よろず恋花(こいばな)

伊織 蒼司

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【茜】(アカネ)の手遊び R18

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 城に戻った茜と共に紫苑が一豊への挨拶と、城への滞在許可を得るために謁見の間に入った。
 城の中に入るのも初めての紫苑の緊張ぶりは、茜にも伝わるほどであった。
 一豊が現れると、紫苑の緊張が最高潮に達したのか、隣にいる茜まで震えが伝染しそうなほどだった。
 紫苑の来訪を歓迎した一豊が、「しばらくどころか茜とずっとここで暮らしても良いぞ」とまで言った。

 紫苑に用意された部屋と茜の部屋は続き部屋になっていて、襖一枚で仕切られていた。
 長旅の疲れと、一豊への謁見で体力の限界に達した紫苑が、夕飯の後早々に床に入って寝てしまった。

 程なくして一豊が紫苑の様子を見に茜の部屋を訪れた。
 紫苑が寝てしまったことを聞くと残念そうにしていたが、代わりにギラギラした目で茜を見つめた。


 「ああっ」
 一豊の荒々しい攻めに、茜が必死に堪えていた声を漏らした。
 「今日は声、我慢しないと弟君に聞こえるぞ」
 そういいながらも、茜が腰砕けになってしまうほど感じるところを、一豊が容赦なく突き上げた。互いの素肌からの熱も、汗も、そして匂いさえも、茜の体を熟れさせる要素になり、茜が首を振りながら嬌声を上げた。
 
 「や、ん。だめ、だめ」
 熱く滾る『カズトヨ』を包んでいる胎内全体が痙攣し始め、絶頂を極めるのを予感した茜が、寸でのところで一豊を引き寄せて唇を押し当てた。
 「んーー、ん、んふっ」
 茜の鼻から快楽の名残が漏れるが、極める瞬間の声は一豊の口内に消えた。

 「お主の極めるときの声がききたかったが、してやられたな。
 お主の声を聞くと、何度でも可愛がり続けられるのだがな」
 一豊が不満そうに呟いた。
 「紫苑が隣にいるのに意地悪しないでください」
 いつもは穏やかな空気を纏う一豊だが、睦言の最中になるとギラギラとした目で、荒々しく茜を抱いていた。

 「声が嫌なら、姿はどうだ。手遊びが…したいのであろう?」
 一豊が一瞥した先には、蜜を湛えたまま硬く勃ち上がっている『アカネ』があった。茜の体は快楽の証を放つことなく胎内で極めていた。
 二人が今度は後ろから一つに繋がると、膝立ちになった。後ろから一豊が唇を寄せると、口付けの好きな茜が左手を一豊の頭に回して積極的に一豊の口内を貪り始めた。
 一豊が両手を茜の太股の付け根に回して、互いの下肢をしっかりと密着させると、それは一つの 生き物のように淫らにうねり始めた。
 夢中で口付けを貪る茜も、慣れたように一緒に腰を揺らしていた。
 
 茜の右手が、そろりと動いた。
 茜の指が下肢に迷わず触れると、湛えている蜜を掬い、薄く延ばすように勃ち上がっているアカネに塗り広げ始めた。しっとりと蜜を伴ったアカネが揺れるたび、妖しく部屋の明かりを照らし返した。

 「んふっ、んんっ」
 一豊の動きに同調しながら、茜の呼吸が荒くなり始めた。茜の手は、絶えず蜜を塗り広げることを繰り返していた。
 「ここ、擦られると堪らないであろう」
 「好き、もっとして」
 瞬く間に蜜が止めどなく溢れ始めた。
 切羽詰ったような短い会話で、また茜が一豊の口内を貪り始め、同時に右の手を忙しなく動かした。
 茜の鼻にかかる吐息が小刻みになるのに合わせて二人の腰の動きも小刻みになっていった。滴る蜜の量は見る間に少なくなっていった。
 
 「もう少し待って」
  茜が蜜の溢れる切っ先ばかりに指を這わせ、終いには搾り出すような動きを始めると、溜まっている残りを出し切るようにアカネからは蜜が零れた。アカネも、茜の手も、蜜まみれになっていた。

