10 / 14
第一章
第9話 ルトリーザ
しおりを挟む
ライベルク王国の王都ルトリーザ。
天を突くかのような城壁に囲まれた城塞都市だが、交易で栄えている国だけあって商人を始めとした人の出入りが激しい都市だ。
その為いくつもの門があり多くの者が手続きで並んでいるが、その中でも耕助は初めてルトリーザに来る者達の列に並んでいた。
今の耕助の格好はニンジャ姿ではない。あの姉妹にあれだけの反応をされた後そのまま入る度胸は流石に無かった。
しかしただ忍び装束を外しただけでは姉妹と再会したとき正体がばれる可能性もあるし、素顔を晒すというのも少し抵抗があった。そして単純に目立って厄介ごとに巻き込まれたくもなかったので、耕助は【偽装】のスキルを使うことにした。
これは無関係なプレイヤーやNPCに偽装して敵対クランの支配地域にペナルティなく潜入し活動できるというもので、ローグ系列でもニンジャやアサシンといったごく一部しか習得できないものだ。
(でも何でこの姿なんだろうな……確かにもっともイメージしやすかったのかもしれないけど)
おかげで耕助は無害な一般人になっているのだが、その姿は三十路の痩せ気味でやや不健康に見えるどこにでもいる中年、つまり元の柏木耕助としての姿だった。
ライバの設定は二十代半ばで剣呑とした雰囲気からしてかけ離れているのだが、その冴えない姿は群衆に埋没することは間違いなく、現に今のところ周りから注目されることは一切なかった。
そんなことを考えているうちに耕助の番となり、四方を厚い壁に囲まれた取調室のような部屋に入れられ、ここで簡単な審査が行われる。
「コースケか……変わった名前だな。どこから来て目的はなんだ?」
椅子に座らされた耕助の対面で衛兵の一人が調書を取りながら質問をしてくる。
「北部にある寒村の生まれでして。理由は仕事を求めてです」
これはルトリーザに入る際の方法の一つとして事前に決めていた設定で、この世界では戸籍管理がしっかりとされているわけではなく、それこそ見るからに怪しげな格好でもしていない限りはこれで通るのだ。
ただ犯罪者かどうかなどは確認されるようで、他の衛兵が手配書らしきものを手にチェックしている。
「仕事目的か……その割には荷物が少ないな?」
「馬を連れていたんですが来る途中で逃げられてしまいまして……幸い金はあるので中で必要な物は買いそろえようと思います。あとこいつも一緒なんですけど大丈夫ですか?」
相変わらず肩に乗ったままのミケを指さす。
「猛獣でもない限り特に規制はない。それにここは猫なんて珍しくないからな……基本的にルトリーザは来る者は拒まずという方針だが、入都税として銀貨三枚払ってもらう」
言われた通り耕助は銀貨三枚を払う。
「よし、ではこれがルトリーザにおいてのお前の身分証明書になるから大事にしろ。あとこの書類に署名するんだが字は書けるな?」
「はい」
差し出されたのは金属製のカードと耕助について簡単にまとめた書類で、何気なく答えたのだがここで耕助は自分がこの世界の読み書きができることに気づく
会話出来るのと同じように所謂転移特典なのだろうなと考えながらサインをした。
「これでお前は一年間滞在できるが一時滞在なので制限もあるし延長にはまた銀貨三枚が必要になる。正式な住人になるには仕事や住居など色々条件があるから気を付けるように……後は守ってもらう決まりがある」
衛兵からの注意をまとめると良識を持って行動し他者に迷惑をかけるなというもので、実に当たり前のことだがその当たり前を守れない者がいると言うことなのだろう。
(まあ元の世界でそんな連中はいくらでもいたしな……)
「問題を起こした場合軽微なものなら罰金や労役が科せられるが、繰り返すと追放され大罪となれば一発で死刑もあるからな」
「解りました、他者に迷惑はかけません」
「いい心がけだ……あと仕事目的とのことだが何か当てはあるのか? 一時滞在では就ける職も限られるぞ」
