4 / 18
蛇足.用語解説及び登場人物紹介
しおりを挟む
蛇足.用語解説及び登場人物紹介
或いは蛇を画きて足を添う
※注意※
ここからは本編を読む上で知っても知らなくても良い蛇足な情報になります。読み飛ばしてもらって問題ありません。
ですが、この後更新予定のおまけを読む際に知っておくと、ふふってなる部分もあります。
結局これってどういうことだったの? ということや、伏線ってどこに貼っていたの? など、この話を書く上で設定した作中メモや人物紹介などを書いていきますので、もしそういったことも気になる方は読んでくださると幸いです。
【下克上BL企画】
護衛対象で神子で皇子を下克上しちゃう物語
と見せかけて
千年の時をかけて神と呼ばれる存在を降す下克上の物語
【カプ説明】
目が死んでる傭兵×ざんねんな生物(神子)
と見せかけて
いきなり監禁ヤンデレモード突入でヤバい人になりかけたけど、一粒の愛で365日100年働けます低燃費溺愛系攻め
×
残念可愛いチョロ神子と見せかけて、千年の間にインテリジェンスを身に着けて、スーパー受け様に転身した中身長寿ですべてを受け入れる抱擁系受け
【嘘は言っていない作品紹介】
無事二人は神殿にたどり着けるのか?
→たどり着けません!
チョロ神子の本領発揮とは?→千年孤独に耐えきってスーパーインテリ受けになって攻めを取り戻すよ!
きっと愛だけはある
→本当に攻めにあるのは受けへの愛のみ…。
下克上な→
まーさんの広義的解釈可ということなので、解釈を二つかけてみました。
ラブコメディもどき!→
「もどき」は大抵えぐい設定書いちゃう。
【設定メモ】
・旧世代のある研究者の日記
20××年7月2×日
ある日、世界で悪性のウイルスが発見された。
それはすでに世界に存在していたが、ある時発芽と呼ばれる現象を起こした。
一定量を越えたウイルスを摂取した生物が突然狂暴化し、他の生き物を襲い始めたのだ。
それは自然界の水に溶け、微生物、苔、小魚、中型の魚と食物連鎖をたどるうちに濃度が蓄積されていった。まるで水銀のように、人や動物に摂取されるころには濃度が高くなっていったのだ。
20××年10月×日
世界各地でこのウイルスの解析が行われた。このウイルスは大量に摂取しなければさほど人体には影響されないらしい。だが、自然界では大型の動物たちがウイルスによる狂暴化が目撃されていて、その駆除に追われている。しかし、このウイルスの特徴の一つが、狂暴化した動物を射殺した際に、大量の高濃度ウイルスが排出されるのだ。また、どれだけ距離を取っていても、射殺した人間にウイルスが蓄積していく。高額褒賞で狂暴化した動物の駆除を依頼しても、その後に待っている狂暴化を忌避してなかなか駆除が進まない。
20××年12月××日
アメリカの生命科学研究所のひとつである×××大学で、はじめての抗ウイルス薬のワクチンが誕生した。ウイルスを解読し、その配列からワクチンを精製したのだ。動物実験では成功をおさめ、次は人による実験が行われることとなった。初期の実験では、同大学のポスドクであるマイク・マクシミリアン、烏丸雷、劉錫停を含む30名の投与が開始された。
20××年1月××日
ワクチンは効果的だった。最初の30名全員に抗体ができ、経過も順調で体調不良や身体の変異なども観測されなかった。そのため、次の30名による実験が進められた。ワクチンの効果は、抗体により体内にウイルスを注入しても活性化しにくいという結果がでた。世界の状況は刻々と悪化している。はやくこのワクチンが世界を救う希望となってほしい。
20××年4月×日
先月の100名による実験も成功を収めたはずだった。最初にワクチンを投与した者たちの体調不良が続いている。最初に眠ったまま起きなくなったのは劉・錫停。その後も昏睡したまま起きないという報告が上がっている。このワクチンはすでに260名に投与されている。人類の希望にはなりえないというのか。世界中にウイルスは蔓延している。先日信じられない研究が発表された。極微小なウイルスが空気中から発見されたというのだ。水に溶ける性質、水や食料に気を付ければ防げると思っていたウイルスは、すでに空気中に存在していたのだ。
20××年5月××日
正式にこのワクチンの廃棄が決まった。すでに昏睡している者は100名を超えている。呼吸が止まり、生命活動が停止している。なのに脳は正常に機能してまるで冬眠しているかのようだ。世界は徐々に姿を変えている。狂暴化する人たちが町の中で氾濫し、シェルターへ隠れ住む者たちが増えてきた。大学は、地下シェルターにこの昏睡しているワクチンの被験者たちをコールドスリープさせる決断をした。願わくば、後世の人間がこの者たちの体を調べ、あのウイルスに対抗できる手段を見つけて欲しい。
rROAJSprua(××××年××月××日)
afgoura@svja]adpouawelajfpawhy8i:wscfnaqona:uohfer
alsjkfach:ocrieha]r[asdvpak
e@ovj aapefiae]pfoaejf]paoefj]a@ofjkea]@
(三千年前の手記を発見した。あの管理者たちのファーストコンタクトで半壊した世代の貴重な記録だ。持ち帰り解読をすることにする。我々の世代で技術を発展させてきたが、まだあの管理者たちに抵抗する手段が見つからない。この手記に地図が残されていた。その場所に行ってみよう。何かサンプルでも残されているかもしれない)
・魔素
この世界の空気中に存在し、覆っている要素。この魔素を過剰に取り込むと魔物化して他の動物や人間を襲ってしまう。この魔素は蓄積されれば蓄積されるほど濃度が高まり、管理者たちの求める栄養素となる。魔素は魔物化した生物を殺した際に、高濃度の魔素が放出されることになり、それこそが管理者たちの求めるものである。また、殺した者に一定量の魔素が蓄積されていき、どれだけ強い生物でも、魔物化を逃れられないという性質を持つ。
・グレイブ
旧世代にウイルスに対抗するために作られたワクチンを被験者として接種し、冷凍カプセルに入れられた人たちの中で、ウイルスに対する抗体を取得したものたちの総称。
体が作り替えられたために不老不死。魔素抗体があり、魔物を大量に殺して魔素が体に溜まっても魔物化しにくい。何度も管理者たちを倒すべく行動をしたが、どれも失敗し数を減らした。
現在では絶望の中にある世界で、現人類に知識を与えすぎないよう、様々な制約をかけてほそぼそと生きている。
・墓守
傭兵の中で特に魔物の討伐に耐性を持つものたちの総称。個としての名はなくすべてグレイブと呼ばれる。他の傭兵たちはどれだけ魔物と戦っても魔物化しない墓守たちをおぞましくも畏怖しており、一線を引いている。全ての者に二つ名がつき、最強の墓守、漆 黒のグレイブが傭兵の二つ名で、神子を神殿まで送る依頼を受けた。【急】で宰相は「何世代目かの漆黒のグレイブ」とラーイを称したが、不老不死の為、初代である。
実は旧世代の災厄のときにワクチンを接種し、目覚めぬまま冷凍カプセルに入れられた被験者たちの中で、ウイルスの耐性を所得して起き上がった者たちの集団。
旧世代の技術や知識、新時代の情報を共有している。
・墓守
全っっ然本編に関係ないんですが、滅茶苦茶面白いゲームっす。人の倫理観を試されるゲーム。背徳的な牧場物語。ダークな世界観がお好きな方は是非。いきなりの宣伝でした。
・神或いは管理者
どこにでもいてどこにもいない。肉体を持たず、浮遊する意識のような生命体。高濃度の魔素を主食とする生命体で、そのための家畜場を宇宙で何個か所有している。この生命体は遺伝子操作に長けていて、生命の構造を容易に変えることができる。長い長い間管理者としてこの星を管理しているので、最近厭きている。昔に見た白髪で赤い瞳の生命がとても美しく感じ、お気に入りの存在として数百年に一度生成している。
・この世界
ファンタジー世界と思わせて、超遠い未来のSF世界線でした。
一番文明が栄えた世代以降は、中世ヨーロッパのような時代で留まる様に調整されている。
・烏丸雷
ラーイと神子に呼ばれ、護衛をしている。
目が死んでいる。
旧世代では生命科学分野の研究者としてアメリカでポスドク(博士研究員)をしていた28歳。教授と共にワクチンの開発に取り組んでおり、被験者として最初に名乗りを上げた。
・二音の名前を伸ばす命名規則
ジンをジーンと読ませるための伏線として、ライをラーイと呼ばせることで符合を合わせた。
※作者メモ※
最初名前を雷ではなく闘馬にしようとしていたが、とーま、と呼ばせようとするととあるどこかの神殺しの顔が思い浮かんでしまったので、らーいとできるように雷に変更。しかし今度はラーイ↑とうっかりいっちゃって、ラーイ↑ララララーイ↑と歌いだしちゃうような芸人さんのギャグが脳裏をよぎり、脳内が大変なことになってしまった。是非これを読んだ数名の脳内で芸人さんが踊りだして欲しい。という呪いをかけておく。ちゃんと神子ちゃんはラーイ↓という発音ですよ。
・ジーン・ボクス・アルステラ
ジン・ボク・ス
人・木・主
アルビノで生まれ、神子に選ばれた者が代々つけられる名前。
「へぇ、さすが神様が付けそうな名前ですね」と【序】で言ったときは実はめっちゃ顔を顰めていた。
グレイブはあの忌々しい神と呼ばれる存在がつけたのだからと考察した結果、名前の意味に気がついて吐き気を催した。
※作者メモ※
実はなんか神子の名前ちょっとわかるとうわぁってなるような名前にできないかな…うーんうーん…と仕事帰りの電車の中で唸っていた事項。漢字辞典のサイト開いて読みを考えていました。
たぶん、ここぐらいですかね…必死に考えたの…。他なんちゃってなので…。
何がうわぁなのって?いえいえ直接で言うのはちょっと憚られると言いますか…。
所で話は変わりますが、人柱アリスって 「雪那(歪P)」のボカロ曲、神曲すぎません?
・神子
数百年に一度、魔物が大きく育ち過ぎた時期に誕生する。その役目は“神代の神殿”に命と血を捧げることで魔物を魔素化することができる。その実、管理者が人類が魔物に殺し尽くされないようにと作り出された装置のような生命で、その血は魔物に触れると魔物の体内の魔素が崩壊し、体内から放出される性質がある。ジーンはその千年の間、ラーイの魔樹の根元に神殿にあるような拡散装置を作ってもらい、一日一回、手首を切って大量の血を注いだ。
【伏線のようなそんなかんじのもの】
・窓の外の木
窓は内部からでも外が見れるようにと外のカメラの映像を内部に写していた。
若木→序
木 →破
大木→破
老木→破
と、少しずつ大きくなっていた。
いきなり窓の外の雀ちゃんたちの話をし始めるから気づいてた?
伏線貼るの下手過ぎかよ職人なので……知ってた(
・収穫祭
誰にとっての収穫祭?神と呼ばれる管理者たちにとっての収穫祭。
年に1度、生命体がこの地に降り立ち、活動を停止させられた魔素を大量に含む魔物から濃縮された魔素を吸い出す。そのため、その日は魔物が活動しないため(小型の鳥ほどの魔物は影響されないが)、人々は安心して外を歩ける。また、ラーイにとっては100年の魔物を殺す日々の中で、その日だけは魔物が活動を止めるので、ジーンに会いに行ける日となっている。
窓の外が魔素の濃い森の深層なはずなのに、毎回魔力雀などの小型の魔鳥しかいないのは収穫祭だったから。
・ラーイが作ってた収穫祭の魔除け人形
1個めは大昔に貰ったものですが、2個めの猫ちゃんからは1年かけてラーイが必死に夜の隙間時間に彫ってますよ。健気だね。
・保護施設
ラーイが生きていた時代のその後の世代の建築物。一番文明が栄えていた。そこで使われている言語は、他の墓守たちと共に研究して少しずつだが解明を進めていた。コントロールパネルなどは、プログラム言語に近い構造をしていたので、比較的操作がしやすかったが、書庫にあった資料はもう少し難解なのでラーイにはすぐには解読できなかった。
ジーンは千年の間にスポンジが吸収するように解読していき、その時代のほとんどの文明・言語、構造などを理解するようになった。書庫の中には旧世代の文明としてラーイたちの生きていた世代の情報も大量に圧縮されていたので、長い時間(暇なので)をかけて烏丸雷の個人データファイルにたどり着き、一人にやにやしていた。膨大な量のデータの海から捜索したので、完全に執念である。
なお、再開の時に巫女装束で逢っていたのは、ラーイの個人データから巫女系の同人誌があったことからこういうのが好きなのか! 仕方がないな!!! と生成した。
・グレイブ(ラーイ)の話し言葉
ポジティブなどの言葉を多用しているのは旧世紀時代の名残り。本当は旧世代の情報とか現人類に教えてはいけないけれど、何を言ってもそうなんだ! と現世の一般常識すら全くしらない様子のジーンから、まぁ、大丈夫だろうということで大分規制を緩くしていた。
・グレイブ(ラーイ)の知識
完全に日本の知識を使っている。もしかして異世界転生? と思わせて実はなんちゃってSF でした。
・ジーンがあの性格に育った理由
はじめから生け贄として捧げられることを家族は知っていたので、でろでろに甘やかした。
后妃がいつも泣いていたのは死が定められた皇子だったゆえ。
皇族や宰相などしかそれを知らなかったため、騎士団とかにはあのクソ坊の世話は無理と匙を投げられた。
・ズッキーニ
いやほんと、君構想時点では一ミリも要素なかったよね!? 一体どこから来たの!!?
てエロシーン書いてて突如出現したお野菜様。いやほんと君のおかげでだいぶマイルドなほっこりになったけどさぁ!! 野菜の名前が一緒なのは、まぁ同一世界のあれやこれやです。
【この話の裏話】
こ、ここまで風呂敷を広げることになるとは…思っていませんでした……。
下克上で傭兵と神子をいちゃこらさせたいってのが最初のはじまりで、100年を捧げた傭兵に千年を捧げる神子ってところまではすぐに決まりました。
ただ、その後の問題が、「三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい」の都々逸ですよ。
こちらがばばっと脳裏を過って、2年前ほどに仕事の都合で調べたこの高杉晋作の作と言われている都々逸がずっと頭から離れなくて。
その時調べた時に、遊女の起請文の話とか、一番人気の熊野三山で配られる熊野牛王符が大変人気で、その眷属が八咫烏という話をこの物語に使おうと思った時がさぁ大変。
そこまで詳しく説明するなら、グレイブ(ラーイ)を異世界転生か異世界転移かそもそも世界設定を同世界軸のSFにするしかないぞ!!! ということで、一瞬悩んだ結果SFになりました。
一番悩んだのは、わりと…世界設計は作れたけど……これ……短編で収まる?
ということで、本編に不必要なバックボーンはすべてここに置いてあります。
たぶん、追記忘れはないと思いますが、もしあったら加筆します。
追記:脳内音楽はずっとボカロの千本桜が流れておりました……!
では、長らく蛇足部分をお読みいただきまして、ありがとうございました!
