吸血鬼の花嫁です

蘭桜

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七章

披露宴

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あの日から約一ヶ月たち、シャルさんが血を吸うことに慣れてきた…
でも、まさか……披露宴があるとは思わなかったな……
え?何が不安かって?そりゃ、吸血鬼に会うんだよ!
シャルさんは、優しいけど……こ、怖いものは怖いでしょ……
吸血鬼……ほんとにいるなんて知らなかったし……
それにシャルさんに慣れるのも何ヶ月かかったとおもうの!
「おい」
!?
「え、シャルさん!?」
わわ、びっくりした……
「なに百面相してんだよ」
「し、してませんよ!」
うわー見られてたー!!!
「ふぅん、それよりドレス届いたぞ」
え?はやいな、
「どんなドレスなんですか?」
私はどんなドレスかしらない、教えてもらってない
シャルさんがデザインしたらしい
「サイズあってるといいけどな、はいらなかったら笑うぞ」
笑うぞとか言ってる前にもう笑ってるじゃん
「むぅ、大丈夫ですよ!」
ククッと笑うシャルさんをほっといてドレスの所まで歩いていく
でも……確かに……だ、大丈夫かな?…大丈夫だよね、…
心配だーーー!!
ドレスを出し見てみるとすっごく綺麗だった…ウェディングドレスみたいな真っ赤なドレスに色んな宝石がついている…
き、綺麗………
「え、似合う…のかな……?」
うわー、難易度が高いな…こんなの着こなせる?
「シキさん」
呼ぶと黒い影から現れた
「お呼びでしょうか」
「髪型……お願いできますか?」
ゆっくりと頷いた
「ちょっと着替えてきます」
「はい」


うわぁ、凄いな、シキさん器用すぎ……
今回はハーフアップに編み込みって感じでとても可愛い感じだ
「凄いなぁ……」
うん、でもびっくりしたのはドレスが地味にぶかい……そのため宝石がついているベルトをおなか周りにまいた
「なんだ、でかいのか」
おもしろくなさそうに見るシャルさんにむかって嫌みっぽく
「ご期待に添えなくて申し訳ございませーん」
「ふんっ」
すねたようにそっぽを向いた
か、かわいい笑
ちょっとほっぺが膨らんでる…
「ぶっふふふふふ」
と笑ってる私のほっぺを摘まんで横にひっぱった
地味に痛い……
「シャルはんひみにいひゃいです!」
「うわ、よく延びるな」
「う、うるひゃいです!」
早く離せーというように手をポカポカとシャルさんの胸をたたいてるとシキさんが影から出てきた
「いちゃつくのは披露宴が終わってからにしてくださいよ」
「い、いひゃふいてまへん」
早く離せー!
「そうだな、終わったらいちゃつくか」
はい!?
「遠慮しときます!」
ククッと笑ってきたシャルさんをすこし睨みながら
「もうそろそろじゃないんですか!」
と言うとあぁそうかというように私の手を取ってきた


披露宴会場……
えっ、私の住んでるお城よりでかい!
唖然としてる私にシャルさんが
「お前はパーティーに紛れ込んどけ、俺が紹介するときに前に出てこい」
「了解です」
私が言うとシキさんが私の手を取って歩き出した
てか、シキさん服が執事服になってる!?
わわ、かっこいい……


中に入るとよけい豪華
大理石の床に真っ白な壁そして凄いでかくて綺麗なシャンデリアンを中心に周りには少し小さめのシャンデリアンがある
す、すごい……
すると後ろからひそひそ話が聞こえてきた
「ねぇ、聞いた?シャル様結婚されたらしいわね…」
「聞きましたわ、ほんとにびっくりですわよね」
「誰だと思います?」
「そりゃ、イライザ様ではなくて?」
「そうですわよね、私も思いましたわ」
……?イライザ様?
誰だろう……
「一番中がよろしいものね」
「そうそう、噂では、愛人らしいわよね」
愛人………?
「それでイライザ様じゃなかったらびっくりですわよね?」
ち、違うんだけど……
うぅっそれほど美人なの……かな…
ごめんなさい私みたいな平凡な女で……
「ほら、噂をすれば…」
「イライザ様だわ、」
え?
「どこにいらっしゃるの?」
「あそこよ、シャル様の隣よ」
え?わわ、綺麗……綺麗すぎて直視できない……
金髪に綺麗な赤色の瞳……
私は黒髪に…黒い瞳……
悲しくなるなぁ……
仲…いいな……
心の奥がもやっとしている…何だろうこの感情


リンリンリンリンリン
ベルの音が鳴り響いた
 何だろうと思いながら音が鳴った方を見るとシャル様とシャル様そっくりの人にシャル様と同じ目をしてる人がいた
「あちらわ?」
とシキさんに聞くと
「シャル様そっくりのお方がお母様…シャル様の目を持っているお方がお父様です」
え……あれが私の義理のお母様とお父様?
レベルか高すぎて……身が引けるな……
「みなさまご存じの通りシャル様は結婚なさりました…その方を紹介させていてだきます。」
歩いていこうと思っていたのに足が…動かない……
そっか私怖いんだ……皆、綺麗すぎて笑われそうで足がすくんでる……
目をつぶってぎゅっとしてたら
「お嬢様?」
シキさんが呼びかけてきた…
「シキさん…」
シキさんがハッとして前を見るとびっくりした顔をしたので私も前を見ると…シャルさんがいた…
シャルさん……
私に手をさしのべてきた
私がその手の上に置くとエスコートするように私の手を引いて前までいった
後をついていく私に、
「大丈夫…とても綺麗だから」 
初めて誉められた……
そんなことを思っていたらいつの間にか前までいっていた
ザワザワと人が騒ぎ始めたら王様が杖をものすごい音でついた
ドンっ……
いっきに人が静まった
お義理母様が私の手を取りこういってきた
「とても綺麗な髪に瞳ね…」
びっくりして目を見開いているとお義理父様が私を見て
「息子をよろしくお願いします」
と言ってきた
!!まさか…こんなに早く認められると……
シャルさんが少し照れくさそうにしている
おおっ!レアだレア!

そんなノンキなこと思っていたから気づかなかった
気づくべきだったのに……
誰かが……
私のことを
冷たい目で睨んでいる
こと………を……
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