3 / 58
第2話 少女に力を貸してみる
しおりを挟む「安心してくれ 君に危害を加えるつもりは無い」
「ほ、本当ですか・・・? あの、助けてくれたんですよね・・・ありがとうございます・・・」
「ああ、礼には及ばないとも、何やら困っていそうだったのでな」
「あと これで体を覆っておいた方がいい」
ブラックホール状のアイテムボックスから黒い布を取り出し少女に手渡す。
「キャッ!・・・あ、ありがとうございます///」
自分の今の姿に気付いたのか顔を真っ赤にしながら布を受け取り体に巻きつける、まだ恐怖で全身が震え言葉が上手く出てこない様子だ。
「落ち着いたらでかまわないのだが 何があったのか聞かせてもらってもよいかな?」
「は、はい 実は私冒険者をやっていて魔獣退治の依頼を受けてきたんです」
「それで 目的地に向かう途中で盗賊達に?」
「はい・・・私 パーティを組んでここまで来たんですが私のせいで罠に掛かってみんな捕まってしまって 砦に連れて行かれる途中で私だけなんとか逃してもらったんです・・・」
「君の仲間は今どこに?」
「ここから東にある盗賊達の砦に幽閉されています・・・お、お願いします!大事な仲間なんです!どうか助けて頂けませんか!私に出来ることなら何でもします!!どうか・・・」
ここまで懇願されては流石に断れない・・・街の方角を聞ける様な人物もこの子とこの子仲間だけだ・・・それに何よりこんな状態の子を放っておける訳も無い・・・。
「何でもか・・・」
「!ッは、はい!私なんかに出来ることなら何でも・・・!」
「では、君の仲間を助けたら案内して欲しいところがある、そこまで案内を頼みたい」
「・・・え?」
「ダメか?だったら・・・」
「そ、そんな事ないです!! それぐらいだったらいくらでも案内させていただきます! なので・・・どうか仲間を・・・」
「よし!では早速出発しよう、君も心の整理が必要だろうが時間が無さそうだ、盗賊共の砦まで案内を頼めるかな?」
「はいこちらです!」
「ああ 少し待ってくれ」
歩きで行こうとする少女を止めたのには理由がある まず歩いていくには遠すぎて手遅れになる可能性がある。
一面が緑の草原でどう考えても近場に砦なんか無いしな・・・。
それから この世界でも“アレ”が呼べるか試してみたい。
「“常闇の黒馬“(コシュタ・バワー)!」
「フシュー ブルルルッ!」
黒く歪んだ空間から漆黒の巨体を持つ馬が姿を現した、成功したか・・・。
“首無し馬“(コシュタ・バワー) はデュラハンが乗っているとされる首の無い馬であり流れる水を渡れないといった弱点も持つ事で有名な馬だ。
だが首はついているし全身が黒く紅い瞳を持つ筋肉質な巨大な馬となっている。
ゲーム内での移動手段は基本的に馬だったしそれが呼べるかどうか試したかったが上手くいった。
「よし では君も私の前に乗ってもらえるかな?」
馬に素早く乗り少女に手を差し出したが少女は馬を呼び出した事に対して驚いていた。
「召喚魔法!?・・・スゴイ・・・!」
「この馬は私の愛馬でね 敵でなければ危害を加えることは無い 安心して乗りたまえ」
「はい!分かりました!」
「よし行くとしよう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
速い・・・中身がスカスカとはいえ全身鎧の大男ともう一人の人間を乗せてるとは思えないほどの速度だな、ゲームより早いんじゃないかと思うほどだ。
「は、速い・・・!」
そういえばこの子の名前も知らないんだよなこんな見た目だし、怖がられないようにしないとな。
「そういえば君の名前を聞いていなかったな私は・・・」
この世界での名前も必要か、日本語じゃ変に目立つしここに馴染める名が必要だ。
そうだな・・・中二病の俺らしい名前でいくか。
「私は“ヴィス・ヴァルディ”だ 好きに呼んでもらってかまわない」
「私は クレア・バルディス といいます・・・クレアと呼んでください」
「クレア殿だな、森に入ったが盗賊の砦は こちらでよいか?」
森に入り馬の速度を緩めながら案内に従い森の奥へと進んでいくがまだ砦らしきものは見えないが・・・。
「はい このまま進んでいけばもうすぐ見えてくるはずです!」
「・・・」
「なに、そう心配そうな顔をするな万事上手くいく」
「はい・・・この辺りの筈なんですが・・・」
森の奥にたしかに砦らしきものが見える これ以上近づくと気付かれてしまう可能性があるので草むらの影に馬を止める。
「あれか・・・」
「えっ・・・砦が見えているんですか?」
「ああ、君には見えないか? 少し待ってくれ」
あの建造物が本当に盗賊のアジトなのか彼女に確認してもらわないとな、えっと確か双眼鏡があったはず・・・。
「クレア殿、双眼鏡だ、念のため確認を頼みたい あれが仲間が囚われている砦か?」
馬から降り砦の様子を確認する、やはり草原で彼女を見つけた時にも思ったが視力が強化されているみたいだな 日の光がほぼ無い森の中で1キロ以上離れている砦がくっきり見える。
「ありがとうございます・・・えっと、そ、そうです! あの砦で間違いありません!」
鉄の門が降りている以外は見張りが4人おそらく門の上にも数人はいそうだな。
「クレア殿はここで隠れて待っていてくれ この馬の側にいれば安心だ 念のため防護魔法もかけておく」
「・・・え あ、あの・・・!」
0
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
主人公は、勇者パーティーを追放されて辺境の地へと追放される。
そこで出会った魔族の少女と仲良くなり、彼女と共にスローライフを送ることになる。
しかし、ある日突然現れた魔王によって、俺は後継者として育てられることになる。
そして、俺の元には次々と美少女達が集まってくるのだった……。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる