つもるちとせのそのさきに

弥生

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転.なゆたのかなたへ 伍

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伍.傭兵、神子と朝寝がしてみたい。


 お風呂上りでつやつやとしているジーンと、ベッドの上で向き合う。
 白い寝巻用の着物に着替えたジーンは、頬が火照っていて、乾かした髪を片側に流している。
 首筋とかがとても艶美で、もう俺の息子は期待に膨らみそうである。
 ステイだ。待つのだ、息子よ。まだ、早い。

「さて、坊ちゃん。本日が拡張10日目ですが」
「ああ! 昨日指が4本も入ったし、もうそろそろか?」
「そうですね。坊ちゃんの中も昔の記憶を取り戻してくれたようで、おそらく今日は最後まで行けるかと!」
「そうか! では! 来い!」
「情緒!!!!」
「むぅ、そうだったな。お前はそういうのを気にする奴だったな」

 とさっと広いベッドの後ろに倒れこむジーン。
 艶やかな白い髪がベッドに広がり、とろんとこれからの夜伽を期待するかのように赤い瞳が潤んでいる。

「お前の一部を私の腹の中のここまで捩じ込むのだろう? 私は小柄だし、お前の大きなものだったら臍の上あたりまで届いたからな。拒否権? あるはずがないだろう。絶対に……。絶対に……ねじ込むのだぞ。そのために毎日洗浄と拡張を必ずしていたのだからな」
 ジーンの華奢で綺麗な指が薄い腹の上を艶美になぞる。

 ああ、この言葉は……旅の終わりに俺がジーンに言った言葉の反転で……。

「ジーン、今日は途中で止められませんからね」
「ふふっ望むところだ」
 ギシリとベッドを軋ませて覆いかぶさる。


「あ、違った。くっお前のような下種にこの神聖な神子である私が犯されるなんて! いや! やめろ! お前のその大きなブツで私を蹂躙する――もがっ」
「いいから!!!! そういうリップサービスは今はいいから!!!!」
「かぷっ……ぷはっ……そうなのか? お前の好きなくっころだぞ?」
久方せんねんぶりなんですから!! 普通に愛し合いましょう!!!」
「といいながらお前のズッキーニは狂暴にコンニチワ! しそうだぞ?」
 べろりと俺の下着を雑に剥かれる。ボロンと零れ落ちてきた俺の息子は俺の意志に反して元気よくコンニチワ! している。
 もおおお。

「………また今度サービスしてください」
「うむ! 任せておけ!」

 はー、興奮を口から吐き出し、俺の息子にゴムを取り付ける。
 先端をしっかりと取り付けてから、下生えを巻き込まないようにくるくると根元まではめる。

 イランイランの香油が配合されたローションをたっぷりと掌に出すと、少し捏ねてからジーンの薄い腹から下腹部まで広げていく。
 ジーンは少しくすぐったかったのか、くすくすと笑いながら準備をしていた俺の首筋に手を伸ばし、ぐっとベッドに引き寄せる。

 子猫のように舌をちらりと出して甘えてきたものだから、その可愛らしさに耐え切れなくなってその舌をむようにキスをしていく。
 大胆に誘ってきたくせに、慣れていないその舌が口の中に逃げたのを追いかけ、口内を蹂躙していく。
「んむ……んん……ふはっ」
 着物の胸元をはだけ、ローションを塗りこめていく。可愛らしい胸元の淡いピンク色の突起をぐっと刺激していく。
 息継ぎの暇を与えず、舌を吸い唾液を啜り、ジーンの感度を高めていく。
「はふっ……ひゃ……まって……」
「……もう降参ですか?」
「お胸は……なんだかお腹の奥がじんじんする……」
「今度はゆっくり、あなたの身体を開拓していきますからね。どこもかしこも、俺の指が滑るだけで感じてしまうように……」
「んむ……お前だけが……余裕があるようでズルい…!」
「余裕、あるように思えますか?」

 ジーン、俺はあんたが思っているよりもずっとけだものなんだよ?

