魔力を持つ人間は30歳までに結婚しないといけないらしい

ここりす

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79 約束

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バルコニーに出て、風に包まれながら夜空に溶け込む彼と向かい合っている。

(どうやって、ここまで・・・)

戸惑いながら彼を見ると、いつもジャラりと付いていたアクセサリーが全て外されていた。私が選んだピアスだけが、耳についている。

黒髪をサラサラと風になびかせながら、青く澄んだ瞳が私を映している。

「先輩」

黒い服から覗く色白い肌が、月明かりに反射している。

その手を私に差し出すと、いつものような笑顔で待っていた。

「逃げますか?」

もう、時間が無いことは分かっていた。

「とりあえずこの家の敷地から出ましょう。いいですか?先輩」

迷いながらも、カーテンの隙間から見える部屋の方へ振り返る。

「この手を取るか、戻るか。貴女が選んでください」

私はグッと目を瞑ると、アルノーの手を取った。

(・・・ごめんなさい)

ーーーやっと

目を開けアルノーを見上げると、見たこともないくらい顔が蕩けている。掴んだ手をぎゅっと握られたので、思わず一歩後ろに下がってしまう。

「ちょっとだけ、すいません」

離しそうになる手をぐっと引き寄せられると、アルノーの胸に飛び込む。

「ア、アルノー」

一瞬、抱き締められたようにも感じたが、素早く抱き上げられ、そこからバルコニーの手すりに飛び上がった。

「ここから一気に結界を抜けるんで、捕まってて貰えます?その指輪があると、俺もそこまで余裕が無くて」

月明かりに照らされて、アルノーの顔は輝いて見える。この状況なのに彼はとても幸せそうに笑っていた。

「大丈夫です。何があっても貴女を守ります」

抱きかかえる腕から私に防衛魔法をかけると、空高く浮遊する。

これから何が起こるのか分からない恐怖に、言われた通りにアルノーの首に腕をまわし、必死にしがみついた。

「じゃ、逃げましょう」

アルノーの声と共に、夜空を加速して風を切っていく。

(こ、怖い・・・!!)

アルノーに包まれながら、一気に結界を貫くように突き進む。

ーーーバチバチバチバチッ!!!!!

激しい音と共に、アルノーの傷が増えていく。それでも私を離さず力強く抱き上げている。

ーーーパリィイィィンッッ!!!

結界を抜け敷地の外まで突き破ると、アルノーの力がガクリと抜けて、空の中を落ちている。

「キャァアアアアアアッ!!!!」

私の悲鳴にガバッと意識を取り戻すと、包み込む腕の力が強くなる。
浮遊魔法を途切れさせながらも、なんとか地面に降り立った。

ーーードサッ!!

崩れるようにアルノーが後ろに倒れてしまう。

私を守るように倒れているので、すぐに彼の腕から抜け出すと、傷だらけのアルノーを抱き起こした。

「アルノー!!ああ・・・私のせいで・・・ごめんなさい・・・こんなにも、血が・・・」

口から血が流れ出し、他の箇所からも血がドクドクと流れている。顔色がどんどん悪くなっていく彼に、震える手で回復魔法をかけようとしたら、指輪が締め付けられる。

「いたッ!!な、なに!?」

結界を抜けたからなのか、指輪の締め付けが強くなっていく。

ーーーパキィイイン

指輪から弾けるような強い振動を感じた。

驚いて指輪を眺めていると、腕の中で冷たくなっていく感覚に目を見張る。

「アルノー!!!」

ブルブルと震え、パキパキと体が凍り始めていた。

(ミハイルの魔力だ!!)

外せない指輪をアルノーから遠ざけ、息がか細くなってる彼に、もう片方の手で回復魔法をかけようとすると、凍える手でその手を掴まれ彼のピアスに指が触れた。

「カハッ・・・ハァ・・・ハ・・・ッァ」

白い息を吐きながら凍りついた首を振っている。

「ああ・・・どうすれば・・・」

凍り続けている手からボトリと離されてしまう。

「やだっアルノーッ!!!」

(ダメだ!!死んじゃう・・・!!!)

離された手をもう一度彼にかざそうとしたら、ピアスが眩しく光った。

「ッッッ!!っはあー!!はあああ、はあっ・・・ああああッ・・・ああ・・・」

青い瞳がガッと開くと息を吹き返し、氷が消えていく。

そこから自分で回復魔法をかけると、一瞬で血で溢れていた傷が塞がれ、体に纏う氷を振り切るように手を付いて起き上がっていた。

「俺はもう、大丈夫です」

黒髪からパラパラと氷が滑り落ちる。
私の瞳を覗き込み、安心させるかのようにいつもの笑顔で笑いかけている。

「怖い思いさせちゃいましたね。すいません」

顔からパサリと私の手の甲に氷が落ち、その冷たさに驚きながらも、思わず目の前にいる彼の名前を呼んでいた。

「ア、アルノー・・・」

ここまでの一瞬の出来事に頭が追いつけないでいると、アルノーは立ち上がって手を差し伸べている。

「行きますか?」

ミハイルの家を背にしてアルノーは立っている。家を見ながらも、その手を掴むと引っ張られる勢いで立ち上がった。

そこから手を繋がれる形になり、ぎゅっと握られると、手の中の指輪の締め付けが緩くなる。

不思議に思い、アルノーを見上げたらニコニコとしていた。

「じゃあ、行きましょうか。先輩」

家を眺めている視線から連れ去るように、手を引かれて一緒に走り出す。

振り返りながらもミハイルの家からどんどん離れて行ってしまう。

(ミハイル・・・ごめんね・・・)



真夜中の高級住宅街をアルノーと駆け抜けている。もうミハイルの家からは、かなり離れてしまった。
前を走るアルノーの黒髪を眺めながら、必死に足を動かす。

「これからどこに逃げたいですか」

息が切れながらも私はずっと帰りたい場所を口にしていた。

「あの家にっ、帰りたいっ!」

「分かりました、お連れします」

彼が手をかざすと、走り出すその先に魔力の渦が現れる。

「うそっ、でしょ・・・」

「先輩、行きましょう」

ずっと握られている手を引かれ、魔力の渦に突き進もうとすると声が聞こえた。

ーーーマール

思わず足を緩め振り返ろうとすると、視線を奪うようにグッと手を引かれる。

「先輩、早く」

「手を離せ、殺されたいのか」

聞いたことが無いくらい冷たく憎悪が籠った声に、震え上がり足が動かせなくなる。

ミハイルはアルノーに向けて、見えない魔力を放っているみたいだ。私と繋いでいる手が痺れるように震えていた。

「彼女にこんな顔させてまで、愛して欲しいんですか」

「お前には関係ない」

「じゃあ先輩、選んでください。このまま進むか、あの人とまた家に戻るか」

繋がれていた手がパッと離れ、ミハイルが一気に近づいて来る。そっとミハイルを見ると唇が切れたまま、私を捉えていた。

(怖い・・・また、捕まってしまうーーー)

私の視界を遮るようにアルノーが立つと、彼の背中でミハイルが見えなくなった。

アルノーが向こうに手をかざすと、ミハイルの足音がピタリと止まる。

「あんまり長くは持たないんで」

私はその言葉に頷き、魔力の渦に足を進めた。

「じゃあさようなら」

アルノーはその場に吐き捨てるように言い残し、私の背中を押しながら一緒に魔力の渦に入った。


最後にミハイルの声が耳に届く。

ーーー僕を信じて



あの家の前に到着する。

素早く手を引かれると、扉の前に立たされた。

「先輩、この家はお二人の魔力でしか開かないんですよね。この家から魔力を切って、先輩しか入れないようにします」

「そんなこと、できるの・・・」

「はい、1日しか持たないですけど。いいですか?」

「分かった」

アルノーが扉に手をかざすと、カチリと音がした。

「じゃあ、これで家に入ってください。防衛魔法かけますね」

扉を開けると素早く家に入るように背中を押され、扉が閉まるまで青い瞳と目が合う。

「何があっても、家から出ないでください。ここが一番安全です」

「あ、ありがとう・・・」

「はい、おやすみなさい」

扉が閉まると、人影が素早く動き出す。

ーーーーパキィイィイイイイン

大きな音に目を瞑ると、人影がいなくなっていた。

「アルノー!!」

「マールッ!!!!」

扉のガラス越しに、金の瞳が見える。

私を捉えて、強く叫んでいた。

「早くッ!!あの寝室に行くんだ!!!」

彼の言葉の意味が理解出来ず、ただ扉越しにもの凄く激しい魔力のオーラを感じた。

それは強い殺意の表れのように、心臓に鋭い魔力をグサグサと突き刺されているような感覚に耐えられなくなる。

あまりの怖さに腰を抜かしてしまい、ズルズルと扉から離れ、壁に縋り付くように寄りかかった。

息も上手くできないほどその恐怖に震え上がりながら振り返ると、扉の前には人影が消えていた。

「ぅッっ・・・はッ、っあ、はあっ、・・・はっ・・・ぁぁっ・・・」

(どうしよう・・・私のせいで、アルノーを巻き込んでしまった)

人影が消えてから、家の外の音は分からない。

冷や汗をかきながら震える体を抱え込み、ただ自分を責め続けた。

(ごめんなさい、ごめんなさい・・・私が悪いの。この選択をした私が全部悪いの・・・)




どれくらいここに居たのだろう。俯いてずっと謝り続けていた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、私が悪かったです。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・ーーー」

私を助けてくれた人物を思い浮かべる。

(ミハイル、お願い。アルノーをこれ以上傷付けないで・・・)

先ほど傷だらけになりながらも私を守って、さらに氷漬けにされそうになっていた彼を思い出す。

(アルノー。いつもいつも、ごめんなさい)

国一番の魔力持ちに立ち向かわせてしまった。また、私のせい・・・



ーーーガッチャン


玄関の扉が開く。

冷えきった体がビクリと飛び上がり、また捕まることを覚悟して膝を抱きかかえたままぎゅっと目を瞑る。

(怖い怖い怖い・・・ああ、捕まる・・・今度こそ私は・・・)

ゆっくりと私の前に屈むと、頭を優しく撫でられた。

思いもよらない人物に顔を上げて固まる。

「ア、・・・ルノー」

「先輩、震えてる。もう大丈夫ですからね」

「・・・ミハイルは!!どういうこと!?」

「貴女の望み通り逃げ切れましたよ。もう遅いですし、今日は安心して寝てください」

「なんで、アルノーが・・・なんでこの家に入れるの・・・」

「ああ、これです」

ピアスを指で示している。

「先輩の魔力、貰いました」

「そんなこと・・・どうやって・・・」

「俺は今、マール・ダレロワとして家に入ってます」

ピアスを見せるようにサラリと黒髪を耳にかけている。
よく見ると水晶が埋め込まれており、そのオーラは金色に輝いていた。

「ふっ、そんなに見られると照れるっすね」

さっきまでの表情とは変わり、いつもの後輩の顔をしている。声も話し方も、いつものアルノーに戻っていた。

ずっと頭を撫でられながらも、ここから・・・目の前の後輩から動けない。

あれだけミハイルから逃げたかったのに、今はミハイルのことが気になって仕方がなかった。

「それより・・・ミハイルは?どうして、アルノーが・・・」

「俺弱いと思われてたんすね。えー、心外だなあ。まあ仕方ないですけど・・・」

「それよりどうなったの!!!!」

「もう怖くないですからね。よしよし」

ずっと変わらない態度に苛立ち、手を跳ね除ける。

「やめて、退いてよ」

「先輩立てないでしょ、寝室まで支えますよ」

首を振っていると、跳ね除けられた手が首元に来る。

髪をかき分けながら首を捕まれ、眺めるように動かされている。

「ンッ、うぅ・・・」

噛み跡の肌が動いて、痛みをより感じる。

首元にたくさん付いている歯型をひとつひとつ見るように左右から覗き込まれた。

「あー、痛かったすよね」

「ほっと・・・いて」

「今度こそ回復魔法かけますよ」

「いいから退いて!」

「それが貴女の選択ならやめときます」

首から手を離すと両手が壁に付き、より私は壁際に追い込まれる。

「出してってば!」

力が入らないながらも囲われている色白い腕を手で掴んで押していた。

「本当に外に出るんすか?今なら夫婦の寝室の方が安全ですよ」

夫婦の寝室と言われ、ミハイルの言葉を思い出し、目の前の彼から部屋の方へ視線を向けた。

(ミハイル・・・)

「流石に今の俺だと無理っすね」

バッと低い声がする方に顔を戻すと、目と鼻の先にアルノーがいた。

お互いの息がかかるほど近い。

顔を逸らすと青い瞳が追いかけてくる。

どこにも触れられていないのに、逃げられないその距離に目を合わせながら指輪を握っていた。

私から視線を外し、握っている指輪を見ている。

無表情に見下ろしている彼の隙を付いて、力を振り絞って体を押し退けた。

すぐに私を捉えて、口角を上げている。

「あっ、やめっ」

ーーードサッ

腕を掴まれ縺れるように一緒に床へ倒れ込んだ。

押し倒されたままの青い瞳がじっと私を見ている。

掴まれている手をなんとか引き剥がすと、床にボトリと落とす。

見つめ合う青い瞳が儚く揺れていた。

「約束、守ったのに」

私にされるがままの彼から退こうとすると、落とされた手を私の顔に近づけるのでビクリと目を瞑った。

泣きボクロに触れると指が頬を滑り落ちる。

その瞬間に体が軽くなった。

体力が戻った私はそこから押しのけるように彼の避けて扉まで進む。

「ふふっひどい」

その声には振り返らず、扉を急いで開けた。

「ミハイル!!!!!」
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