付き合ってる彼が、時々ネコになるんですが・・

蒼井梨音

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高校から二十分歩いたところにある駅前のファーストフード店は学生たちで溢れていた。

放課後、今日は部活がないからと、オレはそこにいた。
友だちと勉強会ということで。
実際は、新作のスイーツの感想とか、同じクラスの誰だれに彼氏ができたとか、彼女ができたとか、数学の先生は英語の先生と付き合ってるとか。そんな他愛もない話ばかり。

「……でさ、駿くん、バスケ部のさぁ、あのすごい人!」

 若干、上の空に聞いてたら目の前の女子に話を振られる。

「……えっ、あぁ。宗像響也?」
「そうそう、宗像くん、めっちゃカッコいいじゃん」
 別の女子がすかさず重ねる。
「そうだねぇ……」
 苦笑いしながら答える。

 女子ばかりの集まりで、なんか、そういう「トモダチ」的なポジションによくいるオレ。
 今日はオレの周りの情報収集的な感じで招集。

「駿くん、同じバスケ部じゃん」
「あぁ、でもオレ、二部だから。響也は一部だし」 

 宗像響也はバスケ部のエース。顔よし、頭よし、でバスケも上手いから、天は二物じゃなくて、三物以上も与えてるんだよなぁ。
 で、バスケ部レギュラーだから、ベンチ入りすらしない二部のオレとは練習コートも違う。

「えー、宗像くん情報なんかないの?」
「うーん。カッコいい、バスケうまいくらいかな。たいした情報持ってないよ?」
 オレは笑顔で否定。

「そうなのー?」
「でもさぁ、駿くん、よく一緒にいるじゃん。昼休みとか?」
「世間話くらいだよ、購買のおすすめとか?」

「じゃあさぁ、宗像くんは何が好きなの?」
「えー、……カレーパンとか?」
「ふーん、甘い系より惣菜パン派なのね」
「……てかさ、パンの好みじゃなくてさ、そういうのじゃないやつはないのー?」
「えー、そんなのないよぉ。エースは秘密主義だからねっ」
 オレは笑顔で、絶対に、教えない。


――ふふーん。
 だって、宗像響也はオレの彼氏だから。


 オレは一応バスケ部で、ごく一般的な男子高校生。
 でも恋愛対象は女子ではなくて……。
 特にカミングアウトしてないけど、そんなわけで女子とはトモダチ関係を築けている。
 グレーかもしれない、と思われてるオレは男子とも女子とも仲良くやれてたりする。


 オレは中学のときに、友だちに誘われて行ったバスケの試合で宗像響也を見かけた。そこで、一瞬にして、高校に入ったら絶対バスケ部に入ろうと思いたった。それで、地元の強豪校に入学。そして、すぐさまバスケ部に入り、影ながら響也の活躍を見守ってきた。

 オレはスポーツに関しては器用貧乏だから、それなりにこなせて、宗像響也の目に留まる。それで少しずつ仲良くなって。
 バスケ部でレギュラーチームと二部チームの合同練習があって、運良く一緒のチームになり、部内のリーグ戦をしてから、あれよ、あれよと……。

 高校二年になり、響也と付き合うことになったのだった。

 それは、ある時、昼休みにたまたま二人でいたとき。

「駿てさ、女子に興味ないの?」
 と響也から聞かれた。
頭に「?」マークが飛んで、なんて返答していいか考えてると、
「あの、大原みおりが言ってたんだ、私のことを全然見ないって」

 大原みおりは学年というか学校でも有名な美少女。男子はおろか女子だって、お口ポカンてなる存在。考えてみれば、オレは同じクラスでありながら意識したことすらなかった……。

「あいつ、見られる存在だから、全然意識されてないのが逆に清々しいって。変な奴なんだよな」
 聞けば響也とは同じ中学で、一緒の生徒会だったらしい。
 なんか、っぽいな、と納得。

「……別に避けてるとかはないけど……」
 なんとか返答する。
「まぁ、駿はさ、よく女子たちと連んでるのは見るから苦手ってのも違うかなって思って」

 あ、意外とオレのこと、見てるのね……

「……あと、俺もみおりに同じこと言われたことあるから」

 えっ? 俯いてたオレは響也の顔を見上げる。
 オレは女子を恋愛対象として見られないから、そういう大原さんが感じてるような視線を送れないんだけど、響也も同じなの?

