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51 愛のプレゼント
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食堂を出ると、私は一旦女子寮に戻ることにした。アルノーは入口までついてきてくれるみたいだ。
「もう荷物はほとんど無いんじゃないっすか?」
「今日は周りの視線が凄いし、1人でゆっくりする時間が欲しいの」
「便利っすね」
「ほんとそうなの、一生女子寮に住んでたい」
「別居婚でいいんじゃないっすか、先輩の大好きな食堂もすぐ行けますし」
「魅力的ね・・・王宮の女子寮に住む奥さんってすごい話題になりそう」
お互い顔を見合せて笑う。いつも通り冗談が言えるこの距離感が心地いい。
「アルノー、昨日のピアス着けてるんだね」
「持ってないタイプだったんで、気に入ってます」
昨日私がした耳を指差す同じような仕草をするので、また笑ってしまった。
「ふふっ似合ってるね」
「先輩もピアスしてくれてるんですね。嬉しいです」
貰ったピアスに甘い視線を感じると、告白されたことを思い出し目が泳いでしまう。
「ほら、そんな顔しないでくださいよ」
覗き込んだアルノーの笑顔が私の手に視線を移す。
「先輩・・・指輪の場所、付け替えたんですね」
指輪をしている手を持ち上げた。
「ああ、借りてたのを返したらこの指に着けとけって」
「これは・・・対抗されてますね」
「そうなの?外しちゃダメなのかな」
「いや~多分これ外すと、すっ飛んで来ると思いますね」
「どんな付与効果があるかわかるの?」
「それは、俺の口から言えないっす」
「・・・呪われてないといいけど」
アルノーは大笑いしながら私の頭を撫でる。
「ははっ、まあー大丈夫じゃないんすかね」
「仲がいいな」
後ろから冷たく声をかけられる。
振り返るとミハイルが立っていた。
ここは寮へ向かう道なので人通りは少ないが、それでも注目を集めている。
「アルノー、行こ」
「えっ、はい」
注目を集めたくなくて、無視して立ち去ることにする。
勝手に付与効果のある指輪を着けられて、少しイライラもしていた。
(着けるにしても、説明ぐらいしてくれてもよくない?)
ガシッーー
ミハイルに後ろから手首を掴まれると、どんどんと歩いて行く。
彼の力が強すぎて抵抗できない。
「ちょっと!」
私の手を引いたまま一緒に女子寮へ入っていく。
「待ってよ!女子寮に入っちゃダメだよ」
入口で寮母さんに止められると思いきや
「妻の荷物が残っているので、一緒に引き取りに来ました。入室の許可を頂けますか?」
すんなりと許可がおり、通される。
私はそのやり取りに呆然としていると
「部屋はどこだ」
「・・・そこの奥の角部屋だよ」
また腕を引っ張られ強引に部屋の前まで連れて行かれる。
「開けろ」
力強さに恐怖し部屋の鍵を開けると、彼の手に鍵を奪い取られた。
「ちょっと!返して!」
雪崩れるようにそのまま部屋へ押し込められる。すぐに後ろ手て鍵を閉めると、横にあるベットに押し倒された。
バフっ
「はあっ、はあっ・・・乱暴はやめてよ!あたなの勝手なところが大嫌いよ!!」
逃げられないように覆い被さると、紫の瞳が私を見下ろしている。
「そうか」
「もう!!退いて!」
じたばたする私の両腕をベットに抑え込むと、近くなった彼の鋭い視線に射抜かれる。
「指輪を外そうとしたな」
(お、怒ってる・・・)
「なんで、バレてるの・・・てかこの指輪、ただの指輪じゃないの」
「ああ、僕との結婚が決まった後に、すぐに作った特別付与が付いた指輪だ。その時の僕は君に渡す勇気が無かったが、昨日やっと渡せたんだ。
僕の命と引き換える程の価値がある指輪だ」
(なに・・・それ・・・)
私がパタリと抵抗しなくなったからか、両腕が解かれる。
「この僕と結婚するんだ。誰に何されるか分からない。
君を守るために作った世界に一つだけの物だ」
指輪をはめた左手にしなやかな指が絡められ、彼の口元に引き寄せられる。
指輪にそっと唇が触れた。
「だから外すな」
ミハイルの重たすぎるプレゼントに困惑する。
「困るよ・・・」
「ああ、困ってくれ、返却は却下だ」
「そんな・・・」
私の困っている表情が見えるように、顔にかかった髪を指で掬い落す。
「困っている君も悪くない。あと、この女子寮に帰るのは今日が最後だ。鍵は預からせて貰う」
「酷すぎるよ!」
「僕の事を嫌いになってくれて構わないが、浮気は許さない」
「浮気、じゃない」
「僕は、かなり嫉妬深いみたいだ。僕の居る家に帰って来ないことも、男と楽しそうにするのも許さない」
