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久遠(なぜか懐かしい)
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甘くクリーム色のようなメロディ。歌が耳から心へ繋がっていくみたい。まるでドロップのようなその曲を私は聞いていた。そういえばすぐるさんから借りた本にも「アイネクライネ」ってあったよなぁ。
なんて考えながら夕方のスーパーをてくてくと歩いていた。手元のカゴが重くてよいしょっと持ち手を変える。
最近私は本を読んでいる。沢山。ひょんなことから真子ちゃんの職場の人が本を貸してくれるようになったからだ。貸してくれる本はどれも面白くて私はすぐに本の虜になった。読み終わると心の中が温まる作品が多く、しばらくその世界の中に体を浸しているのだった。
レジに並びながら今度はすぐるさんのことを思い出す。すぐるさんの笑顔を、思い出す。
なぜだろう、初めて会ったはずなのにすぐるさんの笑顔はどこかで見覚えがあるような気がした。なぜかすぐるさんの笑顔を見ると何か大切なものを思い出せそうな気がした。心がポカポカした。
そんな感覚がなぜあるのか不思議だった。どこかで会ったこと、あったかなぁ…?
そんな事を考えていたらすぐ前のレジに見覚えのある人が会計をしていた。
北上さんだ。
私は会計を済ませ、袋に買い物を詰めると早足で北上さんに駆け寄った。
「北上さんっ」
「わっあまねちゃんじゃない。なに?お買い物?」
「はい!」
「奇遇ね~」
「ですね~」
2人で並んで歩く。北上さんの買い物袋はパンパンだった。
「重そうですねー~」
「そうー重くてー。マッチョになっちゃうわーーぁ」
あからさまにだるそうに袋を持つ北上さんに笑ってしまう。
「そういえばこの前の映画どうだったんですか?」すごく楽しみにしてた映画だったはずだ。
予想外に北上さんの顔が曇った。
「あぁ、あれね。あのね、怒らせちゃったのよー」
「え?彼女さんをですか?」
北上さんは少し困ったような顔をして「そう、ね。」と肩をすくめた。
「だからせめて好きなもの買って機嫌取ろうと思って」
両手にある袋には和菓子やらお菓子やらが沢山詰まっているようだった。
「彼女さん、甘党なんですか?」それなら私と一緒だ。と思いながら聞く。
「かなりのね。」
北上さんはどこか嬉しそうに答えた。北上さんは彼女さんのことを聞かれると少し嬉しそうに答えてくれる気がする。北上さんの彼女さんは幸せ者だなぁ。
「彼女さん、幸せですね」実際に口に出していた。
「怒らせてばかりだけどね」北上さんはまた肩をすくめたがどこか笑っていた。
「なんか、話聞いてくれてありがとう!これ、お礼にあげる。ちょっと荷物軽くなるし」
「あっ!甘栗!」
私は思わず歓声をあげる。
「前に好きって言ってたから。じゃ、またね~」
ありがとうございましたー!と去りゆく北上さんに手を振った。
「どうしていつも3つ入りのを買っちゃうのかしら…」
「お母さんが2つ食べたいからでしょ」
「違うわよー、瑛子だって食べるじゃない」「腐ってすてちゃうよりいいでしょ」「まぁ、そうね」
バスに揺られながらうとうとしていた。後ろの席から親子の会話が聞こえてくる。このままずっと乗っていられたらいいのに…
最寄りのバス停が近づく。あーピンポン押さなきゃ…
誰かが降車ボタンを押していたようでボタンの光が赤く染まる。あー降りたくないなぁ
バスが停車し降りる人が席から立ち降車口に向かう。しぶしぶ私も立ち上がり思い荷物をよいしょっと持ち上げた。このバス停は結構降りる人が多くてバスの中で短い列ができる。
ブーーーッ不快な電子音に驚いて前を向く。目の前のお客さんが支払い口であれ?あれ?と困っているようだった。どうやら電子マネーが使えない状況のようだった。
「お客さん、現金ないの?」
運転士がめんどくさそうに尋ねる。後ろの列からも早くしろよ…と不満の声が漏れ始めていた。
えいこ、持ってる?もってない…お母さんも?と前の2人は明らかに狼狽し、困り果てていた。舌打ちがどこからか聞こえる。車内に不穏な空気が満ちている。
「あの、どこから乗ったんですか?」私は2人に尋ねる。
「ショッピングモール前から…」
私と一緒だった。「あの、3人分で」
私の電子マネーは正常な音が鳴って心底ほっとした。
バスがまた発車し大きな音を出しながら遠ざかっていく。他の降りた乗客も散り散りになり、足速にいなくなっていく。
よいしょ、と荷物を持ち替えて私も帰ろうとする。
「あの、」
振り返るとさっきの親子がまだいた。
「ありがとうございました!本当に助かりました」なんとお礼を言ったらいいのか…と2人で深々と頭を下げていた。
「いえいえ!困った時はお互い様ですから~それじゃ、」
「なにもお礼ができなくて…」
「いんですよ~」
でも…と2人は納得できない様子だった。
「あっ荷物。荷物持ちますよ」
「えっ」
「それいいわ。重そうだし、持ちますよ」
2人はそう言うと私の手から重い買い物袋を持って行ってしまった。
「でも、家すぐそこですし、方向が逆かもしれないですし…」
「なんとかなります。さ、道はこっちですか?」
なんだか水戸黄門にでもなった気分になった。助さん角さんはさっさと前を行ってしまい慌てて私は追いかけた。
幸いにも親子の家と私の家は近いところにあった。
「へ~じゃぁ瑛子の2つ年下なのねぇ」
2つ下なのにしっかりしてるわぁとお母さんは褒めてくれる。
「お母さんよりもしっかりしてるかも」
「あれ、そんなことある?」
「あるかもよ」
親子は仲良しで一緒にいて楽しかった。会話のリズムが心地よく話題に私も入れてくれるのでまるで私も家族の一員になれたような錯覚にもなった。
「じゃぁ、もうここなので」
いつの間にか家の前にもう着いていた。お家兼職場なんだけどね。
「あらっ、そうなの。なんだか寂しいわ~」
「そうだ、お礼にといってはなんだけどこれ、よかったらもらって?」
瑛子さんは甘栗の袋を私にくれた。甘栗‼︎
「わぁいいんですか!甘栗、大好きなんです!」
1日に甘栗を2袋も貰えるなんて最高な日だ!
「よかった。喜んでもらえて。なんとなく好きそうだなぁと思って」
瑛子さんと私でふふふと笑い合った。
お母さんも嬉しそうに私たちを見ていた。
「また、いつか会いにきてもいいかしら?変なことを言うようだけど…」
お母さんは心配するように聞いてきた。
「もちろん!またお話ゆっくりしたいです」
そう言うと2人は安心したような表情になり、3人で最後に小さく笑った。
家に入ると窓から夕焼けの空が見えた。とても綺麗で、オレンジの色がとても鮮やかだった。
なぜだか猛烈に懐かしいような寂しいような気持ちになった。紛らわすように2つの甘栗を机に並べて置いた。嬉しくてほくほくした気持ちになれた。
でもまた切なく、誰かに会いたい気持ちに駆られてしょうがなかった。
夕焼けを眺めながら、遠い遠い過去を馳せていた。
なんて考えながら夕方のスーパーをてくてくと歩いていた。手元のカゴが重くてよいしょっと持ち手を変える。
最近私は本を読んでいる。沢山。ひょんなことから真子ちゃんの職場の人が本を貸してくれるようになったからだ。貸してくれる本はどれも面白くて私はすぐに本の虜になった。読み終わると心の中が温まる作品が多く、しばらくその世界の中に体を浸しているのだった。
レジに並びながら今度はすぐるさんのことを思い出す。すぐるさんの笑顔を、思い出す。
なぜだろう、初めて会ったはずなのにすぐるさんの笑顔はどこかで見覚えがあるような気がした。なぜかすぐるさんの笑顔を見ると何か大切なものを思い出せそうな気がした。心がポカポカした。
そんな感覚がなぜあるのか不思議だった。どこかで会ったこと、あったかなぁ…?
