妖精の愛し子は、妖精の王に求婚されます〜ついでに、復讐もさせていただきますね

さくらもち

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二十一話

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「ど、どどどどうすれば!?」

 無差別に発生してしまうことはわかったが、止める方法がわからない。
 アリーとリンナは驚きすぎたのか、一緒になって失神していた。

「とにかく落ち着いて!」

「そうよ、これはティターニアの心の悲鳴と同然よ?落ち着きなさい!」

 レンとアイはそう言ってたが、落ち着くってなんだ。落ち着けない。
 そもそも、落ち着こうとしても、どう落ち着けばいいのだ。

「これは大変そうだねぇ」

 困っていると、聞き覚えのない声が聞こえてきた。
 どうすればいいか分からなくて、うずくまってしまう。

「れ、レン!あれって……」

「………あれは、アイキュラ国のウェイル様…なんで、こんなところに…!」

「愛し子、落ち着いてねぇ?」

 声が近くなったので、思わず顔を上げると、すぐ側に顔面偏差値が超えている絶賛の美男がいた。

「へ……?」

「愛し子、でしょ?オーベロンも酷いよねぇ。わざわざ、危険な外の世界にだすなんて」

「ち、違うんです。私がお願いして………あれ、なんで知って…」

 愛し子、という事をなぜ知っているのか。しかも、こんなにも氷で囲まれているのに、この人は平然としていた。

「ふーん。そうだったんだねぇ……でも、僕達には関係ないかなぁ…」

「関係ない…?ど、どういうこと」

「ウェイル!ティターニアに何もするな!!」

 ウェイル、と呼ばれる者と少し話していると、オーベロンが宙に浮きながら、近づいてきた。

「おやおや、もう保護者が来ちゃったかねぇ……………知りたいなら、今日の零時0時またあの森に来るといい」

 耳元でこそっと囁かれ、むず痒くなったが、気づいたとき、もうウェイルはいなかった。
 そして、先程まであった氷も全て何事もなかったように元に戻っていた

「だ、大丈夫?ごめんね、この事とか話すの忘れてたよ…」

「全然気にしなくていいよ……大変だったけど」

 オーベロンは必死になって謝ってくれたので、罪悪感が少しあった。
 そりゃあ教えてほしかったけど、何かとあったのだろう。

『俺もなんだかごめんなさい。たすけられなかったよ』

『それだったら、私もよ!』

「あ、レンとアイ戻したの?」

 いつもと変わらぬ姿に、失礼だが謝れるより先に気になってしまった。

「まぁ……大丈夫そうだね。一旦、妖精国に連れて帰ろうとしたけど、とりあえず、人間界の僕の家にいてよ」

「迷惑じゃなければ………」

「全然いいさ。僕の注意不足だし………こいつらには話しとくね」

 指でアリーとリンナの姿を指しながら、にこっと微笑んだ。

『それがいいと思うわ』

『まぁ……うん…大丈夫…』

 けど、レンはあまり乗り気でないようだ。アイならまだわかるが、レンがこういうのは珍しい気がする。

「どうしたの?」

『うーん、まぁ行ってみればわかるよ』

 そして、その意味が本当に行ってからわかったのであったーーー
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