魔物と共にこの過酷な世界を生きる。

やまたのおろち

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1章

星は、最高に輝いていた。

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俺は昔マンティコアを見かけた山へやってきた。すると…

「グルルル…」

あ、いた

アオの熱探知レーダーですぐ見つけることができた。
レベルはー…48か。ちょうどいい。
俺はメアリ、ファラク、ブライガー、オリオン、バサを出した。

「流石にアオとドクカゲはやめておこう」

マンティコアはかなり強い種族の生き物だ。万が一死んでしまったらガチでショックなのでその2体はしまっておこう。

そして、俺は攻撃命令を出す。

「かかれー!」

砂漠からの来訪者である鰐が、血肉を貪る獣が、のろまな戦姫が、マンティコアへと向かった。

「いや最後だけダサいな!」
「ッ!」

あんたが勝手につけた名前だろ、だって?
その通りだった。ごめん

さて、マンティコアはどうやらかなり苦戦しているようだ。

「グォー…!!!!」
バサの突進が、ブライガーの牙が、メアリの噛みつきがかなり効いてるみたいだ。
この調子をずっと保てたら余裕だろう。

では何故、ここまで挑戦を遅らせたのか。それは…

「グァァァァァァァァァン!!!!」

マンティコアはある程度体力が削れると上空へと移動してしまう。数値で例えるとだいたい5割くらいだろうか。

——なので、マンティコアを仲間にする、もしくは倒すなら陸上生物だけではいけない。対空戦力が必要不可欠なのだ。

俺はヴァイ、ベガ、キジクジャク、アルタイルを出してマンティコアを追った。ちなみに、俺はキジクジャクに騎乗している。

マンティコアが毒のブレス、そして毒針を放ってきたがヴァイの炎のブレスで毒のブレスを、ベガの風の刃で毒針を相殺できた。そこを、
「ツクツク!」 「ヒョロロー!!」

キジクジャクとアルタイルが襲いかかる。俺はマンティコアの目にオオトカゲの毒を少しかけてみた。しかし…

「?」

どうやらマンティコアは毒に耐性を持っているみたいで、オオトカゲの毒は全く効いていなかった。ちくしょー!

「キジクジャク、アルタイル!マンティコアの後ろへ回れ!その位置ならマンティコアの毒針もブレスも噛みつきも引っ掻きも当たらない!」

彼らは俺に言われたことを実行する。マンティコアもそこが自分の弱点だとわかっているのか、慌てて旋回しようとする。しかし、それは

「クェー!」
「ガァアア!」

2体の幻獣によって阻止される。こうして八方塞がりとなったマンティコアはついに力尽きて墜落した。

こうして、マンティコアを仲間にすることに成功した俺は、ドラゴンの巣に向かった。のだが…

「なにこれ?」
「モヒィ…」


巣には、何もいなかった。
おかしいと思ったのだ。アオの熱探知レーダーに引っかからないから。
「ガゥガゥガ!」

なんかヴァイが話してる!どれどれ
「ワイバーンには定期的に巣を変え引っ越す癖がある、ドラゴンも一応我々と同族であるためそのような習性による行動なのではないか?…だと」

ワイバーンはかなり離れた場所へと巣を作るらしい。おそらく…ドラゴンもそうなのだろう。

「ちくしょー!」
俺は絶叫した。

「…グォ」

自分が仲間になっただけマシじゃない、とマティスと名付けたマンティコアが言っている。ちなみに、女の子だ。ちなみにメアリ、キジクジャク、アオ、バサも女の子である。あとは男。

ドラゴンがいなかったのは残念だが、マンティコアは仲間となった。あとはカリヨネッタ道中に何か強そうな仲間がいたら仲間にすることにして、俺は出発の準備を始めた。
あと、出発の前にこの街にいる冒険者に挨拶してからいくことにした。

「俺、この国を出てカリヨネッタに行くことにしたんだ。今までありがとう、アガスさん、サフンさん、ハリムさん、アリサさん」

この砂漠の街を拠点としているアガスパーティーとはしばらくの間ここでお別れだろう。頼れる冒険者仲間と会えて、本当によかっ

「お、奇遇やん。俺たちもこの街から出ていって別の国に行こうとしてたんや。君を罵倒する声とか聞いてたら、あの国が嫌になっちまってな?」

「でもまだ行き先は決めてないんですよね、私たちもカリヨネッタに行きませんか?」

「それは名案だ。カリヨネッタは今まで行ったことのなかった国だ。しかも住みやすいよい土地なのだろう。俺たちもそこに行くべきだ」

「カリヨネッタはお魚とかで有名なんでしょ?いいわねー!いきましょうよ!」

あの

僕のしみじみとしていた思い、返してください。

こうして、俺とアガスパーティーはカリヨネッタを目指すことになった。


馬車を借りて魔物に引かせるのも悪くはない。だが…やはり空旅の方がいいだろう。

ということで俺はキジクジャク、アガスはワイバーン、ハリムはグリフォン、サフンとアリサはマンティコアに乗って空旅をすることになった。ちなみに、アルタイルには荷物を持たせている。

「まさか、ワイバーンに乗って移動したいっちゅう夢が叶うとは思わんやん。ミナト、ほんまありがとなぁ。」

「グリフォンは速度はあまり速くはないが乗り心地や持久力がいいようだな。助かった、ミナト殿」

「キャー!マティスさん可愛い、撫でたい!」
「ちょっとアリサ、マティスが嫌がってるわよ!」


騒がしい空旅を送っている。キラーウルフに全てを奪われて絶望していたあの時とは違うな。

ちなみに、これは全く関係ない話なのだが。
魔物杖に入っている魔物たちは魔物杖を通して感触や景色などがわかる。彼らも、結構観光を楽しんでいたりするのだ。実は普段あまり速く移動できないメアリが1番楽しんでたりする。


しばらく進んだ頃だった。飛行生物組が疲れてきたっぽいので、陸上に降りて移動している。しかしだんだん陽が暮れてきたので、俺たちはここでキャンプをすることにしてきた。

「砂漠と違ってここら辺は景色豊かで歩いてて飽きないわねー!」

「空旅もいいが、こうやって陸地を歩くのも楽しいんだよな」
「モヒィ!」
「ゴォォー!」
「シュニィー!」

オリオン、ファラク、バサがそれに肯定する。仲間と一緒に旅するのは最高に楽しい。
俺たちは今持ってきた肉とそこら辺のイワガリヒツジやハダカシシの肉を使ってバーベキューをしていた。

「クェー!!!」
「イワガリヒツジの肉ってこってりしてて美味いんやな、こりゃ大発見や!」
「シュルル」
「キュー!キュー!」
それぞれがこの時間を思う存分楽しんでいる。

「ーッ」

みんなで見上げた星は、今まで見てきたどの星よりも、最高に綺麗だった。
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