「一応冒険者を勧められているので……」
「ああ、ならばいい……面倒ごとだけは起こすなよ」
最後に念を押されたあと、耕助はルトリーザに足を踏み入れた。
耕助のルトリーザに対する第一印象は非常に栄えていて人が多い、だった。
「なるほど、交易で栄えているというだけあるな」
耕助が歩いている目抜き通りには様々な商店が並んでいるのだが店先置かれている商品も多彩で、南国風の果物もあれば北極圏にしかいなさそうなシロクマの剥製まであり、それこそ世界中から商品が集まっているようだ。
目についたのは明かに内陸部の都市なのに海産物も生で置いてあるところで、流石に割高のようだがそれを可能にする輸送方法が確立されている点を注目すべきだろう。
そして道には人があふれていた。
人口は一時的な滞在者まで含めれば百万に迫るとも言われており、明らかに人間以外の種族もいて獣人と思われる生猫耳を見たとき耕助は感動したくらいで、異世界に来たのだと改めて実感したものだ。
なにより通行人に笑っている者が多く、これは余裕のある社会の証拠で戦争に明け暮れているようではこうはいかない。
またこれだけ人と物であふれているのに、全体的に思ったよりも綺麗で清潔感があった。
実際の中世ヨーロッパでは排泄物を二階から路上に投げ捨てて街中を悪臭が蔓延していたというが、ここでは下水も完備されていて街路にもチリ一つない、とまではいかないが十分綺麗だし少なくとも表通りは定期的に掃除もされているようだ。
文明、文化も発達していて地球だったら観光名所になりそうな立派な神殿の他にも図書館や公園、劇場や公衆浴場といったものまであるし、建物や街路自体も整備されていて一見住みやすそうな都市だった。
「まあ栄えている分、いびつな所もあるか」
少し裏道の方を覗いてみたが途端に雰囲気が怪しくなったりもするし、遠目にだが身分の高い者が住むと思われる区画を見るとその格差が伺えた。
富める者がいれば貧する者もいる、当たり前と言えば当たり前で、前の世界でも当然の光景ではあったがこの都市はそれが顕著であるように耕助は思えた。
(おそらくスラムのような場所もあるんだろうな……まあ近づかなければいいだけの話か)
少なくとも表通り付近は治安は良さそうなので物騒な場所には近寄らないのが吉だろう。
細かいところを言えば他にも気になる点はあり、例えば建築様式がどうもちぐはぐで耕助の感覚で言うならイスラム寺院のとなりにキリスト教会が建っているかのような場所まである。
「まあこの都市の特色だな。慣れるしかないか……」
「主よ、あちらから何やら良い匂いがするぞ」
そんなことを考えながら歩いていると、耕助にだけ聞こえる小声でミケが示した方向には、屋台が多く立ち並んでいたので試しとばかりに一つ買ってみる。
選んだのはここらでは定番らしい何かの肉を焼いて串に刺したもので、知っている味で一番近いのは塩味の焼き鳥だった。単純な味付けだが現代日本の食生活に慣れている耕助にとっても十分美味しく感じられる。
「ふむ、悪くないな」
おすそ分けを貰っているミケもそんな感想を漏らす。
心配していた食べ物関係も口に合いそうだと解り、ほっとした耕助が更に大通りを道なりに進んでいくと今度は広場に出た。
ルトリーザの東広場で中央には何かしらの英雄を模したのだろう人物像が複数建っていて、主に露天商や大道芸人が多く集まる場所だ。
大道芸は軽業師が飛び跳ねている横で動物使いが犬と戯れているかのように踊っていたりとバラエティーに富んでいるし、露店も食器等の日常雑貨の実用品からアクセサリーや不気味な仮面などよく解らない民芸品も売っている
そんな露店を冷かしながら歩いていくと、他とは違う一つの店が目についた。
台の上に並べられているのはざらりとした紙の三四枚を閉じたフリーペーパーの冊子のようだが、耕助からしてみれば大きめの見出しや文の配列には見覚えがあった。
「これって……もしかして新聞か?」
天を突くかのような城壁に囲まれた城塞都市だが、交易で栄えている国だけあって商人を始めとした人の出入りが激しい都市だ。
その為いくつもの門があり多くの者が手続きで並んでいるが、その中でも耕助は初めてルトリーザに来る者達の列に並んでいた。
今の耕助の格好はニンジャ姿ではない。あの姉妹にあれだけの反応をされた後そのまま入る度胸は流石に無かった。
しかしただ忍び装束を外しただけでは姉妹と再会したとき正体がばれる可能性もあるし、素顔を晒すというのも少し抵抗があった。そして単純に目立って厄介ごとに巻き込まれたくもなかったので、耕助は【偽装】のスキルを使うことにした。
これは無関係なプレイヤーやNPCに偽装して敵対クランの支配地域にペナルティなく潜入し活動できるというもので、ローグ系列でもニンジャやアサシンといったごく一部しか習得できないものだ。
(でも何でこの姿なんだろうな……確かにもっともイメージしやすかったのかもしれないけど)
おかげで耕助は無害な一般人になっているのだが、その姿は三十路の痩せ気味でやや不健康に見えるどこにでもいる中年、つまり元の柏木耕助としての姿だった。
ライバの設定は二十代半ばで剣呑とした雰囲気からしてかけ離れているのだが、その冴えない姿は群衆に埋没することは間違いなく、現に今のところ周りから注目されることは一切なかった。
そんなことを考えているうちに耕助の番となり、四方を厚い壁に囲まれた取調室のような部屋に入れられ、ここで簡単な審査が行われる。
「コースケか……変わった名前だな。どこから来て目的はなんだ?」
椅子に座らされた耕助の対面で衛兵の一人が調書を取りながら質問をしてくる。
「北部にある寒村の生まれでして。理由は仕事を求めてです」
これはルトリーザに入る際の方法の一つとして事前に決めていた設定で、この世界では戸籍管理がしっかりとされているわけではなく、それこそ見るからに怪しげな格好でもしていない限りはこれで通るのだ。
ただ犯罪者かどうかなどは確認されるようで、他の衛兵が手配書らしきものを手にチェックしている。
「仕事目的か……その割には荷物が少ないな?」
「馬を連れていたんですが来る途中で逃げられてしまいまして……幸い金はあるので中で必要な物は買いそろえようと思います。あとこいつも一緒なんですけど大丈夫ですか?」
相変わらず肩に乗ったままのミケを指さす。
「猛獣でもない限り特に規制はない。それにここは猫なんて珍しくないからな……基本的にルトリーザは来る者は拒まずという方針だが、入都税として銀貨三枚払ってもらう」
言われた通り耕助は銀貨三枚を払う。
「よし、ではこれがルトリーザにおいてのお前の身分証明書になるから大事にしろ。あとこの書類に署名するんだが字は書けるな?」
「はい」
差し出されたのは金属製のカードと耕助について簡単にまとめた書類で、何気なく答えたのだがここで耕助は自分がこの世界の読み書きができることに気づく
会話出来るのと同じように所謂転移特典なのだろうなと考えながらサインをした。
「これでお前は一年間滞在できるが一時滞在なので制限もあるし延長にはまた銀貨三枚が必要になる。正式な住人になるには仕事や住居など色々条件があるから気を付けるように……後は守ってもらう決まりがある」
衛兵からの注意をまとめると良識を持って行動し他者に迷惑をかけるなというもので、実に当たり前のことだがその当たり前を守れない者がいると言うことなのだろう。
(まあ元の世界でそんな連中はいくらでもいたしな……)
「問題を起こした場合軽微なものなら罰金や労役が科せられるが、繰り返すと追放され大罪となれば一発で死刑もあるからな」
「解りました、他者に迷惑はかけません」
「いい心がけだ……あと仕事目的とのことだが何か当てはあるのか? 一時滞在では就ける職も限られるぞ」
「一応冒険者を勧められているので……」
「ああ、ならばいい……面倒ごとだけは起こすなよ」
最後に念を押されたあと、耕助はルトリーザに足を踏み入れた。
耕助のルトリーザに対する第一印象は非常に栄えていて人が多い、だった。
「なるほど、交易で栄えているというだけあるな」
耕助が歩いている目抜き通りには様々な商店が並んでいるのだが店先置かれている商品も多彩で、南国風の果物もあれば北極圏にしかいなさそうなシロクマの剥製まであり、それこそ世界中から商品が集まっているようだ。
目についたのは明かに内陸部の都市なのに海産物も生で置いてあるところで、流石に割高のようだがそれを可能にする輸送方法が確立されている点を注目すべきだろう。
そして道には人があふれていた。
人口は一時的な滞在者まで含めれば百万に迫るとも言われており、明らかに人間以外の種族もいて獣人と思われる生猫耳を見たとき耕助は感動したくらいで、異世界に来たのだと改めて実感したものだ。
なにより通行人に笑っている者が多く、これは余裕のある社会の証拠で戦争に明け暮れているようではこうはいかない。
またこれだけ人と物であふれているのに、全体的に思ったよりも綺麗で清潔感があった。
実際の中世ヨーロッパでは排泄物を二階から路上に投げ捨てて街中を悪臭が蔓延していたというが、ここでは下水も完備されていて街路にもチリ一つない、とまではいかないが十分綺麗だし少なくとも表通りは定期的に掃除もされているようだ。
文明、文化も発達していて地球だったら観光名所になりそうな立派な神殿の他にも図書館や公園、劇場や公衆浴場といったものまであるし、建物や街路自体も整備されていて一見住みやすそうな都市だった。
「まあ栄えている分、いびつな所もあるか」
少し裏道の方を覗いてみたが途端に雰囲気が怪しくなったりもするし、遠目にだが身分の高い者が住むと思われる区画を見るとその格差が伺えた。
富める者がいれば貧する者もいる、当たり前と言えば当たり前で、前の世界でも当然の光景ではあったがこの都市はそれが顕著であるように耕助は思えた。
(おそらくスラムのような場所もあるんだろうな……まあ近づかなければいいだけの話か)
少なくとも表通り付近は治安は良さそうなので物騒な場所には近寄らないのが吉だろう。
細かいところを言えば他にも気になる点はあり、例えば建築様式がどうもちぐはぐで耕助の感覚で言うならイスラム寺院のとなりにキリスト教会が建っているかのような場所まである。
「まあこの都市の特色だな。慣れるしかないか……」
「主よ、あちらから何やら良い匂いがするぞ」
そんなことを考えながら歩いていると、耕助にだけ聞こえる小声でミケが示した方向には、屋台が多く立ち並んでいたので試しとばかりに一つ買ってみる。
選んだのはここらでは定番らしい何かの肉を焼いて串に刺したもので、知っている味で一番近いのは塩味の焼き鳥だった。単純な味付けだが現代日本の食生活に慣れている耕助にとっても十分美味しく感じられる。
「ふむ、悪くないな」
おすそ分けを貰っているミケもそんな感想を漏らす。
心配していた食べ物関係も口に合いそうだと解り、ほっとした耕助が更に大通りを道なりに進んでいくと今度は広場に出た。
ルトリーザの東広場で中央には何かしらの英雄を模したのだろう人物像が複数建っていて、主に露天商や大道芸人が多く集まる場所だ。
大道芸は軽業師が飛び跳ねている横で動物使いが犬と戯れているかのように踊っていたりとバラエティーに富んでいるし、露店も食器等の日常雑貨の実用品からアクセサリーや不気味な仮面などよく解らない民芸品も売っている
そんな露店を冷かしながら歩いていくと、他とは違う一つの店が目についた。
台の上に並べられているのはざらりとした紙の三四枚を閉じたフリーペーパーの冊子のようだが、耕助からしてみれば大きめの見出しや文の配列には見覚えがあった。
「これって……もしかして新聞か?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる