妖精の愛し子は、妖精の王に求婚されます〜ついでに、復讐もさせていただきますね

さくらもち

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十八話

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「赤色の目……?どうして、なんで……」

『愛し子覚醒したのー?』

 困っていると、どこからかやってきた妖精が私の姿を見てそう言った。

「あれ、会議は………」

 アイは確か会議に行くと言っていた。それに、オーベロンも会議だと。
 なのになぜ妖精はいるのだろう。

『僕達、下級妖精は会議に出られないんだよ。アイは出られるけどねー。というか、強制?』

「そ、そうなんだ。えっと、というか、覚醒ってなに?」

『覚醒知らないの?愛し子はね、いろんな血が入ってるから、危険を本能的に察知すると、見た目が変わったり、わからない力をだすんだよ。最悪の場合、暴走する~!』

 楽しそうにきゃはきゃはと笑うので、少しだけイラッとした。
 暴走するって、大惨事になるではないか。

「あ、あんた…!さっきから何と喋ってるのよ!!」

 誰もいないところで私が何か喋ってるのが、変なのかがたがたと大きく震えだした。
 こういう場合はなんと返事を返せばいいのだろうか。
 妖精がーーと、言うのは明らかにおかしい。

「ティターニア!!」

 困っていると、アイの大きな声が聞こえてきた。声が聞こえた方へ向くと、レンもいる。

 けど、何が違うって、羽は普通に生えているが、そのままの人間の大きさなのだ。
 妖精が人と同じような大きさになっていた。

「あんた覚醒したの?」

「妖精王様達が言ったとおりだね………」

「へ?え?アイとレンだよね………?」

 普通の人間の姿に、腰を抜かしてしまう。
しかも、美系すぎて直視できない。

「はぁ?そうよ」

「あ、ほら、アイ。俺達、会議からすぐ帰ってきたから…………」

「あぁ、変身解き忘れてたわね」

「な…っ…!は、羽……??この化け物!!」

 いきなり羽を持った人間がでてきたのか、驚きのあまり今まで聞いたことのないような大声を上げた。

「ちょっと!さっきから、騒がしいわよ!!」

 リンナがその大声に気づいたのか、慌ててドアを開けた。
 悲惨な現場。ガタガタと指を指しながらへたりこんでいるアリー。ティーポットやティーカップが割れている。
 そして、私の真っ赤な瞳に、アイとレンの姿。

「ティターニア!!またなんかやったの!?そんな化け物なんて連れてーー」

「ち……う……」

「は?」

「違う!アイとレンは化け物なんかじゃない!!お前らはなんでそうやって比べるの!?……あ」

 そこまで言ってやっと言いすぎたと気づく。思わず、一歩後ろに下がってしまった。
 アイとレンはその姿に絶句していた。

「おかあさまぁ!ティターニアが…!!ティターニアもあいつらも化け物よ!!」

「……はぁ、さっきから言わせてみれば………死にたいの?」

「俺もさすがにカチンときちゃったよね。ここまで、酷いとは………」

 レンとアイの表情がぱっと変わった。笑っているが、これは駄目なやつだ。
 今すぐにも人を殺してしまいそうな、そんな表情になっていた。

「ふざけないで!!こんな化け物たちに何か言われる筋合いはないわ!!」

「化け物はどっちなの…?」

「は?」

「人の事しか頼りにしていなく、人の事を何にも考えていない。そんな人達の方が化け物でしょ?」

「…っ……あんたは!!」

 汚い心を見せるな。
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