2 / 32
第1話 聖剣コレクター追放される
しおりを挟む
俺はノエル・ハーヴィン16才、勇者パーティー所属の荷物持ちだ。
「おい!! ハーヴィン!! ボサっとしてんじゃねぇ! この役立たずがっ!! もう剣がダメになった、次の剣をよこせ!!」
迫り来るモンスターの群れを相手にしながら罵声を飛ばしたのがパーティーのリーダーであり、この国の第一王子であるウィル・ハイグランド。
俺が聖剣の力を使って身体能力を強化しているとはいえもう剣をダメにしたのか。
これじゃあいくらストックがあっても足りないなと内心思いながら用意していた予備の剣を渡すと。
「いつもぐずぐずしやがって……クソ! 数が多すぎる!」
「ウィル様、もう魔力が……」
この豪華な戦闘用のドレスに身を包んだ金髪の魔法使いが、カーリア・アグノール。
先程から考えなしに魔法を撃っているせいで、魔力が尽きかけている様子だ。
カーリアは同盟国からやってきた、どこぞのお偉い様の娘らしい。
最強の勇者の子を孕むため、政治的に送り込まれたのだろう。
どうしてこんなピンチになっているのかというと、俺が注意したのに、大した警戒もせずに進みウィルがトラップを踏んだから。
「王子! やっぱり引き返しましょう!」
「ハーヴィン!! 勇者様のご意志に逆らうのか!」
この男は重戦士のグランバルド・ハイル、巨大なウォーハンマーを使う大男だ、ウィルの護衛として国がスカウトしたらしい。
「荷物持ちの分際でわたくし達に指図するなんて! 身の程をわきまえなさい!」
俺がこんなことを言うのには理由がある。
このダンジョンは俺が攻略済みでもう聖剣がないからだ。
それに聖剣を手に入れてもすぐに壊すだろう。
聖剣は絶対に壊れない物じゃない、特殊な能力が付与された、普通よりちょっと頑丈なだけの剣だ。
ウィルの戦い方は単純明快、聖剣の能力で底上げされた身体能力にものをいわせ力任せに切りつけるといったもの。
そんな使い方をされてはすぐに壊れて終わりだ。
「ああ!? テメェ……この俺に意見しようってのか? ふざけやがって、ここまで来てのこのこ帰れるかよ!」
「分かりました……ならもう止めません」
これ以上言っても無駄か……。
聖剣の力をちょっと上げて早く終わらせよう。
俺は内包されている聖剣の力をウィル達に付与する。
そこからは早いものでウィル達はあっという間にモンスターの群れを片付け、本来は聖剣が置かれている最奥の間に到着した。
当然、祭壇に聖剣の姿はない。
「なっ……クソッ!! またかよ!! どうして聖剣がない!!?」
「王子、だから言ったでしょう? 聖剣は必ずあるわけではないと」
「うるせぇ!!……全部お前が悪い! お前といると聖剣が見つからないんだよ!!」
まったく、何がどうしたら俺が悪いって話になるんだか……。
「テメェなんざ追放だ!! ダンジョン中でくたばりやがれ役立たずが!!」
「その通りです!! もっと従順な人間を見つけるのがいいと思いますわ!!」
感情に任せて追放するなどと言い出すウィル達、いい機会かもしれないな……。
実は俺の夢は冒険者になりのんびり暮らすことだったりする。
今まで聖剣探索をしていたせいで冒険者なんてやる暇がなかったが、聖剣を可能な限り回収してしまったので目的がなくなってしまったのだ。
「テメェみたいに使えねぇお荷物がいると迷惑なんだよ!」
「こんな薄暗い場所で死ぬなんてお可哀想ですわね? アッハハハッ!」
「気の毒なものだ! ハハハ!」
脱退したと知れ渡れば国王に目をつけられるかもしれないが、追放という形だったらそんなこともなく平和に冒険者ができるな。
「そうか分かりました、ならここでお別れですね」
「ああ、清々したぜ! じゃあな役立たず!!」
そう言いウィル達は来た道を戻り、迷宮へと消えていく。
“転移の聖剣“を使って帰るか、まずは冒険者登録だな……。
行き先は……そうだな、魔界から一番離れたリルドの街へ行こう。
あそこだったら平和だしのんびり暮らせそうだ。
聖剣の能力を使うと視界が瞬時に移り変わり、リルドの街から少し離れた場所に着いた。
「よし、人目につかない場所ならこの辺りだろう」
転移は一度行った場所にしか出来ないが、リルドの街だったら一度だけ行ったことがある。
やっと勇者達のお守りから解放され、目的地へと向かっていたが、途中であることに気付く。
「そういえばあのダンジョン“行きと帰りで構造が変わる“んだったっけ……」
「ま、いいか」
「おい!! ハーヴィン!! ボサっとしてんじゃねぇ! この役立たずがっ!! もう剣がダメになった、次の剣をよこせ!!」
迫り来るモンスターの群れを相手にしながら罵声を飛ばしたのがパーティーのリーダーであり、この国の第一王子であるウィル・ハイグランド。