 響也の目がオレを捉えている。

「俺は駿のことが好きだよ」

 えっ、えーーーーーっ!!

 突然の告白にびっくりした。
 てか、響也のカミングアウトに驚く場面かと思ったのに、斜め上を行く告白……

「な、な、なんで?」
 明らかに動揺してるオレに
「駿も同じかと思ってた。だからずっと見てたよ」
「……う、うん。そうだよ」
 息をするのを忘れそうになってた。

 同じって、オレがゲイってこと?
 響也を好きってこと?
 でも、まさか、好きな人に告白されるなんて思ってなかったから思わず告白してしまう……。

「……オレも、響也のこと、ずっと好きだったよ」
 響也がオレの手をとって、自分の胸にあてる。
「……すっげぇ、ドキドキしてる」
 響也の心拍がひどく跳ね上がってるのを感じる。
「……オ、オレも」
 オレの手を掴んでる響也の手をオレの胸にあてて、「おんなじ」と笑いかける。
 そのまま響也がオレを抱き寄せようとしたところで、昼休みが終わる予鈴が聞こえた。


 それから半年が過ぎて、オレと響也は人知れず愛を深めていた。
 昼休みは人気の少ない場所を見つけて一緒に過ごしたり、部活の帰りが同じくらいになれば一緒に何か食べながら帰ったり。最寄り駅が一駅違いだったけど、実は家が徒歩圏内だったり。
 響也は頭がいいから勉強を教わることも多い。響也の両親は共働きで帰りも遅いからか、一緒に響也の部屋で過ごすことが多かった。
 そうなれば年頃の健全な高校生男子がすることは、ねぇ。

 ちなみに、最初に手を繋いだのは付き合うことになった、その帰り道。誰も見てないよって、手を絡めてきた響也。めっちゃドキドキした。
 初めて、だった。
 ぶっちゃけ、付き合えるなんて、思ってなかったし。一生、彼氏とか無縁だって思ってたのに、あの宗像響也と付き合えるなんて。
 手を繋いで、とても幸せに帰ったのを昨日のことのように覚えてる。

 で、それからファーストキスまではなかなか進まなくて。一か月かかったかな。
 あとちょっとってところで、いつも邪魔が入るというか、なかなか二人でそういう展開にならなかったんだけど。
 
 初めて訪れた響也の部屋での勉強会。
 試験前の学校が休みの週末で、前日から寝られないくらいドキドキしてた。
 センターラグにあるローテーブルに隣り合って座って。
 テキストを読んでる響也の横顔を見て、睫毛長ぇって思ってたら
「……あんま、見んなよ」
 とちょっと照れたような響也がオレの顔を見る。
 じーっと見てたのがバレて、急に恥ずかしくなって、顔が熱くなるのがわかって、下を向いた。
 伸びてくる響也の腕が、オレを捉える。顎をクイっと上げて、唇が重なる。
 ……目、開けたままで固まる。
「…駿、かわいいな」
 響也の笑顔に安心して、オレも自然と笑みが溢れる。
「…響也、好きだよ」
 そう言って目を瞑ると、響也が今度は長い間口づけた。

 その時、その先を期待してなかったことはないんだけど。
 響也に抱きしめられて、言いようのない満足感?充足感?安心感?に包まれて、涙が溢れてしまった……。しばらく響也の胸の中にいただけて満たされてしまったんだ…… 。
 ちなみに、その時の定期テストは響也からパワーをもらえたおかげでかなり順位が上がった!

 また部活が始まり、ゆっくり会える時間も少なくなっていった。
 だいたい練習コートは別で、終わる時間もバラバラ。試合が近いと、響也のいる一部は練習が長引く。オレはいつも練習の見学ってことで、自分の練習が終わってから響也を堪能している。
「やっぱ佐伯先輩はいいね!」
 チームメイトの稔彦が言うと、
「いや、豪介だろ、あのシュートはいつ見ても痺れる」
 同じく健がしみじみ言う。
 あれ?そこは響也だろって、心の中でツッコミながら、こっちを見た響也と目が合う。
 オレは「やっぱり響也だろ」と言って、練習を眺めていた。

 響也たちが解散して、ぞろぞろ帰り支度していると、スマホの通知が鳴って『駅で待ってて』といつも通りの連絡が来る。
 オレは稔彦や健と駅まで歩いていく。路線も方向も別なので、オレはホームの先頭車両の端っこのいつものベンチに座って響也を待つ。それが日常だった。

「お疲れ」
 スマホで動画を眺めてたら響也が来た。
「……お疲れさま」
 オレは席を詰めて、隣に響也が座る。
 電車が来るまで、まだ少しある。
「帰り、寄ってく?」
 明日は土曜日で、練習も午後からなのでゆっくりできる。
「……両親が週末、帰省してるんだ」
「……えっ?」
「法事があって、関西に行ってるんだ」
「……うん。行く」
 響也を見上げて笑いかけると、大きな手で頭を撫でられた。

 それから夕飯にお弁当を買って、響也の家に行った。
 それでね。
 とうとう、とうとうね、無事に致したんだ。
 響也もオレも初めてだったんだけど、よかった。うん、すごくよかった。

 なんか、これから始まることを意識しちゃって、弁当の味なんて全然わかんなかった。
 お風呂はシャワーでいい?って聞かれて、うんて言う声がなんか上ずってて。
 後ろをきれいにしなきゃって思ったけど、どうやっていいのかわからなくて、ちゃんと勉強してればよかったーと焦って。とりあえずソープできれいにしてみて。

 先にシャワーを済ませて、響也に借りた服がなんか萌え袖で、彼シャツじゃん、てなんか嬉しかったし。どこにいればわからなくて、いつものセンターラグに赤ちゃん座りして待ってると、響也が隣に座った。
 ゴクって唾を飲んだ。

「……なに、緊張してんの」
 響也が優しくオレの肩を抱いた。
 うん、てうなずいて響也の方を見て、その色気を感じる目を見て、オレは目を閉じる。
 オレの唇に重なる響也のキスがいつもより激しくて、舌でオレの口を開けられた。初めてのエロいキスで、月並みだけど、気持ちいいって感じてしまった。それから口付けが首筋から耳から鎖骨に下りていって、響也の手がTシャツの裾から胸を弄る。
 思わず漏れた自分の声にびっくりした。手で押さえると
「駿の声、聴かせて」って。
 そのまま押し倒されるかと思ってたら、オレの膝下に手を入れて、お姫様抱っこの姿勢で抱き抱えられた。オレは小さくも軽くもないけど、響也は重たそうに感じさせなかった。さすが、バスケ部のエース。
「ベッドでゆっくり駿を抱きたい」
 響也が優しい声で言うと
「うん」
と声にならない声で頷いて、首に回してた手に力を入れて顔を押し付けた。
 ゆっくりベッドに下ろされると、仰向けになったオレに響也が覆い被さるようにして、口づけた。最初は触れるだけのキスを繰り返してた。

「好きだよ」
 響也の言葉が合図で、キスは深くなっていった。
 全身を響也の舌で愛撫されて、もうオレは声が止められなくて、自分じゃない自分の声に恥ずかしさと我慢しなきゃという思いで、一生懸命堪えていた。

「…駿は声を我慢してちゃダメ。誰もいないんだから聴かせて」
 足の間にいる響也がオレの昂りに手を添えて言う。
「……きょ、響、也、ダ、ダメ、ダメだよ……、出ちゃ、う……よ」
 自分は何もしてないのに息が続かない。
 響也はオレの顔を見ながら、それを口に咥えて舌で扱くと、あっという間にオレは達してしまった。

「……ご、ごめん」
 なんか、たくさん出てる気がして恥ずかしくしていると、ゴクリと喉が動いて嚥下した響也が
「駿が俺でイッたのがすげえ嬉しい」
 て、口付けた。ちょっと苦くて、青臭い味がした。
 それから響也はオレの後孔を優しく解し始めた。
 キツく閉じていたそこを痛くないように優しくゆっくり開いていく。響也の長いゴツゴツした指が入ってきても痛いとか感じなくて、中を自由に動く指から快感が生まれていった。

「えっ、あ、あぁっ」
 そこを刺激されて、ヤバいってなってるとまた響也が口付ける。気付けば指は三本になってて、オレは視界に入る響也のその昂りに目が釘付けになっていた。

ーー入れてよ、早く入れてよ
 頭の中で叫んでると
「駿、見過ぎだから」
 と響也が優しい声で耳元で話す。ゾワってしてたら先っちょのとこが入ってきた。
 えっ、と思ってると
「…駿、力抜いてて」
 耳元で囁くからまたゾワって感じて、また少し奥に入った。
 響也はゆっくりゆっくり進めてくから、痛いっていうよりは、圧迫感がヤバかった。

「…駿、好きだよ」
 その一言で甘い声が漏れて、
「…全部入ったよ」
 それでも響也は動かないで、オレを抱きしめて、ゆっくり息を吐いた。なんか、すごい色っぽい吐息で身体がブルって震えた。
「…動いてもいい?」
 オレが頷く。
 響也が少し動いただけで、快感の波がやってきた。自分でも気持ちいいとこにあたるように、無意識で腰を動かしていて、声にならない声が喘ぎ声になって溢れてた。

 これでもか、てくらい吐精していて、オレの腹はベチョベチョになってた。もう出ない、て思ってると、
「…ごめん、そろそろイキそう」
 響也も限界なのか、それから律動が激しくなって、ピクンと動いて果てるのがわかった。
 響也の身体が覆い被さるように重なってきて、その重さがすごく心地よかった。
「…響也、好き」
 響也は頬に張りついた髪を撫でると、口付けた。
「駿、可愛すぎ」
 まだオレの中にいた響也のが復活したのを感じてしまい、二回戦が始まってしまった……。
 
 それから夜更けまで抱かれてしまい、最後は意識がなくなったのか、寝落ちしたのか、気づいたら朝だった。
 狭いベッドに二人で寝てると、少し窮屈だけど、こうやってくっついて寝られるのは嬉しい。
 ベタベタなはずの身体がきれいになっていて、服も着ていた。隣に眠ってる響也を見て、昨夜の雄の目をした顔を思い出してなんだか恥ずかしくなって、胸に顔を埋めた。 


 それから響也の両親がいない時はいつも二人で過ごしていた。もう何回も抱かれていた。

 それでも、いつもの日常は続いてて、部活にはちゃんと励んでるし、稔彦や健たちと響也たちの練習を見てる。
 響也とは駅で待ち合わせて一緒に帰ったり。
 たまに女子会に参加させてもらったり。

 そして、響也と付き合うようになって、一年が経とうしていた。

 いつものように響也の部屋。
 抱きしめて、始まったキスが止まらなくなっている。

 その時、
「…ねぇ、今日は、駿に、駿ちゃんに、……抱いてもらいたい」

 いつもの響也とは似つかわしくない話し方だった。

「……えっ!」
 思わず響也の顔をマジマジと見てしまった。
「…うん」
 顔は同じなんだけど、話し方とか雰囲気とか、なんだかいつもと違っていて、正直びっくりした。

 オレが言葉を失っていると、目の前の響也が話し始めた。

「僕と響也は双子だったんだ」
 一人称まで変わってる。
 目の前の響也は響也であって、でも響也ではないみたいだった。

「…駿くん、僕は君をずっと好きだったよ、響也よりも」
「……響也?……響也くん?……キョウちゃん?」
 何て呼びかけていいのか、考えあぐねていると
「…じゃあ、キョウちゃんで」
 微笑みかけた。響也と同じ顔だけど、話してる声色も纏ってる雰囲気も違う。

