花色さんの話題出るたび日に日に怖えーな。
新婚だからからかうつもりだったんだがよぅ」
と一人が呟いた。
「ばっかやろう!しゃれにならねぇんだよ」
年長の職人が諭すように話し始めた。

「魚屋の清吉とか、染料屋の染五郎、反物問屋の彦ベエとか、最近やたらと行商に来るだろ。あいつら、花色さん目当てだって、絶対に。
こんな小さな工房に今まで誰も来やしなかったくせに何を好き好んで毎日のように来るんだよ。
勝色さんは剛坊と納品で不在がち、ってことは花色さん目当てに決まってるだろーが!
料理は上手いしあの器量、しかも気配りまで出来る上にあの色気だろ、そんな人この辺り何処探してもいやしねえよ。あれじゃあ、柔坊も気が気じゃねえだろうよ」
その事を聞いた職人達は皆、それぞれに頷きながら次第に無口になった。

「だよなぁ、柔坊って餓鬼ん時からやんちゃでハチャメチャなところあったじゃねえっすか。でも最近型にはまったつうか大人しくなったっつか」
「花色さんの前では人が変るかな」
「ああ、まさに牙を抜かれた猛獣だな」
「なら、花色さんは猛獣(柔)使いじゃねえか!柔坊だけに?」
うわっはっはっは!職人たちが鬼の居ぬ間の何とやらを楽しんでいた。

作業場を出た柔が向かったのは、昼飯の後始末をしているはずの花色のいる母屋の土間であった。
歩く途中で遠くに魚屋の清吉の姿を見つけ、柔が悪巧みを思いついたようにニヤリと黒い笑みを浮かべた。

かまどのある土間の戸を開けると、柔に気がついた花色が振り向き、嬉しそうに微笑んだ。

「どうしたの?作業場に行ったんじゃなかったのか?」
無邪気な花色に近づくと、警戒心のない花色が首をかしげて柔を見上げた。
かまどの前にある少し高めに作ってある調理台に置かれたジャガイモを手に取り、嬉しそうに「見ろよ、この立派な芋。今夜はこの芋の甘辛煮にしようと思ってるんだ」
花色の言葉はそこで遮られた。

突如として柔によって深い口付けを与えられた花色が驚きのあまり身じろぎをしたが、それを阻止しようと柔が後ろから拘束するように抱きしめ、花色の顎を掬い上げるように再び口付けた。作業台に両手をつき、柔に与えられる快楽に対しては全てにおいて受身で従順な花色が抗うこともせずに身を委ねていた。

柔が花色の臀部に自らの熱を孕んだ下肢を擦りつけ始めると、柔の熱を知る花色の息が上がる。
「あ、ああっ」
「気持ち良いか?ん?」
柔の雄の声色も花色には致命的だった。
「やあっ、ん、ふうっ」
着物越しに伝わる柔の熱がもどかしく、焦らされることの知らない花色が切なく潤んだ瞳で何度も柔を呼ぶ。
「じゅう、じゅう」
振り向きざまに花色が涙目で柔に縋るように見つめる。
「何だ?言ってみろ」
柔の意地悪い笑みが花色の視界に広がる。
「こんなの嫌だ。ちゃんと、柔が、欲しい。胎内に欲しい」
声を震わせ、花色が息も絶え絶えに答える。
「良い子だ」
柔が花色の着物の裾をたくし上げ、いささか乱暴に下穿きをずらし、焦らすことなく後ろから一気に貫いた。今朝も柔を受け入れた胎内が喜びに戦慄きながら柔のオスを迎え入れた。

「んあ、ああ、あああっ」
すぐに与えられた熱に、喉元を晒して喜びの声を花色があげた。そして柔のすべてを受け入れ終わったとたん、満足げに「あんっ」と大きく息を吐き出す花色の姿に、花色が射精し始めたのだと柔が確信していた。それを促すように柔が下肢を揺さぶる。
少し落ち着きを取り戻した花色がそれだけでは満足できずに更に柔に懇願する。
「じゅう、じゅう、もっと」
「花色、俺に言うことがあんだろ」
柔のオスの色香を纏った声色に花色が抗えないことは明白だった。
「出して。もう、奥に欲しい。早く柔の女に、もっと気持ちよくして」
「良い子だ。
ハナの胎内が俺のを嬉しそうに銜えてくれるからな、少しなら直ぐに出してやる」
そう言うと、花色の腰帯ほどの高さの調理台で死角になっているのを良いことに、柔が花色の着物の下肢の袷を開いて下穿きの中に両手を忍び込ませて花色の鼠頚部でお互いの下肢をしっかりと固定した。