次回からはハッピーエンドのその先、二人がただイチャイチャして傭兵がひどい目に合うおまけが始まります!
或いは蛇を画きて足を添う
※注意※
ここからは本編を読む上で知っても知らなくても良い蛇足な情報になります。読み飛ばしてもらって問題ありません。
ですが、この後更新予定のおまけを読む際に知っておくと、ふふってなる部分もあります。
結局これってどういうことだったの? ということや、伏線ってどこに貼っていたの? など、この話を書く上で設定した作中メモや人物紹介などを書いていきますので、もしそういったことも気になる方は読んでくださると幸いです。
【下克上BL企画】
護衛対象で神子で皇子を下克上しちゃう物語
と見せかけて
千年の時をかけて神と呼ばれる存在を降す下克上の物語
【カプ説明】
目が死んでる傭兵×ざんねんな生物(神子)
と見せかけて
いきなり監禁ヤンデレモード突入でヤバい人になりかけたけど、一粒の愛で365日100年働けます低燃費溺愛系攻め
×
残念可愛いチョロ神子と見せかけて、千年の間にインテリジェンスを身に着けて、スーパー受け様に転身した中身長寿ですべてを受け入れる抱擁系受け
【嘘は言っていない作品紹介】
無事二人は神殿にたどり着けるのか?
→たどり着けません!
チョロ神子の本領発揮とは?→千年孤独に耐えきってスーパーインテリ受けになって攻めを取り戻すよ!
きっと愛だけはある
→本当に攻めにあるのは受けへの愛のみ…。
下克上な→
まーさんの広義的解釈可ということなので、解釈を二つかけてみました。
ラブコメディもどき!→
「もどき」は大抵えぐい設定書いちゃう。
【設定メモ】
・旧世代のある研究者の日記
20××年7月2×日
ある日、世界で悪性のウイルスが発見された。
それはすでに世界に存在していたが、ある時発芽と呼ばれる現象を起こした。
一定量を越えたウイルスを摂取した生物が突然狂暴化し、他の生き物を襲い始めたのだ。
それは自然界の水に溶け、微生物、苔、小魚、中型の魚と食物連鎖をたどるうちに濃度が蓄積されていった。まるで水銀のように、人や動物に摂取されるころには濃度が高くなっていったのだ。
20××年10月×日
世界各地でこのウイルスの解析が行われた。このウイルスは大量に摂取しなければさほど人体には影響されないらしい。だが、自然界では大型の動物たちがウイルスによる狂暴化が目撃されていて、その駆除に追われている。しかし、このウイルスの特徴の一つが、狂暴化した動物を射殺した際に、大量の高濃度ウイルスが排出されるのだ。また、どれだけ距離を取っていても、射殺した人間にウイルスが蓄積していく。高額褒賞で狂暴化した動物の駆除を依頼しても、その後に待っている狂暴化を忌避してなかなか駆除が進まない。
20××年12月××日
アメリカの生命科学研究所のひとつである×××大学で、はじめての抗ウイルス薬のワクチンが誕生した。ウイルスを解読し、その配列からワクチンを精製したのだ。動物実験では成功をおさめ、次は人による実験が行われることとなった。初期の実験では、同大学のポスドクであるマイク・マクシミリアン、烏丸雷、劉錫停を含む30名の投与が開始された。
20××年1月××日
ワクチンは効果的だった。最初の30名全員に抗体ができ、経過も順調で体調不良や身体の変異なども観測されなかった。そのため、次の30名による実験が進められた。ワクチンの効果は、抗体により体内にウイルスを注入しても活性化しにくいという結果がでた。世界の状況は刻々と悪化している。はやくこのワクチンが世界を救う希望となってほしい。
20××年4月×日
先月の100名による実験も成功を収めたはずだった。最初にワクチンを投与した者たちの体調不良が続いている。最初に眠ったまま起きなくなったのは劉・錫停。その後も昏睡したまま起きないという報告が上がっている。このワクチンはすでに260名に投与されている。人類の希望にはなりえないというのか。世界中にウイルスは蔓延している。先日信じられない研究が発表された。極微小なウイルスが空気中から発見されたというのだ。水に溶ける性質、水や食料に気を付ければ防げると思っていたウイルスは、すでに空気中に存在していたのだ。
20××年5月××日
正式にこのワクチンの廃棄が決まった。すでに昏睡している者は100名を超えている。呼吸が止まり、生命活動が停止している。なのに脳は正常に機能してまるで冬眠しているかのようだ。世界は徐々に姿を変えている。狂暴化する人たちが町の中で氾濫し、シェルターへ隠れ住む者たちが増えてきた。大学は、地下シェルターにこの昏睡しているワクチンの被験者たちをコールドスリープさせる決断をした。願わくば、後世の人間がこの者たちの体を調べ、あのウイルスに対抗できる手段を見つけて欲しい。
rROAJSprua(××××年××月××日)
afgoura@svja]adpouawelajfpawhy8i:wscfnaqona:uohfer
alsjkfach:ocrieha]r[asdvpak
e@ovj aapefiae]pfoaejf]paoefj]a@ofjkea]@
(三千年前の手記を発見した。あの管理者たちのファーストコンタクトで半壊した世代の貴重な記録だ。持ち帰り解読をすることにする。我々の世代で技術を発展させてきたが、まだあの管理者たちに抵抗する手段が見つからない。この手記に地図が残されていた。その場所に行ってみよう。何かサンプルでも残されているかもしれない)
・魔素
この世界の空気中に存在し、覆っている要素。この魔素を過剰に取り込むと魔物化して他の動物や人間を襲ってしまう。この魔素は蓄積されれば蓄積されるほど濃度が高まり、管理者たちの求める栄養素となる。魔素は魔物化した生物を殺した際に、高濃度の魔素が放出されることになり、それこそが管理者たちの求めるものである。また、殺した者に一定量の魔素が蓄積されていき、どれだけ強い生物でも、魔物化を逃れられないという性質を持つ。
・グレイブ
旧世代にウイルスに対抗するために作られたワクチンを被験者として接種し、冷凍カプセルに入れられた人たちの中で、ウイルスに対する抗体を取得したものたちの総称。
体が作り替えられたために不老不死。魔素抗体があり、魔物を大量に殺して魔素が体に溜まっても魔物化しにくい。何度も管理者たちを倒すべく行動をしたが、どれも失敗し数を減らした。
現在では絶望の中にある世界で、現人類に知識を与えすぎないよう、様々な制約をかけてほそぼそと生きている。
・墓守
傭兵の中で特に魔物の討伐に耐性を持つものたちの総称。個としての名はなくすべてグレイブと呼ばれる。他の傭兵たちはどれだけ魔物と戦っても魔物化しない墓守たちをおぞましくも畏怖しており、一線を引いている。全ての者に二つ名がつき、最強の墓守、漆 黒のグレイブが傭兵の二つ名で、神子を神殿まで送る依頼を受けた。【急】で宰相は「何世代目かの漆黒のグレイブ」とラーイを称したが、不老不死の為、初代である。
実は旧世代の災厄のときにワクチンを接種し、目覚めぬまま冷凍カプセルに入れられた被験者たちの中で、ウイルスの耐性を所得して起き上がった者たちの集団。
