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むずむず2 R18
しおりを挟む次の早朝、先に目を覚ましたのはみ空だった。いつものようにセツと繋がったまま、無防備に寝息を立てるセツを見ながら、み空が幸せを噛み締めるように微かに笑った。
小さく身じろぐとセツが目を覚ました。
「おはよう、み空。どうした?どこか痛い?」
「ううん。なんかまたむずむずして…」
「そういえば久しぶりだからかな?『オレ』って、こんな感触だったかな?」
少し首をかしげながら、セツは右手でだいぶ小さくなった二つの丸みを確認すように手を動かした。
「セツ、久しぶりだからだと思う。けど、今日はむずむずが、なんか」
「み空、したい。お願い」
セツが腰を使い始めた。
み空が久しぶりのセツに、呼吸を荒くして答えるしか出来なかった。
「あ、あ。セツ、むずむずが、むずむずが」
「み空、もう少しだけ待って。俺も一緒に」
「セツ、もう」
み空が、あまりにもあっけなく極めた。一人取り残されてしまったセツが、み空の体の変化に気づき、慌てて天井から垂れた紐を右手で勢い良く何度も引いた。
間を置かずして紅が部屋に「何事だ」と飛び込んできた。
「えっ、紅さま?」
み空が布団を引き寄せ、体を隠した。
いかにも睦言をしていましたと言わんばかりの状況に、紅が不機嫌を前面に押し出した。
「お前なー。ここではオレはみ空の父親なんだ。
その父親の前で大事な娘の淫らな姿を晒すなんざ、いい度胸じゃねえか。
いつからそんな命知らずになったんだ?
それとも俺に嬲り殺しにされてえのか?
だからお前は『悪趣味』というんだ」
どすの利いた紅の口調で、はたと正気に戻ったセツだが、み空と繋がったままでは逃げることも叶わず。まして身じろいだセツの振動でみ空が切なく啼きはじめた。
「あ、あん、ああん。セツ、ああっ」
「ち、ちがう。違うんだ。あ、いや、違わないけど違うんだ。
これには深いわけが」
慌てふためいたセツが、興奮するみ空を「落ち着いて。よしよし、驚かせてごめんな。びっくりしたよな」と宥めた。
セツが改めて、紅に事の詳細を伝えた。
「み空、大丈夫だから。恥ずかしくないよ、ちょっとだけ見せて。ね」
セツが恥ずかしがって顔を布団に埋めたままのみ空を布団の上から隠すように胸に抱くと、紅に頷いた。紅は薄手の布団をそっと捲り、セツの左手の中にあるオレを見ようとした。
すると、恥ずかしいのかみ空がとっさに足を閉じようとした。
「隠さないで、あいつにちゃんと見て貰おう」
左手はみ空のだらしなくくたびれたオスを握り、右手ではみ空の頭を抱き、両手が塞がっている セツが、両膝でみ空の股を開いて押さえつけた。奇しくもそれは、み空の胎内を強く突き上げ、より深く繋がる結果となった。
「ああーん」
ひときわ艶やかな声と共にセツの左手が再び濡れた。先ほど置いてきぼりをくったセツもみ空の胎内に誘われるまま「クッ」と息を詰めて体を震わせた。
「もうやだあ、恥ずかしいから、やあ。
僕一人で紅さまに見てもらうー」
羞恥のためにみ空が身じろいだ。
「今のままが一番分かりやすし、み空だって口で説明するの恥ずかしいだろ」
「でもこんなの、もっと恥ずかしすぎる」
セツの言葉にみ空が羞恥心で泣き始めた。
紅の眼下には、セツとみ空の接合部分が惜しげもなく晒されていた。
ただただあきれ果てた紅は、目の前で繰り広げられる行為に頭の痛くなる思いであったが、当人達はいたって真面目なのが、紅にとっては不幸中の幸いであった。
セツがみ空の頭を抱き「少しだけ、あと少しだけだから。もうあいつに見られたからこれ以上は恥ずかしくないよ」と薄い布団の上からみ空の体を擦りながら宥めた。
目の前で快楽の証を放ったことですでに確信していたが念のため、セツの左の手の下にある、だいぶ小さくなった二つの丸みの弾力を確かめた後、二人の赤裸々な下半身を布団で隠し、「器官の働きが戻りつつあるようだ、良かったな」と紅が告げた。
ピョコッと布団から顔を出したみ空とセツが、目を見合わせて喜んだ。
「二度と俺に娘の淫らな姿を見せるなよ。後は二人で勝手にしろ」
クシャリと優しくセツの髪を撫でて、紅が離れを出て行った。
「セツ、セツ。うれしい」
恥ずかしさの涙から一転して、み空がうれし涙を溢した。
「もう一度したい、み空」
セツが甘く囁くと同時に「グーーーー」み空のお腹が主張した。
「そういえば腹減ったな」
二人は昨日の夕飯も食べていない事にようやく気がついたのだった。
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