「じゅう?」
涙目の花色に「ハナは奥深くに種付けすればするほど気持ちよくなるだろ、だから」と柔が雄の声色で囁くと、軽く揺すりながら下肢を花色に押付け息を詰めると花色の首筋に噛み付いた。すると今までにないほどに胎内の柔を締め付けた。それを受けた柔が花色をキツく抱きしめながら耐えた。柔の熱が限界まで膨張する。

「出すからな」
その台詞と同時に柔の熱が爆ぜた。
「んんっ」
それを受けた花色が満足そうに鼻から漏れる吐息を零し、気持ちよさそうに余韻に浸っていた。

「あいつ、遅っせーな」
花色に聞こえない程小さな声で、柔が独り言を呟きながらも花色に下肢を押し付ける。

「あん、なに?」
余韻に浸っている花色がゆっくりと振り向いた。
「なんでもねーよ。お前はこっちに集中してろ」
下肢を突き上げながら花色の気を逸らすためか、花色の下肢を露出させると花色の性器を柔が触り始めた。
ビクリと花色の体が硬直する。

「ハナの女のおちんちん、本当に正直だよな。俺に種付けされただけでいつもこんなにぬるぬるにさせるんだからな」
柔が左手で皮を剥き亀頭を露出させたままで固定すると、右手の人差し指で優しく触れた。
「んん、ああっ」
羞恥に体を捩る花色をよそに柔が花色を責め立てる。柔によるに強い刺激に「ん、あぁっ」花色がビクンと体を震わせると堪らずに啼いた。

「二度目にお前を抱いた、あの日以来か」
花色の肩越しに柔が花色の性器を凝視しながら下肢をゆるゆると動かし始めた。

「俺に見られて興奮してるだろ、ハナのおちんちんのぬるぬる、凄いことになってきたぜ。
可愛いな、糸引くほど涎たらしてやがる」
柔の視線を感じながら花色の耳元で実況されるたびに、目を閉じている花色の想像力を煽っているようだった。
「やぁ、ああ、柔。ああん、奥と一緒は、だめ」
花色が切羽詰ったように叫んだ。
「奥とどこが一緒だとだめ、なんだ? 
 言わなきゃわかんねえな」
花色の胎内で復活を遂げた柔が下肢を動かし続ける。
「あっ、ああっ、前、まええっ」
花色が意を決したように叫んだ。
「前って?どこのことだ?言葉にしねえとわかんねえって言ったろ」
柔が緩く突き上げながら意地悪く言い放った。
「…お、おちん、ちん。おちんちんと一緒はだめぇ」
逡巡した後ついに花色が陥落した。
「いい子だ」
柔が花色のこめかみに口付けをした。
「可愛いな」
そして今度はぬめりの助けを借りて剥き出しの亀頭の至る所を責めていた柔の指が、目的を絞ったように尿道口と裏筋までの道のりばかりを一直線に指の腹で辿り始めながら下肢の勢いを速めた。
柔に奥を突かれ喘ぎ続けていた花色が突如目を見開くと、「じゅう、じゅう!」と勢い良く呼び始めると柔が下肢の動きを最速にした。

「ああ、いいぜ」
柔の許しを得た直後、プシュ、プシュ、と前回と同じく潮を噴きながら「ああうっ」と花色が感極まった声を上げたのと、「まいど」と魚売りの清吉が土間の戸を開けたのはほぼ同時だった。
花色がそのまま調理台に崩れ落ちた。

ただならぬ雰囲気を感じた清吉が向かい側に立つ柔としばしの間、何かを探るような妙な空気を作り出した。

「んふっ」
割って入るように花色が手で口元を押さえた。満足そうに鼻から漏れる吐息を清吉に悟られまいと、花色がとっさに口を手で覆ったのだった。そう、清吉が入ってきたにも拘らず、顔色一つ変えずに柔が、花色に種付けをしたのだった。

「花色さん、だい…じょうぶですか?」
いぶかしげに問いかける清吉に、満足げに大きく息を吐きながら「ああ」と、何事も無いように柔がぶっきらぼうに答えた。

「ハナ、清吉が魚を持ってきてくれたぞ。見てみるか?」
柔がゆっくり問いかけると、事後の余韻で熟れた体の花色が必死に首を振り無理だと目で訴えた。その間も柔が花色のむき出しの亀頭を優しく撫でる。そのたびにビクッ、ビクッと、花色の身体が小刻みに跳ねる。花色が必死に口を手で覆ったまま声が漏れぬように耐えていた。
 清吉が花色を心配そうに見つめているが、柔が花色に密着しているせいで近づくことができず、その場に立ち尽くしていた。
 
