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7 結婚報告
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昨日は疲労が限界に来ていたのか、初めての部屋ではあったが、目を覚ますと起きる時間になっていた。
朝の支度を部屋で済ませると、そっと廊下に出る。
(食事は別々に食べるって言った気がするな)
1階に降りて食卓やキッチンを確認すると人の気配は無かったので、少し胸を撫で下ろした。
(彼はもう出勤したのだろうか?)
国が用意してくれていた食材があったのを昨日見つけていたので、朝食のためにキッチンを漁ろうとしたが手を止める。
共有スペースは彼が掃除してくれるらしいが、細かなルールを思い出し、触るのも面倒になって王宮の近所のカフェで朝食を食べることにした。
******
まだ現実と思えない状況に、ぼんやりとテラス席で食べていると向かいの席に誰かが座る。
顔を上げると、同じ魔法増強が使える数少ない後輩のアルノーが座っていた。
アルノーは黒髪に青い瞳で、顔立ちのいい彼の耳にはピアスがじゃらりと付いている。
なぜかいつも隣にいる弟のような存在だ。
「昨日の先輩、様子がおかしかったっすよね。なんかもう魂抜けてったて感じ?」
砕けた口調で話す彼は、誰に対してもこんな距離感なのだ。
「あー、そうだった?」
適当に返事をするが、アルノーは気にせず食べる私を見ながら喋り続ける。
「イジろうにも、なんか誰も触れちゃいけない雰囲気で、ユリアさんにも本気で怒られましたし・・・これでも俺、心配したんすよ?」
「ありがと」
「もー先輩!さっきから適当に返事しすぎじゃないっすか」
「ごめんごめん、サンドイッチ分けてあげるから許して」
アルノーに残りのサンドイッチを皿ごと渡すと私は席を立った。
「先輩が食べ物くれるなんて、やっぱおかしいっすよー!!!」
後ろから声が聞こえてくるが、無視して職場へ向かった。
******
魔法支援室に入ると、ユリアさんの姿があった。ユリアさんは私を心配していつもより早く出勤してくれたのだろう。挨拶を済ませると、昨日の部屋に来るように促してくれた。
部屋に入ると、昨日と同じくユリアさんは隣に腰掛けて私が口を開くのを待っていた。
「ユリアさん、私結婚する事になりました」
昨日の出来事からは想像出来ない言葉に、ユリアさんは固まっている。
「え・・・結婚?」
昨日王家の間であった出来事を簡単に説明すると、ユリアさんは黙り込む。
「それは強制的過ぎるわ・・・確かに私達は恋に落ちにくい。だからといって伴侶システムが特殊に作動すれば、本人の気持ちを関係無しに国の繁栄のために結婚させるなんて、あまりにも・・・勝手過ぎる」
私が言いたかったことをユリアさんが代弁してくれて、昨日で全てを諦めていた私は少し気持ちが楽になった。
「ユリアさん、ありがとうございます。私はとりあえず生きて帰ってこれただけで、良かったと思っているので」
私は嬉しくない感情に俯く。
「ただ、結婚するにしても相手に問題がありまして・・・」
「相手は誰なの?」
「魔法研究室のミハイル・エンリーです」
「ええ!?・・・それはなかなか・・・大変そうね」
私の幼なじみ、ミハイル・エンリーは
魔力持ちの象徴とも言える銀髪ロング
体格もしっかりしていて高身長
垂れ目で甘い雰囲気を醸し出し
深い紫の瞳は誰もを魅了するほど美しく
綺麗な唇の形は赤く艶やかだ
立っているだけで目立つ顔は、まさに容姿端麗と言える。
また、王宮でも100年に1度の逸材と言われ、魔力室の中でもエリートの魔法研究室で功績を挙げ続けているらしい。
しかし性格に難アリ。
潔癖症で他人と何かを共有するのが無理らしく、何でもはっきりと物事を伝える性格なため、彼の見かけやステータスで興味を持って近寄った人は男女関係なく、彼のギャップにうんざりするらしい。
それでもめげない女性職員は何とか食事を誘うことに成功したが、一番高給取りと言われている部署におりながら「君の昼食代を払う必要性を感じない」と言い放ち、割り勘にしたことによって王宮では伝説となり、女性職員達からは懸念されている。
私も昔の因縁から彼と関わるのは遠慮していたため、王宮に入職していることも伝えてはいないし、あの時以来一切会話せず過ごしていた。
幸い、彼の魔力塔とは離れており顔もほとんど合わせることは無かった。
そんな彼と結婚しないといけないなんて・・・私は伴侶システムを恨んだ。
朝の支度を部屋で済ませると、そっと廊下に出る。
(食事は別々に食べるって言った気がするな)
1階に降りて食卓やキッチンを確認すると人の気配は無かったので、少し胸を撫で下ろした。
(彼はもう出勤したのだろうか?)
国が用意してくれていた食材があったのを昨日見つけていたので、朝食のためにキッチンを漁ろうとしたが手を止める。
共有スペースは彼が掃除してくれるらしいが、細かなルールを思い出し、触るのも面倒になって王宮の近所のカフェで朝食を食べることにした。
******
まだ現実と思えない状況に、ぼんやりとテラス席で食べていると向かいの席に誰かが座る。
顔を上げると、同じ魔法増強が使える数少ない後輩のアルノーが座っていた。
アルノーは黒髪に青い瞳で、顔立ちのいい彼の耳にはピアスがじゃらりと付いている。
なぜかいつも隣にいる弟のような存在だ。
「昨日の先輩、様子がおかしかったっすよね。なんかもう魂抜けてったて感じ?」
砕けた口調で話す彼は、誰に対してもこんな距離感なのだ。
「あー、そうだった?」
適当に返事をするが、アルノーは気にせず食べる私を見ながら喋り続ける。
「イジろうにも、なんか誰も触れちゃいけない雰囲気で、ユリアさんにも本気で怒られましたし・・・これでも俺、心配したんすよ?」
「ありがと」
「もー先輩!さっきから適当に返事しすぎじゃないっすか」
「ごめんごめん、サンドイッチ分けてあげるから許して」
アルノーに残りのサンドイッチを皿ごと渡すと私は席を立った。
「先輩が食べ物くれるなんて、やっぱおかしいっすよー!!!」
後ろから声が聞こえてくるが、無視して職場へ向かった。
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魔法支援室に入ると、ユリアさんの姿があった。ユリアさんは私を心配していつもより早く出勤してくれたのだろう。挨拶を済ませると、昨日の部屋に来るように促してくれた。
部屋に入ると、昨日と同じくユリアさんは隣に腰掛けて私が口を開くのを待っていた。
「ユリアさん、私結婚する事になりました」
昨日の出来事からは想像出来ない言葉に、ユリアさんは固まっている。
「え・・・結婚?」
昨日王家の間であった出来事を簡単に説明すると、ユリアさんは黙り込む。
「それは強制的過ぎるわ・・・確かに私達は恋に落ちにくい。だからといって伴侶システムが特殊に作動すれば、本人の気持ちを関係無しに国の繁栄のために結婚させるなんて、あまりにも・・・勝手過ぎる」
私が言いたかったことをユリアさんが代弁してくれて、昨日で全てを諦めていた私は少し気持ちが楽になった。
「ユリアさん、ありがとうございます。私はとりあえず生きて帰ってこれただけで、良かったと思っているので」
私は嬉しくない感情に俯く。
「ただ、結婚するにしても相手に問題がありまして・・・」
「相手は誰なの?」
「魔法研究室のミハイル・エンリーです」
「ええ!?・・・それはなかなか・・・大変そうね」
私の幼なじみ、ミハイル・エンリーは
魔力持ちの象徴とも言える銀髪ロング
体格もしっかりしていて高身長
垂れ目で甘い雰囲気を醸し出し
深い紫の瞳は誰もを魅了するほど美しく
綺麗な唇の形は赤く艶やかだ
立っているだけで目立つ顔は、まさに容姿端麗と言える。
また、王宮でも100年に1度の逸材と言われ、魔力室の中でもエリートの魔法研究室で功績を挙げ続けているらしい。
しかし性格に難アリ。
潔癖症で他人と何かを共有するのが無理らしく、何でもはっきりと物事を伝える性格なため、彼の見かけやステータスで興味を持って近寄った人は男女関係なく、彼のギャップにうんざりするらしい。
それでもめげない女性職員は何とか食事を誘うことに成功したが、一番高給取りと言われている部署におりながら「君の昼食代を払う必要性を感じない」と言い放ち、割り勘にしたことによって王宮では伝説となり、女性職員達からは懸念されている。
私も昔の因縁から彼と関わるのは遠慮していたため、王宮に入職していることも伝えてはいないし、あの時以来一切会話せず過ごしていた。
幸い、彼の魔力塔とは離れており顔もほとんど合わせることは無かった。
そんな彼と結婚しないといけないなんて・・・私は伴侶システムを恨んだ。
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