 そっとジーンの硬く主張をし始めてきたものを撫でる。
「いい子ですね。そう、気持ちの良いことをいっぱいしましょう」
 くたっとしたジーンからゆっくりと着物を剥ぎ取る。
 どこもかしこも白くて美しい。

 唯一、桃色の線が残る手首が痛々しいほどだ。
 片手でその傷を覆い隠すように指を絡める。

 男の象徴ですら綺麗なジーンを撫でて擦って揉みしごいて、可愛くぷるりとしている睾丸すら愛でていく。

 びくびくっと反応するジーンが「やぁ……ん……ふっ……」と恥ずかしがるものだから、直接的な刺激で追い詰めたくなる。
「一度出しちゃいましょうか」
「んっまだ……お前は全然……そんな感じじゃないのに……っ私だけ……」
「俺は全部あなたの中で出すって決めていますから」
 絡めた指を口元に持っていて、はむりと口に含む。
 指に軽く歯を立てながら強くジーンのペニスをしごくと、ぴゅるりっとジーンが果てた。

 まだ快楽の波の中にいるのだろう。
 はふはふと荒い息を吐いている。

 指をはむはむと甘噛みしながら、ジーンの腹を撫でる。

「少し緊張は解けましたか? そのままとろとろとしていてくださいね。今から中を解しますから」
「ん……ふ……んん……」
 潤んだ瞳でこくりと頷く坊ちゃんが可愛すぎて、つい指に歯を立ててしまった。

 力の入っていない片足を持ち上げると、吐き出したもので少し濡れている下腹部に手を差し入れる。
 臍の下から薄い下生えをなぞり、一度吐き出したためにくたりとしている部分を避けて、会陰を少し刺激してその下に。

 この10日間、毎日指を入れて拡張していったその窄まりは快楽のためにか少しひくひくとしていた。

「ジーン、この窄まりに今日は全部入れていきますからね」
「ああ、とても、待っていたのだ……んくっ……お前の全部を……」
 ひくひくとしている窄まりに温めたローションで濡れぼそった指をぬちりと入れていく。
 ゆっくりと一本。
 中の襞をなぞるように撫でていき、もう一本をゆっくりと増やしていく。
「んんっ」
 甘やかなジーンの声を頼りに、前立腺もかすめていく。
 強くは刺激しない。一度イッた後だ。過度な刺激は辛いだろう。
 だからじんわりと、ゆっくりと中の感度を上げていく。

 だいぶ最初の刺激から落ち着いてきたのだろう。
 ジーンが身体を起こして俺に縋り付いてくる。
 本当ならばベッドに倒れていてくれたほうが解しやすいんだけれど、重心をずらしてジーンを抱きしめながら解していく。

「ふ……ん……」
「そう、いい子ですね坊ちゃん」
 三本に増やしていく。
「お腹の……奥が……寂しい……」
「今埋めてあげますからね」
 四本目まで入っていった。
 淵が限界まで伸びていて、指の根元でゆっくりと刺激するが、そこは準備ができたと言わんばかりにくぱくぱとしてる。

 ジーンの手が俺の下腹部に伸びてきて、もしかしてしごいてくれるのかなと期待する。

 くるくる……ぱちん。
「坊ちゃん……なんでせっかくはめたゴムを取るんですか」
「中は綺麗にしたぞ」
「俺がね。存じていますよ」
「中で出すんだろう?」
「あれは比喩で……ああもう。お腹壊すかもしれませんよ」
「昔はあれだけ嫌というほどに注いでいたのに」
「あれは魔素が……いや、確かに零れるほどに何発も注いでいましたね!」
「お前がきちんと処理をすれば私は腹を壊さない」
「そりゃそうですが……」
「お前は、出した後に後処理もせずに放置するような酷い男なのか?」
「………っ」
 そんな無体を働けるわけがない。
 大切な…大切なジーンに。

「結腸口を越えて奥の奥まで注ぐんで、覚悟しておいてくださいね」
「ああ、お前の一滴も零さないように腹の奥で飲み干してやろう」
「もう! 煽らないでくださいませんかね!!どうなっても知りませんよ!!」
 抱き締めたジーンの白い首筋をかぷかぷと甘噛みする。

 今度こそシーツにジーンを押し倒し、足を抱える。
 くぱくぱと誘う窄まりに、ごくりと唾を飲み込むと、俺の期待に膨らんだ息子をくちりと押し当てる。

「行きますからね。息、ゆっくりと吐いてくださいね」
「ふふ……待っていた」

 ぐっと中に捩じ込む。
「ふっ……は……あっ……」
 ジーンの喘ぎに苦しみが少しだけ滲むけれど、ぐっと柔らかな尻を押し開き、中に収めていく。
 指で解したとしても、俺の一物は少々デカイ。
 みちりと中を満たしながら、ゆっくりゆっくりローションのぬめりを手助けに中に入っていく。
「あふっ……ぐっ……」
 前立腺を暴力的に圧迫しながら、その奥まで亀頭を押し込んでいく。
 中の襞が蠢いて搾り取ろうとする。
「く……」
 ああ、本当に……夢にまで見た、彼の中は本当に理性をすべて奪い去る。

 無理矢理ねじ込み奥まで叩きつけ、この狭い中を壊してしまうほどに俺のペニスで貫いて思うままに動きたい……。

 そんな衝動をぐっと堪える。
 俺がしたいのは性的衝動に身を任せることではない。

 俺がしたいのは……。

「らーい……もっと……いいのだぞ……んくっ……わ……わたしは……だいじょうぶだから……」
 潤んだ瞳で、ジーンがふっと身体の力を抜こうとする。
「……坊ちゃん、とても……気持ちがいいです。まだ、全部入れてないので……もう少しだけ中に入ってもいいですか?」
「ふふ……しょうが……ないなぁ……ふふっ……いいぞ……私の一番奥までお前を刻ませてやろう……」
 美貌の青年がふわりと微笑むと、それだけで 心の奥底から感情が湧き上がる。

 これは俺のだ。
 この愛しい人は、俺のだ。
 分かたれるのが苦しく、離別を想うだけで心の臓が止まりそうになる。

 俺の、つがい

 そしてそれ以上に……。

「ありがとうございます……坊ちゃん。……ジーン。俺のすべては丸っと全部“あなたのもの”です。俺の全部を貰ってください」
「ははっ……当然だ」

 ──俺のすべてを、この人に捧げたい。

 中を俺で慣らすために小刻みに拡張していく。
 ごりごりと抉ってしまう前立腺に、ジーンの快楽が深まっていくようだ。

 ずっずっと奥まで貫く回数を増やしていく。
 とん、と中の奥を強く刺激してしまう。
「はうっ……っ」
「いい子ですね、坊ちゃん。今、結腸まできましたよ。ここの奥まで入れていきますからね」
 “ここ”にはまた一層感じる部分があるらしい。俺の亀頭が入りきらないそこをトン…トンと刺激して開いていく。

らい、らーい、せつない………奥………おく………もう……っ」
「もう少しです、そういい子だ。少しいきんで……」
 耳元でささやいただけで身体が跳ねる。
 ぐぷっと奥が開いた瞬間に捩じ込む。
「ひぁああっ……っ」
 びくびくっと跳ねる身体を捻じ伏せ、ジーンの中に捩じ込んでいく。
 ぱちゅんとジーンの尻に俺の睾丸が当たる。
 ぐっぐっとそれでも奥まで身体を押し当てる。

「全部、入りましたよ」
「はぁ……はぁ……んくっ……ほんとうか?」
 汗ばんで、額に張り付いた髪を横に分ける。
「ほら、あなたの腹のここに、俺のが入っているのがわかるでしょう?」
 体格差のためにジーンの薄い腹が少しだけ膨らんでいる。そこを外から撫でると、中が蠢いた。

「ふ……ふふ……本当だ……全部、お前が入っているな」
 ジーンの手がその腹を撫でる。その様子がとても嬉しそうで、衝撃で零れた彼の涙を拭きとる。

「馴染むまで、もう少しこのままにしますよ」
「ああ、本当に……お前が全部ここに……ふふ……ずっと、夢見ていた……」
 ああ、可愛いことを言わないでくれませんかね。
「はうっ……また、大きくなった。……お前の息子は正直だな……」
「主人と似てジーンが大好きなんでね」
「ふふ……いつも…もし目覚めたら、お前がいない世界に戻っていたらどうしようって(…思うのだ」
「……っ」
「手に触れて、指を絡めて、お前の存在を確かめていても……無性に不安になることがある」
 ジーンは穏やかな声で俺の息子を収めた腹を撫でる。

「黒い葉が落ちる大樹に語りかける日々に戻ったら、お前がいない日常に戻ったら、今度は狂わずにいられるだろうか?」

 そして、唐突に思い出す。


 抱っこをせがむ帰り道。
 食事を作る時ですら背中に張り付いて。
 汗を流すためのシャワーの間ですら離れなかった。

『仕方がないな。5分だけ許すぞ』

 そう、片時も自身の傍から俺を離さなかったのは。

「ぐっ……かはっ……おい! い、いきなり、中に入ったまま抱きつぶすな!!!」
「坊ちゃん、ずっと、一緒です。ずっとずっと…もう、離れることはないです」
「ふっ……当然だ! 離れるなんて許さないぞ!!」

 ただ甘えていただけじゃない。
 あれは、不安の表れ。

「……ここに、お前を収めていると、お前と過ごした100日を思い出す。あの日々は、間違いなく私にとって“幸せ”だった。未来を考えず、明日を信じることができた。お前がいることが当たり前だと……」
「俺にとってもそうですよ。あの100年だけじゃない。その前の旅の日々だって。俺の死んだ心を揺さぶり続けるジーンとの日々は幸せだった。じゃなきゃ、100年も……戦い続けるなんてできるわけないじゃないですか」
「ふふ、私と一緒だな。……これから……もっともっと……愛し合おうな」
「ええ、もちろんです。ジーンがお腹いっぱいって言うぐらいに」
「ははっ……お前は性獣だからな。私がたっぷり満たしてやろう」

 ジーンの瞳から流れていた涙をぬぐい、そっと口付けをする。

「この性獣めは、もうそろそろ限界が近いので……あなたの中を穿ってもいいでしょうか?」
「ふふ、しょうがないな。私の腹でいい子いい子してやろう」

 慈愛に満ちた微笑で腹を撫でるものだから。

 ずるりと半分ほど引き抜き、一気に穿つ。
「はうっ……ふ……ん……」
「はぁ……はぁ……っ」
 ジーンの中が搾り取るように収縮する。
 最奥まで穿つたびに、俺のものが腹にうっすらと浮き上がり、ジーンの腹の奥まで貫いているのだと伺える。

 ぱちゅん……ばちゅんとジーンの尻に俺の下生えが当たる。
「ジーン……ジーン……もう……ぐっ」
「らい……らいっ……わ、わたしも……うぐっ」
 ずるんと亀頭が奥に飲み込まれる。
 その最奥に、すべてを注ぎ込むように果てる。
「はふ……あ……っおなか……おく……あつい……」
「はぁ……はぁ!…」
 ぐっぐっと断続的に注ぐそれが終わるまで腰を押し付けてしまう。

 とぷ……とぷとぷと注がれるのを、ジーンは愛しそうに腹を撫でる。
「あはっ……この熱……久しぶりだ……ふふ……嬉しい…」
「…………はぁ」
「んふっ……また……大きくなった……」
 ずるりと俺の息子を抜く。
 くぱりと空いた肛門が、ひくひくと艶美に縁を赤く染めている。
 けれど、俺のは奥に出し過ぎて、まだ溢れては来ないみたいだ。

「お腹……寂しい……らーい、もっとちょうだい?」
「……………っ」
 うああああ!!! うちのジーンが凶悪に可愛すぎる!!!

 まだとろんとしているジーンを今度は四つん這いにさせて、その後ろに元気になってきた息子を宛がう。

「坊ちゃん、もっと深く繋がりましょうか」
「ふぇ……ジーンになら……いいぞ……?」
 一度出したというのに元気にコンニチワ! ってしてきた息子を、ぷるりと旨そうなお尻に宛がう。
 まだくぷくぷしている穴にぐぷりと挿入し、一気に貫く。
「ふあっ」
 下腹部を尻に押し付ける様にすべてを挿入する。
 腰と腹を押さえて、がくがくとしているジーンを支える。

「そうです、上手ですね。坊ちゃん」
「んっあっ……」
 先ほどよりも激しく腰を振る。
 一度中を拓いたことで上手く道が作れたのか、ずるりと入口まで引き抜き、一気に挿入しても中の抵抗は少ない。
 ストロークを長く、中を穿つ速度を速める。
「はっ……あっ……はげしぃっ……ひぅっ……も……もう……」
 華奢な身体に下腹部を叩きつけ、その身体が快楽に跳ねるたびに腰と腹の腕で支える。
「先に一度イっても大丈夫ですよ」
「ひぅ……んんんっ!!!」
 ばちゅんと大きく穿つとびくびくっと身体が跳ねて、ぱたたっとジーンが精を吐き出す。
 その白い美しい背中に唇を当て、跡を残す。
 もう自身の腕では支えきれなくなったのか、上半身がシーツに沈む。
「ま、まだ……いっ……てぅ……あっ……!!」
 快楽に敏感になっている身体に覆いかぶさり、俺はそのまま穿ち続けて中の奥に注ぎ込む。
「く……」
 びくびくと収縮する中が最後の一滴まで搾り取ろうと収縮する。

「はぁ……はぁ……おなか……ふ……くれて……きた……」
 その首筋に口付けを落としながら、俺はうっとりと美しい人を組み敷く。

「ジーン、まだ、俺のを美味しく飲み干せますね?」
 目を赤くしながらジーンは振り返る。

「……のぞむ、ところだ」


 くたりとしたジーンをそのままシーツに押し倒し、片足を上げて松葉崩しのように交わる。
 何度も体位を変えて、夜が明けるまで貪欲に求め合った。
 どれだけ果てても、どれだけ注いでもいつまでもその身体を組み敷きたくなる。

 何度も果ててしまったために、ぐぷりと白濁が中から溢れ出てくるほどに。
 ジーンもイキすぎてしまって、最後には空イキのような状態で、俺に揺さぶられるばかりだった。



「お前は本当に性獣だな」
「返す言葉もない」
「性欲の塊」
「その通りでございます。でも坊ちゃんだって止めなかっただろう」
「まぁ、お前の与えてくる愛は過剰だが……悪くない」
 大量に中に吐き出してしまって、掻き出すのが大変だったが……何とか事後処理をして蒸しタオルでジーンの身体を清める。
 シーツは、実は2枚ダメにした。
 替えたばかりのシーツで2発中に注いでしまったために、もう一枚お代わりする羽目になった。
 全部俺のせいだが。

 清潔なシーツの上でくたりとしている美しい人は、手をんっと伸ばしてくる。
「ほら、はやく私を抱きしめるのだ」
「仰せのままに」
 抱きしめてシーツに沈み込む。
「まだぐぷぐぷしている……」
「本当ですね……俺の形になるまで拡張していきましょうね」
「ん」
 途中で意識を飛ばしたこともあったけれど、ずっと交わっていたのだ。眠いのだろう。

「らーい」
「なんです?ジーン」
「朝寝がしてみたいな」
 千年前にはついに叶わなかった、その願い。
 甘えたような、懐かしい呼び名に胸がぎゅっと満たされる。



「ええ、たっぷり朝寝坊をしましょうね。……ふたりで」

























 これは余談……いや、忘れて欲しい情報アーカイブだが。


 幸福なままに眠りにつき、ふっと意識を浮上させると、どうやら随分と寝坊をしてしまったようだ。
 窓側に写した外の様子から、太陽が高い位置にあるようだった。
 重い瞼をしぱしぱさせて、眠っていた愛しい人を探すが、俺の胸を枕にしていた彼の重みは無いようだった。

 あれ、俺のジーンがいない……。きょろきょろするが、ぼんやりとした頭が上手く動かない。
 もう起きたのかなと思ったけれど、もぞもぞとベッドの下の方で動く気配がある。
 下の方……というか、その俺の下腹部を覆うシーツがもっこりと膨らんでいる。

 うーん、俺の息子は朝から元気。
 あんなにも昨日搾り取られたのに、朝立ち…しているとか……。
 でもってもしかして、朝立ちを……こう……坊ちゃんが手でも口でもいい子いい子してくださる神イベントが始まったのかな? って。


 そんなスケベを期待をしたこともありました。


「くくっ……坊ちゃん、そこで何を……痛っ……いたた、痛ってー!!」

 いきなり俺の尻というか、腰にだんだんと叩きつけられる棒状のもの。
「な、何事!?」
 がばりとシーツを跳ね上げるとそこには……。

「なんでエクセントリックパレード状態のズッキーニくん9号が!?」
 そこには眩く七色に光り輝き左右にヴィンヴィンと勢いよく動きながら俺の尻を殴打する性具バイブを握る坊ちゃんがいた。

「ん? これはあの後改良したズッキーニくん10号だぞ? 動きの追加と自動ローション機能も完備した!」
 キラキラとした瞳で自信満々に言う坊ちゃんは大変可愛らしいが、持っているものは大層えげつなかった。

「な! なんでそんなものをもってシーツに潜っているんですか!!!」
「ん?らいを驚かそうと思って!」
「いやめっちゃ驚きましたけど!!!」
「うーん、なかなかうまく挿入できないな」
「そ、挿入!?」
「いつも雷が私の腹をごんごんってしてくれて、とても気持ちが良いからな。お前にもその気持ちよさを味わってもらうかと思って」
「ふぁっ!?」
「それに、ほら、昔のアーカイブで見たことがある。私みたいな華奢な青年がお前みたいな体格の良い者を組み敷く……えーと……」
 俺はレインボーに光りながら俺の尻を殴打するズッキーニくん10号をがんばって奪い取ろうとする。


「そう! こういうのが下克上っていうのだろう?」

「させねえよ?????」

 なんて恐ろしいことを考えるんだ!!! このクソ坊は!!!
「えー、でもお前の汚い尻に私のを突っ込むのは嫌だし」
「言い方!!!」
「どちらかというとお前のズッキーニで私の中を可愛がってもらいたいから」
「お、おう」
「残された選択肢はお前のズッキーニと同じ大きさの玩具ズッキーニをお前の尻に入れるしかないかなと」
「なんでだよ!!!!」

 なんとか無事、暴れるズッキーニくん10号を奪い取って遠くに投げ捨てる。
「あっああっ! 私の可愛いズッキーニくんに何するんだ!」
「あのね! それはこっちのセリフです坊ちゃん!!! そもそも俺は坊ちゃんしか抱きたくないの!! それに、あんなデカイものを慣らさずにぶち込むとか俺の尻を破壊するつもりですか!?」
「同等のものをお前は私に入れているが」
「滅茶苦茶慎重に拡張してから入れてるでしょう!!!」
「むう」
 膨れる彼をぎしりとシーツに組み敷く。

「わかりました。坊ちゃんの考えはよーくわかりました」
「ん? わかってくれたか??」

「そんな恐ろしいことを考える隙などないほどにどっろどろのでっろでろに」
「うん?」
「ぶち犯します!!!」


 こうして朝から2時間コースで声がでないほどに喘がせて、返り討ちにしましたが。




 たまにズッキーニくんを片手に尻を殴打してくる坊ちゃんに。
不可思議ふかしぎ世界の俺が泣いた。

 もちろん、毎回全力で返り討ちにしてやりましたけどね。


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