【闇魔法戦士】とかいう最弱職の俺、今までずっと【追放】されてきたけど最弱職を極めて【ソロ最強】になったので幸せになってみようと思います!

jester

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第43話 滅びの宴

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 俺がまずしたのが広範囲魔法の詠唱。

 ゲームのシステム上パッシブスキルの無詠唱は限界があり上位の魔法を行使するにはテキストを覚えそれを声に出して読まなくてはならない。

 この人数だ・・・広範囲魔法が一番効率がいい。

「“魔法広範囲化“(マキシマム・マジック)

 “魔法威力上昇”(スペル・バースト)

 “魔法高速詠唱化”(ハイ・サイクル)」

「唄え、滅びの惨禍・・・我が名に誓い命ずる・・・」

「長文・・・詠唱・・・!!!!!!まずい!!あの騎士を殺せぇ!!」

 命令とも呼べぬ言葉で兵士達に号令をかける指揮官。

 石ころ一つでAランク冒険者の頭を吹き飛ばすような騎士がいきなり詠唱を始めたら確かにこんな反応になるだろう。

 だが間に合わない・・・馬も人もこの距離を詰めるには至らない・・・彼らが助かる道はもう無い。

「来たれ・・・絶望の使者!“““絶滅”””(アナイア・レイション)・・・」

 詠唱が完了した瞬間、この戦いは“終結した”時間にしてわずか43秒・・・それが彼らに許された時間だった。

 変化は突如として起こり、まず鳥が堕ちた、ポタポタと死体の雨が降りその次に兵士達。

 バタリ、バタリとまるで糸の切れた操り人形のように兵士達が地面に倒れ込んだ。

「終わりだな」

 死者三万、負傷者ゼロ、この戦いはそんな結果で終わった。

 残りは敗走だ、俺が見るかぎり立ち向かってくる者は1人たりともいない。

「化け物だ!!」

「ヒィイィイィ!!!お助けぇ!!」

 逃げる・・・逃げる・・・逃げる、ある者は糞尿を垂れ流しながら、ある者は泣き叫び何度も転びながら、それほどまでに俺の魔法は強力だったのだろう。

「さて、皆・・・戦いは終わった、報告に戻ろうか」

 ふと振り返るとリゼ達は腰を抜かし全員が座り込んでいた。

 これは、多少のフォローが必要かな・・・。

「すまない、少し怖がらせてしまったか?」

「い、いえ大丈夫です!私達は国王様へ報告をしてきます・・・信じてくれるかは分かりませんが・・・」

 とりあえずリゼ達には馬を召喚し国王に報告を。

 俺にはもう一つすることがある、この件の首謀者を捕まえステラの前に連れて行くことだ、現国王と王子を捕まえないと奴隷達の扱いは変わらない。

 “転移門”(ゲート)でバルランド王国の宿屋の一室へ転移し守りがスカスカの王宮へと歩みを進めた。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ぐあっ!!貴様ぁっ!!」

「くそっ!!なにしやがる!!」

「僕は、王子だぞ!!こんな事をして・・・くっ!!」

 捕縛した王子達を連れ“転移門”(ゲート)でリゼ達のいる王宮内へと直接転移した、一人で十万の兵を退けたんだし今更転移ぐらいで驚かないだろうというのが俺の考え。

 突然現れた存在に驚いたのかリゼの姉であるアイナが剣を構えるが俺だとわかるや否や驚き。

「貴方・・・どこから!?」

「アイナ殿、驚かせてすまないが説明は後で、今はこの者達の処遇を決めなければならん」

 引きずっている王子達はステラ見た瞬間驚いたように声を上げ。

「ステラ!?まだ生きてやがったのか?」

「天下の盗賊ギルドが聞いて呆れるますね、こんな小娘ひとり始末できないとは・・・」

 普通ならこの発言に怒り、手の一つでもあげたくなるところだがステラはいたって冷静に言った。

「兄様方、父上・・・私を暗殺しようとしたことはかまいません、ですからこれからは奴隷達を解放し取引を禁じると・・・」

「ステラ!全て貴様の手引きか!?父に向かいこのような狼藉を働くとは!!今すぐ解放すれば処刑で済ませてやる!!」

 どうやら国王は話を聞く気はなく、この状況も分かっていない様子だ。

 ステラは下を向いたと思うと、ゆっくりと顔を上げ王子達に問いかける。

「兄様、父上どうして奴隷達に酷いことをなさるのですか?彼らはなにもしていない一般人です・・・それをなぜ・・・」

「なにを言うかと思えば・・・決まっておろう?奴らは人ではない、そこいらの家畜と変わらぬ商品なのだ!」

「その通りだ!民なんぞ我ら王族と貴族のためだけに存在している人形も当然、その下に存在する奴隷なぞ道端に落ちているゴミクズに等しい!!」

 リゼ達が表情を歪ませ拳を握りしめるなか、ステラはどこか諦めた顔つきで言う。

「そう・・・ですか・・・ならば仕方がありません、国王様どうかこの三人を我が国で引き取らせて頂きたく思うのです」

「うむ・・・どうするつもりなのだ?」

 キッパリとした顔で告げる。

「処刑します、奴隷達と民の未来のために・・・私は王族、民達を導く義務があります」

「待ってくれステラ殿・・・口を挟んですまないがそんなことをすれば君は・・・」

 誰もいなくなってしまう・・・孤独になる、その意味と辛さは俺が一番よく知っていた。

「かまいません私は未来のための犠牲となりましょう、私一人の人生で未来が開けるのならそうするべきです」

 なら、ステラが生涯、苦悩し続けるくらいなら俺が。

「皆、すまない・・・国王よお目汚し失礼する」
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