(アルノーとの会話、まさか聞いてたの・・・)
「無理だよ・・・」
「じゃあ君を閉じ込めておくしかないな」
新婚旅行の時のミハイルと同じ言葉を言われ、息を飲む。
「とりあえず休憩時間も残り少ない、部屋の荷物を片付けるぞ」
彼は私の上から退くと、部屋をまとめようとする。今まで9年住んできた女子寮とこんな別れ方はしたくない。
「待って!部屋は自分でちゃんと休みの日に片付ける。鍵はあなたが預かってくれていい。今日限り女子寮にはもう来ないから・・・お願い」
「はあ・・・片付ける日は僕もついていく」
「わかったよ」
「じゃあ出るか」
なんとか女子寮から魔法支援室に戻って来れた。
ミハイルの雰囲気に圧倒され、生きてる心地がしなかった。
(今日は家に帰りたくないな・・・)
憩いの女子寮を奪われ、散々な目にあった。
アルノーが心配して駆け寄って来る。
「先輩、怒られたんすか」
「だいぶね・・・」
「よく帰ってこれたっすね」
「瀕死だよ・・・」
「マール、ちょっとこっちに来て」
ユリアさんに呼ばれるといつもの別室に連れられる。
私はユリアさんに今朝のお礼を言う。
「ユリアさん、今朝私を庇ってくれてありがとうございました。本当にかっこよかったです」
「そう、良かったわ。周囲がこうなる事は、魔法にかかった時からわかってたことだしね。実際に元に戻ってどうなの?今はあまり顔色が良く無さそうだから、ここに呼んだんだけど」
私はミハイルが元に戻ってから、先ほどあったことまで簡単に説明した。
「そう、上手くいってるようで良かったわ。もう心配なさそうね」
「ええ!?この話のどこでそう思ったんですか?私今日家に帰りたくないんですけど・・・」
「すごく愛されているじゃない、証拠に立派な指輪もしてるし」
「この指輪ってそんなに立派だと、すぐに分かる物なんですか?」
「ええ、魔力の込められたアクセサリーには、かすかにオーラが見え感じるでしょう。マールの指輪は見たとこの無いオーラを放っているわ。普通の人なら近付きたくないわね」
(だから今日、注目の的になるはずだったのに全然話しかけられなかったのか)
偶然にも、着けられた指輪に守られていたのだと驚きを隠せない。
「私は全然感じ取れないんですけど、このオーラでみんなから嫌われないか不安です・・・」
「言っていいのか分からないけど、マールには悟られないように施しているのかもね。それに大丈夫よ。今日でわかったと思うけど、魔法支援室のみんなはそんな人達じゃ無いでしょ」
「ふふっ、そうでした」
「マール、今度こそ幸せにね」
私は思わずユリアさんに抱きつく。
「いつも私のことを思って下さって、ありがとうございます」
「うふふっ大事な仲間だもの」
ユリアさんは飛び切り美しく笑った。
「もう荷物はほとんど無いんじゃないっすか?」
「今日は周りの視線が凄いし、1人でゆっくりする時間が欲しいの」
「便利っすね」
「ほんとそうなの、一生女子寮に住んでたい」
「別居婚でいいんじゃないっすか、先輩の大好きな食堂もすぐ行けますし」
「魅力的ね・・・王宮の女子寮に住む奥さんってすごい話題になりそう」
お互い顔を見合せて笑う。いつも通り冗談が言えるこの距離感が心地いい。
「アルノー、昨日のピアス着けてるんだね」
「持ってないタイプだったんで、気に入ってます」
昨日私がした耳を指差す同じような仕草をするので、また笑ってしまった。
「ふふっ似合ってるね」
「先輩もピアスしてくれてるんですね。嬉しいです」
貰ったピアスに甘い視線を感じると、告白されたことを思い出し目が泳いでしまう。
「ほら、そんな顔しないでくださいよ」
覗き込んだアルノーの笑顔が私の手に視線を移す。
「先輩・・・指輪の場所、付け替えたんですね」
指輪をしている手を持ち上げた。
「ああ、借りてたのを返したらこの指に着けとけって」
「これは・・・対抗されてますね」
「そうなの?外しちゃダメなのかな」
「いや~多分これ外すと、すっ飛んで来ると思いますね」
「どんな付与効果があるかわかるの?」
「それは、俺の口から言えないっす」
「・・・呪われてないといいけど」
アルノーは大笑いしながら私の頭を撫でる。
「ははっ、まあー大丈夫じゃないんすかね」
「仲がいいな」
後ろから冷たく声をかけられる。
振り返るとミハイルが立っていた。
ここは寮へ向かう道なので人通りは少ないが、それでも注目を集めている。
「アルノー、行こ」
「えっ、はい」
注目を集めたくなくて、無視して立ち去ることにする。
勝手に付与効果のある指輪を着けられて、少しイライラもしていた。
(着けるにしても、説明ぐらいしてくれてもよくない?)
ガシッーー
ミハイルに後ろから手首を掴まれると、どんどんと歩いて行く。
彼の力が強すぎて抵抗できない。
「ちょっと!」
私の手を引いたまま一緒に女子寮へ入っていく。
「待ってよ!女子寮に入っちゃダメだよ」
入口で寮母さんに止められると思いきや
「妻の荷物が残っているので、一緒に引き取りに来ました。入室の許可を頂けますか?」
すんなりと許可がおり、通される。
私はそのやり取りに呆然としていると
「部屋はどこだ」
「・・・そこの奥の角部屋だよ」
また腕を引っ張られ強引に部屋の前まで連れて行かれる。
「開けろ」
力強さに恐怖し部屋の鍵を開けると、彼の手に鍵を奪い取られた。
「ちょっと!返して!」
雪崩れるようにそのまま部屋へ押し込められる。すぐに後ろ手て鍵を閉めると、横にあるベットに押し倒された。
バフっ
「はあっ、はあっ・・・乱暴はやめてよ!あたなの勝手なところが大嫌いよ!!」
逃げられないように覆い被さると、紫の瞳が私を見下ろしている。
「そうか」
「もう!!退いて!」
じたばたする私の両腕をベットに抑え込むと、近くなった彼の鋭い視線に射抜かれる。
「指輪を外そうとしたな」
(お、怒ってる・・・)
「なんで、バレてるの・・・てかこの指輪、ただの指輪じゃないの」
「ああ、僕との結婚が決まった後に、すぐに作った特別付与が付いた指輪だ。その時の僕は君に渡す勇気が無かったが、昨日やっと渡せたんだ。
僕の命と引き換える程の価値がある指輪だ」
(なに・・・それ・・・)
私がパタリと抵抗しなくなったからか、両腕が解かれる。
「この僕と結婚するんだ。誰に何されるか分からない。
君を守るために作った世界に一つだけの物だ」
指輪をはめた左手にしなやかな指が絡められ、彼の口元に引き寄せられる。
指輪にそっと唇が触れた。
「だから外すな」
ミハイルの重たすぎるプレゼントに困惑する。
「困るよ・・・」
「ああ、困ってくれ、返却は却下だ」
「そんな・・・」
私の困っている表情が見えるように、顔にかかった髪を指で掬い落す。
「困っている君も悪くない。あと、この女子寮に帰るのは今日が最後だ。鍵は預からせて貰う」
「酷すぎるよ!」
「僕の事を嫌いになってくれて構わないが、浮気は許さない」
「浮気、じゃない」
「僕は、かなり嫉妬深いみたいだ。僕の居る家に帰って来ないことも、男と楽しそうにするのも許さない」
(アルノーとの会話、まさか聞いてたの・・・)
「無理だよ・・・」
「じゃあ君を閉じ込めておくしかないな」
新婚旅行の時のミハイルと同じ言葉を言われ、息を飲む。
「とりあえず休憩時間も残り少ない、部屋の荷物を片付けるぞ」
彼は私の上から退くと、部屋をまとめようとする。今まで9年住んできた女子寮とこんな別れ方はしたくない。
「待って!部屋は自分でちゃんと休みの日に片付ける。鍵はあなたが預かってくれていい。今日限り女子寮にはもう来ないから・・・お願い」
「はあ・・・片付ける日は僕もついていく」
「わかったよ」
「じゃあ出るか」
なんとか女子寮から魔法支援室に戻って来れた。
ミハイルの雰囲気に圧倒され、生きてる心地がしなかった。
(今日は家に帰りたくないな・・・)
憩いの女子寮を奪われ、散々な目にあった。
アルノーが心配して駆け寄って来る。
「先輩、怒られたんすか」
「だいぶね・・・」
「よく帰ってこれたっすね」
「瀕死だよ・・・」
「マール、ちょっとこっちに来て」
ユリアさんに呼ばれるといつもの別室に連れられる。
私はユリアさんに今朝のお礼を言う。
「ユリアさん、今朝私を庇ってくれてありがとうございました。本当にかっこよかったです」
「そう、良かったわ。周囲がこうなる事は、魔法にかかった時からわかってたことだしね。実際に元に戻ってどうなの?今はあまり顔色が良く無さそうだから、ここに呼んだんだけど」
私はミハイルが元に戻ってから、先ほどあったことまで簡単に説明した。
「そう、上手くいってるようで良かったわ。もう心配なさそうね」
「ええ!?この話のどこでそう思ったんですか?私今日家に帰りたくないんですけど・・・」
「すごく愛されているじゃない、証拠に立派な指輪もしてるし」
「この指輪ってそんなに立派だと、すぐに分かる物なんですか?」
「ええ、魔力の込められたアクセサリーには、かすかにオーラが見え感じるでしょう。マールの指輪は見たとこの無いオーラを放っているわ。普通の人なら近付きたくないわね」
(だから今日、注目の的になるはずだったのに全然話しかけられなかったのか)
偶然にも、着けられた指輪に守られていたのだと驚きを隠せない。
「私は全然感じ取れないんですけど、このオーラでみんなから嫌われないか不安です・・・」
「言っていいのか分からないけど、マールには悟られないように施しているのかもね。それに大丈夫よ。今日でわかったと思うけど、魔法支援室のみんなはそんな人達じゃ無いでしょ」
「ふふっ、そうでした」
「マール、今度こそ幸せにね」
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