 柔がさらに、ゆっくりと花色に顔を近づけるのを利用しながら繋がったままの下肢を更に下から抉るように押し込むと花色が息を詰めた。すると柔が花色にしか聞き取れぬほど小さな声で「もう一遍お前の大好きな種付けしてやる、そのまま声抑えてろ」と囁くや否や「んー」と再度花色が鼻から漏れる吐息を堪えるように体を硬直させた。清吉から死角になっているのを良いことに柔が下肢と、亀頭を責める指を小刻みに動かし続ける。柔によって常に与えられる快楽によって引き起こされた痙攣に、今度はブルブルと体を震わせた。その姿を横目に見ながらますます大胆に柔が下肢を打ち付ける。花色が「んんっ」とくぐもった声を上げた。

「花色さん!」清吉が堪らずに叫んだ。

「花を女にしてやれるのは俺だけだ。後のことは気にせず良い子で俺に抱かれてろ」
柔が小声で囁いた。

少し眉根をひそめただけで表情を崩さぬまま、ゆっくりと体を起こして清吉と再び向き合った柔が僅かに勝ち誇った笑みを微かに浮かべた。休むことなく与えられる柔の熱と快楽に花色は満ち足りた涙を零し続けるだけだった。

「悪いな、清吉。
俺の、嫁の、具合が良くねえみてえだから、今日は外のたらいに適当に魚置いてってくれや。悪いがツケにしといてくれねえか。熱、出てんだ。温っためてやらねえと」
尚も柔が下肢を大胆に押し付けながら余裕の笑みを讃え、花色に覆い被さる。自らと花色、再び互いの終焉を悟る柔は清吉にバレるのを覚悟で下肢の動きを速めた。

柔の態度が腑に落ちない様子の清吉が、花色を心配しながらも土間から出て行くと、柔が至極満足げに呟いた。
「勝ったな」
そして花色をM字開脚に持ち上げた。

「や、ヤダっ」
花色が恥じらうが柔はきかなかった。労りながら抱きしめたまま「気持ちいい、お前の胎内、最高だ」の一言で再び精を解き放った。その瞬間花色は「ん、あっ、まだ足りない、柔が足りない」と叫ぶと柔は花色の細腰を掴んだまま遠慮なしに下肢を打ちつけ始め、己の限界を悟るや否やすぐさま精を放った。精を放った後もその余韻を楽しむように天を仰ぎ見ながら満足そうに口の端を緩めた。精を受けた花色も恍惚とした表情で目を虚にさせた。

「花、おちんちんが凄い事になってるぞ。お前の愛液で床がビショビショだ」
十分に精を吐き出し満足した柔が花色の胎内から出ると、親指を根元までねじ込んで自分が出した精液がこぼれ落ちない様にガードし、花色の性器を口で愛撫し始めた。

「あ、あっ」

花色が喘ぐのを聞きながら柔が花色の性器を吸い上げる。
「やぁっ!」
花色が叫ぶが射精までには至らなかった。

「柔、柔!」

花色が甘く切なく柔を呼ぶ。

「どうした?ん?」
柔がいぢわるな質問をした。
しかし、花色は涙目で柔を真っ直ぐに見据え「柔のおちんちんが欲しい」と顔を歪ませた。

「俺のおちんちんが欲しくて堪んねえんだな」
柔がバキバキに勃ち上がったペニスを花色の小さな入り口にあてがい、貫き、ドヤ顔をした。

後で、柔の勝ち誇ったような態度に気づかない花色が、今までの二人の情事を見られたかもしれない気恥ずかしさに、ワナワナと震えていたが、欲したものを与えられた充足感が勝り余韻に浸っていた。
「いい子だ。もっと気持ちよくなろうな」
柔が花色の悦ぶポイントを責め始めた。
「あんっ」
花色が悦びと共に脱力すると柔もまた動きを止めた。
「んくっ」
柔が歯を食いしばりながら花色の中に幾度目かの精を放つと花色をキツく抱きしめ下肢を押し付け思う存分に射精した。 


柔の精を受け満ち足りた花色がこの柔の行動の意味を知るのは、もう少し経ってからだった。柔は射精した後も花色の奥深くに陣取る様に持て余す熱をねじ込み、高速で下肢を打ちつけた。

「こういうの、マジで興奮するな」

柔は思う存分花色を啼かせた。
その後、腰の抜けた花色を横抱きに抱えた柔の胸に顔を隠し、柔にしがみ付く事しか出来ないでいた花色が二人の部屋に到着するやいなや、「何てことしてくれるんだよ、ひどいじゃないか。下穿きも濡れて気持ち悪い」と怒りを露にした。