旧世代の技術や知識、新時代の情報を共有している。
・墓守
全っっ然本編に関係ないんですが、滅茶苦茶面白いゲームっす。人の倫理観を試されるゲーム。背徳的な牧場物語。ダークな世界観がお好きな方は是非。いきなりの宣伝でした。
・神或いは管理者
どこにでもいてどこにもいない。肉体を持たず、浮遊する意識のような生命体。高濃度の魔素を主食とする生命体で、そのための家畜場を宇宙で何個か所有している。この生命体は遺伝子操作に長けていて、生命の構造を容易に変えることができる。長い長い間管理者としてこの星を管理しているので、最近厭きている。昔に見た白髪で赤い瞳の生命がとても美しく感じ、お気に入りの存在として数百年に一度生成している。
・この世界
ファンタジー世界と思わせて、超遠い未来のSF世界線でした。
一番文明が栄えた世代以降は、中世ヨーロッパのような時代で留まる様に調整されている。
・烏丸雷
ラーイと神子に呼ばれ、護衛をしている。
目が死んでいる。
旧世代では生命科学分野の研究者としてアメリカでポスドク(博士研究員)をしていた28歳。教授と共にワクチンの開発に取り組んでおり、被験者として最初に名乗りを上げた。
・二音の名前を伸ばす命名規則
ジンをジーンと読ませるための伏線として、ライをラーイと呼ばせることで符合を合わせた。
※作者メモ※
最初名前を雷ではなく闘馬にしようとしていたが、とーま、と呼ばせようとするととあるどこかの神殺しの顔が思い浮かんでしまったので、らーいとできるように雷に変更。しかし今度はラーイ↑とうっかりいっちゃって、ラーイ↑ララララーイ↑と歌いだしちゃうような芸人さんのギャグが脳裏をよぎり、脳内が大変なことになってしまった。是非これを読んだ数名の脳内で芸人さんが踊りだして欲しい。という呪いをかけておく。ちゃんと神子ちゃんはラーイ↓という発音ですよ。
・ジーン・ボクス・アルステラ
ジン・ボク・ス
人・木・主
アルビノで生まれ、神子に選ばれた者が代々つけられる名前。
「へぇ、さすが神様が付けそうな名前ですね」と【序】で言ったときは実はめっちゃ顔を顰めていた。
グレイブはあの忌々しい神と呼ばれる存在がつけたのだからと考察した結果、名前の意味に気がついて吐き気を催した。
※作者メモ※
実はなんか神子の名前ちょっとわかるとうわぁってなるような名前にできないかな…うーんうーん…と仕事帰りの電車の中で唸っていた事項。漢字辞典のサイト開いて読みを考えていました。
たぶん、ここぐらいですかね…必死に考えたの…。他なんちゃってなので…。
何がうわぁなのって?いえいえ直接で言うのはちょっと憚られると言いますか…。
所で話は変わりますが、人柱アリスって 「雪那(歪P)」のボカロ曲、神曲すぎません?
・神子
数百年に一度、魔物が大きく育ち過ぎた時期に誕生する。その役目は“神代の神殿”に命と血を捧げることで魔物を魔素化することができる。その実、管理者が人類が魔物に殺し尽くされないようにと作り出された装置のような生命で、その血は魔物に触れると魔物の体内の魔素が崩壊し、体内から放出される性質がある。ジーンはその千年の間、ラーイの魔樹の根元に神殿にあるような拡散装置を作ってもらい、一日一回、手首を切って大量の血を注いだ。
【伏線のようなそんなかんじのもの】
・窓の外の木
窓は内部からでも外が見れるようにと外のカメラの映像を内部に写していた。
若木→序
木 →破
大木→破
老木→破
と、少しずつ大きくなっていた。
いきなり窓の外の雀ちゃんたちの話をし始めるから気づいてた?
伏線貼るの下手過ぎかよ職人なので……知ってた(
・収穫祭
誰にとっての収穫祭?神と呼ばれる管理者たちにとっての収穫祭。
年に1度、生命体がこの地に降り立ち、活動を停止させられた魔素を大量に含む魔物から濃縮された魔素を吸い出す。そのため、その日は魔物が活動しないため(小型の鳥ほどの魔物は影響されないが)、人々は安心して外を歩ける。また、ラーイにとっては100年の魔物を殺す日々の中で、その日だけは魔物が活動を止めるので、ジーンに会いに行ける日となっている。
窓の外が魔素の濃い森の深層なはずなのに、毎回魔力雀などの小型の魔鳥しかいないのは収穫祭だったから。
・ラーイが作ってた収穫祭の魔除け人形
1個めは大昔に貰ったものですが、2個めの猫ちゃんからは1年かけてラーイが必死に夜の隙間時間に彫ってますよ。健気だね。
・保護施設
ラーイが生きていた時代のその後の世代の建築物。一番文明が栄えていた。そこで使われている言語は、他の墓守たちと共に研究して少しずつだが解明を進めていた。コントロールパネルなどは、プログラム言語に近い構造をしていたので、比較的操作がしやすかったが、書庫にあった資料はもう少し難解なのでラーイにはすぐには解読できなかった。
ジーンは千年の間にスポンジが吸収するように解読していき、その時代のほとんどの文明・言語、構造などを理解するようになった。書庫の中には旧世代の文明としてラーイたちの生きていた世代の情報も大量に圧縮されていたので、長い時間(暇なので)をかけて烏丸雷の個人データファイルにたどり着き、一人にやにやしていた。膨大な量のデータの海から捜索したので、完全に執念である。
なお、再開の時に巫女装束で逢っていたのは、ラーイの個人データから巫女系の同人誌があったことからこういうのが好きなのか! 仕方がないな!!! と生成した。
・グレイブ(ラーイ)の話し言葉
ポジティブなどの言葉を多用しているのは旧世紀時代の名残り。本当は旧世代の情報とか現人類に教えてはいけないけれど、何を言ってもそうなんだ! と現世の一般常識すら全くしらない様子のジーンから、まぁ、大丈夫だろうということで大分規制を緩くしていた。
・グレイブ(ラーイ)の知識
完全に日本の知識を使っている。もしかして異世界転生? と思わせて実はなんちゃってSF でした。
・ジーンがあの性格に育った理由
はじめから生け贄として捧げられることを家族は知っていたので、でろでろに甘やかした。
后妃がいつも泣いていたのは死が定められた皇子だったゆえ。
皇族や宰相などしかそれを知らなかったため、騎士団とかにはあのクソ坊の世話は無理と匙を投げられた。
・ズッキーニ
いやほんと、君構想時点では一ミリも要素なかったよね!? 一体どこから来たの!!?
てエロシーン書いてて突如出現したお野菜様。いやほんと君のおかげでだいぶマイルドなほっこりになったけどさぁ!! 野菜の名前が一緒なのは、まぁ同一世界のあれやこれやです。
【この話の裏話】
こ、ここまで風呂敷を広げることになるとは…思っていませんでした……。
下克上で傭兵と神子をいちゃこらさせたいってのが最初のはじまりで、100年を捧げた傭兵に千年を捧げる神子ってところまではすぐに決まりました。
ただ、その後の問題が、「三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい」の都々逸ですよ。
こちらがばばっと脳裏を過って、2年前ほどに仕事の都合で調べたこの高杉晋作の作と言われている都々逸がずっと頭から離れなくて。
その時調べた時に、遊女の起請文の話とか、一番人気の熊野三山で配られる熊野牛王符が大変人気で、その眷属が八咫烏という話をこの物語に使おうと思った時がさぁ大変。
そこまで詳しく説明するなら、グレイブ(ラーイ)を異世界転生か異世界転移かそもそも世界設定を同世界軸のSFにするしかないぞ!!! ということで、一瞬悩んだ結果SFになりました。
一番悩んだのは、わりと…世界設計は作れたけど……これ……短編で収まる?
ということで、本編に不必要なバックボーンはすべてここに置いてあります。
たぶん、追記忘れはないと思いますが、もしあったら加筆します。
追記:脳内音楽はずっとボカロの千本桜が流れておりました……!
では、長らく蛇足部分をお読みいただきまして、ありがとうございました!
次回からはハッピーエンドのその先、二人がただイチャイチャして傭兵がひどい目に合うおまけが始まります!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
106
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる