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第三十八話 赤髪の正体
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大空は月に支配され、太陽は眠りについた。
「あらあら、良かったですわ。貴方が約束を守る良い子で」
そんな時刻に人気の無い公園にオレたちはいた。
「あらあら? この間とは随分と顔付きが違いますわね。たったの二日で何があったというのかしら」
「大した事じゃない。同居人の優しさ触れただけだ」
「へえ、彼との信頼関係が深いのね。まさか同居しているとは思っていませんでしたわよ」
二日前とは違い、黒いドレスを着ている赤髪。
対してオレたちは既に魔装具を展開し、いつでも戦える状態だ。
それにしても、こいつ完全に勘違いしてるな。
「してねえよ。オレたちはそんな関係じゃない。ただの友達だ」
「あらあら、そうなの? 残念ですわ。人の恋路は見ていて面白いですもの。何故なら私《わたくし》には到底理解出来ない要素が多いのですもの。だって貴方もそう思うでしょう? 男なんて利用するだけの存在だというのに」
「思わねえよゴミクズ。こちとら初恋すらまだだ」
さっきの言葉は本気なんだろうな。
ちょっと嫌だな。今のこいつは涼樹にとって瑠海だからな。……いや、もう違うのか。
「あらあら、まだまだお子様でしたのね」
「うるさい。それよりそろそろ教えろよ」
オレの言葉に眉をピクリとさせる赤髪。
「一体何に対してかしら?」
ニヤリと嗤う赤髪に、オレは動揺する事なく聞いた。
「決まってるだろ? オマエの名前だ」
「「——っ!」」
正面と隣。二方向から息を呑む音が聞こえた。
「タルト……お前、何を言って」
「こいつは塔怪瑠海じゃない。他人の名前を語ってんじゃねえよ詐欺師」
「うふふ、うふふふふ。本当に驚きましたわ。たった二日でそこまで精神構造が変わるだなんて。面白いですわね」
今度は心の底から楽しそうに笑っている赤髪。
「知らないのか? お子様は成長率がエグいんだぞ」
「うふふふふ、そうですわね。ならば改めて名乗りましょう」
スカートを片手で軽く持ち上げながら胸に手を当て、礼儀正しく彼女はその正体を明かす。
「私《わたくし》の名前は塔怪雛芽《とうかいひなめ》。瑠海とは他人ではありませんわよ。私《わたくし》は彼女の姉ですわ」
「姉がいるだなんて聞いた事ないぞ」
「それはそうでしょうね。私《わたくし》と妹では父親が違いますもの」
……なるほど、そっちか。
「お母様が王妃となる前に生まれたのが私《わたくし》ですわ」
「へえー、再婚だったのか。それで? そっちの父親は今どうしてるんだ?」
「殺したに決まっているでしょう?」
「……」
死んだではなく、殺した、か。
母様……もしかしてあなたはオレが思っている以上に、悪女だったりするのでは?
「今日は記念すべき日ですわ。だから折角ですし色々と教えてあげますわよ?」
「なんだそりゃ」
「貴方が誰かと共にいるとは思っていませんでしたの。特に男とだなんて想像すらしていませんでしたわ。だからあの日はこの髪に合わせて赤色のドレスだったのですけど、今日は彼のために黒にしたわ」
「涼樹のため? 何言ってんだ?」
髪と色を合わせたのはわかるけど、黒の意味ってなんだ?
オレの問い掛けに彼女は嗤う。
「喪服ですわ」
「あらあら、良かったですわ。貴方が約束を守る良い子で」
そんな時刻に人気の無い公園にオレたちはいた。
「あらあら? この間とは随分と顔付きが違いますわね。たったの二日で何があったというのかしら」
「大した事じゃない。同居人の優しさ触れただけだ」
「へえ、彼との信頼関係が深いのね。まさか同居しているとは思っていませんでしたわよ」
二日前とは違い、黒いドレスを着ている赤髪。
対してオレたちは既に魔装具を展開し、いつでも戦える状態だ。
それにしても、こいつ完全に勘違いしてるな。
「してねえよ。オレたちはそんな関係じゃない。ただの友達だ」
「あらあら、そうなの? 残念ですわ。人の恋路は見ていて面白いですもの。何故なら私《わたくし》には到底理解出来ない要素が多いのですもの。だって貴方もそう思うでしょう? 男なんて利用するだけの存在だというのに」
「思わねえよゴミクズ。こちとら初恋すらまだだ」
さっきの言葉は本気なんだろうな。
ちょっと嫌だな。今のこいつは涼樹にとって瑠海だからな。……いや、もう違うのか。
「あらあら、まだまだお子様でしたのね」
「うるさい。それよりそろそろ教えろよ」
オレの言葉に眉をピクリとさせる赤髪。
「一体何に対してかしら?」
ニヤリと嗤う赤髪に、オレは動揺する事なく聞いた。
「決まってるだろ? オマエの名前だ」
「「——っ!」」
正面と隣。二方向から息を呑む音が聞こえた。
「タルト……お前、何を言って」
「こいつは塔怪瑠海じゃない。他人の名前を語ってんじゃねえよ詐欺師」
「うふふ、うふふふふ。本当に驚きましたわ。たった二日でそこまで精神構造が変わるだなんて。面白いですわね」
今度は心の底から楽しそうに笑っている赤髪。
「知らないのか? お子様は成長率がエグいんだぞ」
「うふふふふ、そうですわね。ならば改めて名乗りましょう」
スカートを片手で軽く持ち上げながら胸に手を当て、礼儀正しく彼女はその正体を明かす。
「私《わたくし》の名前は塔怪雛芽《とうかいひなめ》。瑠海とは他人ではありませんわよ。私《わたくし》は彼女の姉ですわ」
「姉がいるだなんて聞いた事ないぞ」
「それはそうでしょうね。私《わたくし》と妹では父親が違いますもの」
……なるほど、そっちか。
「お母様が王妃となる前に生まれたのが私《わたくし》ですわ」
「へえー、再婚だったのか。それで? そっちの父親は今どうしてるんだ?」
「殺したに決まっているでしょう?」
「……」
死んだではなく、殺した、か。
母様……もしかしてあなたはオレが思っている以上に、悪女だったりするのでは?
「今日は記念すべき日ですわ。だから折角ですし色々と教えてあげますわよ?」
「なんだそりゃ」
「貴方が誰かと共にいるとは思っていませんでしたの。特に男とだなんて想像すらしていませんでしたわ。だからあの日はこの髪に合わせて赤色のドレスだったのですけど、今日は彼のために黒にしたわ」
「涼樹のため? 何言ってんだ?」
髪と色を合わせたのはわかるけど、黒の意味ってなんだ?
オレの問い掛けに彼女は嗤う。
「喪服ですわ」
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