「お前が可愛過ぎるのが悪いし、濡れんのは俺の女の証なんだからしょうがねえだろ」
柔がボソリと呟いて、「それにお前は雌イキの味覚えてからはそれ無しじゃ、もの足りねえだろ、もういっぺん挿れるぞ」と花色の下肢を大きく開いて挿入した。

「絶対に見られてた」と花色が熱っぽく花色を揺さぶる柔に文句を告げるのに対し、嬉しそうな柔が「お前は俺だけの女でいればいいんだよ」と花色に楔を打つと、花色か全身を絡ませた。
「明日からどうしてくれるんだ」と、まだ理性の残っている花色に「そしたら他のやつらにもお前は俺のもんって見せ付けてやろうな」と言いながら、下肢を本格的に燻らせはじめた。


その日、花色が部屋から出る事は叶わず、正気に戻ったことで羞恥心に苛まれた花色に頬を抓られた柔が、その夜は勝色の作った夜食を花色の元へ運び、次の早朝には川へ洗濯へ向ったのだった。


花色の問いかけに昨日の事を思い出した柔が「してな、して、る」とあいまいな返答をした。
不服な表情を見た花色がすかさず「なんだよ、それ。目が泳いでる。反省してないなら、よろず屋に帰らせてもらうから!」と啖呵を切ると「ああ?お前が可愛過ぎるのが悪りぃ。あんな優男に笑いかけやがって」と悪びれもせずに答えた。

「何だよ、それ。魚清の清吉さんはいつもおまけしてくれるんだぞ。
 柔だって一昨日の煮あわび、美味しいって言ってたじゃないか!
 あれだって清吉さんのおまけだったんだぞ!あわびだぞ!タダだったんだぞ!
それにあの芋だって染料屋の染五郎さんがいつもご贔屓にしてくれるからって長崎から取り寄せてくれた凄い品なんだぞ。よろず屋でだってめったに手に入らない芋なんだぞ」
花色が自分に非のない根拠を挙げるが、柔の理屈には通用しない。

「お前、俺の女だって自覚、まだ足りねえのか。
昨日、あの野郎に見せ付けて思い知ったと思ったんだがな。次は裸に剥いてやるか」
しゃれにならない程真顔の柔に、花色の大きな瞳が一層大きく見開かれた。

「やっぱりわざとだったんだな!もう一回抓らせろ」
昨日の出来事を思い出し、柔の襟に掴みかかった勝気な花色が、顔を真っ赤に染めながらも、次の瞬間には羞恥のため今度は本気で潤み始めた。
言い過ぎた事にやっと気がついた柔が、今度こそ慌てて花色を宥めた。
「しょうがねえだろ、俺は心配なんだよ。お前が訳のわからない男に愛想振りまくたびに嫉妬で気が狂いそうになるんだ。悪かった、ごめん。ごめんって。泣くなよ、ハナ」
しょんぼりとした柔が花色の髪を撫で、反省したように小さくなると、「もう、あんな事しない?」涙を滲ませた瞳で懇願するように問われては、「わかったよ、もうしねえよ」と柔が花色に降参するしか無く、言質取った花色がすぐさま顔を綻ばせて柔に抱きついた。
「柔、大好き。温泉に連れてってくれるなら許す。必ず温泉に連れて行けよ。約束だからな」
花色が上目遣いで柔に確約を迫った。

「ああ、約束する」
柔がおでこに誓いの様に優しい口付けを落とした。

「でも、もう一回な。やっぱお前の顔を見てしてえ」
柔は欲望のままに正常位で下肢を押し込み、律動し始めた。花色の熱く熱を持った部分が振り子の様に振れ、柔の激しさをいつまでも物語っていた。そして触れられずとも白い液を垂れ流しては柔を喜ばせた。
 

「そうだ、お前はそうやって俺に突かれながら愛液を出せば良い。お前が愛液を出すたびに俺はお前を満足させてんだって確信できんだ」
柔は花色の両足首を掴んでVの字に開かせると花色に覆いかぶさりながら下肢を震わせた。強い刺激に逃げを打つ花色を羽交締めにすると、花色が柔の背中に爪を立てながらもしがみつく。強ばった体は柔の後戯の下肢の揺らめきで次第にほぐれ、甘い吐息を溢す。

「やべえな、もう一回な」
繋がったまま体位を変え、獣の交尾に持ち込んだ柔は時を忘それて花色を貪り続けた。

「お前、この体位好きだよな。おちんちんからはしたない涎が垂れ流しだ。
でも、もっと好きなのは俺の種付けだろ」
そろそろ終焉を迎える柔が花色を羽交い締めするとこれ以上ないほどに下肢を押し付け唸り声をあげて脱力すると、そのまま寝息を立て始めた。
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