俺が聖剣の力を使って身体能力を強化しているとはいえもう剣をダメにしたのか。
これじゃあいくらストックがあっても足りないなと内心思いながら用意していた予備の剣を渡すと。
「いつもぐずぐずしやがって……クソ! 数が多すぎる!」
「ウィル様、もう魔力が……」
この豪華な戦闘用のドレスに身を包んだ金髪の魔法使いが、カーリア・アグノール。
先程から考えなしに魔法を撃っているせいで、魔力が尽きかけている様子だ。
カーリアは同盟国からやってきた、どこぞのお偉い様の娘らしい。
最強の勇者の子を孕むため、政治的に送り込まれたのだろう。
どうしてこんなピンチになっているのかというと、俺が注意したのに、大した警戒もせずに進みウィルがトラップを踏んだから。
「王子! やっぱり引き返しましょう!」
「ハーヴィン!! 勇者様のご意志に逆らうのか!」
この男は重戦士のグランバルド・ハイル、巨大なウォーハンマーを使う大男だ、ウィルの護衛として国がスカウトしたらしい。
「荷物持ちの分際でわたくし達に指図するなんて! 身の程をわきまえなさい!」
俺がこんなことを言うのには理由がある。
このダンジョンは俺が攻略済みでもう聖剣がないからだ。
それに聖剣を手に入れてもすぐに壊すだろう。
聖剣は絶対に壊れない物じゃない、特殊な能力が付与された、普通よりちょっと頑丈なだけの剣だ。
ウィルの戦い方は単純明快、聖剣の能力で底上げされた身体能力にものをいわせ力任せに切りつけるといったもの。
そんな使い方をされてはすぐに壊れて終わりだ。
「ああ!? テメェ……この俺に意見しようってのか? ふざけやがって、ここまで来てのこのこ帰れるかよ!」
「分かりました……ならもう止めません」
これ以上言っても無駄か……。
聖剣の力をちょっと上げて早く終わらせよう。
俺は内包されている聖剣の力をウィル達に付与する。
そこからは早いものでウィル達はあっという間にモンスターの群れを片付け、本来は聖剣が置かれている最奥の間に到着した。
当然、祭壇に聖剣の姿はない。
「なっ……クソッ!! またかよ!! どうして聖剣がない!!?」
「王子、だから言ったでしょう? 聖剣は必ずあるわけではないと」
「うるせぇ!!……全部お前が悪い! お前といると聖剣が見つからないんだよ!!」
まったく、何がどうしたら俺が悪いって話になるんだか……。
「テメェなんざ追放だ!! ダンジョン中でくたばりやがれ役立たずが!!」
「その通りです!! もっと従順な人間を見つけるのがいいと思いますわ!!」
感情に任せて追放するなどと言い出すウィル達、いい機会かもしれないな……。
実は俺の夢は冒険者になりのんびり暮らすことだったりする。
今まで聖剣探索をしていたせいで冒険者なんてやる暇がなかったが、聖剣を可能な限り回収してしまったので目的がなくなってしまったのだ。
「テメェみたいに使えねぇお荷物がいると迷惑なんだよ!」
「こんな薄暗い場所で死ぬなんてお可哀想ですわね? アッハハハッ!」
「気の毒なものだ! ハハハ!」
脱退したと知れ渡れば国王に目をつけられるかもしれないが、追放という形だったらそんなこともなく平和に冒険者ができるな。
「そうか分かりました、ならここでお別れですね」
「ああ、清々したぜ! じゃあな役立たず!!」
そう言いウィル達は来た道を戻り、迷宮へと消えていく。
“転移の聖剣“を使って帰るか、まずは冒険者登録だな……。
行き先は……そうだな、魔界から一番離れたリルドの街へ行こう。
あそこだったら平和だしのんびり暮らせそうだ。
聖剣の能力を使うと視界が瞬時に移り変わり、リルドの街から少し離れた場所に着いた。
「よし、人目につかない場所ならこの辺りだろう」
転移は一度行った場所にしか出来ないが、リルドの街だったら一度だけ行ったことがある。
やっと勇者達のお守りから解放され、目的地へと向かっていたが、途中であることに気付く。
「そういえばあのダンジョン“行きと帰りで構造が変わる“んだったっけ……」
「ま、いいか」
144
あなたにおすすめの小説
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
勇者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者37歳……実はパーティメンバーにヤバいほど慕われていた
秋月静流
ファンタジー
勇者パーティを追放されたおっさん冒険者ガリウス・ノーザン37歳。
しかし彼を追放した筈のメンバーは実はヤバいほど彼を慕っていて……
テンプレ的な展開を逆手に取ったコメディーファンタジーの連載版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる