破鏡重円(ハキョウジュウエン) R18

伊織 蒼司

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【柑子】(コウジ)の享楽 R18

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ある朝、到底理解の出来ない事態に陥った【木島 豊二】(キジマ トヨジ)が一人青ざめて途方にくれていた。

昨日は寄り合いの集まりで若い衆同士大盛り上がりであった。
そして、その中の一人が『珍しい飲み屋がある』と言い出し、みなでそこに行った所までは覚えていた。

問題は、その後だった。

あまりに卑猥な夢見に目を覚ました豊二が、ここが見知らぬ部屋であることに気がついた。そこまでは良かった。
自分の体にしがみつく様に眠る見知らぬ人物を見るまでは…。
まずは落ち着こうと試みるが、慌てた思考ではどうやっても昨夜の記憶を辿ることができなかった。しかたなくその人物を観察した。

その人物は、仰向けで寝ている豊二の体を跨いだまま、ピタリと体全体を密着させた状態で豊二に体重を預けて眠っていた。産まれたままの姿で眠るその人物の真っ白な首筋には、赤いうっ血痕が花を散らしたようについていた。
まだあどけなさが残るが美しい容姿。一般的な男児よりも小柄で華奢な体躯。のど仏も目立たぬその姿は一見女人にも見える。しかしその人物は女人ではなかった。 
なぜなら豊二の腹部に男なら良く知る熱が硬さと共に主張していたからであった。
それだけではない。豊二自身も熱を保ち続けていた。あまりに思考が麻痺を起こしていたためか、すやすやと眠る少年とひとつに繋がっていることに豊二がようやく気づいた。

「う、うわぁっ」
とっさに少年と突き飛ばし、尻餅をついた状態で襖の傍まで後ずさりした。
素っ裸のまま、股間をさらしたまま豊二が放心していた。

「あ、いったた。ひどいよ、豊二さん。せっかく気持ちよく寝ていたのに」
少年がぶつけた肩をさすりながら豊二に文句を言ったが、豊二が口を開く事はなかった。
豊二の異様な雰囲気に少年が何かを悟ったように四足でゆっくり豊二のもとへ近づいてくる。産まれたままの姿でしなやかに豊二のもとへとゆっくりと。

「ねえ、もしかして…覚えてないの?昨日のこと」
四足のまま、下から豊二を見上げる様はさながら猫のようだった。
「き、昨日のこと?わ、私は寄り合いの若い衆と酒を飲んで、それから…」
記憶が定かではない豊二がしどろもどろになる。
「ああ…やっぱり覚えてないんだ」
『残念』と少年が小さく呟いた。傷ついたように目を伏せたその姿に豊二の胸がチクリと痛んだ。

しばしの沈黙の後。

「じゃあ、僕が思い出させてあげる」
あどけなさの残る笑顔で豊二に顔を近づけると、少年が『そこで見てて』と今度は艶かしい声色でささやいた。

どこもかしこも真っ白で、白磁のようなきめ細やか肌をしている少年が、向かい合わせるように腰を下ろし大きく足を広げた。下肢の間にある、まだ発達途中に見える少年のそれが薄桃色をしていた。
豊二の目を見つめながら右手の人差し指と中指を唾液でぬらすと、少年が薄桃色のその奥の慎ましやかな蕾へと自ら指を埋めた。

「豊二さん、見て。僕のここ」
少年が埋めた二本の指が躊躇いも無く押し開いた。
柔らかそうに見える少年の蕾が指で開かれ、その隙間からはドロリとした液が少年の指を伝って流れだしてきた。
何とも卑猥なその様に、豊二がゴクリ、と生唾を飲みこんだ。
「わかる?これ。
昨日、豊二さんが僕の中にたくさんくれた物だよ。こんなにいっぱい」
豊二の頬に朱が差した。
「ほら、まだ出る。昨夜の豊二さん、凄かった。
抜かずに三度も出したの、ほんとに覚えてないの?」
少年が見せ付けるように指をうごめかせた。その度にクチュクチュと耳を覆いたくなるような卑猥な音色が充満した。
「昨晩の豊二さん、本当に凄かった。豊二さんの硬くて熱いので何度も僕を天国に連れて行ってくれて、最後のほうなんか、僕はもう無理って言ったのに何度も僕の中に豊二さんの愛液を注がれて…腰なんかガクガクで力はいんないのに、全く覚えてないの?
見て、まだこんなに溢れてくるんだよ、豊二さんの愛液」
少年の卑猥な言葉責めに、豊二がとうとう目を逸らしてしまった。

「だめ、ちゃんと見てて」

今度は豊二の『滑り』を借りて自分の快楽をむさぼるように、指を深く抜き差し始めた。
「あぁ、豊二さんの愛液気持ちいい」
うっとりとした表情を浮かべながら自慰をする姿は、豊二の想像をはるかに超える痴態であった。
豊二が再びゴクリと喉を鳴らした。
由緒正しき家柄に産まれたためか、女遊びのひとつもすることなく妻を娶った豊二にとって、妻以外に比べる相手を知らなかった。
豊二が、目を皿のようにして少年の痴態を見つめていた。

「豊二さん、ここに欲しい。昨日たくさんくれた物。また、たくさん欲しい」

高ぶりのせいか少年が女のように艶めいた声色で豊二を誘う。
薄桃色のそれから溢れる蜜を、見せ付けるように腰をくゆらせる。
いつしか、豊二の体もかつてないほどに熱く滾っていた。
 隠すものなどなく、否、隠すという行為すら忘れてしまうほど、豊二の頭の中が少年の織り成す卑猥な媚態でいっぱいになった。

「ちょうだい、それ」
広げていた左足を豊二に伸ばし、熱く滾っている下肢を足の指で直に揉み込む。
その瞬間、未知なる高揚感に豊二の体が震え、同時に少年の淫らな誘いに、豊二の何かが振り切れた。

「名は、何と申す」
「僕は【柑子】(コウジ)」

それが合図であるかのように、二人の本能が剥き出しになった。


その日を境に、豊二が柑子のもとに入り浸り始めた。

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