「駿くん、バニシングツインて知ってる?」

 双子を妊娠したけど、初期に片方だけ亡くなってしまうことで、キョウちゃんは心拍は確認されたけど、大きくなれなかった。
 で、どういうわけか、キョウちゃんの意識の一部は響也と共有しているらしい……。

「普段はね、響也でいるんだけど、たまに僕がこうやって表に出ちゃうんだよね。……駿くん、気付いてた?」
 イタズラっぽくオレに聞いてくるキョウちゃん。

 思い返してみたら、たまに雰囲気が違うときがあったかな、なんてまた考えあぐねてる。すると、キョウちゃんがオレを抱き寄せて口付けた。
「…今のが僕のキスだよ」
「……う、うん。わかった」
 何が違うのか、今までもこんなキスはしてきたんだけど、でもなんか感覚的に違うような気もするし。
 で、でも!!

「…ねぇ、響也はどこにいるの?」
 不安に思って聞いてみる。
「大丈夫だよ。響也と僕は同じなんだ。意識を共有してるだけとだから。今も駿くんのこと見てるよ」
 そう言って、オレの顔をマジマジと見つめる。響也なのかキョウちゃんなのか、どっちつかずの表情だ。

「なんで、キョウちゃんはオレと話してるの?」
「僕も駿くんと話したかったから」
 キョウちゃんは満面の笑み。

「僕ね、駿くんに抱いてもらいたいんだ」
 えっ?
 抱いてもらいたいって、オレがキョウちゃんを抱くの?
 オレは、いつもネコなのに?
 オレ、童貞だよ?
 頭に「?」ばかり浮かんでしまう……

「…大丈夫だよ。いつも響也がしてることを僕にして、駿くん」
 そう言って、キョウちゃんはオレの首に腕を回した。

 それから。
 ぶっちゃけオレはタチもいけるんじゃん、て思った。キョウちゃんもトロトロに蕩けそうだったし。

「…キョウちゃん、好き」
 目の前のキョウちゃんはオレを抱いてくれる響也とは別だけど、やっぱり響也で、キョウちゃんだけじゃない。
 事の後で、まったりしていたら背中を向けていたキョウちゃんがオレの方を見た。
 あ、……。
 キョウちゃんの目が響也の目になっている気がする。
「…駿、物足りないんだろ?」
 少しイタズラっぽい顔だ。
「後ろ、ウズウズしてる……そうだろ?」
 そう言うと、
「今度は俺にも駿を抱かせてよ」

 響也がオレにキスをしてきた。激しいやつ。
 やっぱり違う。響也にされるのは自分がするのとは全然違う。声が漏れる。
 なんか、響也もいつもより余裕がなさそう。
「…なんか、ムカつくから上書きな」
 さっきオレがキョウちゃんにしたことを響也が繰り返す。でもオレの反応見ながらで、口付けばかりしてくる。オレの頭を一撫でして、
「駿はオレのだから」
と脚を持ち上げて、後ろに口付けた。響也の指で気持ちよくされる。

「…は、はやく、入れてよ……、きょ、響、也と、繋がりたい、よ……」
「…バカ、煽るなよ」
 響也が苦笑いする。また頭を一撫でして、キスをすると、少しずつ響也が挿入ってきた。

 キョウちゃんにするのもよかったけど、やっぱり響也にされるのが好きだな、て感じた。

 それからキョウちゃんはよく現れるようになった。響也のふりをしてるけど、キョウちゃんだってわかる。きっと今までだって、キョウちゃんだったんだけど、気づかなかっただけなのかな。

「俺たちは同じだから」
 オレがキョウちゃんと話していてもその意識は響也も共有してるから、
「駿が俺の悪口言ってもちゃんと聞いてるからな」
だって。
 そんなこと言わないし。

 だって、オレの彼氏は響也だから。



 
 
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