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3.「ゼファ」
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翌朝、リュカは目を覚ますと、ゼファールの姿が見えないことに気づく。
「まおうさま……どこ……?」
好奇心と甘えんぼ心が混ざり、昨日、ゼファールと周った城内をあちこち歩き回る。
長い廊下、書庫、階段、塔……
慣れない空間で次第に方向感覚を失い、耳を倒して小さく唸る。
「……ここ、どこ……まおうさまぁ……」
ゼファールは朝早くから仕事で城内を離れていたため、リュカの迷子に気づくのはしばらく後。
朝食を運んできたカリオンは部屋にリュカがいないことに気づく。
カリオンは城内を探すため部屋を出た。
リュカみたいに鼻が効くわけではないから、一つ一つ部屋を見てまわる。
ようやく小さなリュカを見つけて抱き上げる。
金色の瞳が震えて、こちらを見ている。
「魔王さまは仕事だ、すぐに戻ってくるから部屋に戻ろう」
カリオンに言われて、リュカはとぼとぼ歩き出す。
「大丈夫、お前を置いて行ったりしないから」
カリオンの言葉を聞きながら、リュカは魔王さまに会いたかったことを思い出す。
立ち止まるリュカをカリオンは抱き上げて、部屋に戻る。
部屋にはゼファールが待っていて、カリオンに抱かれたリュカを見た。
リュカの瞳はじっとゼファールを追って、カリオンの腕からするりと降りたリュカは、ゼファールに駆け寄り安心した様子でしがみついた。
「……お前、何していたんだ」
ゼファールの声は優しくて、リュカは小さく唸りながらも、すぐに安心して耳を倒す。
「……まおうさま、さがしてた……まおうさま、いない」
ゼファールはリュカを胸に抱くと、
「私は、ゼファールだ」
「ゼ、ゼファル?……ゼファ、ゼファー?」
ゼファールと言えないリュカに、くすりと笑って、
「ゼファでよい」
「ゼファ?」
「ああ、そうだ」
「ゼファ!ゼファ!」
リュカは楽しそうに連呼している。
ゼファールはそれを見て、楽しそうにしている。
「……リュカ、一人で城の中を歩き回るな、心配するから」
ゼファールはそう言って、リュカの頭を撫でた。
もふもふで気持ちよかった。
夜中、疲れて眠ったリュカをずっと抱いてあげていたゼファール。
翌朝──まだ薄く朝日が差し始めた頃。
ゼファールの胸の中ですやすや眠っていたリュカは、ふと夢の中で母親と群れの温かさを思い出す。
もふもふ……、お母さん。
お母さん、大好き。
夢の中で、安心感に包まれている。
それから、お母さんはゼファールに姿が変わっていく。
ゼファ?
ゼファ?
お母さんじゃないゼファはリュカを優しく包んでくれた。
「もうお前はずっとここにいても、いいんだ」
ゼファが優しく囁いている。
ゼファ……。
リュカの心が満たされた瞬間、もふもふ姿では抑えきれなかった“人型の成長本能”が動き出した。
ぱちん、と小さく魔力が揺れて──
ゼファールの腕の中に、細い腕と脚を持つ小さな獣人の少年が収まっていた。
「……おや?」
半分寝ぼけたゼファは、毛玉だったリュカの姿が変わったことにすぐ気づかず、
リュカの頭をぽんぽん撫でながら目をこする。
そこでようやく気づく。
「あれ……リュカか? もふもふじゃなくなったな……?」
リュカもまだ寝ぼけている。
「……ゼファ……?」
ゼファールは苦笑いをしている。
「起きたか。大丈夫だ、落ち着け。横になっていろ」
何が起きたかよくわかっていないリュカは、
不安になる前にゼファの胸にぎゅっと抱きつく。
「よしよし。……大丈夫だ。」
そのままゼファールは少年の姿になったリュカを抱き寄せ、
「変化できるんだな」
と静かに受け止める。
そして、リュカが驚かないようにそっと毛布で包んだ。
「まおうさま……どこ……?」
好奇心と甘えんぼ心が混ざり、昨日、ゼファールと周った城内をあちこち歩き回る。
長い廊下、書庫、階段、塔……
慣れない空間で次第に方向感覚を失い、耳を倒して小さく唸る。
「……ここ、どこ……まおうさまぁ……」
ゼファールは朝早くから仕事で城内を離れていたため、リュカの迷子に気づくのはしばらく後。
朝食を運んできたカリオンは部屋にリュカがいないことに気づく。
カリオンは城内を探すため部屋を出た。
リュカみたいに鼻が効くわけではないから、一つ一つ部屋を見てまわる。
ようやく小さなリュカを見つけて抱き上げる。
金色の瞳が震えて、こちらを見ている。
「魔王さまは仕事だ、すぐに戻ってくるから部屋に戻ろう」
カリオンに言われて、リュカはとぼとぼ歩き出す。
「大丈夫、お前を置いて行ったりしないから」
カリオンの言葉を聞きながら、リュカは魔王さまに会いたかったことを思い出す。
立ち止まるリュカをカリオンは抱き上げて、部屋に戻る。
部屋にはゼファールが待っていて、カリオンに抱かれたリュカを見た。
リュカの瞳はじっとゼファールを追って、カリオンの腕からするりと降りたリュカは、ゼファールに駆け寄り安心した様子でしがみついた。
「……お前、何していたんだ」
ゼファールの声は優しくて、リュカは小さく唸りながらも、すぐに安心して耳を倒す。
「……まおうさま、さがしてた……まおうさま、いない」
ゼファールはリュカを胸に抱くと、
「私は、ゼファールだ」
「ゼ、ゼファル?……ゼファ、ゼファー?」
ゼファールと言えないリュカに、くすりと笑って、
「ゼファでよい」
「ゼファ?」
「ああ、そうだ」
「ゼファ!ゼファ!」
リュカは楽しそうに連呼している。
ゼファールはそれを見て、楽しそうにしている。
「……リュカ、一人で城の中を歩き回るな、心配するから」
ゼファールはそう言って、リュカの頭を撫でた。
もふもふで気持ちよかった。
夜中、疲れて眠ったリュカをずっと抱いてあげていたゼファール。
翌朝──まだ薄く朝日が差し始めた頃。
ゼファールの胸の中ですやすや眠っていたリュカは、ふと夢の中で母親と群れの温かさを思い出す。
もふもふ……、お母さん。
お母さん、大好き。
夢の中で、安心感に包まれている。
それから、お母さんはゼファールに姿が変わっていく。
ゼファ?
ゼファ?
お母さんじゃないゼファはリュカを優しく包んでくれた。
「もうお前はずっとここにいても、いいんだ」
ゼファが優しく囁いている。
ゼファ……。
リュカの心が満たされた瞬間、もふもふ姿では抑えきれなかった“人型の成長本能”が動き出した。
ぱちん、と小さく魔力が揺れて──
ゼファールの腕の中に、細い腕と脚を持つ小さな獣人の少年が収まっていた。
「……おや?」
半分寝ぼけたゼファは、毛玉だったリュカの姿が変わったことにすぐ気づかず、
リュカの頭をぽんぽん撫でながら目をこする。
そこでようやく気づく。
「あれ……リュカか? もふもふじゃなくなったな……?」
リュカもまだ寝ぼけている。
「……ゼファ……?」
ゼファールは苦笑いをしている。
「起きたか。大丈夫だ、落ち着け。横になっていろ」
何が起きたかよくわかっていないリュカは、
不安になる前にゼファの胸にぎゅっと抱きつく。
「よしよし。……大丈夫だ。」
そのままゼファールは少年の姿になったリュカを抱き寄せ、
「変化できるんだな」
と静かに受け止める。
そして、リュカが驚かないようにそっと毛布で包んだ。
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