そんな事を考えていたらすぐ前のレジに見覚えのある人が会計をしていた。
北上さんだ。
私は会計を済ませ、袋に買い物を詰めると早足で北上さんに駆け寄った。
「北上さんっ」
「わっあまねちゃんじゃない。なに?お買い物?」
「はい!」
「奇遇ね~」
「ですね~」
2人で並んで歩く。北上さんの買い物袋はパンパンだった。
「重そうですねー~」
「そうー重くてー。マッチョになっちゃうわーーぁ」
あからさまにだるそうに袋を持つ北上さんに笑ってしまう。
「そういえばこの前の映画どうだったんですか?」すごく楽しみにしてた映画だったはずだ。
予想外に北上さんの顔が曇った。
「あぁ、あれね。あのね、怒らせちゃったのよー」
「え?彼女さんをですか?」
北上さんは少し困ったような顔をして「そう、ね。」と肩をすくめた。
「だからせめて好きなもの買って機嫌取ろうと思って」
両手にある袋には和菓子やらお菓子やらが沢山詰まっているようだった。
「彼女さん、甘党なんですか?」それなら私と一緒だ。と思いながら聞く。
「かなりのね。」
北上さんはどこか嬉しそうに答えた。北上さんは彼女さんのことを聞かれると少し嬉しそうに答えてくれる気がする。北上さんの彼女さんは幸せ者だなぁ。
「彼女さん、幸せですね」実際に口に出していた。
「怒らせてばかりだけどね」北上さんはまた肩をすくめたがどこか笑っていた。
「なんか、話聞いてくれてありがとう!これ、お礼にあげる。ちょっと荷物軽くなるし」
「あっ!甘栗!」
私は思わず歓声をあげる。
「前に好きって言ってたから。じゃ、またね~」
ありがとうございましたー!と去りゆく北上さんに手を振った。
「どうしていつも3つ入りのを買っちゃうのかしら…」
「お母さんが2つ食べたいからでしょ」
「違うわよー、瑛子だって食べるじゃない」「腐ってすてちゃうよりいいでしょ」「まぁ、そうね」
バスに揺られながらうとうとしていた。後ろの席から親子の会話が聞こえてくる。このままずっと乗っていられたらいいのに…
最寄りのバス停が近づく。あーピンポン押さなきゃ…
誰かが降車ボタンを押していたようでボタンの光が赤く染まる。あー降りたくないなぁ
バスが停車し降りる人が席から立ち降車口に向かう。しぶしぶ私も立ち上がり思い荷物をよいしょっと持ち上げた。このバス停は結構降りる人が多くてバスの中で短い列ができる。
ブーーーッ不快な電子音に驚いて前を向く。目の前のお客さんが支払い口であれ?あれ?と困っているようだった。どうやら電子マネーが使えない状況のようだった。
「お客さん、現金ないの?」
運転士がめんどくさそうに尋ねる。後ろの列からも早くしろよ…と不満の声が漏れ始めていた。
えいこ、持ってる?もってない…お母さんも?と前の2人は明らかに狼狽し、困り果てていた。舌打ちがどこからか聞こえる。車内に不穏な空気が満ちている。
「あの、どこから乗ったんですか?」私は2人に尋ねる。
「ショッピングモール前から…」
私と一緒だった。「あの、3人分で」
私の電子マネーは正常な音が鳴って心底ほっとした。
バスがまた発車し大きな音を出しながら遠ざかっていく。他の降りた乗客も散り散りになり、足速にいなくなっていく。
よいしょ、と荷物を持ち替えて私も帰ろうとする。
「あの、」
振り返るとさっきの親子がまだいた。
「ありがとうございました!本当に助かりました」なんとお礼を言ったらいいのか…と2人で深々と頭を下げていた。
「いえいえ!困った時はお互い様ですから~それじゃ、」
「なにもお礼ができなくて…」
「いんですよ~」
でも…と2人は納得できない様子だった。
「あっ荷物。荷物持ちますよ」
「えっ」
「それいいわ。重そうだし、持ちますよ」
2人はそう言うと私の手から重い買い物袋を持って行ってしまった。
「でも、家すぐそこですし、方向が逆かもしれないですし…」
「なんとかなります。さ、道はこっちですか?」
なんだか水戸黄門にでもなった気分になった。助さん角さんはさっさと前を行ってしまい慌てて私は追いかけた。
幸いにも親子の家と私の家は近いところにあった。
「へ~じゃぁ瑛子の2つ年下なのねぇ」
2つ下なのにしっかりしてるわぁとお母さんは褒めてくれる。
「お母さんよりもしっかりしてるかも」
「あれ、そんなことある?」
「あるかもよ」
親子は仲良しで一緒にいて楽しかった。会話のリズムが心地よく話題に私も入れてくれるのでまるで私も家族の一員になれたような錯覚にもなった。
「じゃぁ、もうここなので」
いつの間にか家の前にもう着いていた。お家兼職場なんだけどね。
「あらっ、そうなの。なんだか寂しいわ~」
「そうだ、お礼にといってはなんだけどこれ、よかったらもらって?」
瑛子さんは甘栗の袋を私にくれた。甘栗‼︎
「わぁいいんですか!甘栗、大好きなんです!」
1日に甘栗を2袋も貰えるなんて最高な日だ!
「よかった。喜んでもらえて。なんとなく好きそうだなぁと思って」
瑛子さんと私でふふふと笑い合った。
お母さんも嬉しそうに私たちを見ていた。
「また、いつか会いにきてもいいかしら?変なことを言うようだけど…」
お母さんは心配するように聞いてきた。
「もちろん!またお話ゆっくりしたいです」
そう言うと2人は安心したような表情になり、3人で最後に小さく笑った。
家に入ると窓から夕焼けの空が見えた。とても綺麗で、オレンジの色がとても鮮やかだった。
なぜだか猛烈に懐かしいような寂しいような気持ちになった。紛らわすように2つの甘栗を机に並べて置いた。嬉しくてほくほくした気持ちになれた。
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