 「あ、あとちょっと」
 茜がきつく搾り出すように扱くとついに、とうとう蜜が出なくなった。
 「もう出ない」
 その言葉を合図に、二人の動きが大きなものへと変化したが、茜の手遊びが止む事はなかった。蜜を溢す事のないアカネの切っ先から、指が離れる事はなく、むしろ蜜を溢しているときよりも強く、執拗に弄っていた。
 二人が、苦しそうにしながらも、口付けを止める事はなかった。

 ついに、その時が訪れた。
 茜の鼻から細い声が漏れると二人の動きが止まり、ぶるぶると同時に腰を震わせて動かなくなった。アカネからも何もでなかったが、ゆるく勃ち上がったままフルフルと震えていた。
 茜の頭がガクリと項垂れた。気を失ったらしい茜の体を一豊が左腕を回して支えた。
 時折、一豊が茜の頬に口付けながら、呼吸が落ち着くのを待っているようだった。頃合を見計らい茜の耳元に口を寄せると、一豊の右手が僅かに熱を持ったままのアカネに絡みついた。

 「お主の夢の中でもお主と一緒にいたいゆえ、これくらいは許せ」

 一豊の右手が腫れ物でも触るかのようにアカネに触れる。熟れた切っ先を撫でられ、無意識に茜の艶やかな声が上がった。

それを見た紫苑が股間を押さえた。

 アカネからトロリ、と蜜が溢れた。今度は一豊の指がそれをアカネ全体に伸ばすように塗りこめる。また、先に触れて溢れさせ、じっくりと塗りこんでいく。不思議な事に、先ほどは何も出なかったアカネが、一豊の手にかかると瑞々しいほどに蜜を湛えていた。
 何度も繰り返すうちに次第に硬さの無くなり始めた切っ先で、一豊の指がくるくると数回円を描くと、一際艶やかな声と多めの蜜が溢れた。
 無意識の茜が、茜を突き続ける一豊を迎え入れるように腰を蠢かす。

 「わしが夢に出たのか」一豊が嬉しそうに呟いた。
 暫くすると、アカネが再び硬く熱を持っていた。
 一豊が愛しげに眺めながらも優しい手遊びと律動を続け、茜の動きに同調し始めた。そのたびに艶やかな声と共に、蜜も溢れた。
 一豊がその指先をペロリと舐めた。
 「お主の快楽の証はいつも甘美だ」
 驚くほど優しい声色で、意識のない茜に囁くと頬に口付けをした。
 一豊が名残惜しそうに、終わりを迎えたくないように、ゆっくりとアカネに塗り込んでは頬への口付けを繰り返した。
 アカネから蜜が出なくなると、意識のない茜の体に腕を這わせて一豊がいよいよ荒々しく下肢を動かし始めた。一豊の息が上がり始めた頃、頬への口付けで何かを囁くように口が動くと同時に、再び胎内で極めたらしい茜が大きく一啼きして、腰を震わせた。意識のない茜を後ろから羽交い絞めにしたまま、一豊が何かを堪える様に顔を顰めていた。
 
 「まだだ、最後は一緒に」
 苦しそうにその言葉を吐き出した一豊が腰を突き出したまま、パンパンと音を立てて茜を攻め立て、ブルリと体を震わせると、アカネからほんの僅かな蜜が勢いよく飛び出し、完全に力を失った。

 暫く余韻に浸っていた一豊が繋がりを解き、茜に夜着を着せ、横抱きにして立ち上がった。
 部屋を出ようと廊下側の襖の前で立ち止まり、ほんの僅かに空いている、続き部屋の襖に視線を向けた。

 「これでわかったであろう。お主が茜の弟君なれば、わしにとっても弟よ。安心して過ごされよ。ただし、今宵のことは茜には秘密にしてくれ。茜に、叱られるゆえ」
 一豊が穏やかに微笑んで部屋を出て行った。


 隣室で一部始終を見ていた紫苑が、下履きを濡らしたまま弾かれたように布団に潜り込んだ。
 


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